モンスターハンターライズ×ストーリーズ 作:新米ハンター
御存知、カムラの里はほぼ全ての住民がモンスターを狩猟するための武具の保有を許可された数少ない場所であり、有事の際には里守として住民の皆さんも武器で武装して、大剣などをはじめとした狩猟用の武具やバリスタに大砲…そしてガトリング砲と言った設備を利用して里を守るために戦うのだ。
当然、訓練や経験無しで武器をマトモに振れるなんてことは有り得ない。駆け出しのハンターでさえ、最初は支給された武器を試し振りし、これと言った武器種の武器を担いで採取クエストなどの簡単なクエストから始めるのが一般的だろう。だが…里守は狩猟に行く機会はなく、普段は普通に職人や農民、商人として生活しており、狩猟生活とは無縁だ。だからこそ、カムラの里には修練場と呼ばれる所がある。そこではかつてはガンナーとして高名だったハモンが己の経験も行かして製作した、ヨツミワドウと呼ばれる両生類を模したカラクリ、移動する的などがあり、武器やモンスターとの立ち回りなどの鍛練を行うことが出来るのだ。
「ふうー…新弟子を迎え入れる準備はこれぐらいで良いかな?」
そんな修練場。そこではウツシ教官が様々な種類の武器を並べており、カムラの里お馴染みの翔虫はもちろんのこと、カムラの里が誇る製鉄技術で作り出された鉄素材の武器が全種類*1が並べられていた。とは言え、史実と異なり…史実のライズでは実装されていなかったセンリュウコン…早い話トンファーも用意されていた。
「しかし…オトモンか…オトモンの指導なんてしたことないぞ?」
カムラの里から世界に広まりつつある牙獣種のモンスターであるガルク。ガルクは他のモンスターと異なり、絆石などがなくても調教することは可能であり、カムラの里やエルガドという所ではオトモンとして普及しており、カムラの里だけだが数十年以上前からオトモンとしてハンター達と共に活躍していた。
だが…ライダーと共に活動するオトモン、一般的にはドスランポスや他のモンスターの指導経験はウツシにはない。ウツシだってフゲンがバリバリ現役だった頃、少なくとも10年ほど前は外にも出た経験がある。当然、その頃はモンスターを連れたライダーは一般的ではなかったが、3年ほど前に所用でドンドルマなどの都会に出たとき、ライダーを見かけたが…多くのライダーはドスランポスなどのお手頃なモンスターを使役しており、リオレウスを引き連れたライダーは見かけなかった。
「ハンターでさえ、一般的にはリオレウスをパーティーで討伐できたら英雄扱い。それはライダーでもそれか…」
殆どのハンターが上位ランクに上がることはなく、現役を終える。マスターランク、一部の場所ではG級と呼べる難易度のクエストをクリア出来る上位ハンターは極僅か。その上、ギルドから
下位ハンターで現役を終えることが多いと言ったが、実のところソロで小型肉食モンスターのランポスなどを倒せれば一人前と言われる所も多いのだ。
「それに…ギルドからの極秘通知か…」
ウツシ教官はカムラの里で速達の手紙や通知を送るのを手助けしてくれる、ペット兼モンスターを探す頼れる仲間 フクズクがフゲンとウツシに伝えたギルドからの通知でホムラ、いやホムラのオトモンであるレウスに対しての記述が記されていた。
『ライダー ホムラのオトモンであるリオレウスは特殊個体の可能性が高く、絶滅種ゼルレウスの血を引いている』
本来、レウス種は産まれた段階から立派な鱗は生えていない。火も吹けるわけがない。だが…レウスは初めから鱗がはっきりと生え揃っていたし、なんなら火も吐けた。これは有り得ないことであるが、過去…二件だけ同じくリオレウスで似たようなケースがあり、そのリオレウスはどちらも特殊個体であった。
モンスターには分からないこともあり、古龍以外のモンスターは言わば生物の延長線上の生き物。
