秦国は趙の王都が邯鄲を確実に攻め落とすために北部の『宜安』へと逃走し、そのまま遷都先にしないように先に『宜安』を獲った。更に隣り合っている『番吾』も攻め獲ったのである。
更に宜安を攻め獲る際に行った李牧との決戦の際に協力した『燕国』のオルドに李牧が管轄していた『雁門』を攻め落とさせ、更に邯鄲が『宜安』とは別に亡命先にする可能性がある『代国』を攻め落とさせたのだ。
そして、後々に面倒な事にならないように邯鄲での王位争いに負けた王族の一人で『代国』に身を隠していた嘉太子の身柄を可能なら、確保するように頼み、オルドは添えrをやり遂げてくれた。
その後は王翦と桓騎に『宜安』の統治を任せ、李信は楊端和と『番吾』の統治をしていく。そして、嘉太子と毎日、交流しつつ、更に『番吾』と『宜安』など趙の地をどう統治しているか、趙人をどう扱っているかを見せた。
秦国は趙と拭いきれない確執がある。かつての時代、秦六大将軍の一人、白起が長平の戦いで降伏兵四十万人を生き埋めにするという大虐殺を行ったのだ。
これにより、李信がかつて王騎と共に戦った『馬陽防衛戦』にて秦軍へ異様な殺気と共に襲い掛かっていた万極を生み出してしまったのだ。その万極は李信が超絶な武威を有していた事、万極が猛烈な殺気により李信へ特攻した事で討ち取る事が出来た。
ともかく、そんな確執があるので趙は秦国に対し、敵意が強い。それは無論、嘉太子もだ。
しかし、李信を始め今の趙をどう統治しているかや趙人とどう交流しているかを見て嘉太子は趙の今後を任せても良いと納得し、頭を下げたのであった。
その後は『番吾』の統治を続けて、宜安も含めて状況が安定していったところで……。
「では、嘉太子……共に咸陽へと参りましょう」
「分かった」
秦の王都である咸陽より、『論功行賞』が開催されるとの事で李信達は呼び出しを受けた。そして、李信は当然ながら、嘉太子も咸陽へと連れて行くので彼に声をかけ、出来る限り住み心地は良くしていて、外から様子は伺えない馬車の外見をした牢の中に入ってもらう。
そうして、李信は秦の王都である咸陽に向かった。
『李信将軍、万歳!!』
『秦国、万歳!!』
咸陽に到着すると民や文官、武官がそれぞれ李信を讃えたし、秦国自体も讃える。
「また、やり遂げてくれたな李信」
「当然だ……これで趙が滅びるのも時間の問題だ」
「ああ」
政が李信達を出迎え、そうして更に……。
「嘉太子、お初にお目にかかる」
「こちらこそ」
政は嘉太子にも接触し、自己紹介を交わしたりしながら、軟禁用の屋敷へと兵たちに案内させていったのであった……。