変異特異点MMXV:新霊長聖別世紀ネオンジェネシス   作:DUN.ネコノカンリニン

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ラミエルパイセンは偉大なり。
なぜかというとパイセンが来なかったらLRSという文化は生まれなかったのだ!


……いや、そうでもないか。綾波シリーズって元々調整されてるんだったわ。
ってことはラミエルパイセンはただの侵略者か。んじゃあ消し飛ぶしかねぇなぁ!(唐突な殺意)


第十二節:ある聖人の肖像

「綾波レイ……」

 

 シンジは自室で藤丸に渡されたレイのセキュリティカードを眺めていた。すると、今日の記憶が浮かんでは消えていく。

 

「父さんはどうして笑ってるんだろ。どうして僕には笑わないんだ……」

 

 眠れぬ夜、熱帯夜。

 ただ暑いだけの部屋で、微睡の中そう呟いた。

 

 

 翌日、シンジがレイにセキュリティカードを渡そうとして裸体を見たり、ゲンドウを少し悪く言ってジオフロント行きのエスカレーターで平手打ちを喰らわされたりしていた頃。藤丸はリツコのもとを訪れていた。

 

「どうしたの、リツカちゃん」

「リツコさん……綾波レイについてだけど」

「あら。その件はもう終わったんじゃないの?」

「はぐらかさないでください。……あなたは、もっと多くの情報を知っているはずだ」

 

 リツコは火をつけていたタバコをふかしながら、やれやれ言った感じで肩をすくめる。

 

「勘がいいのも考えものね……良いわ、少しだけ情報を解禁します」

 

 タバコの吸い殻を灰皿へ押し付ける。

 

「今から言うことは口外禁止。碇司令と冬月副司令、そして私、赤城リツコE計画担当博士しか知り得ない情報です。たとえ同盟組織のカルデアでもそう易々と知ることはできない機密情報。良い?」

「―――はい」

「そう。……では綾波レイについての情報の一部を解禁します」

 

 そう言ってリツコはラックから一つのファイルを取り出した。黒い表紙に赤い文字で「重要機密」と大きく書かれている。

 それを藤丸に手渡す。

 

「今からそのファイルの三枚目の資料まで閲覧を許可します。もし四枚目を見たら……」

 

 リツコは懐から拳銃を取り出す。

 

「あなたの脳髄があたりに飛び散ることになります」

「……ッ! わかり、ました」

 

 藤丸は緊張しながらファイルをめくる。

 一枚目、綾波レイの基本プロフィール、定期診断書のコピー。

 二枚目、零号機暴走事故の始末書。そして―――三枚目の資料。

 そこには、驚きの真実が隠されていた。

 

「……! 綾波レイは、ホムンクルス……!?」

「ホムンクルスではないわ。人造人間と聞いてそう解釈してしまうのも無理はないけど、レイはある人物のクローン。運命を仕組まれた、最初のエヴァパイロット」

 

 リツコは藤丸からファイルを取り上げる。そしてラックにファイルを戻すと、拳銃を懐にしまい、椅子から立つ。

 

「さて、そろそろ行かないと。二人が来ちゃうわ」

 

 コツコツとヒールを響かせながら、部屋を後にした。

 

 

 管制室にて。

 ホログラフィックモニターには巨大な青い正八面体のような物体が第三新東京市上空に浮いているのが確認された。

 既にパターン青と確認され、物体は『第六の使徒』と分類された。

 

「カルデアに協力を要請しろ」

「了解!」

 

 ゲンドウが号令をかけると、オペレーターの一人がカルデアへ電報を打つ。

 

「カルデアから反応を確認。数分後にはエヴァ・カドモンを出撃させるそうです!」

「了解。初号機は発進待機! 零号機は?」

「まだ調整が完了していません!」

「そう。んじゃあカルデアとシンジ君に頑張ってもらうほかないわね」

 

 ホログラフィックモニターには白い巨人が使徒の前に現れた。セーフティがかかっているので、すぐに行動できない。

 だがこの移動速度なら問題ないだろう……とネルフの誰もが思っていたとき、計測器が異常を探知する。

 

「目標に高エネルギー反応!」

「なんですって!」

 

 使徒はをの青い巨体を変形させ、まるでレールガンのように粒子加速に適した姿へ変貌する。

 そして中心にエネルギーを収束させて―――一本の束にしてそれを撃つ!

 ゲンドウは、口元をニヤリと歪ませた。

 

 

(……マズイ! 回避できない!)

 

 令呪の装填もまだできていないにも関わらず放たれた敵の攻撃。藤丸は咄嗟に反応できない。

 貫かれる―――そう思った瞬間、エヴァ・カドモンの前に立ち塞がったのは、黒い別の巨人だった。

 その巨人は高々と叫ぶ。

 

『真名、投影補完。これは多くの道、多くの夢を過ぎた遠望の城。──証明せよ! 「いまに在りし夢想の城(ロード・キャメロット)」!!』

 

 弱いグリッチのかかった白亜の城壁が、敵の放った攻撃を阻む。

 そして、黒い巨人はエヴァ・カドモンへと振り返って言う。

 

『魔術機動礼装ヨセフ・オルテナウス―――JA、及びマシュ・キリエライト、ただいま現着しました! ご無事ですか、マスター!』

「マシュ! その姿は……」

『それにつきましては後ででお願いします! それより、ダ・ヴィンチちゃんより今回は撤退するとのことです』

「了解!」

 

