新しい『六大将軍』を誕生させた秦国はそのうち、王翦に桓騎、楊端和と李信の四人に趙国の侵攻を再開させた。
楊端和は以前と変わらず、『閼与』から趙北部の軍が援軍に赴いたり、補給が出来ないように前線を築いて威圧している。
その中で王翦に桓騎、李信は趙王都邯鄲の喉元にある武城と平陽の二つの最後の砦を攻めるべく侵攻しており、それに対抗すべく扈輒は出来る限りの大軍勢で防衛網を築いていた。
そんな秦と趙の戦の中で特に桓騎はこれまでの戦いの中でも見せた事の無い程に怒涛であり、苛烈に攻めていた。
これにより、敵を多く葬ったが逆に秦軍の兵の命も散らせていく。
そんな戦況が繰り広げられていく中……もう一つ、趙において激戦を繰り広げている場所があった。
それは趙東部――燕国のオルドが秦王都圏まで侵攻しようと動いたのである。
オルドに対抗したのは趙の北東部長官の趙泊であるが、オルドと趙泊の戦いに加勢した者がいた。
李信と紀彗、そして一万の兵である。
密かにオルドと本格的に共闘関係を結んでいるが故であり、オルドに完全に趙東部を獲らせる事で扈輒との戦いに加勢させるための援軍として来たのだ。
「作戦は……」
「ははは、それは面白いな。乗ったぞ」
原野で趙泊軍と対峙している燕軍の陣へと李信は紀彗を連れ、そうして軍議を始める。
李信の作戦にオルドは乗るとそうして侵攻を再開し……。
「ルアアアアッ!!」
李信は麾下の騎馬隊千を率い、一つの巨大な獣と化して縦横無尽に戦場を駆けながら矛を振るっていく。
それだけで李信の進行方向にいる趙軍は次々に鮮血をばら撒かれ、肉塊と化し、そうして屠られていく。
「――は兵五百を率いて〜〜へ行け」
趙軍を蹂躙しながら、最適な指示を出して自軍の兵を動かす事で更に戦況を手にしていく。
「ははは、我らも負けんぞ李信」
『オオオオッ!!』
オルドも李信に呼応するように動いて趙軍を粉砕していく。
「くっ……また、私は……「もう逃がさない」っ!?」
趙泊は再び撤退を始めようとしたが、その時には李信が趙軍の中を堂々と突破して趙泊の元へと迫っており……。
「ふっ!!」
矛を振るって趙泊の首を刎ね飛ばしたのであった。
「敵将、趙泊この李信が討ち取ったぁぁっ!!」
そうして、この戦に勝利すると李信とオルドは更に進んで城も攻め落とす事で完全に王都圏までの侵攻に成功する。
「では行きましょうか、扈輒の首を獲りに」
「ああ、楽しみだ」
そして李信はオルドと共に扈輒が築いている防衛網の方へと向かったのであった……。