そして古文書でしか記されていない伝説のレウス種、ゼルレウス。光を司ると言われており、ただ色が白いのと光を司るとしか分からず…既に滅んだ絶滅種として伝えられているが、かつてホムラとその故郷を救った白いリオレウスがゼルレウスとの事だ。解剖の結果、火炎袋とは異なる未知の属性袋があり、鱗や甲殻も他のレウス種とは違う未知の代物だった。本来なら、ゼルレウスの素材は筆頭ハンターなどの特殊な任務に着くエリート達の武具に加工される筈だが、ギルドのお偉いさんとなったジュリアスの一言で加工に回されず、厳重に保管されているそうだ。
「特殊個体か…言い伝えでもリオレウスの特殊個体は世界を救った実績がある。運命か…それとも血か…」
と、レウスのことを思っていたウツシであったが、ざっざっと奥から足音が聞こえる。足音は全部で2つ、1つは成人を迎えていない少年の足音、もう1つは狩り場で聞きなれた飛竜種の足音…だがこちらは成熟はしていない大きさの。
「お邪魔します…ウツシ教官居ますか?」
「アギャス」
ウツシは声をかけられて入口を見る。そこではレウスとホムラがやって来ていた。
ギルデカランやドンドルマのギルドマスターから、ホムラがどの程度の実力なのかはウツシは既に聞いている。ホムラは既に、レウスの力を頼らずにドスイーオスの討伐を成功させている。なら、カムラの里ではまだまだだが…ウツシが思う最低限の強さは有るようだ。
「やあ!!待っていたよ!!新弟子!!」
「新弟子!?」
「俺の新しい弟子!!だから新弟子だ!!新弟子!!早速だけど、分からないことが有れば何でも聞いてくれ!!教えるよ!!」
ウツシ教官はいつでも心が熱い!!そして悪く言えばうるさい!!しかし、頼まれれば里の外の人でも優しく、出来るようになるまでみっちり教えてくれるのだ。
「えっ?教えてくれんですか!?ドンドルマの教官なんて、金にがめつくて、ろくに教えてくれませんでしたよ!?」
「大丈夫だ!俺はしっかり、タダで教えるよ!先ずは、新弟子…君がどの武器を使うのか教えてくれ」
「片手剣です」
ホムラは片手剣を好むようだ。ハンターはそれぞれ使う武器ごとに個性が出るとも言われる。しかも全部の武器を使えるハンターは極僅かであり、少数と言えど他の武器も使えるハンターは少ない。ハンターは基本的に1つの武器を極めて戦うのだから。
因みにヤマトはメイン太刀、他全部使える。ウツシはメイン双剣、他全部使える。アヤメはメインが大剣とハンマー、サブでボウガンだがリハビリでメイン武器が使えない。フゲンはメイン太刀でサブが双剣とのことだ。
「片手剣か!良い武器だよね!!」
確かに片手剣は良い武器である。軽く扱いやすく、小さいとは言え盾もある。だが…お世辞にも強いとは言いにくい。双剣と比べて手数は少ない、太刀や大剣より刀身は短く一撃の威力も低い、盾も小さくガンランスやランスの盾と比べると衝撃を防ぎにくい。悪く言えば中途半端な武器だ。
「はい!だって剣で切れますし、同時に盾で殴れるので!」
ワイ!?殴る!?
「ごめん…新弟子…確かに片手剣は盾で殴る技も有るけど…」
「はい!双剣じゃ打撃を与えにくいけど、盾は切れ味のことを気にしなくて殴れるので!」
ウツシは心の中で頭を抱えた。そう、確かに片手剣やランス、ガンランス、双剣、そして太刀や大剣、スラッシュアックスやチャージアックスなどの切断武器は打撃武器と違って切れ味を回復させる為に、砥石で研ぐ必要がある。
だが…ホムラは片手剣の剣だけでなく、盾で殴りまくれば良いのだ!!という完全脳筋仕様で今まで戦い抜いてきたのだ。
ライダーだからギルドからの依頼は、キャラバンの護衛や新キャンプの設立場所探し、薬品の速達などなどが多かったと思うが…その依頼で出てきたドスランポスなどが剣で切られると同時に盾でもフルスイングで殴られまくる光景を想像し、心の中で合唱した。
「新弟子。此処に片手剣有るから、試しにカラクリと戦ってくれる?」
「はい!」
ホムラはウツシかろカムラシリーズの片手剣を受け取り、右手に盾、左手に剣を装備した。そのままカラクリに立ち向かい…
「おら!!」
先ずは剣で切り払い、その反動で渾身の右盾ストレートを放ち、カラクリ脳天にダメージを与えると、そのまま盾を引いて…身体の反動を用いた剣で切り裂き、次に盾で殴る。
「新弟子…良い意味でイカれてるね」
