W-B-X キヴォトスに吹く風と運命の切り札   作:蘇る覇王

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だいぶ遅くなって申し訳ありません。
お久し振りです作者です。
体調を崩したり、予定がごった返したりと中々11月はドタバタしておりまして。
投稿が遅くなってご心配をおかけいたしました。
そういえば、知らぬ間に評価がついていたようで。
✩4を頂きました。(投稿現在の状態化)
まぁ低評価も頂いてますし致し方ないですね。
長話も何なのでさっさと本編いっちゃいましょう。


第12話「便利屋68と切り札 〜前編〜」

彼の目覚めは開口一番、頭と頭がぶつかる事から始まる。

痛がるムツキと、泣きじゃくりながら感謝を口にするハルカ。

ハルカが変化を遂げたアイテムと同じ様なアイテムを所持する彼。

そんな彼に私とカヨコ、反応が遅れたムツキを含めた三人が、反射的に彼へと銃口を向ける。

普通なら、こんな状況で銃を突きつけられたら、誰だって萎縮するか、恐怖に顔を歪めるはず。

膝が震え、声が裏返り、人によっては命乞いの一つでも始めるのかしら。

けれど彼は、まるでそんなものなど空気同然だと言わんばかりに、一切の動揺を見せない。

瞳は静かに澄み、呼吸すら乱れない。

ただゆっくりと両手を上げて、穏やかな声で告げた。

翔太郎「お前たちと情報共有をしたい。 武器を収めてくれないか?」

その瞬間、私達の背筋に冷たい物が走る。

彼の目つきが違う。 いや先程までとはオーラが違う。

まるで、銃口なんて最初から存在していないかの様な、圧倒的な落ち着き。

説明するのも難しいけれど…

修羅場を何度も乗り越えてきた人間だけが纏う、底知れぬ重みが彼にはある。

この人は、本当にただの人間なのだろうか。

銃口の先でさえ、彼は完全にこの場の主導権を握っている。

そう思える程だった。

「…分かったわ。 話を聞きましょう。」

完全に信じ切ったわけじゃない。

彼が白である証拠が無い以上、疑いの目を向けるのは当然。

それでも、ハルカを救ってくれた恩がある以上、こちらも穏便にいかないといけない。

少なくとも、彼が敵意を持っていない事は、目を見れば分かる。

彼の静かな瞳に、嘘の気配は無い。

私は深呼吸をし、二人に視線を巡らせる。

カヨコは小さく息を吐いて肩の力を抜きながら、ムツキはちぇっと舌打ちしながら、銃を下ろす。

それを確認した彼はソファに腰を下ろし直し、ゆっくりと口を開いた。

翔太郎「まず、俺… いや、俺達は別の世界から来たんだ。」

その一言で、再び事務所の空気が凍りつく。

それでも彼は淡々と、しかし確かな口調で語り続ける。

日本という聞いたことも無い国。

風都という、気持ちの良い風が吹き抜ける街。

そこで蔓延るガイアメモリと呼ばれる魔性の小箱。

それに触れた人間が怪物…

ドーパントへと変貌し、力に溺れて暴れてしまう。

そして、それを止める為立ち上がる者達。

彼の相棒のフィリップ、そして仲間の照井竜。

三人は、ガイアメモリを使って悪事を働く組織を追って、ここまでやって来た。

三人はガイアメモリを使って仮面ライダーと言う超人に変化を遂げる。

彼は相棒と二人で一人の仮面ライダー。

精神意識をメモリと共に飛ばし、変身するらしい。

つまり、先程彼は意識を失っていた訳ではなかった。

何処かにいる相棒のフィリップと仮面ライダー…

Wに変身して、ガイアメモリ使用者と対峙していた。

衝撃の言葉の数々に私達は言葉を失っていた。

こことは別の世界。 怪人に変化させる魔性の小箱。

そしてそんな悪と戦う正義の仮面ライダー。

どれも、キヴォトスの日常からあまりにも遠すぎる話だった。

しかし、私達は間違いなくこの瞳で見ていた。

怪人に変貌するハルカと、それを止める為に仮面ライダー変身した左翔太郎という男を。

「つまり、そのガイアメモリがキヴォトスにばら撒かれて、ハルカみたいな被害者が出ると言う事かしら?」

翔太郎「あぁ。 そういう事になるな。」

なんてことなの…

それじゃ、このキヴォトスは…

更にカオスな状態になるって事じゃないの!?

他の生徒達が、ガイアメモリに手を出したら?

その力に溺れて暴れ回ったら?

 

カヨコは唇を噛み、ハルカは小さく震えている。

いつも元気なムツキでさえ笑みを消し俯いている。

私だって顔は見れないけれど真っ青そのものだと思う。

彼はそれを見て、言葉を切り、それ以上は何も言わなかった。

ただ静かに帽子を被り直し、立ち上がる。

翔太郎「お前たちには世話になった。 じゃあな。」

短く礼を言い、彼は踵を返して事務所のドアへと歩き出した。

その背中を見た瞬間、私は自分でも驚くほど自然に、腕を伸ばしていた。

そして彼の右腕を、しっかりと掴んでいた。

「…待って。」

声が震える。

こんなに必死な声を出したのはいつぶりだろうか。

どんな依頼でもこなしてきた私達ですら手に負えるか分からない事案。

足手まといにしかならないとも思う。

けれど、今ここで彼を手放してはいけない。

何故かは分からないけれど、そう感じていた。

メモリがばら撒かれている以上、キヴォトスは更にヤバい場所になってる。

そんな現況を作った財団Xとかいう組織もここにいるなら…

そんな横暴見て見ぬ振りなんて出来ない。

 

彼は腕を掴まれて驚いた様な、でもどこか優しい目で私を見ていた。

私は、掴んだ手を離さずに彼に問う。

便利屋68の顧問にならないかと…




タイトルに前編と書いてある通り、中編と後編を入れた三部作にしようかと思っています。
理由は大きく分けて2つ。
1つは2話完結式だと以外とあっさりとした終わりになるかと思ったからです。
戦闘シーン然り会話シーンしかり、長過ぎるのもアレですが短すぎるのもあまりよろしくありません。
2つ目は、生徒の深堀りです。
確かに主役はどちらかというお話をしてしまうと、ドーパントを倒せるのは、基本メモリを持った者のみ(MEGAMAXの様な人造ドーパント等を除く)なので、翔太郎側が深堀りされそうなものです。
しかし、戦ってる舞台がキヴォトスである以上、生徒たちの活躍が一切無いのは最早ブルアカと混ぜる意味ある?
…となってしまうので、深堀りや生徒達の活躍が見込めるシーン等を考えております。
以前全生徒は出す予定は無いと明記した通り、全ての生徒は出せませんが…
ご要望があればこの生徒との絡みが見たい等のコメント頂けると幸いです。
また、オリジナルドーパントの構想をお持ちの方いらっしゃれば、そちらも合わせてコメントして頂けると幸いです。

活動報告に13話に出てきた人達を乗せたのですがどうでしょう?

  • 良い
  • 後書きのページに書いてくれた方が楽
  • 解説用のページに書いてくれた方が楽
  • 解説要らない(自分で調べる人もこちら)
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