秦軍と趙軍における戦い、今までの戦とは打って変わって味方の犠牲も気にせず、六大将軍の一人として率いる事が出来る兵力全てを使って苛烈に攻めている桓騎。
これにより、桓騎は深く侵攻を出来ているがその反面、犠牲も出している事で目立っていた。いわば孤立しているような状態であり、だからこそ現在、趙の国防を担当している大将軍の扈輒は桓騎を討ち取るべく十五万の全軍を率いる。
そうして扈輒軍と八万の兵で戦いを始めていく桓騎軍は当然、戦況的には圧されていた。
しかして、桓騎軍との戦において一番苦戦している戦場、あまりにも険しい丘のために趙軍にとっては守りやすく、秦軍にとっては攻めづらい『影丘』へと李信とオルドは援軍に向かった。
確かに『影丘』は厳しい戦場であるが此処を抜ける事が出来れば本陣から動いた扈輒軍の裏に回って中央と右翼で戦っている桓騎軍と呼応して挟み撃ちが出来る。
更には李信には秘策があった。実はオルドは彼自身が山岳地で生まれ育った身であり、北の五十の山岳族の王となった者が故に『山読み』の力に優れていたのだ。
これにより、オルド軍は丘での戦にも優れているため登る事など容易い事であった。
オルドから話を聞くと先ずはオルド軍に丘まで導くための先鋒を『飛信隊』が務めて、趙軍を蹂躙していき、丘まで迫っていく。
そうして、オルド軍に丘を登らせて飛信隊を後に続かせる。これによって趙軍を翻弄し、自分と麾下の騎馬隊と共に緩やかな丘を登っていく。
すると『影丘』を守る扈輒の重鎮である岳白公が勝負を挑んできたので返り討ちする事で攻略する。
これにより、李信とオルド軍は先に戦っていた王賁が率いる『玉鳳隊』と共に左から扈輒の本陣を強襲するべく進軍した。
「お前たちは桓騎軍の救援に動け」
『はッ!!』
李信は速度を重視して麾下の騎馬隊と飛信隊の騎馬隊の中の精鋭を率い、副将である 羌瘣の部隊においても礼も含めて同様の配分でオルド軍と本陣に向かう一方で残りは桓騎軍の援軍に向かわせた。
「くっ、させるか李信、オルド!!」
「侵略者どもがぁぁぁっ!!」
桓騎軍を追い詰めていた扈輒の重鎮である前髪の長い美青年が
「くくっ、やっぱり李信は頼りになる」
戦況が激変した事で桓騎も逆転すべく動き始めていくのであった……。