飛ぶ理由を探した者   作:Jr.404

2 / 37
ある程度崩壊3rdのストーリーに加え、その細かい設定もいくつか見たことがあるんですがなかなかに内容が難しくて理解するのにかなり時間がかかりました。もし世界観やストーリーを隅々まで知り尽くした方がおられたら是非とも教えて貰いたい所存です。

 ソーマとほーよー(模造十字架)、あんえー(暗影の十字架)の組み合わせシーンのイラストを描いてみました雰囲気を楽しんで貰えばと思います。

【挿絵表示】



二話「学園での日常」◇

 学園での座学がようやく終わり、約束していたキアナとの補習の手伝いにいく道中、偶然と誰かとすれ違う。

 

「おや?だれかと思ったらソーマ、貴方でしたか」

 

 すれ違った相手から自分の名前を呼ばれた事に気づき、顔を向くと、灰色に近い髪色に赤縁メガネをかけた蒼い華服姿のいかにも生真面目そうな雰囲気の人に出会った。

 彼女の名はフカといい、聖フレイア学園に所属する戦乙女で文武両道で努力家であり、その上学園の生徒内でも一番早くのA級戦乙女に昇格した凄い人であり、同時に脳筋スタイル全開のクソ真面目な我らの委員長である。

 

「ああ、委員長。まあ、いつものキアナの補習手伝いってやつだよ」

 

「はあ...またですか。この前まで芽衣さんに補習や勉学の手助けをしてもらっていたというのに。まったく、一暴十寒な考え方を続けてたらこの先もっともっとキツくなるというのに。まぁそれはともかくとしてソーマ、キアナ程ではないとはいえ、貴方は学力の方は問題なさそうですか?」

 

「いや、アンタは俺のお母さんか何か?。…流石に芽衣やブローニャほどの好成績って訳じゃないけど悪くない線はいってると思う」

 

「なるほど、とりあえず学力の方はキアナと違って心配の必要なさそうですね。...技能成績の方はどうでしたか?」

 

 技能成績の方について聞かれた途端に、ソーマは居心地の悪そうな気まずい顔をし始めた。

 

「あぁ...いや、その...最善は尽くしたんだ。赤点ほどではないんだけど、結果は察しの通り…」

 

話の内容を聞いたフカはしばらくの間何か考えこむようにぶつぶつと呟いたあと、ふたたび口を開く。

 

「戦闘訓練中に何か体に違和感は?」

 

「違和感?...あるとすれば自分の思考感覚と身体の反応によく分からないズレのようなものを感じるかな。そのせいで時々、運動音痴みたいな人みたいな鈍臭い動きになってしまうことがあったな。お陰で、ギリギリ回避行動の訓練を取るときに何度鼻が擦りかけたことか」

 

「身体の反応にズレですか...。しかし貴方の戦闘訓練を時々観察してみたときは確かに動きにムラがある動きをしてた時もたびたびありましたね」

 

「ああ、そういえばそんなもあったな。体の動きがぎごちなくなるか反応が悪くなる時もあればいきなり身体能力が跳ね上がったように、身軽に動き回れるようになりだすときもあったりと確かにやたらとムラが多いんだ。...身体の調子がおかしいのか?、う〜ん」

 

今まで感じた体調の状態について話の内容を伝え、またフカが考え事をしだしたと思えば、何かを決断したようにこちらに顔を向ける。

 

「ソーマ。貴方は一旦、キアナの補習の手伝いの予定をキャンセルしてください。それとあとで訓練所へ着替えてから来るように。私の方で彼女に諸事情でソーマを一旦借りる事になったと伝えておきますので」

 

 フカからのいきなりの予定変更指示にさすがに動揺する。

 

「いや、待て待て、いきなりすぎるって!せめて理由くらい教えてくれ!」

 

「そうですね。いきなりすぎましたが簡単に説明すると、今の貴方の身体の状態が思ってよりもあまりよろしくない状態であるが確認できたので私がその対策のために貴方を訓練所に連れて悪影響を与えている元凶を治療し、正常な状態に保たせるためです」

 

「俺の身体の状態ってそんなにヤバイのか?」

 

「そこまで危険な状態という訳ではないけれど、そのままにしておくと今後の戦闘に致命的な欠点を招くリスクがあります。詳しい話は訓練所でちゃんと話しますので、急で申し訳ないですが戦闘服に着替えて準備してください」

 

