魏の山陽地方の一つである『
この微子は千人将の一人であり、秦と魏の山陽での戦の総大将を務めた蒙驁の孫にして秦における猛将の一人である蒙武の息子の蒙恬が担当している場所であった。
信が率いる『飛信隊』は里井での平定を完了するとまだ平定が終わっていない『微子』へと平定に協力する事を伝者で伝えると『是非、お願いします』と返答があったのだ。
こうして、まずは『微子城』へと向かい……。
「これぞ、まさに『信来来』だな。よう、信。久しぶり」
「お前なら、そうして来るだろうと思ったよ蒙恬。久しぶりだ」
言いたかったとばかりに山陽での戦により、魏によって付けられた異名を蒙恬がからかった。信は苦笑しつつも共に戦友である者の肩を叩いた。
「兄上、将軍に対してそんな気安く……貂、無事についたようだね」
「ああ、蒙毅。お前も無事、着いたようで良かった」
そんな中で蒙恬の弟である蒙毅と河了貂も同じ昌平君の下で軍師として修業をしていた身で同門が故に再会を喜ぶ。
「これが俺の弟の蒙毅だ。よろしくしてやってくれ」
「私は蒙毅と言います。李信将軍」
蒙恬の促しと共に蒙毅が自己紹介し……。
「実は前に『馬陽』での趙との戦で貴方の戦振りを見させてもらっていました。山陽といい、馬陽といい、英傑と呼んでも遜色ない程の将軍の武力には恐れ入るばかりです」
「そう、畏まらなくても良い。貂が世話になっていたようだからな……それに蒙恬の弟というなら、同じく友人でいたいとも思う。よろしくな」
「は、はい」
信の握手に嬉しそうに蒙毅は応じた。
「さて、じゃあ平定にかかるとするか……」
そうして、信は蒙恬たちと『微子』一帯を広域な戦場として、策を練っていき……。
『ぐあああああああっ!!』
微子一帯にいる魏軍に対し、戦前に練った策に加えて戦場の起こり、あるいは流れを感じ取りながら、臨機応変な采配や指揮を出す事が出来る信によって繰り出される戦術が魏軍を翻弄しながら勝機を奪い取っていき、『飛信隊』と楽華隊他『微子』の守備隊の武威を上手く合わせながら、炸裂させる事で蹴散らして蹂躙していく。
だが、やはり魏軍を蹂躙しているのは……。
「はあっ!!」
『り、李信だぁぁっ!?』
自分と麾下五百の騎馬隊にて一つの巨大な獣が如くとなって戦場を縦横無尽に駆けながら、超絶なる武威を込めた矛を超絶なる戦技によって振るう信だ。
「やっぱり、信がいると戦いやすくて良いし、頼りになるな」
改めて『飛信隊』とは戦いやすいし、味方としては頼りになる事を蒙恬は実感する。
そうして、『飛信隊』が援軍として加わった事により『微子』の平定もかなり早い段階で終わったのであった。
平定が終わったその日の晩……。
「ふむ、んちゅ、く、あぁ……し、信……」
「本当、魅力的になったな。貂」
信と貂は互いの愛を繋がり合う事で身も心も思う存分、通じ合ったのだった……。