李信の妻である貂と羌瘣に楊端和の三人はそれぞれ、身籠った。幸福を得ながらも李信は六大将軍の一人である。そして、今は趙の攻略に備えさせられているので趙北部に向かう。
そうして、李信は趙北部に戻りながら屯田を続けさせていく。以前からの趙の戦争において屯田を続けているその成果は着実に出ている。
糧食の蓄えとしては数年間どころじゃないくらいに豊富にあるし、武具や防具の蓄えも馬の用意も十分だ。
趙の大攻略における用意は十分であるが、そもそも燕と協力して王都である邯鄲を遠巻きに包囲をしている状態。今にも包囲を狭めて行かないのは変に追い詰めて血迷った行動を取らせないようにだ。
その証拠に商人による糧食などの流通はある程度、コントロールこそしているが止めてはいない。無論、攻略をするとなったら流通を止めるが……。
それとは別に秘密部隊による諜報部隊を潜入させているし、次々に王都内にいる文官とも連絡を取って、弱らせていくように工作もしていた。
無論、趙の戦に備えて趙の地で訓練すると共に……。
「どうか、この俺にお力をお貸しください。今後において良い統治をするために」
李信自ら、趙にて隠居のような生活をしていた名士に実際に会って話し合いながら、力を貸すように頭を下げて頼む。
「……参りました。あなたほどの者が頭まで下げるとは……」
李信の誠実さに応えて名士たちは力を貸す事と決めた。中には有望な知り合いを紹介し、説得する者もいるほどだ。
「李信将軍、貴方にこそ我がお力をお貸ししたい」
「よろしく頼む」
武人においても李信の評判を聞き、趙の者なれど李信に仕える者も現れた。
そして、趙の王都を包囲している状態の中で……。
「趙の北部は広いものだな……ここからは中華とも呼べない地だが……」
趙北部における『中山国』の先からは中華とも呼べないようになる。そんな趙北部の全体をどう開拓していくか練りながらも……。
『オオオオッ!!』
「やれっ!!」
匈奴のような部族とも戦いつつ、制圧しながら自らの仲間にしていった。
こうして李信は趙の地において着実に自軍の、そして秦の力が増えるように動いていったのだ。
「出来る事はまだまだやらないとな」
中華大陸を統一しなければならない事は山ほどあるし、出来る事もまだまだある。
李信は趙の攻略に向けてしっかりと計画しながら準備し、備えていく。
「攻め滅ぼす時はなるべく一瞬にしないとな」
李信は趙と最後の戦いは一度で済むように動いている。じっくりと機会を待ちつつ……。
「韓の意識もそろそろ、緩んでいくかな」
趙を攻め滅ぼす構えをしながらも実は先に滅ぼす事を想定している韓攻略に向けた準備もしているのであった……。