作者自身、識の律者は結構お気に入りであり、ゲームでかなりの人気が出ているので早くフィギュア化してくれたりしないかなーとか思って待っています。ちょくちょく崩壊3rdのキャラクターのフィギュア化が出ている時があるのでワンチャンあるか?
薄い暗い霧が漂う空間に無数の岩の柱と大きな鎖が一面に伸び、剣と槍が突き立てられた太虚山のような風景。太虚山から離れた場所からはそこが見えない谷が広がっており、太虚山のある場所だけが唯一の足場となっていた。
そんな空間の中で2人の人影が素早く動き回りながらぶつかり合い、甲高いも短い金属音を響かせながら激しく火花を散らす。
「ふんっ、はああぁ!!」
「ぐっ‼︎」
お互いの武器を火花を散らせながらぶつけ合う識の律者と対極の律者のソーマが睨み合いながら剣と剣、槍と槍と言った具合に様々な武器を駆使しながら激しく対峙し合う。
積極的に攻めてくる識の律者の攻撃をソーマは必死に受け流す。長槍を振り回す識の律者からの攻撃をソーマの開花審槍で受け止め、メイスのように叩き返すが相手に簡単に避けられる。
大振りな大槍では動きが鈍すぎて捉えきれないので開花審槍を一旦手放し、新たな武器を複製する。片刃の長剣を形成し、識の律者の長槍を受け流しながら逆に切り返していく。目で追うのも難しいほどの剣技で的確に識の律者の腕や足を狙って斬りつけるが流石は元が武道家のフカなだけあり、すべて槍の穂で受け止め、器用に回避する。
「アハハッ、流石はソーマ!あの頑固者が修行を積ませただけあってアイツとよく似た剣技を使うねぇ⁈」
「そりゃどうも!」
「あなたが剣を使うのならこっちも合わせてあげますよ!」
こちらに向かって槍を投擲してきた後、識の律者は両刃剣を構えソーマに斬りかかる。お互いに激しく火花を散らせながら剣同士を切り結んでいき、互いにカウンターや見極めをしながら玄人の如き剣捌きを繰り出していく。
戦い方を変えてソーマが両手に双剣を構えて斬りかかると対する識の律者も同じように双剣を構えて斬り返してくる。お互いに譲らない攻防戦を繰り広げるが膠着状態を打開する為に識の律者は大量の剣を召喚し、空中から剣の弾幕をソーマに目掛けて放つ。ソーマは咄嗟に自身を守るように使い魔の守護者を召喚し、守り手に大剣を持たせながら剣の弾幕を振るい落とすように薙ぎ払いながら打ち消す。
識の律者に目掛けて守護者の斬撃を飛ばすが、識の律者が取り出した蛇腹剣と赤い鎖に寄って全体を縛り付けられ、守護者の動きを無理矢理止められる。
宝剣に跨り、空中から識の律者は術式で大量の剣の雨を形成しながらソーマに目掛けて撃ち放つ。
対するソーマも岩場を飛び乗りながらその場を離れながら高くそびえ立つ岩の柱から繋がっている鎖を足場にして伝うように素早く移動し回避する。迫り来る剣の弾幕を金属裏のブーツでブレーキをかけ、靴裏と鎖の摩擦から火花を散らし、姿勢を屈ませながらスライディングするように回避する。
「はぁっ!少しは...こっちも話をさせやがれ‼︎」
剣の弾幕を回避しながら両手に持った剣で襲いかかる剣の矢をいくつか叩き落としながら識の律者に対して悪態をつく。
「はっ!私のことを全否定してた癖に何を偉そうに⁈」
「いいからまずは聞いてから判断しろっての!この分からず屋‼︎」
お互いに武器を交えながらそびえ立つ岩場を飛び乗り移動しながら距離を取っていく。その中でソーマは識の律者に対して言葉を紡ぐ。
「ハァ...ハァ...全く...いいか、よ〜く聞け。俺はたしかにお前のことをフカとは似ても似つかない存在だからフカではないと否定はした!」
「知ってますよ!だから何だっていうんだ⁈まさか今更になって態度を改める魂胆なの⁈」
「いいから聞け、せっかちなヤツめ!俺はお前の事をフカではないと否定したが、お前自身を否定する気は全くはない!」
「何が言いたい⁈」