 急な予定変更で放課後であるのにも関わらず、補習のような活動に参加させられる事になった。ただ、先程の説明を聞くと放置しておくと後々面倒な事になるといわれると流石に無視できないので嫌々とフカに指示されたとうりに着替えて訓練所に移動する。キアナには悪いが姫子先生とワンツーマンで補習を受けてもらうしかない。

 

 

 

 

-訓練所アリーナ内-

 

「来ましたね」

 

訓練所に着くともうすでにフカが準備を整えて待っていた。

 

「早っ、フカ委員長、本当にキアナに事情を伝えてきたのか?」

 

「えぇ、もう周知済みです。相変わらず、補習に辟易してたみたいですが、たまには自力で頑張るのも大事です。それはともかくソーマ、さっそく貴方の戦闘実力を見せて貰いましょう」

 

確認を終えたと同時にいきなりこちらに向かって全力でフカが強襲してきた。いきなりの不意打ちに焦るも何とかギリギリの動きで回避行動を取る。

 

「ちょ、い、いきなりすぎる!」

 

「戦場で待ってくれる敵なんて存在しません。ましてや崩壊獣相手なら尚更です!」

 

こちらの懐に素早く入り込み、鋭い寸頸をを繰り出す。何とか回避しながら腕で攻撃を受け流すが身体の動きが段々と鈍くなり、攻撃を許してしまう。

 

(体力的にまだいけるはずなのに、体がいうことを聞かない?!まずい!)

 

気がついたときにはもうすでに顎下に向かってフカの拳が迫っていた。避けられない事を悟ったソーマは、少しでもダメージを抑える為に後ろへ倒れるように軌道をかえ、そのまま一撃をもらいながら吹き飛んでいく。

 

「ガハっ、息ができなく、なりそう。ハァ、ハァ...」

 

「加減はしました。本気だったらとっくに軽く脳震盪を起こしてます」

 

何とか息を整えて落ち着いたあと目の前で構えを解いているフカを軽く睨む。

 

「貴方は何故いきなり私が攻撃してきたか疑問に思いながらイライラしてると思います。ただし、今は落ち着いてください。まず私は貴方の日々感じていた身体の違和感と異常を確認する為に少し乱暴な方法で確認を取りました」

 

その話を聞き、いきなりの不意打ち同然の行動はこの為かと一応納得はしたものの、やはりいくらなんでも粗治療がすぎるだろうと不満を抱く。その後、フカが懐から何かを取り出したかと思えば、何やら青く怪しい液体が入った試験管状の薬品を取り出してきた。

 

「これは、体内の崩壊エネルギーの活性化を抑制し、安定させる為の鎮静剤のようなものです。やはり、予想はしていましたが、貴方の身体の異常は体内にある崩壊エネルギーが悪さをしている可能性が高いです」

 

「体内の崩壊エネルギーが不調を起こすことってあるのか?手術を受けたときはそこまで異常は感じなかったけどなあ」

 

「そもそも貴方の場合、男性なので前例が少ないのです。あとは、普通の人は崩壊耐性がほとんどないのでいくら事前に診断適正を受けてたとしても手術で移植した後に時間経過で異常をきたすことが稀にあるのです。とりあえず、腕を出してください」

 

どうやら体の異常の原因が体内の崩壊エネルギーであるということらしいがやっぱりどうしてもフカが手にしている怪しい液体が入った鎮静剤?モドキを腕にぶち込まれるのには流石に不安と恐怖を感じてしまう。

 

「ほ、本当に大丈夫なのかそれ。見るから怪しいんだけど!」

 

「...大丈夫です。さっき説明したように鎮静剤のようなものです。何も怖くありません。学園長からも許可を取っていますから」

 

「…さっきの間はなんだ。どう見ても怪しい薬品であることを証明している証拠じゃないか!」

 

「ええい、早くしなさい!。なにも危険なことは何もないのだから大人しくしなさい!」

 

もはや、面倒だと言わんばかりに乱暴にソーマの腕を引っ張り、手にした試験管型の鎮静剤?を腕に刺す。刺された瞬間、注射器の針特有の痛みを感じ身体が震えたが、しばらくすると先程の戦闘してたときの気の昂りやイライラ感がなくなり、いつもに増して気分が鮮明になる。

 

「…なんか、気分がスゥーっとしてさっきまでの昂りが感じなくなったんだか。ていうか、刺した後の型ができてないよな?」

 

「薬剤の効果が効いてる感じですね。大丈夫です、ほとんど型はついていません。これで長い間、身体の違和感や異常は起きないと思います。とりあえず、今日はしばらく安静の為に戦闘訓練は一旦中止です。また次の機会に手合わせし直しましょう。おそらく、今までのような事にはならない筈です」

