復讐少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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戦闘訓練

 2日目午前、みっちり詰め込まれた5教科の授業を終えると午後はヒーロー基礎学、オールマイト先生による戦闘訓練。

 それぞれ入学前に提出した『個性届』と『身体情報』を提出すると学校専属のサポート会社がコスチュームを用意してくれる。

 個々人の『要望』を添付する事で更に個々人に合ったコスチュームが手に入る。

 

 どうしてそんな話をしてるかというと。

 女子更衣室内で着替えをしているのだ、コスチュームへと。

 クリスのヒーローコスチュームは至って普通の私服に近い。

 下は動き易いジーンズと軍用ブーツ、上は革ジャンにシャツの組み合わせである。

 腰には幾つかのポーチを装着しており多種多様な小物入れとなっている。

 1人準備を終えてから指定された場所へと向かう。

 


 

 八百万百よりも10cm高く、胸や尻の発育も八百万と同等以上のクリスはかなり目立つ。

 さて、初めて行われる戦闘訓練、それもオールマイトによる訓練。

 そうして……集合するA組の皆。

 オールマイトより訓練の内容が語られる。

 

「さて‼︎ 今回は屋内での対人戦闘訓練を行う、(ヴィラン)退治ってのは主に屋外だが……統計で言えば屋内の方が凶悪犯罪者の出現率は高いんだ……監禁・拉致・誘拐に裏商売……これから君らには『ヒーローチーム』と『(ヴィラン)チーム』に分かれて2vs2の屋内戦を行ってもらう‼︎」

 

 蛙吹さんがオールマイトの言葉に対して基礎訓練も無しに? と至極当然の質問をするがオールマイトはその基礎を知る為の実践さ、と告げてきた。

 付け加えるならば今回は初の対人戦闘……ぶっ壊せば戦闘不能になるロボットじゃないのがミソだとか。 

 そうして、オールマイト先生より説明が告げられる。

 制限時間15分、(ヴィラン)チームの勝利条件は『核』を時間まで守り切る事若しくはヒーローチームの捕縛。核にヒーローが触れられたら即時敗北。

 ヒーローチームは『(ヴィラン)を捕縛する』か『核』にタッチすれば勝利。

 5分間は敵ヴィランチームにセッティングとして諸々の準備をする時間が与えられる。

 (ヴィラン)チームに与えられたセッティング時間の5分が経過した瞬間からスタート。

 

 そうして訓練を順々で行なっていき最後に残す所は……。

 (ヴィラン)チーム・峰田実&クリスティーナ・ウィンチェスター。

 ヒーローチーム・八百万百&轟焦凍。 

 そうして、戦闘訓練はスタートした

 


 

 セッティング兼個性把握の為のミーティング時間として先に建物内に入っている峰田とクリス。

 クリスは自身の臀部や胸をガン見している峰田を見ながら語る。

 

「……私の個性は『クリスト』と唱える事で一定範囲内の凡ゆる個性全てを無効化して無力化、発動を封じる事が出来ます……この前試した所……最大範囲は500mでした、ただし敵味方の区別無しです……」

 

 それを聞き峰田は叫ぶ。

 

「相澤先生よりタチが悪いじゃん‼︎ 何⁉︎ 敵味方の区別無し⁉︎ まさかオイラの個性も⁉︎」

 

「えぇ……範囲内なら完璧に……それでとりあえず私を起点に半径100mは封じております」

 

 そう呟いた所……スタートと同時に建物内の全ての電灯がジジジッと音を立ててチカチカと明滅し耳に装着している小型無線に激しくノイズが走る。

 それを踏まえて……クリスは理解した。

 故に行動を開始する。

 クリスは自身の小物入れから岩塩が大量に入った袋を取り出すと部屋の窓枠部分全てに塩で境界線を引く。

 

「おいおいおい⁉︎ 塩? 何してるの⁉︎」

 

 理解不能な行動にそう叫ぶ峰田。

 クリスはそれを無視して峰田の両肩を強く掴んで語る。

 

「私がこの部屋から出ていったら、そこの扉に塩を引いてください、そして自分の周囲に塩でサークルを作って其処に入り絶対に出ない事です……死にたくなかったら‼︎ 良いですね? 分かりましたか?」

 

 鬼気迫る表情と言葉に頷くしか出来ない峰田。

 そして、クリスが出て行ったあと指示された通りに行う峰田であった。

 


 

 部屋から出て

 何も問題が無いのに無線に激しいノイズが走り電灯が明滅する時と言うのは大概の場合悪魔か幽霊の出現を表す。

 幽霊の線は有り得ない……とは言い切れない。

 相澤先生のあのゴーグル、誰かの遺品だろうから間違いなく霊が憑いてる可能性がある。

 しかしその相澤先生は今此処にはいない。

 硫黄の臭いが微かに鼻につくから悪魔か……。

 

「八百万‼︎ 無事か?」

 

 そう叫び探し回っていると通路の向こうから八百万が現れる。

 八百万はひたすら誰かを探しており不安そうな表情をしている。

 

「えぇ、私は無事ですが……轟さんが見当たらなくて……先程まで一緒でしたのに……クリスさん、一度訓練をストップしてオールマイト先生にご指示を仰いだ方が……」

 

 常識の範囲で考えられる最良の意見を述べてくる八百万百であるが相手は常識の外に出ている幽霊や悪魔どもだ。

 何よりも……。

 

「オールマイトは確かにプロヒーローですが、こう言った事は素人です……ハッキリ言って邪魔にしかなりません、それに……心配なさらずとも轟焦凍さんとやらが見えました……」

 

 そう呟くと反対側の通路から姿を現した轟焦凍。

 しかし、轟焦凍にあらず……悪魔が憑依している。

 

「八百万? どうした?」

 

 そう声を掛けてくる轟であるが八百万百は近づかない。

 クリスに言われたからでは無い……八百万百もなんとなくではあるが分かるようになっていた。

 

「轟……さんじゃありませんわね? なんですか? 誰なのですか⁉︎」

 

 そう叫ぶ八百万百とは対照的に……一切の迷いも躊躇いもなくポーチからスキットルを取り出して中の液体をぶっ掛けるクリス。

 常備しているその液体は聖水である。

 十字架により清められた水、神の祝福を得た清められた水、悪魔に対して武器となるモノ。

 

 怯んだ一瞬の隙を突いてクリスは轟焦凍の懐まで接近して体術で捩じ伏せるとそのまま悪魔祓いを執り行う。

 

「Exorcizamus te, omnis immundus spiritus omnis satanica potestas, omnis incursio infernalis adversarii, omnis legio,omnis congregatio et secta diabolica.

 Ergo draco maledicte et omnis legio diabolica adjuramus te」

 

 紡ぐはラテン語の言葉。

 悪魔祓いの文言。

 そして悪魔を地獄に送り返す文言……。

 轟焦凍の口から黒い煙が噴出し、地の底へと、地獄の底へと舞い戻って行った。




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