右腕が【未知の粒子を収束してビームを打つキャノン】に改造された周央サンゴの話   作:kakyoin

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「この周央サンゴは私の脳内周央サンゴであり、実在の人物・団体とはそれとなく関係ありません」


第1話

*****

 

『目が覚めるとあなたは見慣れない部屋にいます』。

 

なんて文言を何度見聞きしたかは分からないが、そこは見慣れない真っ白な部屋だった。

 

ベッドと本棚とゴミ箱、それに3つの扉のついたこの部屋はまさしくTRPGのクローズドシナリオかよといった様相だ。

 

「うわすっごほんものだ本当にあるんだこれ」という謎の感動もありつつ、とりあえず昨晩の事を思い出そうとんーと天井を見上げる。

 

いや当たり前だけど普通にご飯食べてお風呂入って寝てるなぁ……。

そんな知らない部屋に連れてこられましたって記憶があるなら起きてすぐ心当たりがあるだろ……。

ふむふむうんうん。

 

ひとまず部屋の中をうろうろする周央サンゴさん。

 

まあね、あんまり考えたって仕方ないよねこういうのって。考えるのやめやめ。

これ系はしらみ潰しで一通り見ていくのが定石ってやつだし、まあまずは本棚から行きましょうかって。

 

と、手近にある1冊に手を伸ばしたところ、本を掴もうとしたところ

 

『かぽっ』と右手が取れた。

 

さながらゆるゆるになったボールペンのキャップのように。

 

落ちた右手--正確には肘あたりから先ががっぽりと--はプラスチックのような軽いコツコツとした音を立てて足元を転がった。

 

めっちゃ空洞やんンゴの右手……ではなく

 

「はァァァァァァァァァ????ええええええええええええ????」

 

ヤバいヤバい意味が分からなすぎる手取れた。

しかもめっちゃ空洞。

ンゴの腕空洞。

なにこれ偽物?偽物の腕って何?。

待って分かんない。

え?。

あの、腕だよだって?。

え?。

えええ?。

 

困惑する脳内をよそに、ふと反射的に、足元の『取れた方の右手』から『今着いている右腕』の方へと目線を動かす。

 

鉛色に光る金属。

バカでかい銃身。

いやもう砲身?。

クソデカ厳つ砲身?。

は?。

 

それは 銃と言うには あまりにも大きすぎた

大きく ぶ厚く 重く そして 大雑把すぎた

それは 正に キャノンだった。

 

「oh……」

 

あまり言葉に詰まらない、むしろ言葉に詰まっていて欲しい、もう少し静かにできませんか?周央さん?と言われがちなンゴちゃんもさすがにこれは黙るしかなかった。

 

そうはならんやろ……。

 

「いやなっとるやろがい……」

 

恐る恐る右手--キャノンを動かしてみる。

 

ばよばよーと手を振る。

 

違和感なくばよばよするキャノン。

 

宙に星とかを書いてみる。

 

綺麗に繋がる五角形。

 

少し踊る。

 

悪霊退散、悪霊退散。

 

ぶんぶん動くキャノン。

 

……。

 

えぇ……右手やんこれ……。

 

落ちた手とキャノンを交互に見比べる。

 

わかんないけど、わかんないけどこれはめたらワンチャン元通りにならないかな……。

 

なんかもうなんか、自分でもわかんなくなってる。

 

わけわかんないことを言ってる自覚がある。

 

いやでもだってわかんないよおおおお!分かるわけないよおおおおおおおおお!!!

 

落ちた右手を拾って右手--『右キャノン』に--『右キャノン』ってなんだよ--右手に着いてるキャノンに恐る恐るそっとはめる。

 

『かぽん』とこれまた心もとない緩さで右手は周央サンゴの右手としてくっついた。

 

指、動く。

 

ぐー、ぱー、できる。

 

……あーまあ、良かったああああああああ。

 

うわ嬉しいけどちょっとキモいなぁ……なんか……。

 

*****

 

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