スーパーマリオ〜ヨルハ真珠湾降下作戦記録〜   作:うぇいかた

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Chapter 14「新たな疑念」

地球へ降下して、初めての地上での戦いに勝利。

機械生命体ではなく、未知の巨大クリーチャー“ボスパックン”との戦いに勝利。

 

 

機械生命体との戦争を前提にした模擬戦闘訓練で培った自身の能力で、全くの未知の敵と激突し勝利を掴んだのだ。

 

内気で自信が無い気弱なA2が、この戦いの勝利によって大きな喜びと自信となった。

 

 

   『私はやれば出来る・・!!』

 

 

今までに心の中に閉じ込めてた殻が割れようとしてた。

いつも一号や他の仲間たちの支えで、戦闘模擬訓練にしてた彼女は常に「私なんか・・」と自身が持てなかった。

 

 

 しかし、“この戦いの勝利”で彼女の情状が大きく動いたのだった。生き残った仲間との連携で、未知の巨大クリーチャーを打ち倒した。

 

 

  『ヨルハは未知の敵にも対応できる』

 

 

A2の他にも四号、十六号、二十一号も同じ情状であった。

孤立無援で暗い中、手を取り合う様に進む中で、情報になかった敵との戦いの勝利に、希望の光を感じたのは全員同じ気持ちだったのだ。

 

 

四号

「いやぁ〜、びっくりだよぉ‼︎まさか、地球での最初の戦いが未知の巨大生命体と戦うことになるなんてねぇ。」

 

 

十六号

「へへへ。これがアタシらヨルハの力って訳さ!!まぁ、この戦いではアタシの活躍が大半だよな?」

 

 

そんな中、これからの事も先を見通してた二十一号は冷静に理知的に

「戦闘模擬訓練で培った機械生命体との戦い方が通用しない相手でしたが、これから向かう戦地では訓練通りにはならないと思った方がいいですね。」

 

 

  現実を突き付ける一言を放つ。

 

 

四号

「そうだよね。これからアタシたちはもっと激しい戦いに身を置くことになるから、ここで安心しちゃいけないよな・・。」

 

 

十六号

「未知の敵とは言え、たった1体倒しだけで満足しちゃ行けねーよな。」

 

 

そう、彼女たちの目的は『長年膠着してる機械生命体とアンドロイドとの戦争に決定打を与えること』

 

 

“ボスパックン”という未知の存在を倒しても、機械生命体とアンドロイドとの戦争には全く関係ないことだ。

むしろ、司令部の命令から逸脱してる事にすらなる。

 

 

 それでも、たった4機しかいないA型部隊率いるA2にとっては嬉しい気持ちが一杯だった。そんな彼女の頭の中に

今は亡き一号の言葉が頭がよぎった。

 

『『 二号、お前には無限の可能性が有るんだから、ビビらずに自信を持て‼︎お前もやれば出来る。私たちは最強のA型部隊なんだからな‼︎ 』』

 

 

 ただの励ましの言葉かと思ってた。だけど、今はそれが違うと分かった。あの時の1号の言葉は自分の事を見出してたんだと・・。そう思った瞬間、意識してないのに目から一粒の雫が滴り落ちた・・。

 

 

「一号隊長・・・、私・・私は・・私は・・。」

 

 

 とても感慨深い情動にかられて震えてるA2に四号は微笑みながら寄り添い、彼女の肩に手を置く。

「二号、自信持ちなって。戦闘模擬訓練になかった未知の敵を倒した事に誇りを持っていいでしょ?」

 

 

「四号・・・」

 

 

「これからアタシたち3機を引っ張っていく隊長なんだから、もっと強気で行こうぜ?」

ウィンクをしながら、A2に労いの言葉をかけた。

 

 

「ありがとう・・四号」

震える声だけど、A2は地上に降りてか、今までにない微笑みを浮かべた。

 

 

十六号

「おいおーい、二号!?お前浮かれてんじゃねーよ。初めての地上での戦いに勝ったとは言え、コイツは機械生命体じゃねーんだぞ。こんな奴倒して・・」

 

 彼女の現実を突き付ける発言をするが、四号はそれを遮るかのように、左手を横へ伸ばしながら

「おいおい十六号?アンタ少しは労いの言葉くらいかけてやる心遣いはねーのかよぉ?」

 

十六号

「はぁ?四号、お前何言ってんだよ?このデカ花野郎倒して感動して涙流してる所じゃねーだろ。アタシらは機械生命体との戦い・・」

 

 

四号

「そんな事は二号自身だって分かってるよ‼︎でもさ、今まで不安と恐怖で震えてばかりだった弱気な二号が、先立ってボスパックンに攻撃してトドメをさしたんだよ。」

 

 

