キングダム――大将軍を目指す男   作:自堕落無力

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百五話

 

 李信率いる『秦軍』は趙の西部の防衛線を完全に突破し、そこから繋がる『太行山脈』、『橑陽』、『列尾』に『鄴』と『閼与』と趙王都圏の重要な地を次々と奪う大侵略を果たしたのである。

 

「(そのまま処刑されるとありがたいんだがな)」

 

 そうしてこれらの責任、『秦』と文で繋がっていた疑惑もあって李牧は王の命によって趙王都の邯鄲にて投獄され、処刑を待つ身となった。

 

 それに対し、李牧一派と李牧を慕う者などが猛抗議をし始めたので現在、趙は揉めていた。

 

 それを情報部隊によって、知りながら李信は趙西部においては長期戦狙いで防衛線を増やしていたので要地に絞って守りを固めたし、列尾においては脆くされている城の改修をしながら、防備を固めていく。

 

 当然、鄴と閼与も守りを固め始めていった。

 

 

 

 その中で李信による侵略の結果は当然、他の国にも伝わり……。

 

「『秦の怪獣』……まさに化け物じゃねえか李信は……。つうか、オルドはなに余計な事をしてやがんだ。秦に味方をしやがってよぉ」

 

 楚の女宰相である媧燐は李信の実力に慄きながら、今回の秦の侵攻に乗じて趙の東部の防衛線による大半を壊した燕のオルドに対し、怒りながら一応、部下の醜男であるバミュウを甚振ったのであった。

 

 魏においては……。

 

 

 

「ああ……やっぱり、李信は化け物ですねー。こんな大侵略を成功させるとか本当、どうなってるんですか」

 

 美青年で髪も整えている軍師の玻璃(はり)が李信による趙に対しての侵略劇にお手上げとばかりの声を出す。

 

 

 

「本当に『怪獣』ですよ……冗談じゃなく、秦に上手い事味方していくように立ち回りを考えた方が良いかもしれません」

 

「正直、儂もそう思います」

 

 老人である魏の宰相の月華広(げっかこう)も口調は穏やかながら、表情は真剣な玻璃の意見に同意した。

 

 

 

「『信来来』……趙でも健在か……」

 

 魏の国王である景湣王(けいびんおう)も深く頭を抱えながら、魏の国内で最も恐れられている李信の異名を呟きながら唸るのであった……。

 

 そうして、『什虎』にいる王騎達も李信の活躍は聞いており……。

 

 

 

「ンフフフ、もはや李信は私の想像以上となりましたねぇ。本当にお見事というしかありませんよ」

 

「あの時の童は頼りになる将軍となりましたね」

 

 

 

 王騎に騰は李信の実力を褒め合う。

 

「バハハハ、見事な燃やしぶりじゃあ、李信よ。また、共に戦いたくなってくるわ」

 

「流石だ」

 

 麃公に蒙武までも李信の成果を賞賛した。

 

 

 

 

 そして、当然……。

 

「……恐ろしいですな、李信大将軍は……鄴どころか西部の攻略も王都圏の大半を落として、邯鄲を丸裸にしてしまうとは……」

 

「あぁ……敬服するしかない」

 

 秦の王都である咸陽内では昌平君の部下である介億に昌平君が慄く様に李信の成果を評する。

 

 

 

「大将軍になってから、ますます頼もしい存在となりましたな」

 

「ああ、またしても良くやってくれた」

 

 昌文君と嬴政も又、李信の快進撃の成果をとても喜んだのであった……。

 

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