秦の太后に山陽の長官である嫪毐、後宮勢力が『太原』を拠点に建国した『毐国』は反乱をする事とした。
切っ掛けというか、そもそも太后が『毐国』を建国したのは決して許されぬ事であるが、嫪毐と交わった事で男女の双子を産んでしまったからだ。
そして、太后自身も乱世に疲れてしまい、安息を求めたが故である。
しかし、そんな想いは実らなかった。呂不韋に嫪毐との子の事がばれてしまっていたのだ。
結果、出身国を楚とする大臣が
そうして、秦の旧王都である『雍』へ秦王や相国、丞相、大臣など重要人物らが咸陽から出払う事になる大事な式典、『加冠の儀』を行う今日。
『毐国』は咸陽を奪うため、行動を開始した。
嫪毐こと毐王を総大将に
各城から兵を集められたのは玉璽を大后が複製したからだ。
そして、咸陽を守る巨大にして堅牢な門である
こうして咸陽警護の軍として偽り、函谷関へと近づき、玉印を渡した。
「うむ、確かに……では待たれよ」
そうして、玉印の令を見た守将は函谷関の上から呼びかけ、門を開いていく。
「やりましたね、父上」
「ああ……王族直々に複製した物ならそう簡単に偽物とは分かる訳がないからな」
燓親子は作戦成功に喜んだが……。
城門が開き始めると同時……。
「反乱者どもを殺せぇぇぇぇっ!!」
『飛』と『秦』の旗を掲げた軍こと『飛信隊』を率いる将軍であり、鮮血の如き紅の巨大な馬である『紅飛』に乗った李信が号令を出しつつ、麾下六百の騎馬隊と一つの巨大な獣となり、先鋒として突撃。
『ウオオオッ!!』
無論、その後に飛信隊のそれぞれ精鋭である合わせて四千四百の騎馬隊と歩兵が続き、更にこの函谷関の将兵、この場所に来るまでに合流した将軍の
「殺し尽くせぇぇぇッ!!」
更に崖を駆け下りて反乱軍へ突撃するは李信からの文に応えて援軍として駆け付けた山民族を率いる女王楊端和である。
更に……。
「今だぁぁぁっ!!」
実は燓親子らが玉璽で集めるより先に李信は各城に反乱軍が偽の玉璽を使って招集をかけるだろうから、潜入してこちらが攻めるときに呼応して攻めてほしいと令を出していた。
よって一万の将兵がいきなり、向こうにとっては反乱を起こした事になる。
『っ!?!?!?!?』
そして、毐国軍と戎翟軍は大混乱し、その間にも……。
「ルアアアッ!!」
李信は『紅飛』により超速で駆け跳ねるように移動しながら大矛を踊らせ、敵を屠っていく。
「ふっ!!」
「ぐがっ!?」
「うげぇっ!?」
その中で呂不韋との関係を吐かせるために『毐国』の指揮官級は武威を抑えて吹っ飛ばし、捕獲させるようにする。
それにより、燓親子はどちらも馬から叩き落され、気を失いながら捕虜にされていく。
「秦の猛者よ。この戎翟公が討ち取ってやるぞぉぉぉぉっ!!」
「我が名は李信、返り討ちにしてくれるっ!!」
終わりを悟り、戎翟公は李信へと突撃していく。それに応じ、李信もまた戎翟公へと駆けていく。
「猛者どころか、怪物であったか」
しかして『紅飛』による超速の突撃には勝てず、大矛が振り下ろされるのをゆっくり視認し、走馬灯を見ながら戎翟公は呟く。
そうして、戎翟公は雷の如く、振り下ろされた轟閃によって切断され、李信に討ち取られた。
「……こ、こんな馬鹿な……」
嫪毐は迫り来る李信と飛信隊が自分の元へと来るのを呆然と見ながら愕然とし……。
「終わりだ、毐王」
「太后様、申し訳ありません」
李信が大矛を突き付けながら、告げれば嫪毐は項垂れるのであった……。