モンハンは所々やっていない作品もあるので設定ミスがあるかもしれません。
吾輩はエスピナスである。名前はまだ無い。
どこで生まれたかとんと見当がつかぬ。何でも薄暗いジメジメした所でじっとして、通りかかるランゴスタやカンタロス、ドクガスガエルを食べて成長したことは記憶している。
吾輩はある時、自分の前世が人間であることを思い出した。しかも、この世界ーーモンスターハンターの住人ではなく、その外のメタ住人だったようだ。
しかし、何という事もなかった。今は甲虫とカエル、たまにヤオザミやランポスを喰らって舌鼓を打つ畜生だ。エスピナスという種は大人しく、年がら年中寝ていれば良い生態なのは吾輩の性に合っていた。
これがイビルジョーやゴアマガラ、イャンガルルガに生まれていれば多忙な日々を送っていただろう。
しかし、有職だろうが無職だろうが喉は乾く。向こうからやって来る食料とは違い、水は飲みに行かなければならない。煩わしい生理現象にうんざりしながらも、のそのそと水辺へ向かう。
木々が鬱蒼と生い茂る木々をへし折りながら到着したのは海を思わせる砂浜。しかし、水はそれほど塩っぱくない。海水と淡水が混ざった湖……確か、汽水湖と呼ぶのだったろうか。フィールドの雰囲気は2Gの密林に似ている。
水辺には先客がいた。ファンゴ、モス、ヤオザミ、そして子供ほどの背丈の童顔竜人♀。間違いない、あれはロリババア竜人である。竜人とは若き頃こそ、全てを超えた先で一乙おじさんのように背が高いが、歳を重ねると身長が縮むものだ。
つまり、小さくて童顔の竜人♀は全てロリババアなのである。
ロリババアは砂浜に三角座りで鎮座している。その表情はまさに(´・ω・`)と放心しており、ヤオザミにハサミで頭を突かれていた。その視線の先にはガノトトスがプカプカと浮かぶ。
水の中で倒してしまったか。吾輩は天を仰いだ。
エリアの境目に落ちた尻尾、水辺で倒れたガノトトス、砦に頭がめり込んだラオシャンロン。この世の無常、三銃士である。
吾輩はいつかの悲しみを思い出し、湖に入っていく。そのままガノトトスを咥えてロリババアの元に運んでいった。
「お、おぉ……?」
巨大な翼竜がガノトトスを陸まで運んできた光景に仰天したのか、目を真ん丸にするロリババア。何となく物珍しい目線も感じる。
ごてごてのモノブロス一式装備を着ているロリババアは背中の狩猟笛に手をかける。しかし吾輩に敵意が無いのを知ったのか、無手でこちらに語りかけてくる。
「これ、良いのかい?」
不思議と言葉を理解できる。吾輩が首肯すると、ロリババアはにっこり笑った。
「音爆弾と間違えてぺいんとぼぉるを投げたら倒してしまってのぅ……。たすかったのじゃ」
絶滅種ノジャロリババアとは。にわかな不意打ちであった。絶滅種は解体ナイフを取り出し、ガノトトスのヒレを削いだ。ギルドに討伐証明部位として提出するためのものか。
「この子は湖で暴れておっての。食糧確保の煩いだったのじゃ。こちらは外様から来た身じゃが、これも弱肉強食。すまんのう」
合掌。そして剥ぎ取りナイフでガノトトスの一部を解体し、キモを取り出す。
「魚竜の中でもがのととすの肝が一番じゃ。塩辛にするかのう」
絶滅種は木で編まれたザルにキモを置き、上から塩をかける。そしてザル2つでサンドイッチした後、腰に吊るした。
「今は死体の回収も難しいでの。お前さんや、残りは食べてしまっても構わんのじゃ。口に合わないなら湖に還してやっておくれ」
腹は減ってないがガノトトスに口を付ける。エスピナスとなり果ててから初めての魚肉。この口にはあまり合わないらしい。頭突きで湖に突き返した。
