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蒼海市と呼ばれる都市エリアの上空にて大多数の謎の生命体の姿が確認されたことにより、都市周辺の防衛基地から慌ただしい報告と現場での指揮責任者らしき人間の指示が都市中のスピーカーから緊急警報で響き渡る。
[警報発令!!蒼海市上空区域にて飛行接近中の無人空中戦艦付近にて多数の崩壊エネルギー反応を検出。飛行型と思われる崩壊獣の大群を確認!ただちに無人機動部隊を出動、先行中の各戦乙女及び崩壊戦士部隊を援護せよ!!]
伝達指示とともに無人の空中戦艦に取り憑いてきた崩壊獣の大群相手に無人戦闘機側が次々へと出撃しながら肉薄していき、壮絶なドッグファイトを繰り出していた。その中で姫子が率いる部隊である4人組チームがそれぞれの作戦行動を開始していく。
『聞こえるキアナ?。今のところ航行中の無人の空中戦艦に取り憑こうと崩壊獣が暴れ回ってるわ。戦艦を墜落させられないよう可能な限り撃破して!』
「はいは〜い...ホント、人使いが荒いんだから」
上官の姫子からの通信指示で作戦内容を確認しキアナはさっそく作戦行動を開始する。付近の無人機を移動用の足場にしながら空中戦艦へと近付き、崩壊獣を2丁拳銃で迎撃していき、途中からこちらに気づいて接近してきた崩壊獣をガンカタ戦法で叩き飛ばしていく。
その一方、キアナとは別行動をしていたソーマは無人空中戦艦のアクセス制御をコントロールする為の潜入員として電子方面に強いブローニャとチームを組みながらキアナと同じように互いに無人機を移動の足として乗り込んで戦艦への侵入を試みる。
ひと足先に戦艦に取り付き、崩壊獣を陽動しながら囮作戦をしている芽衣の時間稼ぎに間に合わせる為、戦艦の甲板に着地した2人はお互いの作戦内容を確認しながら行動する。
「よし、なんとか甲板に貼り付いた!俺は芽衣達の援護にいくからその間にブローニャは戦艦の艦橋経路の確保とアクセス制御を頼む!」
「はい、可能な限り掌握を急ぎます。ソーマ兄さんあとは頼みます」
それぞれ別行動を開始しながら接近してくるソーマの姿に気づいた崩壊獣がこちらに向かって肉薄してくる。ソーマは直ぐに察知して崩壊獣の突進の一撃をムーンサルトの様に上空にジャンプしながら空中回避し、ガラ空きの背中に鞘から抜いた抜き身の片刃ブレードを斬り込ませる。斬られた崩壊獣はその場で動かなくなり絶命したのを確認し、ソーマは道中の崩壊獣を何体も斬り捨てながら先に戦闘行動をしている芽衣の元へと合流を急ぐ。
無人戦艦へ取り憑いて来た崩壊獣の迎撃を担当していた芽衣は、迫り来る敵を刀で斬り伏せ周囲を見渡しながら取りこぼしの敵はいないかと確認していると、直ぐ後ろからネコチャームと叫びとともに芽衣の背後から不意打ちを仕掛けてきたアサシン型の崩壊ゾンビを素早く蹴り飛ばすキアナの姿があった。
「芽衣先輩大丈夫⁈」
「キアナちゃん...ええ、本当に助かったわ」
思わぬ援軍に安心した芽衣とはよそにキアナは思いっきり甘えるように芽衣に抱きつく。
「ふっふーん、芽衣先輩がいてくれたら百人力ね!むしろ百倍パワー当然よ!」
キアナの援護に感謝しながら自身のことをこれでもかとベタ褒めしながら甘えてくる可愛らしい姿に呆れながらも仕方がない子ねと微笑ましさを感じてた。その後しばらくすると彼女達の前方から崩壊獣が吹き飛んできたかと思えば崩壊獣に片刃ブレードを突き立てながら現れたソーマの姿が確認できた。
「悪い、だいぶ遅くなった!」
「もうっ、ソーマってば遅いじゃん!ここらへんの崩壊獣、ぜーんぶ私と芽衣先輩だけで倒し終わちゃったよ?」
「移動中に結構な数の崩壊獣どもに囲まれて倒すのに結構時間がかかったんだよ...ホント、なんで俺の所に敵が集中してるんだか...」
「え〜、ホントに?迷子になったんじゃなくて?」
「う〜んそれは災難だったわね...でもソーマ君が無事なら何よりよ。怪我とかはしてない?大丈夫そう?」
「ありがとう芽衣、今のとこは大丈夫だ。それに比べてキアナの反応は冷たいなあ。迷子扱いとかあんまりだろ...」
「別にそういうわけじゃないし。ソーマも私ほどじゃないにしても十分に強いんだから大丈夫だと思ったの!別に心配してないわけじゃん」
「私ほどじゃないは一言余計だ」
白々しいキアナの言い訳を聞きながら隣で苦笑している芽衣の姿を確認した後、3人で無人戦艦の艦橋エリアに向かう。おそらくまだブローニャが戦艦のアクセス制御に対応している真っ最中のはずである。比較的スムーズに敵を撃破しながら順調に進んでいたもののこの無人空中戦艦、どうやらかなりのサイズ規模があり、艦橋のある場所に移動するだけでかなりの時間を要した為、こんな事ならもう一度無人機に移送してもらった方が早かったのではないかと後悔する。