ウツシ教官、苦笑いであった。
「新弟子。本当の所、片手剣とかを使う理由は?他の武器は使ったかい?」
「それなんですけど…」
ホムラは話し出す。何でも他の武器を使わない理由だが、レウスにライドオンしたとき、レウスの動きの邪魔になるため、そして経済的な理由で双剣などの他の武器を試せてなかったためだ。
「なるほど。それじゃあ、双剣は行けそうだ。カムラの里の双剣は2本目が鞘に成ってるから、場所は取らない。
他の双剣もオトモンくんの動きの邪魔にはならないと思うよ」
次に双剣を進められるホムラ。確かに双剣なら軽く、オトモンにライドオンしたときに動きの邪魔にはならないだろう。
「君のフルアタスタイルなら、双剣も良いけど…これもどうかな?センリュウコンって言うんだけど。
こっちは完全な打撃武器だね。だけど、ガードも出来る」
次にセンリュウコンを教えてもらったホムラ。センリュウコンもオトモンにライドオンしたとき、動きの邪魔はないだろう。それに軽く、ガードも出来る。
「あと、センリュウコンと双剣はあげる。元々、君の為に用意したからね」
そしてセンリュウコンと双剣ももらった。
「良いんですか!?」
「なに、俺からの熱いプレゼントだ!そして…防具も!!これはハモンさんからだね!!」
続いてハモンが作っていたカムラの里のハンターの一般的な装備である、忍者装備に良く似た防具も一式でプレゼントされた。
「すいません…何から何まで…」
「これでも足りないぐらいさ。それじゃあ、ヒノエさんの所に行って…クエストを受けよう!!」
そしてカムラの防具一式を装備した、ホムラはレウスに股がり…ヒノエさんの前に現れた。
「ヒノエさん!なにかクエストないですか?」
「ホムラくん、似合ってますよ…そうですね…里の皆さんや近隣の町から出てるのはこれぐらいですね」
ヒノエさんはホムラに今来ているクエストを見せる。
オサイズチ1匹の討伐。
アオアシラ1匹の討伐。
イズチ5匹の討伐。
薬草5つの納品。
アオキノコ5つの納品。
ドスジャグラス1匹の討伐。
ネコタクスタンドの設置お手伝い。
「いっぱい有りますね」
「アギャス」
「カムラの里だけではなく、ギルドが無い近隣の町からも来ますからね」
何にしようか迷っていると、間に誰かが入り…
「それじゃあ、俺はイズチ5匹行こうかな!」
「はい、イズチ5匹ですね」
その人物はイズチ5匹の討伐クエストを受けて、里の最寄りのフィールド 大社跡に向かっていった。
「あの人は?」
「ハネナガさんですね。先月ですね、ヤマトが正式にハンターになる前に里に来たハンターさんです」
彼はハネナガ。里の外からやって来たハンターであり、ヤマトが正式にハンターになる前に来たことから、先輩ハンターとして振る舞ってるそうだ。防具は、最近になってから全身イズチ一式に変えたそうだ。
「そういや…里ってネコタク有りましたっけ?」
「里にはネコタクは無いですね。倒れたハンター用のネコタクさんは居ますよ」
このご時世、ネコタクは必要である。力尽きたハンターはネコタクのアイルー達の働きで、モンスターに殺されることがなく乱暴にキャンプまで運ばれる。
しかし、救助のネコタクとは別に、移動のためのネコタクもある。ネコタクスタンドと呼ばれる停留所で、ネコタクに乗車すれば遠くの町に運んでくれるのだ。
しかし、カムラの里にはネコタクスタンドはなく、不便であり、人の往来も少なく過疎化が進んでいる。
「それじゃあ、このネコタクスタンド設置を受けます」
「はい。ただ…ネコタクのアイルーさんが困ってるようですので、彼から話を聞いてみてくださいね」
先ず、最初に受けたクエストはネコタクスタンドの設置。これを置けば、カムラの里にネコタクが来てくれるようになり、観光客も増えるし…外からの物資も来やすくなる。
ネコタクアイルー「スタンドを作るための機材が飛ばされちゃったにゃ…」
カムラの里の過疎化+地上物資の搬入を早めるためにも、ネコタクスタンドは必要だ!
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