 第二射が来る前に、エヴァ・カドモンとJAは撤退した。使徒は、元の青い正八面体の姿に戻り、ネルフ本部上空へと歩を進めた。

 そして、下部をドリルのような形に変化させ、ジオフロントを覆う特殊装甲を貫きながら進んでいく。

 その様子をモニター越しに見ながら、ダ・ヴィンチ達は藤丸とマシュの帰りを待っていた。

 すると、ガゴ! と言う音が響き、二機の巨体がケイジに収容される。

 カルデア・プラグがエヴァ・カドモンの脊椎から摘出される。そして、ハッチが開いて中から藤丸が出てくる。

 続いてJAのコックピットからオルテナウス状態のマシュがバイザーを外しながら出てきた。

 

「エヴァ・カドモンパイロット、藤丸立香、ただいま帰還しました!」

「同じくJA操縦者、マシュ・キリエライト、帰還しました!」

「お帰り、二人とも。危なかったね、立香ちゃん」

「そんことなんですけど」

 

 藤丸はマシュを一瞬見てダ・ヴィンチに言う。

 

「マシュが乗ってるあのロボットは何ですか?」

「あぁ、あれは君へのサプライズだ。碇ゲンドウが何やら企んでいるようだったからね、それを邪魔するために制作したマシュ専用機、魔術機動礼装ヨセフ・オルテナウス。略してJA!

 オルテナウス装備の強化拡張アタッチメントと言うことにはブラックバレルと変わりはないが、使徒やエヴァの持つA.T.フィールドなる超磁場をマシュの宝具によって擬似的に再現! 機体は攻撃に転用することもできるけど、その本質は守護だ。しかもエヴァやエヴァ・カドモンとは違って全てが機械部品でできているから動きが鈍い。だから攻撃は他のエヴァに任せるしかない。しかしそれを差し引いても有り余る機体スペック! まさに! 全技術系サーヴァントの夢の結晶だ!」

「な、長い!」

 

 長台詞を悠々と語るダ・ヴィンチに思わずツッコミを入れざるを得なかった藤丸だが、すぐにその内容を把握すると、ダ・ヴィンチに問う。

 

「つまり、JAはエヴァみたいに使徒と戦えるって認識でOK?」

「その認識で間違いないよ。さながら“人の造りしモノ”、あるいはある聖人の肖像(ヨセフ・オルテナウス)だ。

 まぁ、この話はここまでにして、今はあの使徒への対策を練らなきゃいけない。協力してくれるね?」

「もちろん!」

「はい、マシュ・キリエライトいつでも行けます!」

「うん、良い返事だ! それじゃあ早速ブリーフィングと行こうか」

 

 

 

 一方その頃、ネルフ本部の戦術作戦部作戦局第一課にて。

 ミサトたちネルフのオペレーターは、カルデアと使徒との戦いを見て早急にデータを集めていた。

 

「現在、目標はジオフロントへ向けて穿孔中です」

「狙いはネルフ本部への直接攻撃か……では、各部署の分析結果を報告して」

 

 一人の男性職員が前に歩み出る。

 

「先のカルデアとの戦闘から、あの使徒の攻撃は一定範囲内に入った対象を狙撃するものであると考えられます」

「エヴァ、及びエヴァ・カドモンでの近接攻撃は無理、と言うことね……A.T.フィールドの方はどう?」

 

 伊吹マヤが手元にある観測データを見ながら報告を始める。

 

「健在です。それに、位相パターンも変化しているので中和は困難です」

「MAGIによる計算では、目標のA.T.フィールドを破るにはN2兵器を使ってもネルフ本部を爆破する威力がないといけないとのことです」

 

 日向マコトの報告に、リツコも同調する。

 

「松代のMAGI2号でも同じ結果が出たわ。国連、日本政府は連名でネルフ本部の自爆作戦を提唱中」

 

 ミサトは、リツコの発言に呆れたような表情をして、資料のページをめくる。

 

「対岸の火事だと思って……ここを失えば、全部おしまいなのに」

「問題の先端部ですが、現在第二層を通過。既に第三層に到達しています」

「今日までに建造が完了している二十二層が貫通されるまでの到達予測時間は、あと10時間14分後です」

 

 モニターにカウントダウンが表示される。

 

「零号機はまだ未調整。カルデアも動いてくれるかは未知数」

「まともに残っている戦力は初号機だけ、か。しかも近接戦は不可能。ライフルではあのA.T.フィールドを破ることはできない……か」

「状況は芳しくないわね」

 

 ミサトは頭を掻く。そして、資料とにらめっこしながら必死に頭を回す。

 考える、考える、考える。

 全ては未来のため、人類史の存続のため。

 ―――そして、ミサトは、一つの答えを得た。

 

「万事休す、ですか?」

「白旗でもあげますか……」

「―――それも良いわね。けどその前にチョッチ試してみたいことがあるのよ」

 

 マコトの方を振り返って、ミサトは言う。

 

「戦自の極秘資料、諜報部にあったわよね? 持ってきて」

「ええ……わかりました」

「ミサト、何か思いついたの?」

 

 リツコの問いに、ミサトは真剣な面持ちで答える。

 

「今まで使徒が現れてから成り行きで何とかなってきたけど、今回はそうも行かないようだから―――助かるかもしれない一条の流星を作り出してみせるわ」

「一条の流星―――まさか!」

「ええ。戦自の建造中の超兵器……陽電子砲を拝借しましょう」

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