「は、はひぃ〜...ま、まだ着かないの〜?もう長距離マラソンをしてる気分よ。流石にもうヘトヘト...」
『はいはい、疲れてる所悪いけどまだ艦橋までもうすぐだからもう少しだけ踏ん張ってちょうだい。ブローニャが艦橋への入り口の経路を確保しているらしいからそこがゴール地点ね』
キアナが疲れたとの悲鳴を上げ始めた辺りからようやく目的地の艦橋に着く事に成功した。さっそく管制室内へと入ると電子機器が沢山配置された機械部屋の様な光景が広がっていた。元々無人で稼動する空中戦艦な為かあまり人が生活するには向いていない最低限の司令塔のコンソールモニター室がある感じであり、ちょうどデータ入力作業を行っているブローニャの後ろ姿が見えてきた。
「おーいブローニャ、こっちはもう片付いたがそっちはどう?」
ソーマが作業しているブローニャに声を掛けると、こちらを振り向いたが何やら気難しそうな顔をしていた。
「お疲れ様です、ソーマ兄さん。戦艦へのアクセスはできたのですが、最後のセクションで謎のメールと共にパスワードの入力が必要な場面で突破できずにいます」
「え?パスワードだって?」
どうやら戦艦のアクセス権限の確認項目にパスワードの入力が必要な画面があり、それとはまた別に謎のメールも届いている様だ。内容を確認するとどうやらキアナ宛てとしてこの空中戦艦を贈り物としてプレゼントするというメール内容であり、その中に4本の鍵とかいうよく分からないアイテムについての解説と、最後にパスワードに対するヒントとしてキアナ本人の誕生日の日付であるとの説明内容で絞められていた。
ちなみにこの無人空中戦艦の名は"ムーンライト・スローン"というのだとか。
『征服の雷、疫病の炎、渇望の風、静謐の死...うーん、どこかで聞いた気が...ともかくキアナ、あなたの知り合いにこんなメールを送りそうな知り合いっている?』
通信機越しに姫子がメールの内容を確認しながらキアナ本人にメールの内容について心当たりはないかと確認を取るがあまり反応は良くなく、やはり見覚えがない様子であった。
「う〜ん、私の知り合いに戦艦を送ってくるほどの大金持ちの人なんていないし...ましてや家を出ていったきりのクソパパがこんな手の込んだ物を送りつけるとは思えないし...」
「まぁ確かにジークおじさんが送ってきたとかは絶対あり得ないとして...ただなぁ、ピンポイントにキアナ個人宛ての上に誕生日の日付まで知っている相手というと...かなり限られて来そうだな。本当にキアナの誕生日のパスワードを打ち込んで大丈夫か?」
『仕方ないわ。今判断できる材料もない上にトロイの木馬の様なウイルスを仕込んでいる可能性も捨てきれないしね。キアナ、ブローニャにアンタの誕生日を教えてやって』
「え〜、嫌だよ。こんな怪しいスパムメールに」
キアナ本人が怪しさのあまり自分の誕生日を言いたがらないので仕方なく隣に居る芽衣が代わりに答える。
「はぁ...仕方ない、キアナちゃんの誕生日は12月7日よ」
誕生日の日付を確認したブローニャがさっそく画面のパスワード入力を行うと、艦内のアクセス権が承認され、行き先が聖フレイヤ学園に進路変更されたというアナウンスが流れる。
「へー、まさかホントにパスワードが私の誕生日になってたんだ」
「これでひとまず蒼海市への墜落危機が回避できたってとこか...」
最後の戦艦側のアクセスコントロールも掌握できたことで全員安堵するが、途中から管制室前に立っていたブローニャが先程からずっと沈黙したままで無反応な状態になっていることに気付き全員が心配になる。
「ブローニャちゃん?どうしたの、大丈夫?」
「...戦乙女システム 強制コントロールシステム 再起動、最高権限指令 入力確認...敵を排除します...」
「え...?」
突然、沈黙を貫いたままのブローニャから無機質な声でシステム用語の様な発音を発したかと思えば、ブローニャの姿が普段の戦闘服から黒く禍々しい雰囲気の外装スーツに変化し、顔元の頬から赤い血管の様な模様が浮かび上がりだす。変身後の黒い姿のブローニャは重装ウサギの重砲をブローニャを心配して近付いていた芽衣に向かって銃口を向け、いきなり攻撃を放って来た。
「「ッ‼︎芽衣(先輩)‼︎」」
近くにいたキアナとソーマが咄嗟の反射神経で反応が遅れた芽衣の肩を掴み、床下に伏せさせた後、時間差でブローニャの重砲から火砲が放たれ、真上を通り過ぎる。
