『鄴』を最大前線拠点として趙の王都である『邯鄲』を侵攻するべく、李信に王翦、桓騎と蒙恬、王賁らは防衛網を築いている『邯鄲の守護神』と称される趙の大将軍、扈輒が率いる軍と戦っていた。
扈輒の軍には王都を守るために鍛え上げられてきた精鋭である『邯鄲軍』も加わっていたが足並みを揃えた李信達の侵攻により、前線を崩されつつある。
「くそ、こうなったら森に誘い込んで戦うしかない」
李信軍の部隊と戦っている趙軍は李信とその麾下千を始めとして、騎馬隊の戦力があまりに強いので騎馬が動きづらい森の中に誘い込み、歩兵戦で戦う事を決めた。
そうして、森の中に誘い込んでいったのだが……。
「浅はかだな、元々
李信が言うように元々、飛信隊の始まりは歩兵である。故に寧ろ、歩兵戦の方が強いのだ。よって……。
「お前達、飛信隊の歩兵は弱いと侮られてるぞ。後悔させてやれ、俺達の得意な歩兵戦を挑んできた事をな」
『おおおおおっ!!』
森の中で李信は歩兵隊を中心に指揮を始める。自分も先頭で矛に超絶なる武威を込めながら、それに伴う超絶の領域にある武技をまるで舞い踊っているかのような流麗な動きと共に繰り出しては趙軍を屠っていく。
それに飛信隊の歩兵たちも続いていき、趙軍を蹂躙していく。
「ふっ!!」
更に李信は時に矛から弓に持ち替え、複数の矢を番えてそれぞれ別方向の敵を一度に射抜いたり、超速連射するなどして射抜いていった。
『うぐあああっ、こ、こいつら歩兵の方がっ!?』
そうして趙軍は歩兵戦こそ飛信隊の本領であったと理解し、後悔しながら押されていくのである。
趙軍は飛信隊の勢いを少しでも止めようと援軍を次々に送るも焼け石に水のような状況である。そして、更に飛信隊の勢いは止まらなくなっていく。
それはとある一人の少女が加わったからだ。
「信、私と同じ村出身の
「羌瘣の妹分の羌礼じゃ、よろしく頼む李信将軍」
羌瘣は自分とほとんど同じ格好をしているが顔つきには幼さが残っている少女剣士を紹介する。
つまり、羌礼も又、蚩尤の一族でありしかも重要な儀式であり、一族どうし、身内で殺し合う『祭』を突破した者との事であり、実力は高い。
ただ、自分の姉である
羌瘣は彼女と戦いながら、制圧しつつ諭した事で最終的には落ち着いたと言った。
「羌瘣が紹介するというのなら良いだろう。ただ、これだけは言っておくぞ……飛信隊に加わる以上、軍紀を乱すようなら容赦もしないし、躊躇もしないからな」
「っ、は、はい……」
李信は戦意を放ちながらしっかりと告げると礼は戦神とも表現できるような李信の威風に身を震わせつつ、頷く。
「良し、これからよろしく頼むぞ礼」
「こちらこそ」
李信が手を差し出すと礼も一度深呼吸し、握手を交わした。
こうして、礼が加わり戦力を劇的に増した飛信隊は対峙する趙軍の防衛網を崩していったのであった……。