趙北部にある『宜安』を守るために色々な策を練って四十五万の軍勢で対抗しようとした李牧率いる趙軍はその軍勢を上回り、燕と斉の力も借りた李信が率いる七十万の軍勢によって負けた。
まず、本来は自分達より少ない軍勢を『宜司平原』という隠れ潜む場所などそうしたものが少ない平原で包囲殲滅できる予定であったのが崩された事。
とにもかくにも大軍を用意された上に自分達の策が上手く行っていると思わされてしまった事。更には自軍の中に裏切り者の軍勢に飛信隊の秘密部隊が紛れ込んでいた事とそうした事も考えて最悪、秦における有力の将を屠るために連れてきた『中華十弓』の現一位で最強の弓手である青華雲の存在が知られていて、討たれた事もそうだが、やはり最後には李牧がいる本陣まで突破できるだけの圧倒的武力を有している李信がいた事で李牧達は負けてしまったのだ。
李信が李牧を討ち取った事を告げれば、まだ生き残っている趙軍の者達は戦意を失い、投降したのである。
「あぁ……李牧様、まさか討たれるなんて……趙はもう、終わりだ」
宜安の兵たちを守るために投降した宜安を治めている将軍の
「とはいえ、お前達は生き残れる。無血開城が条件だがな」
「……本当に兵や民に手を出さないのだな?」
「勿論だ。抵抗しないのならばだが」
「……良いだろう」
軽く袁環と話し合い、そうして袁環に兵と宜安の者達の命には手を出さないという条件で袁環は宜安の無血開城と全面的な降伏を誓った。
そして……。
「李信将軍……流石の知略と武勇でしたな。貴方たちについて正解でした。お蔭で憎かった趙に一泡も二泡も吹かせられました」
「そちらも巧いタイミングでやってくれたな」
李信は李牧たちとの戦前に『青歌』のように将来的に独立した国として扱うと約束した事で仲間にした『中山国』こと白狄の者達と握手を交わす。
戦力的に優位だったのがさらに優位となったのは白狄の者達が上手く立ち回り、趙軍を裏切ったのも一因ではあるのだ。
他にも白狄が裏切った事でそれを好機として裏切った李牧に対して、敵意を抱えていた北部の小都市に小国の者達を李信は労う。
「ひとまず、これで趙において厄介な李牧を討ち取る事が出来た。後は宜安と番吾を取り、邯鄲を追い詰めるだけだ」
夜近くだったので野営を行う李信達。李信は代表してそう言い……。
「勝利に乾杯」
『乾杯っ!!』
今回の勝利を皆で祝い、宴を交わすのであった……。