 彼女の刺さるような語気にハッと気づいたかのように

「そうか・・、そう言いたかったんだな。すまねぇな二号、冷たい事言ってしまって・・。」

十六号は片手で後頭部をさすりながら、謝罪の言葉を口にした。

 

四号

「そうそう♩あの“ クソ弱気でモジモジばかりの内股でオドオドばかりの役に立たなそうなダメダメな二号ちゃん”が未知の敵に勇敢に立ち向かったんだよ。内面が成長したんだから、そこを褒めるべきなのよ♫」

 

 

「ちょ・・ちょっと////余計な一言が多いですよっ⁉︎///」

二号は目を見開き、ムキになるように声を強くなる。

 

 

十六号

「はははは?まぁ地上降りる前からずっと、そうだったもんな?はははは」

 

 

   ・・・

 

 

3機の掛け合いをみて、クリオがニコニコしながら

「へへへ////オイラの知恵が姉ちゃんに役に立てて何よりだよ。」

 

二十一号は冷静ながらも口角だけは少しだけ上がってた。

「まぁ、これで隊長である二号が常に前向きであれば、今後の作戦に少し・・まぁ微小レベルで遂行率は上がるかしれませんね。」

 

 

クリオ

「だけど、村人の何人かはこの森で行方不明になってる原因って何だろうな?」

 

 

二十一号

「そこですね。森の謎の生物の正体はボスパックンであると言うのは判明しましたが、村のクリボーたちが行方不明なってる原因を突き止めないと、クリ村の問題解決にはなりませんね。」

 

 

彼女の冷静で現実的な一言で3機は息を整えて少しだけ静かになった。

 

 

 彼女たちはボスパックンを倒したものの、村のクリボーたちが行方不明になっている原因が明らかになったわけではなかった。さらなる調査をしなければならない。

 

 

 

A2

「……ボスパックンがこの森に巣食っていたのは確かだけど・・・それが村のクリボーたちの行方不明に関係しているかはまだ分かりませんね・・。」

 

 

 四号は既に倒れて、のびてるボスパックンに視線を向けた。徐々に眉間にシワ寄せて、目つきが鋭くなった。

「まさかとは思うけど、コイツが村のクリボーたちを喰ったってオチはねーだろうな?」

 

 

二十一号は小さく息をつきながら、村人たちの行方不明事件に対する分析を続ける。

「クリボーたちの行方不明とボスパックンの関連性を証明する明確な証拠はありません・・・。ボスパックンが捕食していたのであれば、何らかの痕跡が残っているはずですが、それらしいものは見当たりません。」

 

クリオ

「アイツのさっきまで喋りからしたら、オイラたちを侵入者と見なしてたよ。それに捕食であれば真っ先にオイラを狙ってたはず。だから捕食されたって言うことは考えられないんだよね。」

 

 

クリオの言葉に皆が納得した。

ボスパックンが村のクリボーたちを襲って捕食してるのであれば、“未知の存在であるA2”たちに目もくれずに真っ先にクリオを狙うはずだ。

 

A2

「・・となると、どうして村のクリボーさんたちは森の中へ消えてしまったんですかね・・?」

 

四号

「村で何か、ええと?何て言えばいいのかな?あれかな?昔からの記録的なモノって何か知ってる?」

 

 

二十一号

「それですね。クリオ、クリ村やこの森について過去の記録データとかは知ってたりしますか?」

 

 

クリオは少し考えるように

「村のじいちゃん、ばあちゃん達はこの森で行方不明になる事を“ 森の神隠し”みたいなことを言ってたよ。」

 

 

十六号

「神隠し?それはアタシらが知らない概念というべきか?」

 

 

二十一号

「我々ヨルハから見れば非科学的で非現実的な事象といったところですね。対象物が周囲の痕跡を残さずに忽然と消えるというのは、一般的な物理法則に反します。しかし、地球にはまだ我々が知らない事象が数多く存在しているのは事実です。」

 

 

十六号

「ふーん、つまり“ありえねぇ”ってわけじゃねぇんだな?」

 

 

二十一号

「そうですね。ただ、“神隠し”という言葉に惑わされず、理論的にかつ現実的な視点で考察する必要があります。」

 

 

四号

「まぁ、現象の名前がどうであれ、消えたクリボーたちを見つけないとねぇ。」

 

 

クリオ

「じいちゃん、ばあちゃんたちが言うには、奥へと吸い込まれるように人が消えてくんだって…。でも、叫び声も聞こえないし、足跡も残らない。まるで…森に溶けるみたいに。」

 

 

A2はその話を聞いて、少し考え込む。

 

 

A2

「…つまり、目撃情報はあるけど、具体的に何が起こってるのかは誰もわかってないって事ですよね?」

 

 

 

