復讐少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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天使

「……私は頼めば何でもやる便利屋じゃないわ……死神にもルールがある、人が死んだら……行く場所は2つよ? 下か上か……」

 

 そう語るテッサ、だが……クリスは未来でも見たかの様に語る。

 

「普通ならそうだな、私も爆豪が寿命なんかで死んだら私だって蘇生なんて頼まない……だが……爆豪勝己は此処で死ぬ運命じゃなかっただろうが‼︎ 私が見た未来じゃ爆豪勝己はまだまだ生きてた‼︎」

 

 そう叫ぶクリスだが……テッサはゆらりゆらりとブロードウェイを歩く様にクリスの周りを歩き……語る。

 教師陣はクリス以外の生徒の対応に当たっており此方にはクリスの事情を知る教師のみが居た。

 テッサはそれを冷ややかに見ながら諭す様に語る。

 

「死んだ者は……安らかに、それがこの世のルール……神が定めた絶対のルール……私にはその力はないわ……あぁ、ただ貴女を大切に、貴女と懇意にしている薄汚いトレンチコートを着た天使様ならどうにかしてくれるんじゃないかしら? あぁそうそう……爆豪勝己の魂、回収する直前で本人が拒絶してきたからまだ其処に居るわよ? じゃあね」

 

 そう告げるとテッサは煙の様に消え失せる。

 それと入れ替わる様にカスティエルが現れて溜息を吐く。

 その顔はあってはならない事が起きたという顔だ。

 カスティエルは指をパチンっと鳴らし一時的に時を止めるとクリスへと語る。

 

「状況は大体理解したよ……蘇生か……やれない事は無いが……不味いな」

 

 切羽詰まった様な表情でそう呟くカスティエルに対してクリスは問いかける。

 キャスが切羽詰まった様な表情をしている時、大概何か嫌な事が既に起きてるかその前兆……慣れ親しんだその表情を見てクリスはげんなりした顔で問いかける。

 

「……地獄の檻の封印か? 私が最初の封印を解いてしまったアレ……」

 

 クリスは地獄に堕ちて……その際に色々あったのだが其処は割愛しよう。

 兎にも角にも……66の封印は神がルシファーを地獄に閉じ込めておく為の錠前。

 それぞれがとても強力な錠前だが1つ目が破れるとドミノ倒しみたいに連鎖していく。

 カスティエル曰く……18個目が破られて、そして今19個目が破られた。

 

「本来死ぬ運命に無く高潔で強き信念を持った者を、魂が無い造られた存在が殺す……本来なら強力な封印だったのだが、間に合わなかった、取り敢えず爆豪勝己は蘇生しておくが……確実に死んだ所を見た者も居る、言い訳は考えているのか?」

 

 上半身を吹き飛ばされミンチにされたのが生きていたら確実におかしいと思う。

 クリスはげんなりした表情のままキャスへと語りかける。

 

「其処は……まぁほら? アメリカンジョークでどうにかするさ……冗談だ、記憶弄ってどうにかするよ」

 

 それを聞き、キャスは指を鳴らす。

 止まっていた時が動き出し、それと同時に爆豪が傷一つなく蘇生させられていた。

 キャスはと言えば……天界に戻ったのか既に居ない。

 そのまま……クリスは指を打ち鳴らして爆豪の死を見た者達の記憶を消す、完璧に。

 そうして……USJ襲撃という大事件は収束した。

 


 

 その日の夜。

 家で調べ物をしているクリス。

 いま調べているのは出雲大社について……古い文献を読み漁るがどれもこれも偽書。

 適当なでっちあげと近代に入ってからのつまらない偽造文書。

 日本のハンターに聞いても碌な情報が掴めない。

 既に時刻は朝4時を回っており少し疲れが出てきたのでブラックコーヒーを一気飲みして眠気と疲れを飛ばす。

 其処にインターホンが鳴り響きインターホンカメラを覗くと……義理の姉がいた。

 ジョアンナ・ベス……どうやって此処にきたのか、と言うよりもよくもまぁ母が許したものだ。

 扉を開けると明るい声で告げられる。

 

「ハァイ……マイシスター……来ちゃった」

 

 クリスは……これ以上痛む頭をどうにかしようと思い立ちキッチンへと行き自分の頭をナイフでくり抜こうと思案する。

 来ちゃった……じゃねえよ、絶対エレンに言ってないよこれ。

 

「帰ってください姉さん……チケット代は其処にあります……エレンに言ってないでしょう?」

 

 そう告げた瞬間……スマホに着信が入る。

 それを見るとエレンから……。

 

「Ah, hello. Ellen?」

 

 恐る恐るそう呟くと電話先のエレンが怖い口調で語る。

 

「Hey, is that kid over there? The note said he was going to Vegas, but that was a lie. Ash has a heart of a flea, you know? Just a little scare and he spilled everything」

 

 ミュートにしつつジョーを見るクリス。

 クリスは口の動きのみでクリスへと告げる。

 居ないって言えと。

 げんなりしつつミュートを解除して会話を続ける。

 

「Ah. no, no one's here. Maybe they went to Vegas like the note said and are gambling at the casino? I'll let you know if I find out anything. See you later」

 

 そう呟くと……エレンは怒鳴ってきた。

 

「Oh? Well then, if you see that kid, tell him to hurry the hell back here‼︎」

 

 今度もどうせ狩りの事で揉めたんだろう……ボビーの所に行くのが常態化していたがまさかパスポート使って国を超えてくるとは……。

 溜息混じりにクリスはジョーへ問いかける。

 

「What on earth happened this time? .I have plenty to ask—like why you came all the way from America to Japan instead of going to Bobby's place like usual. But I'm too sleepy right now. I'll ask later」

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