ソーマからの意外な返答に識の律者は攻撃の手を緩めるが、かと言って完全に戦意を緩める事なくソーマに対し警戒を続けていた。そこからさらに追い打ちをかけるようにソーマは彼女に対し自分の本心を訴え続ける。
「お前はたしかにフカと似た特徴と性格もしている。だかお前の精神性はフカとは異なるし行動の仕方も全く違う。はっきりと言って考え方は大雑把でいい加減、思い込みも激しい所もあったりと、でもそれでいて賢く鋭いところもあったりと似ても似つかない。...だから識の律者、俺はお前のことをフカではなく、識の律者というひとりの存在として見ている」
「しれっと私の事をディスってるのはともかく...フカではなく...私自身を?」
「...ああそうさ。お前はお前であり、フカにこだわる必要はないと思うんだ。少なくとも俺は短い間とはいえ、律者であるお前と対面し、言葉を交え、お前の考えを聞いてそんなに悪い奴とは思えなかった。...お前の人となりは優しい人のそれだ。そんなお前を俺はひとりの人として受け入れたいと思った。...フカではなく、識の律者というひとりの人として。...まぁ、律者を人間と呼べるのかは分からんが...」
「...受け、入れる...」
ソーマから伝えられた発言に識の律者は動きを止め、先程まで否定された癇癪で暴れ回った彼女の頭の中を冷静にさせ、迷いを生じさせる。
識の律者は...彼女は自分自身がフカである事を強く求める為に強いフカを目指していた。考えの甘い後悔してばかりの敗者なフカではなく、常に最善で後悔のない最適解を選べる完璧な
しかし、そのフカは果たして人間味があるのか?今更過ぎた過去を私は絶対にこうはならないとほざいた所で問題は解決するのか?そもそも今の私だけであの忌々しい大主教のオットーを倒せたのかと自問自答する。
...しかし彼等は失敗や後悔ばかりではあるはずの人間くさい行動の甘さと優しさを持つフカを求めていた。なぜか完璧な
だか目の前にいる彼はそれを理解しそれらを踏まえた上で完璧な
相手に存在を否定されてばかりな自分がまさかこのような形で自分自身を肯定されたという事で初めて湧き立つ不思議な不快ではない未知の感情に動揺が止まらなかった。
「っなら...ならその言葉を行動で示してみなさい‼︎口だけでいうだけならいくらでも言える‼︎」
「ああ、分かってる。だから先に前もって俺の本心を知って欲しかった。...言葉は話さなきゃお互いの思いも伝わらないだろ?」
ソーマからの本心を聞き届けて識の律者はしばらく自身の考えに迷うが、この男になら少しくらい素直になってみてもいいかと考え、彼を試してやろうと考えを改めた。
「フン...なら私も本心を言ってやりますよ。...正直言ってあなたに肯定されたときは思わず本気で嬉しいと思ってしまいましたよ。...ほんとならもっと早くあなたの様な人と友達になりたかった。けどそんな都合よく出会えるものじゃないことも知っている」
「...ああ、俺も識の律者みたいな友人がいたら毎日が楽しそうだと思った。まぁ、キアナみたいに振り回されそうだけど...」
「っ、...ええ!だからこそここはお互いの友情の証を試す為...私と満足いくまで闘い合いましょう‼︎」
「イヤなんでそうなる⁈」
こちらの本心を語り、理解してもらえたかと思ったら識の律者も同じように受け入れて吹っ切れたのか、再び再戦を申し込んできた。
「あなたの話は理解したけど、さっきの話の為に無理矢理闘いを中断されてしまったせいでこちとら不完全燃焼なんです!それにお互いの友情を拳で語るとかいう展開があるじゃないですか?あの頑固者が昔読んでいた漫画とやらに描いてありましたよ?」
「いやそれどっちかっていうと男同士の友情の試し方だろ!というかフカってそんな青春臭い漫画を読むんだ...なんか意外」
