秦は新年である始皇十三年(紀元前234年)の年明けと共に中華の国々を揺るがす動きを見せた。
それは秦国内で優れた六人の大将軍に様々な特権、大胆な展開をする時に今までは王都咸陽にある本営に確認を取らなければならなかったそれをしなくて良くなる『戦争の自由』が与えられるようになる『六大将軍』の復活をした。
そして、この『六大将軍』に選ばれたのは王騎、蒙武、王翦に楊端和と桓騎、そして李信の六人である。
こうして六大将軍に選ばれた者たちだが、数名は未だ対趙国と前線を築きながら戦っている最中なのでその場へと帰還した。
帰還したのは王翦、桓騎、楊端和、そして李信である。
「今後についての方針を告げるぞ」
趙との前線地で築いている陣の中で『飛信隊』の皆へと報告する。
「基本は変わらない、王翦将軍に桓騎将軍らと連携して前線を押し込んでいけ」
そう基本方針を言いつつ……。
「だが、紀彗……俺と一万の兵で別行動をするぞ。この戦いにおいての援軍のためにな」
「分かりました」
李信は紀彗へと指示をした。援軍というのはオルドの事だ。
これより、李信は紀彗と共にオルドが前線を築いている趙の東へと行き、防衛網の完全突破を手伝いつつ、自分達が相手している扈輒との援軍にするのである。
「良し、じゃあ後は軽く宴をするぞ。なにせ俺は六大将軍になったんだからな」
『おおおおっ!!』
そうして次からの忙しい立ち回りやら激戦をする事になる皆の士気を高めるために李信は自分が秦の『六大将軍』に選ばれた事を祝う宴を開いた。
「お、やってるやってる。よう、李信」
「蒙恬……祝いに来てくれたのか?」
李信の陣へと蒙恬が訪れた。
「ああ、そうだよ。李信が六大将軍になるなんて俺にとって、こんなにも嬉しい事は無いからね。おめでとう、李信。俺の義兄弟よ」
「ありがとうな、蒙恬」
李信と蒙恬は個人的な関係で言えば親友であり、戦友であり、そしてなにより、『義兄弟』であるのだった。実際、契りも蒙恬の祖父である蒙驁の死に立ち会い、弔いの酒を飲んでいた時にしているのだった。
そうして李信と蒙恬はこれから戦が激化するのでその前に気合を入れるため、英気を養うため、義兄弟としての交流をするために酒を飲むのであった。
その翌日……。
「じゃあ、行ってくる。後は俺達が来るまで任せたぞ河了貂、羌瘣」
「うん、任せて。信も気をつけてね」
「武運を祈るぞ」
「お互いにな」
こうして李信は紀彗と一万の兵を連れて趙の東部へと素早く向かうのであった……。