「それにしてもお前さんや、見たこと無いもんすたぁじゃの。調査拠点の
もったりと食事をする間、絶滅種は腰を据えて吾輩の姿をスケッチしている。
吾輩が食べ終えるのと時を同じくして、絶滅種もスケッチを終えたらしい。
「うむ、良い出来じゃ」
絶滅種のスケッチを覗き込む。
「おや、気になるかえ? 男前に記せたと思うがどうかのう」
そのスケッチは写実的かつ吾輩の特徴をよく押さえている。その巧みさに思わず舌を巻いた。
「何となく褒められた気がするのじゃ。照れるのう」
覗き込んだ顔を戻す過程で、絶滅種のスケッチの上を通ってしまった。水泳をした吾輩の顎から雫がしたたり落ちる。スケッチはしとどに濡れ、たちまち役目を果たさなくなった。
「お、おぉ……(´・ω・`)」
唖然とする絶滅種。吾輩は綺麗なスケッチを駄目にしてしまったことに虚無感を覚える。
「か、かまわんのじゃ。後で同胞を連れてくるからのう。そう落ち込むでない」
絶滅種は吾輩の頭頂部の棘をよしよしと撫でる。
なんと、
そうはいっても甲殻や棘が厚く硬いせいで、撫でられたとて、ほぼ何も感じない。そもそも吾輩の棘には禁忌の邪毒とも評される濃毒血が含まれているので、無暗に障るのはロリババアの命がとても危ない。
撫でられるのもそこそこに首を引く。眠気が襲って来た。太陽の方角を確認し、頭が影になるように蹲る。
「ん、お休みかの? ではもう一度失礼するのじゃ」
ロリババアは再び腰を落ち着けた。ロリババアはよどみなく絵を描きながら、独り言のように呟く。
「お前さんはポポのように穏やかで賢いのう。長生きしてきたが、お前さんのような翼竜は初めて見るのじゃ」
スケッチを描き終えたロリババアは道具を仕舞い、撤収の準備をする。
「ではまたの。……おぉ、そうじゃ」
ロリババアは去り際に何かを思い付いたように手を叩く。
「悪いようにはせん。少しじっとしておるのじゃ」
ロリババアは懐からスカーフを取り出し、吾輩の頭頂部の棘に結ぶ。
「次に会った時にお前さんと分かるようにさせておくれ。儂は同種族のもんすたぁの個体を識別するのが難しくての。……とはいえ」
ロリババアは吾輩の姿を上から下まで見渡す。その間に結んだスカーフが緩み、棘の根元までずり下がった。
「す、すまんのう……。儂にはふぁっしょんせんすというのがとんと無くての。何とも不格好になってしまったのじゃ」
確かに角のように伸びる棘にスカーフが巻かれている吾輩の姿を想像すると、なんとも間抜けに思えた。
吾輩はスカーフを振り払い、代わりに尻尾の裏を見せる。そこには昔の古傷があるはず。
「痛ましくも雄々しい傷じゃのう。ぼんやりとしておるが、勇ましい一面もあるのじゃな。さぞかし激しい戦いを生き残ったに違いないのじゃ」
その通り。この傷は昔、お腹が空いていた時に勘違いで自分の尻尾を思い切り噛んだ時の傷だ。あの時は食料が無い上、傷まで負って生死の境をさまよったほどだ。
「それじゃあの」
ついにはロリババアと別れを告げた。この時が、吾輩が初めて狩人を見た時であった。
社会人になって執筆するやる気はないくせにアイデアだけ一杯浮かんでるので、書きかけの作品がいっぱいあります。
アンケートを置いておくのでタイトルとジャンルを見て一番読みたいと思ったものに投票していただきたいです。一番投票が多かったものを次に書きます。
見たいと思う小説のタイトル/ジャンル
-
魔法少女の上官になった。胃が痛い/SF
-
シコティッシュ聖女/異世界 勘違い
-
マゾ魔族の角を折る毎日/爛れたハーレム
-
TS幼馴染の勝ち/恋愛
-
残った魔法少女の日常/退廃的日常