キングダム――大将軍を目指す男   作:自堕落無力

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六十一話

 

 『秦』へと侵攻してきた『楚』に対しての防衛戦は『秦』の武将である蒙武が『楚』においての総大将である汗明を討ち取り、王騎の副将である騰が楚軍本陣を陥落、李信と麃公ら秦軍の武将たちが大勢の楚軍の将兵らを討ち取った事で潰走させた。

 

 楚軍は臨武君に汗明、貝満や剛摩諸らなど有力の将らを討たれ、更には七万近くの兵を失うという大敗であるのだった。

 

 そうして、戦も終わったので……。

 

「皆、今回の戦においては本当に死力を尽くしての行軍に戦闘をさせてしまった。だが、お陰で『秦』という国崩壊の危機を防ぐ事が出来た。一人の将としてそして、人間として本当に感謝しているし、なにより誇りに思う」

 

 夜中、『飛信隊』の幕営にて李信は飛信隊、楽華隊、道中に休憩のためなどで立ち寄った城から集めた将兵らに礼を述べて頭を下げる。

 

 

 

 

『(この人と共に戦えて良かった……)』

 

 そんな李信の真摯な態度に皆は敬意を抱きながら、感動する。

 

「秦国万歳っ!!」

 

『秦国万歳っ!!』

 

 そう言うと杯を皆、持ち始め……。

 

「乾杯っ!!」

 

『乾杯っ!!』

 

 そうして勝利の宴を始めたのだった……。

 

「今回は本当に大変だったな。流石は李牧と春申君の策謀だよ」

 

 蒙恬が李信へと近寄り、そう話しかける。

 

 

 

 

 

「ああ、間違いなくあの時、会合するのを見ていなければ危なかっただろう。色々と準備もさせていたようだからな。特に魏軍は……」

 

「ああ、あんな馬鹿でかい井蘭車(せいらんしゃ)が二台に床弩(しょうど)も大規模なのが幾つか持ち込んでいたからなぁ」

 

「まあ、今では戦車も含めて全部俺達のものだが」

 

 李信は魏軍を敗走させたときに武器に馬や兵糧は勿論、しっかりと井蘭車に床度、戦車も確保していた。

 

「『韓』の毒も使うのか?」

 

「効果も良く分からないから危なすぎて使えないし、大陸を統一しようってのに毒なんて使えない」

 

 韓軍を敗走させたときには総大将である成恢が持ちこんでいた数々の毒兵器があったが、李信は処分を決めていた。効果も分からないので扱う事自体が危険すぎるからだ。

 

「けど、その剣は中々の名剣のようだな」

 

 蒙恬は李信が楚の千人将項翼から奪った宝剣である『莫耶刀』を腰に帯刀しているのを見て言う。戦が終わった後で項翼の死体から鞘もちゃんと拾ったのだ。

 

 

 

 

「ああ、かなり良く斬れたぞ。今後も使わせてもらうさ」

 

 そう言うと……。

 

「蒙恬も色々と働いてくれてありがとうな……お前は機転が利くからかなり助かっている」

 

「助かっているのはこっちもそうだよ。動きやすいように状況なんかを整えてくれているしね」

 

「そうか……ともかく、乾杯」

 

「ああ、乾杯だ」

 

 そうして李信は蒙恬と酒を飲む。

 

 

 

 

「じゃあ、俺は今から王騎将軍のところに行ってくる。将だけで飲もうとも誘われているからな」

 

「ああ、行ってらっしゃい」

 

 そうして、李信は王騎将軍の天幕の方へと向かい……。

 

「ココココ、待っていましたよ李信」

 

 王騎将軍の天幕には王騎に蒙武、張唐、麃公らがいた。

 

 

 

「すみません、お待たせして……皆さんとこうして、勝利を祝える事を嬉しく思います」

 

「ンフフ、それはこちらこそですよ。なにより、今回の大戦は貴方が一番の功労者ですしね」

 

「それに俺達を滾らせもしたからな……流石だ」

 

「ああ、本当に素晴らしい指揮と采配に戦術だった……秦にお前のような将が台頭した事を嬉しく思う」

 

「ブハハ、李信との戦は中々に楽しいからのう。それにこうして酒を飲み交わすのもな」

 

 李信の礼に対し、王騎と蒙武、張唐、麃公らがそれぞれ応じる。

 

 

 

 

「では、始めましょうか……秦国に」

 

『秦国に』

 

 それぞれ酒を入れた杯を持ち上げ、乾杯をする。

 

 

 そうして、皆で酒を飲んでいくのであった……。

 

 

 

 その後、それぞれの武将と兵士たちに秦はしばしの休暇をさせると令を出し……。

 

 

 

 

「今回の大戦は本当に疲れた……だから、その分激しくなるぞ」

 

「うん、良いよ……信」

 

 自分の領土に戻った李信は屋敷の中にある自室の寝台にて貂と二人で見つめ合いながら、李信は言い、貂は頷く。

 

「ん、ふ、く……は……」

 

 李信は貂を抱き締めながら、深い口づけを交わしていく。

 

 そのまま、二人は男女としての深い交流を激しく行うのであった……。

 

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