秦軍は目標としていた趙北部の二つの城である『宜安』と『番吾』を攻め獲る事に成功した。これにより、地形的に趙の王都である邯鄲の包囲を完了したのである。
更にオルドが亡命地として選ばれる可能性の高い『代国』を獲れば趙はもう逃げ場を失う。そうでなくとも十分に包囲は完了しているのでどのみち政略戦で追い詰めるだけだ。
軍事的には包囲と封鎖によって、邯鄲の国庫が尽きてゆくのを待てば良いという消耗戦を仕掛ければ良い。
こうして、李信は楊端和と共に『番吾』の統治に励む事にし、桓騎と王翦に『宜安』の統治を任せる事とした。
戦後の後処理をしながら、李信は楊端和と統治をする中で……。
「ふひゅ、くひゅ、む……あう」
「ひゃ、んく、はふ、くふ……あぁ……」
「あふ、んく、はふ、あう、くひゅう」
愛する河了貂に羌瘣、楊端和と心身から互いを求め合っていき、愛と快楽で満たし合った……。
「そろそろ一段落着くころだ。河了貂、羌瘣、楊端和……お前達と家族を作りたいと思う」
愛と快楽を伝え合った後、李信は河了貂に羌瘣、楊端和へと自分の気持ちを伝える。年齢の事もあるので家族を作ろうと考えたのである。
戦時続きだったので今まではそうした行為は控えねばならなかったが状況も落ち着き、それに後進の将軍たちが育つ事、才能ある者達が上達するように経験を積ませねばならないというのもある。
そんな李信の提案に……。
『喜んでっ!!』
三人はそれぞれ頷いた。
李信は『宜安』と『番吾』を攻め獲った結果を秦の王都での戦果を報告しながら政に相談しながら、子作りに励むつもりだ。
無論、戦線から離れるつもりはない。だが、後進や才能ある新人たちに経験を積ませる事を主な仕事とし、戦略や戦術を練る軍師染みた仕事が主にはなるが……。
将来を考えた上でも指揮官の仕事を主とするのも必要だ。
愛する者達との今後の生活を考えながらも李信は統治に励んでいく中で……。
「李信将軍、オルド将軍が会いたいと……『雁門』と『代国』を獲った土産があるようです」
伝令の兵よりその報告を聞いた。李信はオルド達、『燕国』に対して『雁門』と『代国』を譲ったが、その際、可能ならばしてほしい事があると頼み事をした。
その頼み事というのは……。
「李信、土産を持ってきたぞ。代国に亡命していた嘉元太子だ」
「……」
オルドが李信にご機嫌気味に差し出してきたのは李牧と共に邯鄲を追われた美麗な容姿の男、公子嘉である。彼の身柄の確保を頼んでいたのだ。
「これはこれは……初めまして、嘉元太子様」
「黙れ、黙れ黙れ黙れ李信。趙の英傑である李牧を殺した貴様を私は絶対、許さんぞっ!!」
「それはそれは……」
言葉の通りに李信に対して怨敵を見る目で見ながら、怒りの叫びを公子嘉は上げて李信は肩を竦め、笑みを浮かべるのであった……。