キングダム――大将軍を目指す男   作:自堕落無力

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刺客急襲編
十五話


 

 『秦』と『魏』による蛇甘平原での戦に徴収兵と参加した信は複数の将、部隊の隊長を討ち取る大戦功を納めた。そうした結果、百人の兵を率いる事が出来る『百将』の地位を与えられた上、かなりの金や元は敵軍の馬の一頭を手に入れる事が出来た。

 

 だが、最も信にとって大きい収穫は総大将である麃公の戦に一騎打ちを身近で見られた事や蛇甘平原での戦に勝利した後、帰国中の亜水にて麃公と蛇甘平原での戦を『観戦』しに来た王騎から色々、話を聞かせてもらった事である。

 

『将軍』という者がどういう存在かを聞かせてもらったし、雰囲気を感じ取ることができたのだから……しかも戦の功とは別に麃公からお土産としていくつかの金や必需品まで貰えたのである。

 

 

 

 そうして、一緒に秦の王都である咸陽から東にある村で河了貂との生活に戻りつつ、数日後のある日。

 

「『市』というのはこんなにも活気だっているのか」

 

「始めて見たけど、凄いなぁ」

 

 稼いだ金で次の戦に向けた甲冑と矛を買う事と剣の手入れをしてもらおうと鍛冶屋を利用しようと『市』のある村へと自分たちが住んでいる村から三つほど村を経由して訪れた。

 

 

 

「ふっ、笑えるな……自分の容姿で躓く事になるとは」

 

「まぁ、こればかりはどうしようもねぇよ。それとありがとうな飾り物買ってくれて」

 

「いや、それは構わない。色々と生活を支えてもらっているしな、その礼だ」

 

「えへへ」

 

 信は自分の年齢と見た目が故に子供として扱われ、鍛冶屋を利用できず目的を果たす事が出来なかった。因みに貂には彼女が目を惹かれた飾り物を幾つか買って、贈り物として渡している。

 

 

 喜んでくれたのでその分は信としても満足ではあるが……。

 

 

 

「誰かに相談しようにも顔見知りはいないしなぁ……」

 

「む……お前、信じゃないか!?」

 

「あんたは田有」

 

 どうしたものかととりあえず、貂と食事をしながら考えていると蛇甘平原での戦に信と同じように徴収兵として参加していた巨漢の田有とその取り巻きが現れ、信を見かけると田有が声をかけてきた。

 

「第四軍の英雄、信……本当にあんたの活躍には驚かされたし、あんたと一緒の戦に参加できたのは俺の誇りだ。次の戦はあんたの部隊で戦いたいよ。それはあの戦に参加した奴が全員、思っているだろうが……。」

 

「俺も百将として率いるなら、少しでも顔見知りの者がいるのはやりやすいからそうなると良いなと思っている」

 

「へへ……それでこの村には何をしに?」

 

「ああ、恥ずかしい話なんだが……」

 

 田有に信は自分が子供のため、鍛冶屋を利用できないと相談をすると……。

 

「それならお安い御用だ、百将っ!! 野郎共、いくぞぉっ!!」

 

「ありがとうな、田有」

 

 田有とその取り巻きの協力により、信は剣の手入れは勿論、自分の身体に合わせた甲冑と信の腕力に合わせた事で普通の矛より頑丈で重量のある矛を作ってもらう事が出来たのである。

 

 そうして……。

 

 

 

「はあっ!!」

 

 自分が住んでいる村に戻った信は『武』の鍛錬においてはいつもの運動や筋力を鍛える鍛錬に加え、目に焼き付けている王騎と麃公が矛を振るうそれを思い返しながらそれをなぞるように矛を振るいつつ、仮想相手としながら仮想戦闘を行なったりもする。

 

また更に……。

 

「いくぞ、はあっ!!」

 

「ヒヒーン」

 

 蛇甘平原での戦で手に入れた馬に乗り、野山を駆け回るりながら矛を振るうという『乗馬』の鍛錬を行う。

 

 また、更に何日かおきなものとして……。

 

「気持ち良いな、貂」

 

「うん」

 

 自分の前に乗らせる事で一緒に乗馬しつつ、村の外であり野原を駆け回ったりもした。

 

 そんな事をしながら、日々の生活を続け、蛇甘平原での戦から三か月後……。

 

「あれ、誰か立ってる?」

 

「あれは……蛇甘平原での戦に一緒に参加した羌瘣だ」

 

 

 羌瘣が信が住んでいる村へと入る手前のところで立っており、信は貂の疑問に応じながら、ゆっくりと羌瘣へと近づいていったのだった……。

 

 

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