「おいおい、いきなりどうしたブローニャ!?」
ブローニャに問いかけながらソーマは伏せた状態から素早く起き上がり、重装ウサギの重砲を狙って蹴り上げ、重砲の角度をがこちらに向かないように無理矢理ズラす。そこから近接格闘戦を仕掛け、ブローニャの無力化を図るが重装ウサギの巨大な腕アームによって防がれる。
「ブローニャ、いくら戦闘に参加出来ずに完全不燃焼だからって芽衣に向かって攻撃を仕掛けるのは感心しないぞ!...もしや反抗期?」
「ンなわけないでしょ⁈絶対何かに操られてるって‼︎」
ソーマのボケにツッコミながら素早くキアナがネコチャームで猫の足を召喚し、ブローニャを押し飛ばして反撃できない様にするが、ブローニャの背後にいる重装ウサギの腕アームによって押し止められてしまい、代わりに空いている重砲の腕で今度はソーマをターゲットに砲撃をしてきた。
「あぶなっ⁉︎...チッ、流石に剣で直接ブローニャに斬りつけたらケガを負わせてしまうか...なら相棒の重装ウサギに攻撃させてもらうぞ、悪く思わないでくれよ!芽衣、援護を頼む‼︎」
「え、ええ、分かったわ!キアナちゃん、私とソーマ君がブローニャちゃんを足止めするから隙を見せたら無力化をお願い!」
「任せて、直接殴って止めてやる‼︎」
2人がかりで直接にお互いがそれぞれ重装ウサギの左右の腕アームを狙って剣で斬りつけながら防御体勢を反撃できない状態になってきた後攻撃のチャンスを発見したキアナが一気に距離を詰め、二丁拳銃を乱射しながら空中ジャンプからのネコチャームアタックでライダーキックをかます。芽衣とソーマの2人からの妨害攻撃でまともに真正面からの防御手段が取れなくなった黒いブローニャはそのまま直接ネコチャームによる質量アタックを全力で食らい、吹き飛びながら地面に打ち付けられた後、黒いブローニャは動かなくなり気絶した。
「...ちゃん、...ーニャちゃん、ブローニャちゃん。大丈夫⁈」
自分の名前を呼び続ける声が響いてきたのか朦朧とした意識が徐々にハッキリとしていき、ようやく目が覚めたブローニャは心配している芽衣に声を掛けられていることにようやく気がつくことができた。
「...芽衣、姉様...心配をお掛けしました。ブローニャはもう大丈夫です。...ただこの任務が終わったあと、ブローニャに精密検査をお願いします」
ようやく喋れる様な状態まで回復したブローニャを確認でき、姿も黒い服装から元の格好に戻っていた。
その後、体調を確認しながら何故いきなり彼女が暴走し出したのかを聞いてみた所、本人曰くどうやら自分の頭に埋め込まれている制御用のバイオチップというものが外部からハッキングを受けたようでその際に体の制御を奪われてしまい暴走したのではないかという。
彼女の頭に制御チップが埋め込まれていたり、それで体を思い通りに操られていたりというかなり恐ろしく物騒な話にいろいろとツッコミを入れたい所だったがそれについては帰還してからという事で一旦話を切り上げる事にした。
「はぁ、とりあえずブローニャが無事そうで良かったよ。...本当に、大丈夫なんだよな?」
「はい、ブローニャは本当に大丈夫です。ソーマ兄さんにも心配かけました。...ついでにキアナも...」
「ついでは余計だよ!」
『...その様子なら、大丈夫そうね。ただ念のため帰還したら学園の医療機関で身体検査をしてもらう様に打診しておくわ』
「はい、お願いします、姫子少佐」
「ああぁ〜、疲れたぁ。帰ってひとシャワーを浴びたいな〜。芽衣先輩もいっしょにはいろうよ♪」
「...まったくキアナちゃんってば」
無人飛行戦艦を安全圏に引き離すことに成功したため、全員帰還準備を始める。全力で動き回り、もうヘトヘトだと皆息を漏らし、任務帰りにどう過ごすだの休みを取りたい等の雑談をしながら意気揚々と管制室から出ていく。正直この謎のメールと戦艦の正体、ブローニャを操った犯人が何者なのか等、腑に落ちない部分もあるが無事に作戦を終えることができたのでソーマは特に深く考えず頭の片隅に置いてキアナ達と共に帰路に着いた。
誰もいなくなった静かな無人戦艦の管制室で起動したままの画面ディスプレイモニターがひとりでに勝手に動きだし、新たな新規メッセージが表示される。
__PS. 物語はもう始まった、災いからは逃れられない。キミも変わる時だ、絶望かあるいは希望か、それはキミ次第だ。 ソーマ...いや
ストーリーが進むにつれキアナの正体が判明し出すのと同じくオリ主の正体も徐々に明かされていきます。