モンスターハンターライズ×ストーリーズ 作:新米ハンター
若者「「おら、ドンドルマ行くさ~!!」」
新しく着任したライダーのホムラ、そしてホムラのオトモンであるレウスをヒノエとミノト姉妹そしてヒノエとミノトの幼馴染みであり、カムラの里出身の新人ハンターであるヤマトという青年に任せて、集会所にやって来ていた。
このカムラの里。周囲を天然の砦とも言うべき、山々や海に囲まれており、実は結構不便である。その上、約50年前に起きた大規模な百竜夜行によるモンスター災害で多くの人命が失われたこともあり、人口も減りつつある。
幸いにもカムラの里はハンターズギルドの集会所があり、カムラの里が誇る製鉄技術や巷で噂になるオトモンのガルクを求めて、ハンター達がやって来ることもあり、人々の往来は多少はある。だが…外に行こうとすれば不便であり、百竜夜行のことや住んでいるモンスターが強いこともあってか、若手の流出が問題となっているのだ。
『俺、こんな里から出てドンドルマに行くさ』
『俺も都会に出て一発成功するよ!!』
お陰様で若い人材はヒノエとミノト、新人ハンターのヤマトだけである。これは著しい事態であり、その下の世代となったらホムラと歳が近いガルクのブリーダーをしているイオリくん(フゲンの友人で加工屋ハモンの孫)、茶屋の店員であるヨモギちゃん(恐らく十代前半)、その下にりんご飴のコミツちゃん(9歳ぐらい)とおにぎり屋のセイハクくんぐらいである。
ヒノエとミノトそしてヤマトが十代後半~20歳だと仮定しても、若手が僅かこんだけ。ご覧の通り、少子高齢化が進んでいるのだ。
「皆集まっているな」
そんなカムラの里の集会所。本来の集会所はフランチャイズのような扱いとなった、その地域のハンターズギルドの施設であり、ハンター…そして近年はライダーへの仕事の斡旋やサポート、飲食等を提供する施設であった。
だが…このカムラの里はハンターライセンスを保有する住民は結構いる。しかし、現役を退いた人が大半であり、現役で活躍するのは教官を務めるウツシ(多分、30代前半)、外からやって来てカムラの里に居座った元ハンマー使い現ライトボウガン使いのアヤメ(恐らく30代前半)、そしてヤマトぐらいであり、後はハモンやその弟子に加工をして貰いたくて遥々やって来る旅のハンターぐらいである。
「遅いぞ、フゲン」
「ハッハハハ、孫が出来た気分でな!さてと、始めようか」
そんなこともあり、この集会所はカムラの里の人々が集う文字通りの公共施設としての集会所と成ったのだ。早い話、田舎の憩いの家である。
「では始めよう。ライダーのホムラくん、オトモンのレウスくん歓迎パーティーの会議および…ホムラくんとレウスくんに里に骨を埋めて貰うための会議をだ!!」
その結果、カムラの里のおっさん連中+ウツシ教官とアヤメさんでホムラ達に、ここで永住してもらうための会議が行われていた。
若い人材、しかも初のライダー。その上、カムラの里を気に入っているようだし…是非ともここに骨を埋めてもらいたい。そのために、おっさん達は会議を行うのだ。
「骨を埋めてもらう会議は次回で良いんじゃないかな?」
「甘いぞウツシ!カムラの里に折角の若い男が来たのだ!それに…ギルデカランのギルドマスターからの手紙で、あの子は帰る故郷はないと来た!!こんなチャンスないぞ!!」
口元をマスクで隠したイケメン、ウツシの言葉に対してハモンという老人が叫ぶ。実はこのハモン、フゲンと共に嘗てはフィールドを駆け巡り…共に狩りをしてきた逸材であり、家業である鍛冶を継ぐために前線から引いたが…凄腕のガンナーでもある。
「なあ、ウツシ。これ、私が来たときも、こんな会議したのかい?」
「どうだろう…俺は知らないな」
おっさん達の会議を聞いて、アヤメ溜め息を吐きながらウツシに聞く。だが…アヤメが来たときはウツシはその会議を知らなかったようだ。
「いや、してないゲコ。アヤメの両親はこの里出身で、アヤメも物心つく前は里にいたゲコ」
