李信に桓騎と王翦は趙の王都である邯鄲に近い二つの城のうちの一つ、『平陽』を龍白公の協力あって『無血開城』をさせて取る事が出来た。そして、もう一つの城である『武城』を攻めようとしていた王翦軍の援護に李信と桓騎は駆け付け、(この中には王翦の息子である王賁もいた)協力して『武城』を攻め落としたのである。
本来なら、この時点で後は邯鄲に攻略に動くのみであるのだが李信達が『武城』を攻め落とそうとしていた時に王翦は邯鄲近くの調査に向かっておりその結果、十中八九、李牧が置き土産として残した二百五十里に及ぶ長城が『平陽』と『武城』の後方に築かれていた。
まずは邯鄲を攻める姿勢を見せながらも『平陽』と『武城』の二城を拠点に新年が近づいているのもあって、李信達は休息に入った。
「ふっ、んく、あふ、し、信……ひゃうあ」
「はふ、くふ、ひゅは、あ、ぅぅ……は、激し」
「久しぶりだからな」
李信は『平陽』の城にて自分が愛する河了貂に羌瘣と落ち着いた環境で心身から愛を交わした。
「……それでこれから、どうするの?」
「邯鄲攻略をする手はあるんだろう」
「ああ、勿論だ……趙北部の『宜安』と『
「……李牧……そう言えば閼与を守っている楊端和のほうは全くと言っていい程、趙の動きは無かったね」
「全ては北での戦いに備えてか」
「まあ、そういうふうに俺が仕込んでいたんだけどな……後は必要な準備をしてくだけだ。だが、その前に行くところがある」
「燕に行くの?」
李信の言葉に河了貂は燕と話をつけてオルドと共に趙を攻める算段を発てるのかと聞いたが……。
「まあ、それもあるが……実はとある国から戦力を更に増やせそうな情報を聞いてな」
「勿体ぶるな、その国とは?」
「『
李信はそうしてまた、少ない手勢にて密かに『斉』へと向かった。
「初めまして、斉王よ。私は秦の六大将軍が一人、李信です……こうして謁見して頂いた事、感謝します」
斉王である
「ふふ、かの六大将軍の一人であり、武勇伝も豊富な李信殿が謁見を求めるというなら応じぬわけにもいかんよ。そちらの秦王より、絶対の剣とも自慢されたわけだからな」
「そうでしたか」
実は王健王は秦が鄴を攻めに行く前に秦王の政と会談しており、その中で中華の戦いを静観する誓いを交わしていたりする。
「それで用件があるのだろう?」
「はい、そちらのとある将軍たちを傭兵として雇わせてもらいたいのです」
「ほう、詳しく聞かせよ」
そうして李信は王健王と一つの商談を始めたのであった……。