『合従軍』を侵攻を阻止し、撃退した『秦国』であるが被害が無い訳ではない。
最短最速を重視していたとはいえ、幾つかの城は陥落させられているし付近の村々も壊滅させられているのだ。
つまり、斉を除く他の国々との国境における前線地帯はずたずたになっており、防衛線も無くなっていて敵と肉薄した状態になっている。
そこで『秦国』は復興作業と敵軍からの防衛のために中央から各所へと中規模部隊を送っていった。
「『飛信隊』、将軍の李信だ。復興も敵の撃退も任せろ。」
「おお、貴方が噂の……ありがとうございます、ありがとうございます」
重要な前線地帯であり、壊滅状況などが酷すぎる場合には大部隊を送る。つまり、『飛信隊』も又、そうした任を受けたのである。
村の村長と村人たちへと挨拶すれば皆が安堵し、涙を流しながら李信達へと頭を下げる。
「お前たち、頼んだぞ」
『はっ!!』
そうして李信は『飛信隊』の部隊を復興組と警備組の二つに分け……。
「ルアアアッ!!」
李信は村付近の森林や山を拠点としたり、陥落させた城や砦を拠点にしている敵に向け進軍し、麾下の騎馬隊と一つの巨大な獣と化しながら大矛を振るうと大斬閃が縦横無尽に舞い踊る。
『う、うわぁぁっ、化け物だぁぁぁっ!!』
一振りで五、六人の首が刎ねられ、身体が切断される斬撃の嵐に敵は恐怖し、あるいは断末魔の叫びを上げる。そして、戦意を失い、降伏する者も現れていく。
「よし、やれ」
攻城戦や攻砦戦においては魏軍から獲得した巨大井蘭車や床弩がその効果を十分に発揮し、城壁を登り切ったり、城門を破壊するなどして瞬く間の侵入を可能とした。
「おおおっ!!」
無論、李信は城内でも馬に乗った状態、馬から降りた状態にて大矛による大斬閃を舞わせ、敵を屠っていき降伏や全滅させるなどした。
城や砦においては修復作業が必要なら、修復作業をさせた。
だが、更に……。
「当然、こっちの番だよな」
逆に前線から国境を越えて怒涛の如き、勢いで敵国の前線の地を侵略する。
「こ、降伏します」
「良いだろう」
そうして各地を転々としつつ、『合従軍』にて侵略してきた敵国の前線の地を逆に侵略し、獲得する事で秦国の国境を広げた。
「さて、どう国境を塗り替えていくかだよな」
今後に向けてどう各国の地を奪っていくかを常に考えたりもする。
こうした李信の武威に対し、合従軍での事も踏まえて各国では王騎を【秦の怪鳥】と呼ぶように李信の事を【秦の怪獣】と呼ぶようにもなったのであった。
そうして、『飛信隊』が活躍している中……。
「信、ただいま」
「ああ、待っていたぞ」
羌瘣が復讐を果たし、長い旅から李信の元へと戻って来た。
「さあ、ここからが『飛信隊』の本領発揮だ。やってやろう」
「ああ」
「うん」
羌瘣の帰還を祝う宴の後、李信の天幕にて李信は羌瘣と貂の二人と心身ごと深い愛の交流をしながら、今後に向けた誓いを交わし合うのであった……。