と、ギルドマスターであり長老でもあり竜人族のゴコクがそう言う。因みに竜人族は高齢になると、背が縮むようで…ゴコク様は10年ほど前と比べると、子供程の背丈と成っている。10年前はムキムキで身長が高かったとか。
「そうかい?だが…私とウツシから緊急の案件がある」
「ホムラくん…いやこれからの新弟子は数年間…少なくとも余程の理由がない限り、3年ほどは大丈夫だ。問題は愛弟子だね」
深刻そうに、ウツシとアヤメが告げる。それはウツシの愛弟子であり、カムラの里始まって以来の天才ヤマトに関してだった。
「ヤマトが…どうかしたのか?」
「愛弟子の素質は俺以上だ。知っての通り、なんの準備なしで日帰りで大型モンスターを討伐出来るなんて考えられないよ」
ウツシの言葉ももっともだ。本来、大型モンスターを狩猟するためには、そのモンスターに対しての対策や準備、狩猟場所の確認を含めて念入りな準備が必要なのだ。罠、食料、環境の利用等を含めて現地に入ってから更に数日かかるなど、多々ある。経験を積んだ上位ハンターでこれであり、駆け出しハンターがアオアシラを討伐するにしてもそれ以上の時間がかかるだろう。
だが…ヤマトはそんな準備はしない。強いて言うなら店で回復薬や痺れ罠を調達するぐらいで、移動時間を除けば日帰りで帰ってくる。現代人で言えばスーパーで買い物して帰ると言った感じだ。
「ウツシ…それはお前もだろ?」
「ですが、愛弟子はハンターになって1ヶ月しか経っていません。なのに、これです。大社跡に出現したジンオウガの討伐、これを僅か2時間で戻ってくるなんて人の領域ではありません」
「私からも。優秀なハンターはドンドルマなどの大都市から声が上がります。大都市のギルドが斡旋するクエストの方が報酬も多いです。もしかすれば、ヤマトも大都市や王都のハンターになってしまう可能性もありますよ」
大都市の方が報酬も多い。これはモンハンの世界もそうであり、ドンドルマやギルデカラン、果ては王都で受注出来るクエストの報酬は似たような内容でも、カムラの里で受けられるクエストより羽振りは良いのだ。
「いっそのこと、所帯を持たせれば良いだろ?お前だって、それでとどまっただろ、フゲン」
ハモンの爆弾発言。それを聞いたフゲンは口に含んだお茶を吹き出した。
「それだぁぁあ!!……でも、相手居る?ホムラは同世代の女の子居ないぞ?ヤマトもそうだ」
だが…カムラの里は男手が足りなかったら女手も足りない。
「茶屋のヨモギちゃんはどうだ?」
「殺すぞ」
「「なんでハモンさんが反応するの!?」」
ヤマトとホムラ…ハンターとライダー。この2人の同世代の女の子が居ないのだ。
「いっそのこと、アヤメ。お前さん、どうだ?」
「バカ言うんじゃないよ、おっさん達。私はあの子達より10歳以上離れてる。ライダーにとっては親子程の差だよ」
アヤメは歳が離れすぎている。なにせ、モンハンの世界では15~16程で結婚する男女も多く、田舎ではそれが多いのだ。
「いっそのこと…愛弟子はヒノエちゃんとくっついたら?ヒノエちゃんはその気が有るようだし」
ウツシがそう言う。確かにヒノエとヤマトは同い年だ。しかし、人種が違う。
人間は長く生きても精々、100年ほどが限界だ。対して竜人族は軽く300年どころか数百年生きる。ゴコクだって何百年と生きており、この先も生き続けるだろう。
ヒノエとミノトは長生きの竜人族、対してヤマトは短命のヒト族。仮に結婚しても、子供が出来る保証はないし、間違いなく…片方は寿命換算では幼く未亡人となってしまう。
「「「そ・れ・だ!!」」」
「はい。じゃあ、これで閉廷ですね」
ウツシはそう告げ、立ち上がる。ウツシとしてもやることが有るのだ。ウツシは新しく里に来たライダーのホムラがどんな武器を使うのか、どれ程の腕前なのか確認して…場合によるが指導する義務がある。
カムラの里は例外だが、他の地域ではギルドで登録すればすんなりハンターになれる。15歳ほどでハンターになる人も居れば、未経験で転職をかねて二十代半ばでハンターになる人も様々だ。しかし、カムラの里では厳しい訓練を積み、見事合格すれば晴れてハンターとなる。お陰で、ヤマトは先月ハンターになったばかり…腕前はそこら辺の上位ハンターより上とは言ってはいけない。