クリオはコクンと頷いた。

「そうなんだよ。この“神隠し”は数十年に1回あるか無いかと言われるくらいの魔訶不思議な出来事だったんだ。2年前くらいになって急に増えたんだ。」

 

 

四号

「最近になって?しかも“2年前”って・・・。それって何かキッカケがあったってこと?」

 

 

クリオ

「うーん…。あっ、そういえば、村のじいちゃんたちがこんなこと言ってたな。『森の奥で“何か”が目を覚ました』って。」

 

 

その言葉に、A2たちは一斉に反応した。

 

A2

「“何か”が目を覚ました…?」

 

 

二十一号

「非常に興味深いですね。ボスパックンの存在と関係があるのかどうか…。調査の必要があります。」

 

 

十六号

「へへっ、要するにこの森にはまだヤバいのがいるってことだろ?面白くなってきたじゃねぇか!」

 

 

四号

「いやいや、十六号、もうちょっと慎重になろうよ。だって、村のクリボーたちがこの森に入り込んで全員が行方不明になってるんだよ?もしも私たちまで巻き込まれたら…。」

 

 

A2

「…それでも確かめるしか・・機械生命体かもしれませんし・・・。」

 

 

A2は森の奥をじっと見つめながら、静かに決意を固めた。

 

 

ーー これは私たちヨルハの“やるべき事”なのかと・・・ ーー

 

 

彼女の言葉に、四号も十六号も静かに頷く。

その中、クリオがある事を口にする。

 

 

クリオ

「あと神隠し以外であるなら、オイラ達の村は“迦楼羅様(カルラさま)”に守られてるって昔からの伝承があるよ。」

 

 

四号

迦楼羅様(カルラさま)って、確か村の広場に建っていた銅像の事よね?」

 

 今朝、この森へ入る前に村の広場へ足を運んだ時に建っていた銅像。クリボーたちの村とは場違いすぎる頭が鳥、身体が人型、背中に大きな翼を生やした異形の像。見る者を押しつぶすような険しい眼差しが特徴だった。

 

 

 しかし、その迦楼羅様の銅像が村のクリボーたちの失踪に関係あるのは無理がありすぎるこじ付けに思えてくる。

 

 

「迦楼羅様って、クリオたちの村に昔から伝わる“守護神”とされる存在でしたよね?・・確か炎をまとった大きな翼を持つ鳥人間で、外敵から村を守ってくれたって伝説があるとか・・」

 

A2はクリオが銅像に対して楽しそうに語っていたのを思い出しかのように、口を開く。

 

 

十六号

「へぇ、そりゃまた随分とファンタジックな話じゃねぇか。」

 

 

二十一号

「興味深い・・・ですが、伝承に残る守護神のが実在するという証拠は乏しいですよね?」

 

 

クリオ

「うーん…実際に見たって話はほとんど聞かないんだよ。かなり大昔、村が襲われそうになった時に“炎の嵐”が起こって、敵を全部焼き払ったって話があるよ。それ以来、迦楼羅様が見守ってくれてるって言われてるんだ。」

 

 

四号

「でもさぁ、その伝説が今回の“神隠し”と関係あるのかなぁ?」

 

 

A2

「…もしその伝説が本当だとしたら、守護神のはずの迦楼羅様が、なぜ村人を守るどころか消えるような現象が起こしてるのか、気になりますよね・・・。」

 

 

二十一号

「確かに・・・。その伝説が事実ならば、何らかの異変が起きている可能性があります。」

 

 

クリオ

「そうなんだよ…。じいちゃんたちも『迦楼羅様の力が弱まったのかもしれない』とか言って心配してる。でも、そもそも本当にいるのかどうかも分からないし…。」

 

 

十六号

「へへっ、そりゃあ実際にこの目で確かめてみるしかねぇよな!」

 

 

A2

「……それでは、“神隠し”が起きた場所を調べてみましょう。そこに何か手がかりがあるかもしれません。」

 

 

彼女の言葉にクリオは少し考えた後、

「それなら、この森の北にある“カルラ山”が怪しいかも!最近、神隠しにあった村人たちは皆、“カルラ山”方面で最後に目撃されてるんだ!」

 

カルラ山方面で村のクリボーたちが失踪している事。彼女達はその山に“神隠し”の真実があるでは?と満場一致で察した。

 

A2は皆の顔を見合わせ、静かに頷いた。

「でしたら・・次は“カルラ山”に向かいましょう・・‼︎」

 

 

 

四号、十六号、二十一号は左手を胸に添えなが元気よく

 

  『『『 了解 』』』

 

 

 

こうして彼女たちは、この不可解な“神隠し”の正体を暴くため“カルラ山”へと向かうことを決意するのだった――。

 

 

 

 

 

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