キングダム――大将軍を目指す男   作:自堕落無力

132 / 137
百三十一話

 

 秦の北東部軍二十一万を連れて『狼孟』から趙北部の『宜安』を攻め取るべく、『閼与』から進軍している六大将軍の桓騎に王翦、楊端和による本軍と宜安のすぐ近くにある小城、『赤麗』の近くで合流を果たした。

 

そうして、『赤麗』に迫っていくと……。

 

『降伏します、どうかお許しを』

 

 男の老人三人が白旗を振りながら、城門を開いて秦軍に降伏した。

 

 赤麗は寝たきりの老人や病人数十人残して、他の者達は全て番吾に移されているからだ。だが、李信はこの城に残した秦軍に対して毒を盛る計略がある事を自分達を迎え撃ちに来る李牧の軍に潜ませている協力者たちから聞いていた。

 

 

 

「安心してください、貴方たちの命は保証しますよ」

 

 李信は降伏してきた者達へと友好的な対応を振る舞う。

 

 とはいえ……。

 

「良いか、毒を盛ろうとして来た時点で殺せ」

 

「はっ!!」

 

 飛信隊の秘密部隊の者へ老人たちが怪しい動きを見せれば容赦なく殺すように指示もした。

 

 ともかく、どうしても今の軍では『赤麗』に入りきらないのでそうした者は城近くで野営をさせる。そんな中で……。

 

『はっはー、流石は李信将軍だぁぁっ!!』

 

 城内に残された財宝を略奪して良い許可を李信が与えられた事で野盗中心の桓騎軍は李信に感謝しながら略奪を開始した。

 

 その後は主だった者達は城内で休息を取り、一夜を過ごす事になったので思い思いに楽にしつつ……。

 

 

 

「ふ……ん……あぅ、し、信……」

 

「河了貂……」

 

 城内の大きな部屋の寝台にて李信は河了貂に口づけしつつ、その体を堪能していく。

 

「ふ、う、流石にいつもより、積極的だな……」

 

「これから大きな戦があるからどうしても滾っているんだ」

 

 河了貂とは別に羌瘣とも口づけを交わし、その体を堪能し始めた。大きな戦が控えているのもあって李信の言うように滾っている熱を冷ます為でもある。

 

 

「ふ、それでこそ雄だ。もっとも滾っているのは私達もだがな」

 

 楊端和とも触れ合っており、そうして互いの身も心も繋がり合いながら、愛と快楽を与え合っていく。

 

 そうして十分に心身の状態を整えながら一夜を過ごし……。

 

 「出るぞ」

 

『ウオオオオオッ!!』

 

 秦軍は『赤麗』より『宜安』に向けて出陣を開始するのだった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 宜安を取るために出陣した秦軍に対抗して趙軍も出陣を開始した。趙軍は宜司(ぎし)平原で秦軍を撃退する戦略だった。

 

 なんせこの時のために趙北部の殆どの戦力を集めて四十五万の大軍を用意しながら情報封鎖で隠していたのだから……。

 

「(『狼孟』の策が破られたのは残念でしたが、それでも十分にやれます)」

 

 斥候から秦軍は北東部軍二十一万を加えた三十万の軍と報告があった。

 

 十万も上回っているならやってやれない事は無かった。そう、大軍で包囲を決めて殲滅出来るのだから……。

 

 そうして、宜司平原で秦軍と対峙したのだが……。

 

 

 

「な、何だあの大軍は……」

 

 秦軍の数は斥候の報告を遥かに超えた大軍であった。しかも……。

 

「え、燕の旗もあるぞぉっ!!」

 

 趙においてはもう一つの敵国である燕の軍勢もいた。

 

 

 

 

「や、やられた……」

 

 李牧は李信に嵌められた事に気づいたし、情報戦でも負けたことを悟る。

 

「くくく、さあ始めようじゃないか李牧。俺達の決戦をな」

 

 そうして李信は燕のオルド軍も加えた軍であり、趙に対しては三十万と偽っていたが総数七十万の軍で趙軍に対して包囲陣で対峙しながら、李牧へと告げるのであった……。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。