「まてウツシ。まだヤマトの問題が半分解決しただけで、ホムラくんの解決はしてないぞ。歓迎パーティーのな」
「構いませんが…愛弟子達が里の案内を終わらせたら、レウスと新弟子来ますよ?」
「「「良し!!後はおっさん達に任せろ!!2階で会議続行だ!!」」」
そしてフゲン率いる愉快なおじさん達は、集会所の2階に向かっていった。
一方のハンターの家。
「そっか…もう来たのか。爺さん…里長からライダーが来るって聞いてたけど、めちゃくちゃ早いな。布団の準備とかは出来てないけど、使ってくれ。1人じゃ、大きすぎるしな」
1人で暮らすには大きすぎる家。ここはハンターことヤマトの両親が残した家だった。ヤマトの両親は既に他界しており、カムラの里の特産品を里の外に運んで売る商人をしていた。だが…5年前、黒の狂気と呼ばれる事件が起こり、凶暴化したモンスターの襲撃を受けて両親は亡くなった。その後はたまにヒノエとミノトが手伝ってくれるが、母の実家から来たアイルーの家政婦であるセバスチャンが親代わりとして育ってきたのだ。
「お邪魔します」
「アギャス」
「違うだろ、これからはただいまだ」
家に上がるホムラとレウス。ただし、畳の都合上…土間で停まる。
「靴は?」
「あー…そっちは屋内でも履いてるのか。カムラの里じゃ、住居は基本的に脱ぐんだ。土間は大丈夫だけどな。
リオレウスは土間は良いけど、畳は勘弁してくれ。セバスチャン、リオレウスを庭に案内してくれ」
「はいにゃ」
すると、家の奥からそこそこ中年のアイルーが割烹着姿で出てきた。彼が家政婦のアイルー、セバスチャンである。
「オトモン様、此方ですにゃ」
「グゥォン」
セバスチャンの案内でレウスは土間を抜けて庭に向かう。庭は広く、母親の趣味も有ったのか…屋根がある所もあり、雨風は防げそうだ。
「庭に屋根があるんですね」
「元々は旅商人だった両親の家畜だったアプトノスが居たんだよ。その名残さ」
なにはともあれ、雨の日でもレウスは濡れる心配は無さそうだ。荷物も一先ず、置いた事だ。
「えーと…ハンターさん」
「ハンターさんはよしてくれよ。俺はまだ新人だ、これから一緒に住むんだ。ヤマトって呼んでくれ、俺もお前を名前で呼ぶさ…えーと…名前は?」
「ホムラです」
「ホムラか、良い名前だ。ようこそ、カムラに。ヒノエとミノトが待ってるし、里を案内するよ。オトモンも連れてきな」
カムラの里は独自の製鉄技術で発展しているが、それでも少子高齢化の影響を受けており、子供の数は少ない。
「ドンドルマやギルデカランと比べて...子供が少ないですね」
「おう。俺達でさえ、下から数えた方が早いからな。お前より年下なんて片手で数えられるぞ?」
先ず最初に案内されたのは、良質なマカライト鉱石や鉄鉱石を加工するためのタタラ場。里のシンボルであり、一番大きな設備だ。
「ここはタタラ場。多くの人が働いてるし、ハンターや商人、農家さんに成っていない大人の多くはここで働いてるな」
ヤマトの案内で少し開いている扉からタタラ場の中を覗くが、熱気が凄く、ホムラは目を瞑ってしまう。
「あつ!?」
「ハハ、スゲーだろ?中はもっと熱いぞ?次は…ハンティング生活に必要な所だな」
続いて案内されたのはハモンの加工屋。今、ハモンは会議中のため居ないが、弟子の1人が店番をしていた。
「ここは加工屋。必要な素材を持ってきたら、武器や防具を作ってくれるぞ」
「はい、ハモンさんの腕は一流です」
「私達の武器もハモンさんに作ってもらったんです」
ハンターであるヤマトは勿論だが、ヒノエとミノト、他の住民の武器もハモンやそのお弟子に作ってもらったのだ。
「えっ?ヒノエさんとミノトさん、戦うんですか!?」
「これでも小さい頃から、ヤマトと共に訓練してましたから!」
因みに…ヒノエとミノトはドンドルマに居る上位ハンター真っ青の強さがあるのは内緒である。上位ハンター真っ青以上の強さがないと、ハンターとして認められないカムラの里であった。