「もう話は終わりましたね?終わりましたよね⁈なら続きを始めましょう!ということで...覚悟しろ!!!」
「理不尽‼︎」
話を終えて早々に識の律者からの全力攻撃をかまされるが最初の戦闘のときとは違い、全力で殺しにかかるのではなく、私の攻撃に打ち勝って見せろという雰囲気を見せつけていた。
「ああくそ、こうなったらぶっ飛ばしてやる‼︎覚悟しやがれ‼︎」
識の律者が新たに用意した大剣での薙ぎ払い攻撃をもう一度開花審槍を手にしながら防御し、反撃を始める。しかし、激しい猛攻で戦い続けていくうちにソーマ本人が運用している武器が度重なる攻撃でじわじわとヒビが入り出し、外装が外れかかる。
「ッ⁈マズイ、開花審槍が‼︎」
「一気に決めさせてもらいます!太虚の剣‼︎」
識の律者がさらに力を高めたのか自身の外装がやや変化し、赤い鎖が周りを囲み赤い斬撃を纏った大剣の一撃が襲いかかる。壊れかけの開花審槍で咄嗟に盾にしたために、ついに武器の外装が砕け散ってしまう。
斬りつけられた太虚の剣の一撃で周り一体が吹き飛んでいくが煙幕が晴れ出すとソーマが手にしていた攻撃で破壊されたはずの開花審槍の姿が大きく変わっていた。ランス状の花弁を連想させるデザインから黒と青紫のグラデーションをした細身の螺旋状の二又の長槍が現れていた。
「か、開花審槍が...生まれ変わった...のか?」
新しく姿が変わった自身の得物の姿に困惑しながらも自身の脳内からこの武器の名前が無意識のうちに浮かび上がり、思わずに口に出す。
「...対極の陰月・虚空...それがコイツの名前か。初めて見たのに何故か...懐かしさを感じる...」
新たな姿に変わった長槍を手に識の律者と相対する。今ならコイツで目の前の奴に打ち勝つことが出来そうだと無意識に感情が高まっていく。
「武器が新しくなったからって私に勝てなきゃ意味がありませんよ!私の最大の一撃を受け止めてみなさい‼︎太虚剣神‼︎」
巨大な宝剣を浮かせながらその上に飛び乗った識の律者が、自身の額からエネルギーを放出し、上空を真っ赤に染め上げながら発生した紋様の陣から巨大な燃え上がる禍々しい鳳凰を召喚し、ソーマに目掛けて解き放つ。激しく燃え上がる爆炎の塊である鳳凰が襲いかかるのに対し、ソーマは静かに自身の武器である対極の陰月を構える。精神を研ぎ澄ませ、自身の崩壊エネルギーの力を自身の武器に行き渡らせると槍が有機的に変形し、二又の先端がさらに割れるように槍そのものが大きく変わる。
ソーマは手にした槍を迫り来る鳳凰に向けて構え、槍の先端から術式の様な紋様と強力なエネルギー体を形成し、崩壊の力の余波を撒き散らしながら必殺の一撃の照射ビームを放つ。
「これで決めてやる!...太虚一条...‼︎」
放たれた対極の陰月の砲口からの超高密度のエネルギー体のビームの一撃が激しく衝撃波を飛ばしながら識の律者の太虚剣神とぶつかり合い激しく拮抗し合う。
「ッ⁈まさか太虚剣神に似た技⁈」
「残念ながらそんなすごいものじゃないさ!だかやるしかない!お前に勝つ為に‼︎」
「こっちも負けてたまるかー!!!!」
全力で力を込めてお互いの一撃必殺をぶつけ合い打ち勝とうとするが、ぶつかり合ったエネルギー同士が融合しだし、その密度に耐えられず大規模な爆発を起こしてあたり一面が真っ白な光の景色に染まる。
その衝撃に耐えられず、お互いの意識がブラックアウトしてしまう。
大爆発に巻き込まれ、気を失ったソーマは目を覚ますとそこには先程までの霧のかかった太虚山の風景がなくなっており、かわりにあたり一面が淡く白い空間が広がっていた。
「ここはいったい...もしや負けたのか?」
「あ、やっと目を覚ましたね?」
近くから聞こえてくる声に振り向くとソーマのすぐ隣に腰掛けていた識の律者の姿があった。
「えっ?識の律者⁈何でお前がすぐ近くに...まさか二人揃って爆発に巻き込まれて死んだ的な感じか?」