 

「えぇ〜、また脳筋なフカ委員長と手合わせとか勘弁なんだけど」

 

「なるほど、私と2人っきりの手合わせ時間を御所望で?「いいえ、めっそうもありません!」よろしい」

 

 その後、そのまま訓練所アリーナを去って行くソーマの後ろ姿を見送ったフカは姿が見えなくなったのを確認し携帯を開き誰かと連絡通話を始める。

 

「・・・私です。例のモノを注入させました、特に問題無さそうです。・・・わかっていますが本当にここまでしなくても・・・、いえ、何でもありません。報告が完了したのでもう切ります」

 

通話を切った後、軽くため息をつき、複雑な心境を抱いた表情で独り言を呟く。

 

「あの子だけでなく、彼も利用しようとするとは、いったい何を考えているのですか?・・・オットー」

 

 

 

 

 

 

 

 その後、体にまた何らかの不調や異常を感じたならフカや姫子先生あたりに連絡する様にと伝えられ帰らされたソーマは、予定より早く用事が終わったついでにキアナの補習の様子を見に教室へ寄りに行くと、丁度補習を終えたキアナか教科書を片付けていた所だった。

 

「おーい、キアナ。補習は終わった感じ?」

 

自分の声に気づいた彼女がこちらに振り向くとなんとも恨めしそうな顔で近付いてきた。

 

「あーもう、ソーマ!アンタがいなかったせいで、めっちゃ退屈すぎて眠くなるたび姫子に名簿帳で叩き起こされたんだからね!」

 

「おいおい、フカ委員長に別件でしばらく俺の事を借りるって言われなかったか?」

 

「だとしても、アンタが隣でふざけて笑わせて気を紛らわせたら叩かれずにすむじゃん」

 

「そんなことしたら、俺の方に姫子先生からの攻撃の矛先が向くだろ」

 

「親友なら、困ったときはお互い助け合うもんでしょ」

 

「都合のいい時だけ親友扱いするな。どっちかっていうとほとんどお前に迷惑かけられてる側なんだけど?」

 

2人で雑談し合っていると、後ろから姫子先生が近付いてきた。

 

「ほらほら、アンタ達いつまでそこに居座ってるの?。早く帰りなさい私もヒマじゃないんだから。それともキアナ、アンタまた補習を続けたい?」

 

「そ、そんな訳ないじゃん。ほ、ほら、早く帰るよ!ソーマ!」

 

ガシッとそのまま服を掴まれ、キアナに教室から引っ張り出される。引っ張られた勢いでグェッと変な声が出てしまう。そのまま聖フレイア学園の外へ出た後、近くにいた芽衣とブローニャの2人と遭遇する。

 

「あ、芽衣先輩〜!。もう疲れたよ〜」

 

芽衣に気づいたキアナがそのまま芽衣本人に駆け寄り抱きつく。抱きつかれた芽衣本人は少し困った様子で仕方ないなと言った顔でキアナの頭をヨシヨシする。隣のブローニャはまたかと呆れた顔で2人の様子を眺めてた。

 

「相変わらずねキアナちゃん。ソーマ君もお疲れ様、今日はキアナちゃんに補習の頼み事をされた感じかしら?」

 

「全くもってその通り。まあ、今日はフカ委員長に別件で呼び出されていたからそこまで被害はなかったよ」

 

「それは運が良かったですね、ソーマ兄さん。バカキアナの事だから補習で基本の基も出来ずに姫子先生を悩ませてるに違いありません」

 

しれっとキアナをディスっているのはブローニャ・ザイチク。元孤児院出身でこの場にいる四人の中でもかなりの小柄で年下であるが、トップクラスの成績と技能を誇る優等生。一方、キアナに抱きつかれているメイ先輩と呼ばれた本人はフルネームを雷電芽衣といい、ME社のご令嬢でもありブローニャと同じく並ぶ成績優秀な優等生である。自分やキアナ(身体能力だけはかなり優秀)とは比べ物にならない。

 

「あ、そういえばキアナちゃんにソーマ君。そろそろ近いうちに、天命組織から新しい任務が通達されるらしいからいつでも動けるようにって学園長や姫子少佐から通達がきているわよ」

 

「え、ほんと?!。さっそく戦乙女の実力を発揮するチャンスね!」

 

「ホント、こういう時に限って元気だなキアナは。一応実戦なんだから気をつけてくれよ?」

 