「なかなか認められなくて…私達はギルドの受付嬢をしています。私は里の皆さんから出された里クエを扱っていて…」
「私は集会所のクエストを担当しています。ホムラくんも集会所のクエストを受注の際は、私にお声がけください」
里の皆さんからのクエスト…例えば『薬が少なくなってきたから、薬草と苦虫をとってきて』や『タケノコとりたいけど、イズチやジャグラスが怖い』などはヒノエが担当。
ギルドから集会所に出されたクエストはミノトが担当である。
「先ず、ホムラくんとレウスはヒノエ姉様のクエストを受け、慣れてきた頃に集会所のクエストを受けてください。ライダー向けの依頼は、姉様の所に多いと思われますし…ドンドルマやギルデカランと異なり、里は少数のハンターしか居ませんので、単独でのクエストが多いと思います」
ミノトの言葉も最もであり、ドンドルマやギルデカランなどの大都市と比べてクエストの勝手も異なるだろう。
ホムラは上位ハンターやベテランのハンターと違い、単独での狩猟くえは受けたことがない。狩猟クエストは有るが、ハンター達のサポートに回ったりが多かった。
だが…カムラの里は僅か常駐のハンターが僅か3人!!しかもウツシ教官は教官としての仕事もあるし、アヤメはリハビリ中でメイン武器である大剣やハンマーはまだ使えない、ヤマトは一応駆け出し。あと1人、最近…外からやってきたハネナガさんという先輩ハンターが居るが、狩りに行ってる素振りは見えない。
なので、必然的に単独のクエストが多くなるだろう。
「はい!!宜しくお願いします!」
「アギャス!」
「誰かさんと違って、素直ですね?ヤマト」
「あの…ミノト?なんでこっち見ながら言うの?」
次は狩りに必要なアイテム、そして日用品を取り扱うお店。カムラの里を拠点として居る商人のカゲロウである。素顔を隠した竜人族の男で、昔は片手剣を使うハンターだったとか。
「おや皆さん。そして初めまして、乗り手殿、オトモン殿。カゲロウです。
狩りや調査に必要な物が有りましたら、言ってください」
「たまに、サービスもしてるにゃ!!」
と、カゲロウの側に居るアイルーが言う。このアイルーは里の医者であるゼンチ。回復薬などで治せない怪我はお任せである。
「次は腹ごしらえが出来る所だな。この茶屋は旨いぞ?看板娘のヨモギちゃんだ」
「はい!!宜しくねライダーさん!リオレウスさん!!うわ…この子大人しいね!!」
次はクエスト前の腹拵えが出来る茶屋。そこの茶屋の看板娘であるヨモギちゃんである。ヨモギちゃんもウツシ教官から訓練を受けており、ヘビィボウガンやマシンガンを持つと性格が変わるとか。
「折角だから、食べて食べて!」
「それじゃあ…いただきます!」
この茶屋のお団子は完全栄養食であり、栄養満天だ。是非とも、狩りの前は食べるべきである。
「あとは……てっ!?どうした!?」
「こんなに…親切にしてもらったの、初めてなんで……ぐすん、俺の…いや僕の居た農村と違って好い人過ぎる!!」
家族が病気に感染して村八分、昔の日本でも実際に起こったことである。その事もあり、ホムラは故郷で村八分にされた。しかし、カムラの里は絶対にそんなことはなく、暮らしている人達の民度も非常に高い。
その為か、ホムラくん16歳。感情が壊れかけた幼少期の環境と、カムラの里の暖かみを比べてしまい、本気で泣く。
「ドンドルマじゃ、モンスター連れた変人なんて思われるし!!クエストで訪れた町じゃ、ライダーのことがあまり伝わってなくて、恐がられるし!!ギルデカランじゃ、前に隻眼のリオレウス連れたライダーが凄い人過ぎて、周りからのプレッシャーがヤバかったし!!」
「アギャス」
「もう、ここに永住したい!」
「それは決めるの速すぎじゃね!?」
「どうしよう…新弟子に話しかけるタイミングがない」
ウツシ教官、エンカウントは次回以降であった。
次回、ウツシ教官。我らの教官が遂にエンカウント
オトモ増やすなら?複数採用
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