「はぁ?んなわけ無いでしょ。律者である私達がそう簡単に爆発程度で死ぬわけ無いっての」
「じゃあ何だ、爆発に巻き込まれて太虚山がぶっ飛んでしまったとか?」
「正しくは私の意識の力で創り出した幻の太虚山が吹き飛んで空間術が破れただけですが...はぁ、まさか私の最大の一撃が突破出来ないだなんて...ああもう!悔しい!悔しい‼︎しかも太虚剣神のパチモンみたいな技に止められるなんて!ほんっと屈辱だ‼︎」
「...しれっと俺の技をコケにしやがったなお前。とりあえずいったん落ち着けって」
「はい落ち着きます」(スンッ)
「うわぁ!いきなり落ち着くな‼︎」
「全くあなたは騒がしいヤツですね。「お前がいうな!」まぁいいでしょう...それよりもソーマ、あなたが私の太虚剣神を止めたあの技はいったい何なんですか⁈私がのぞいた記憶の中でもあんなのありませんよ?」
「...ああ、あれか。正直名前の方は半分ハッタリみたいなものさ。ただまぁ技の方に関しては当時、フカに修行と鍛錬をつけてもらってたときにうまく崩壊エネルギーを制御出来なかった俺に対して秘伝の流派を教えてくれたんだ。...最近になってあれが太虚剣気の流派のひとつだとようやく気づいた」
どうやら彼の過去にフカがソーマの崩壊エネルギー制御の不安定さを解消する為にこっそりと太虚剣気の流派の一部を学ばせてたようで咄嗟にその場で識の律者が太虚剣神を放ったときに同じ流派の応用で打ち消せないかと力技でぶっつけ本番の迎撃を試み、荒削りではあるものの、まさかのその場で打ち消すことに成功したというのだ。
「ふーん?あの朴念仁がねぇ...なーんか気に入らないね」
「識の律者?」
ソーマが話した過去話のフカのことに対して不満げにしているとしばらくして識の律者が何かを感じ取った様な表情をし、言葉を呟いた。
「...あっ...もうひとりの本体の私がキアナと戦って負けたようです...」
「キアナが勝ったのか?...はぁぁ...本当に良かった!...」
キアナがもうひとりの識の律者との戦いに打ち勝った事にソーマは心の底から安堵しながら息を漏らすが、肝心の識の律者はその反応に対し不満げであった。
「むっ...そんなにキアナのこと方が大事なんですか?」
「そりぁあそうだろ?俺の幼馴染で大事な親友なんだから心配しない訳がないっての」
「ふーん...いいですねぇ?キアナはソーマに大事にして貰えて...あの朴念仁もあなた達に慕われてて...それに比べて私は...私を求めてくれる人は...いないし...」
「うん、何を言ってるんだ?ここにいるだろう」
「え?」
「俺がお前を拒絶してたらまずこんなに親しげに話さないだろ?俺はお前を肯定するし、フカじゃなく識の律者という人物として受け入れたんだ。だから今のお前は俺にとっての新しい友達みたいなものだ。だから俺を頼ればいい」
「ソーマ...」
ソーマに自身の事を肯定され、受け入れられた事で一時的に静かになるが再び識の律者は口を開く。
「...識の律者呼ばわりはなーんか、他人行儀でイヤです。愛称はないんですか?」
「え?う〜ん...安直だけど
「識...シキ...まぁそれでいっか。...なら私を呼ぶときはそれで決まりです!さぁ私を呼んでみて?さぁはやく!」
「はいはい分かったよ。...それじゃあ、
「もう一回」
「
「もう一度!」
「
「さらにワンモア!」
「しつこい!」
「冗談です。これで私達はズッ友で確定です!当然イヤとは言わせないので覚悟しなさい?」
「なんでお前と友達になるだけで覚悟が必要なんだか...もっと気楽にさせろ」
「...なぁ、キアナの方の
心配そうにそう尋ねるが
「大丈夫ですよ。意識は共有されているんで本体の私と統一されてもソーマの事を忘れる事はありませんし...何より私が消えてしまったらあの朴念仁まで死んでしまうのでそれはあり得ません」
