「……とりあえず全部聞こうか、ウィンチェスター少女……」
神妙な面持ちで……そう語るオールマイト。
クリスは己が知る限りの事を語る。
AFO、そしてOFA……先代継承者、オールマイトの弱体化の経緯を事細かに。
怨みの対象故にAFOに関しては本気で調べ上げた。
過去に殺された者達から話を聞くのは……そんなに難しいモノじゃ無かった。
なんせ超常黎明期、あの時代は人の死が常……一々火葬にする事は無い、ましてやそれが敵対者の骸ならば野晒しなどはザラに行われた。
故にクリスがその者の霊を呼び出して事情を事細かに聞けたのだが……。
それにしても……OFAの歴々の継承者達を呼び出して話を聞いた時は愕然としたモノだ。
そうして話は終わった。
翌日……委員長決めが有り……当初は緑谷と八百万になったのだがマスコミの報道が加熱し過ぎて校内に侵入。
その際のトラブルを見事に飯田家の弟が収めた為に委員長は飯田天哉が相応しいと譲られた。
そして、午後の授業はUSJと言われる校内の施設にバスで向かう……前に相澤先生より呼び止められる。
「ウィンチェスター……提出書類に不備が認められるという事で教務課と根津校長との面談に行って来い……」
そう告げられるクリス。
クリスは自身のコスチュームが入ったアタッシュケースを持ち、時計を見ながら語る。
「放課後ではダメでしょうか? 授業に遅れてしまいますが……」
どう考えても面談が5分で終わる訳も無く……次の授業への参加が遅れる事を相澤は良しとしないだろう。
そう考えてクリスは語ったが……。
「校長がこの後、放課後に出張ですぐに出かけなきゃならん都合、空いている時間が此処しか無いんだ……すまないな、授業の遅刻についてはこちらで不問にしておく、面談後に……校内でのバイクでの移動をこの一回限り許可する」
そう告げられる。
面談後……自身の大型バイクに乗り込み……走らせて目的の場所へ着いたが扉には
扉が開けられず、また中から出る事もさせない
愕然としたクリス……。
そして、2分後には雄英の教師陣がUSJ入口に勢揃いしていた。
何でも通信が繋がらないのを不審に思ったオールマイトが異常事態と察したらしい。
教師陣が扉を壊そうとするも砕けない。
「無駄です、そんな事しても扉に掛けられた
解呪するにも手間の掛かる
この手の込んだ
そう考えているとクリスの視界の端に映るは死神のテッサ。
ツカツカと足早に歩いていきテッサを睨みつけて怒鳴る。
「何の用事だ? 何でテメェが……死神が此処にいる⁉︎」
そう叫ぶがテッサの姿はクリスにしか見えていない、教師陣からして見ればクリスは唐突に虚空に向かって怒鳴っている様にしか見えないがどうでもいい。
指を打ち鳴らしてその姿と声を全員に見える様に、聞こえる様にする。
そう怒鳴るが死神からしてみれば人間など赤子に等しい。
眼前で怒鳴ろうと叫ぼうと……微塵も畏怖の対象にはなり得ない。
テッサはやれやれと言った表情を浮かべ……分かりきった答えを語る。
「中で仕事してきたの……魂を1つ……回収してきたわ、死神の役目よ」
それを聞いた刹那……クリスは
「無駄よ? その
その言葉に無言で、手に持ったボウルを地面に叩きつけて苛立ちをテッサへとぶつける。
「面白えか⁉︎ 私が困ってるのを見るのは‼︎ 中で誰が死んだ‼︎」
その叫びに対してテッサは興味なさげに告げる。
「えぇ、ウィンチェスターが困ってるのを見るのは楽しいわね、滅多に無い体験だわ……金髪ぽい見た目の……子供よ? 名前は爆豪勝己と言ったかしら……」
その言葉に、教師陣は扉を壊そうと躍起になるが
無為な時間が流れ続ける。
そして、5分が経過して……クリスは、はたと気づきテッサへ詰め寄る。
「
クリスの言葉に対してテッサは面倒くさそうに語る。
「良いけど入ったら出れないし片道切符よ? 中は今阿鼻叫喚の地獄、失礼……ウィンチェスターが経験した本物には遠く及ばないけど中々大変よ?」
「良いから入れるんだ‼︎ 早くやれ‼︎ 中からなら
そう叫ぶクリス……。
テッサは面倒くさそうな表情を浮かべつつクリスの身体を掴んで一緒に中へと入る。
扉の
凄まじい発光がクリスの身体を覆いその直後、光が収まり眼を開けると眼前にはクラスメイトの皆が。
口々にどうやって入ってきたのかを問われクリスは語る。
「2度と使えない手さ‼︎ 片道切符の‼︎」
そう語りつつクリスは自身の掌を懐から取り出したナイフで躊躇う事なく切ると溢れ出した血を用いて血で魔除けの紋章を描いていく。
そして描き終わると解呪の
すると、扉がようやく破砕され教師陣が乗り込んできた。
オールマイトが脳無と呼ばれたゾンビとゴーレムの合いの子の様な存在を吹き飛ばすと……劣勢を悟った
脳無に吹き飛ばされたのだろう……。
教師達は他の生徒には見えない様にしていたがその現場を直接見た者も居る。
クリスは
「テッサ……爆豪勝己を蘇生しろ」
死神のテッサを……呼び出してそう告げるのであった。