今までほぼずっとバトルシーン(仮)だったので、日常パートに入ります。
えっ? さっさとフィリップと翔太郎を合流させろ?
そうしちゃうとブルアカとの絡みが薄れちゃうのでね。
それに日常パート入れないと、物騒じゃないですか。
毎回毎回バトルや事件だなんて。
米花町じゃ無いんですから。
ってな訳で本編どぞ。
第11話「便利屋での目覚め」
彼が急に倒れた後の事。
「えっ、ちょ、ちょっと!? 嘘でしょ!?」
私は驚きの声を上げる。
慌てて駆け寄ったカヨコが、彼の首筋に指を当て、息を確認する。
脈は正常で息もある。
意識だけがどこかへ飛んでしまったような彼を、カヨコとムツキが協力し、便利屋の事務所へと運び込む。
「取り敢えずソファに横にしてあげて頂戴。」
ソファに横たえさせた後の事務所の空気は重く、皆の視線が彼へと向けられる。
あの時、彼は全身を黒色の何かに変身させて、私達を助けてくれた。
何もしてないと彼は言ったけど、もし彼がいなかったら? 私は変貌したハルカを…
自らの手で、止めるしかなかったかもしれない。
ハルカは彼を見て震える声で呟く。
「私のせいでこの人はし、死んでしまったんじゃ…?」と。
彼に救われたハルカは、事務所に着いてから彼の側を離れようとしない。
目が覚めたら謝りたいのでしょうね。
彼の手をそっと握りしめている。
しかしそんな彼を見て、カヨコが冷静かつ不安げに言う。
「見た事無いアイテムで変身してたけど、この人は人間なのかな?」と。
正直、そこは私も気になる所だった。
彼が変身したアイテムも、ハルカが変身したアイテムも、同じ形状の物だった。
ハルカが異型の怪物に変貌した事を考えると、彼が変身したのも、それと同じ物なのかしら。
危険な力なのか、それとも救いの力なのか。
そんな中、ムツキがニマニマと笑みを浮かべて彼に近付き、上着に手を伸ばす。
「クフフ〜♪ 折角だし拝借しちゃおっか〜♪」
謎のアイテムを彼から取り上げるなんて、悪い事よ。
でも、もしそのアイテムも危険な物なら、今の内に回収しておいた方が良いかもしれないわ。
助けてくれた恩はあれど、それはそれ、これはこれよ。
私はムツキの行動を、静かに見つめていた。
彼女の手が、彼のポケットに忍び寄るその瞬間。
彼は何かを察したかの様に、飛び上がる様な勢いで体を起こした。
翔太郎「痛っ!?」
ムツキ「痛ったぁ〜い!!」
衝撃で二人が同時に声を上げる中、ムツキが一瞬の隙を作ったのを逃さず、彼はムツキの腕を素早く掴む。
翔太郎「おいテメェ、人の荷物に何して…」
そこまで言って、彼は周りを見渡す。
視線が私たち一人一人に止まり、驚きの色を浮かべる。
翔太郎「お、お前等!? 無事だったんだな?」
「な、な… なんですってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」
私は驚きを隠せなかった。
さっきまで意識が無かった人よ?
いくら大人で背丈の差があって、ムツキが油断していたからって、彼女の行動を察知してここまで素早く動けるなんて…
本当にこの人は、カヨコの言う通り、人間じゃないのかしら。
事務所の空気が再び緊張に満ちる中、手を握っていたハルカが彼にそっと声をかける。
「あ、あの… 先程は助けてくれて… ありがとうございました…」
起き上がったのが、相当嬉しかったのね。
彼女の目から、ぽろぽろと涙がこぼれ落ち、感謝の言葉を紡ぎ出していく。
この張り詰めた空気の中で、彼女だけが唯一、警戒の色を浮かべていなかった。
純粋な安堵と喜びが、今の彼女を突き動かしている。
そんなハルカを、彼は優しく微笑み頭を撫でた。
そっと彼女の髪を優しく梳く。
翔太郎「別に、感謝されるようなことは何一つしてないけどな…」
そして彼は再び部屋を見回し、私達を見つめて言った。
声は穏やかだが、何か深い響きを帯びている。
翔太郎「武器を収めてくれ。 お前らとちゃんと話がしたい。」
無論そう言われて、はいそうですかと警戒が解かれる訳じゃない。
この男が何者か、あのアイテムは何なのか。
気になる事は山積みで、分からない事だらけ。
だけど、このままハルカの恩人に手をかけるのは、今成すべき事ではないわ。
私はカヨコとムツキに、目配せを送る。
二人はそれに応じる様に、ゆっくりと武器にかけていた手を離した。
事務所の空気が、わずかに緩む。
しかし、それは一時的な物でしか無い。
この出会いが、この先の私達にとって…
どんな波乱万丈の展開を呼ぶのか、まだ知らない…
活動報告に13話に出てきた人達を乗せたのですがどうでしょう?
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良い
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後書きのページに書いてくれた方が楽
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解説用のページに書いてくれた方が楽
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解説要らない(自分で調べる人もこちら)