「そうか...よかった。ただフカがお前の事を受け入れてくれるかちょっと心配だな。まぁ、あの人のことだから敵対の意思がなければ余程のことじゃないかぎり拒絶されることはないと思うけど...」
「フフ、友に心配されるとこんな気持ちになるとは...以外と悪くないですね♪」
「人が心配してるとき何罰当たりな事を考えてるんだ全く...」
しばらくして
「...もう元の本体に帰るのか?」
「ええ、でもまだ何処かで会えますよ。あなたの太虚剣気は雑であまり見られたものじゃないのでまた会ったときは私の型を教え込んでやります!」
「おいおい勘弁してくれ。俺を武術家にでもジョブチェンジさせる気か?」
「ほうほう、それも面白そうですねえ?...まぁ、本当はあの朴念仁が修行をつけていたこと事態が気に入らないだけなんだけど...」
「なんかいった?」
「いえ何も?...それじゃあ私はもう行きます。絶対に会いに来るんで首を長くして待っていてくださいよ?我が友」
「はいはい。また待ってるよ
軽い足並みで楽しそうに去っていく
「元の現実に戻ったんだな...」
周りを眺めていると少し離れた場所の近くにフカらしき人物がいた。フカを見つけたソーマは近くへ駆け寄って行く。
「おーい、フカ!無事か?というか生きてるか?」
ソーマの掛け声に気づいたフカが振り向きメガネを正しながら自分は大丈夫だと伝えてくる。
「ソーマ...ええ、私は大丈夫です。彼女とも話をつけて来ました。あなたには迷惑をかけましたね」
「全くだ。こっちはいろんな事に巻き込まれまくって踏んだり蹴ったりだ。あの時のフカが天命側についていた話を聞いたときはは本当に焦ったぞ?」
「それは...本当にごめんなさい」
「...けどフカが無事で本当に良かった。...渡世の羽や
「...ええ、今回はあなた達の助けがなければ命を落としてました。...ありがとうソーマ。やっぱりあなたやキアナに会えて本当に良かったと心の底から思います」
「なら、今度からあんまり厄介な隠し事は無しだぞ、委員長?」
「フフ、分かっていますよ」
しばらくするとまた別の離れた場所から闘いで負傷したブローニャを重装ウサギが腕に抱えた姿と共に此方に駆け寄って手を此方に振ってくるキアナの姿のが見えて来た。
「それじゃみんなの元へ帰るか、フカ」
「ええ、みんなに迷惑をかけた事を謝らなければ...」
「謝られるよりは助けてくれてありがとうって言われた方がみんな嬉しいと思うだけどなぁ」
「確かに...それもそうですね」
ソーマと共に歩き出すフカのその後ろ姿はまるで付きものが落ちたように軽やかな雰囲気を感じさせていた。
彼らは命の危機に瀕した仲間の一人を崩壊の脅威から救い出す事に成功したのだ。
まだまだ崩壊の脅威が絶えないこの世界でこれから先どのような困難に直面するかは誰にも分からない。しかし律者に打ち勝った彼等ならその脅威にも打ち勝つことも決して不可能ではないのかも知れない。
・対極の陰月・虚空
ソーマが主武装として運用している開花審槍が砕けて現れた本来の姿。神の鍵である武器達とよく似た特殊な性質を持ち、自身だけでなく虚数空間に存在する膨大な崩壊の力を掌握し、放出することができる権能をもつ。その為、本武器は高純度の崩壊の結晶体を形成し形にした武器でもあり、崩壊耐性のない人間が触ればすぐに崩壊の侵食に蝕まれる危険性があり、実質的に律者専用の武器である。
・太虚一条
ソーマがその場で意表を突くために咄嗟に名付けた技名。ただし、崩壊エネルギーを効率よく伝達させて強力な一撃必殺を放つ為にフカから継承した太虚剣気の流派の技術を利用して技を編み出しているのである意味太虚剣気の別バージョンの技ともいえなくもない。
対極の陰月を変形させて先端から極太ビームを放つ。大気圏を突破するほどの威力と射程距離をもつが崩壊エネルギーが一気に枯渇する為、連発はできない。