「フンッ、そんなヘマはやらかさないわ!。むしろアンタのほうこそ大丈夫なの?最近身体の調子が不調気味みたいだし」

 

「えっ、本当なの?ソーマ君、任務には無理に参加しない方がいいじゃないかしら」

 

2人に最近の戦闘戦績の伸びしろが悪い事と身体の状態の心配をされる。ただ、つい数時間前にフカから粗治療ではあるが、薬剤での治療をされた為、すぐに実戦参加するでもない限りは問題ないと伝える。

 

「フカ委員長が対応してくれているのなら大丈夫そうですね。もしいざという時はブローニャが、助けますので安心してくださいソーマ兄さん」

 

「ありがとうブローニャ。2人ともさっき説明した通りまぁ、ちょっとした崩壊エネルギーに対する軽い不調みたいなもんだ。それにいい加減実戦経験を増やさないと皆んなに置き去りにされてしまう、何より崩壊側は俺たちの事を待ってくれない。何、無理はしないさ」

 

その後、芽衣達に無理をしないようにと釘を刺され、一緒に寮の近くまで帰宅し途中からお互いの寮室(男子用に用意された1人部屋)へ帰っていった。

 

 

 

 

-寮(男子部屋)-

 

「あ、おっかえり〜。なんか面白いことあった?」

 

「フッ、帰ってきたか、我が僕」

 

 玄関を開いて部屋に入ると声をかけてきたのは、模造の十字架(長いからほーよー)といかにも厨二くさい喋り方の暗影の十字架(あんえー)の2体の人形達がソファーでゲームをしてくつろいでいた。この二人組はこの聖フレイア学園のテレサ学園長が連れてきた戦闘用アシスタントの人形達であり、戦闘補助をしてくれる助っ人のような子達である。男子寮側がほぼ自分しかいないので寂しそうだから一緒に過ごしてやってと渡してきた。最初はいらないと言ったのにほとんど押し付けのように強引に渡してきてこられた。はっきりいって面倒ごとの押し付けである。実際最初の頃は来たばかりは大人しい2体だったが時間が経つと本性を表し始め、部屋を荒らすわ、落書きをするわ、よく分からん謎の儀式を始めるわで散々である。(やらかした分はこいつらに掃除させた)さすがに最近は控えてきたが、やらかした前科があるので信用ならない。これだとブローニャと同じく孤児院出身のアリーン姉妹と対して変わらない。アリーン姉妹だけでも面倒なのだからよく似たこの2体なんて相手しきれないからかわりに面倒見ろってことか。

 

「特に大したこともなかったぞ。それよりお前達、俺が学園にいる間に問題事やらかしてないよな?」

 

「さすがに、やらかさないわよ!もうあとしまつなんてこりごりだし」

 

「ボクだって意味もなく、儀式をやっているわけでもないさ。ちゃんとめいわくをかけない程度にやってるさ」

 

「 ほーよー はともかくとして あんえー 、お前は迷惑をかけないとか言いながら壁の外でよく分からん変な模様のラクガキを描いたままにしてたのを知ってんだぞ。片付ける気ないならお前の私物(儀式用のアイテム?)をゴミに出すぞ」

 

「うわーんごめんってば!つい出来心で...「早くラクガキ消して来い」うゔ、やらなきゃよかった〜」

 

雑巾とバケツを用意して外へ出ていく あんえー をそばに、怒られてやんのとニヤついているほーよーに対しても注意する。

 

「ほら ほーよー 、お前も散らかったゲームソフトを片付けろ。お前も遊び出すとものすごい散らかすんだから。終わったら晩御飯の時間だからな」

 

「ウッ、わ、わかったわよ。片付けるってば〜。ところで何作るの?」

 

「うーん、今日は卵がだいぶん残っていたからオムライスを作ってみるかと思ったところだ」

 

「えっ、オムライス⁈ヤッター!」

 

「後で外でラクガキを消してる あんえー にも言ってやりな」 

 

「もっちろんだってー!」

 

元気に あんえー の元へ行ってくる ほーよー を眺めてこちらも料理の下準備を始める。それとは別に、近いうちにくる久しぶりの実戦任務に向けて下準備を進めめないと考えなら調理を進めていった。




オリ主はいわゆる崩壊戦士としての移植手術を受けており聖痕によく似た性質の物を宿してますが戦乙女とはそこまで大きな違いはありません。次回から本格的な任務作戦と本編ストーリーに近い形で物語が進行します。ただ、オリ主が加わる関係上、原作とは大きく乖離しない程度に異なってくる展開の予定です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。