TMR(of ephraim) プロトタイプ 作:バクネツ02
TMR(of ephraim) 9 【Talk with Mutual Reminiscence(of ephraim)】
エフラムが警察の御用となりブラッドは影武者として学校に登校することとなった。
帰り道、ターナとラーチェルに漆黒カフェ
(エイリークが給仕のアルバイトをすることになった)
に連れて行かれて散々な目に遭う。
どうやら客である三人は揃ってハズレの商品を引いてしまう。
その後、エイリークの勤務時間までずっと居座るのであった…
★
※今回も地の文はブラッド視点で
※漆黒カフェ※
ブラッド 「…それにしてもあのメニューは何だったんだ、
まともなものはないのか?」
ターナ 「そうよ、私なんかよりによって兄さんが出てきたし!」
ラーチェル 「そうですわ!私なんか殿方の裸を見たことありませんのに!
エイリーク責任を取って私をお嫁さんにしてくださいまし!」
エイリーク 「ロイヤルミルクティーや烏龍茶は普通ですよ。
三人とも揃って特別メニューを選んでしまったのですから」
ラーチェル 「(私の告白を…まあいいですわ) エイリークは何ともありませんの?」
エイリーク 「特に何も…」
ラーチェル、彼女はもう純粋な百合だな。
エイリークは彼女の文句を兼ねた告白をあっさりスルーして返答してるし…
これが兄弟家の伝家の宝刀、フラグクラッシュというものなのか?
だとすれば俺もこのスキルを覚えされられる…のか?
それとエイリークは男兄弟が多い家で育っているから
普段から見慣れているのだろうな。
二人ともお嬢様といった感じだが、育った環境がことなればこうも違うのか…
と一人感心する俺だった。
………
しばらくして俺は正体がばれてしまう。まあ、密偵でないので当たり前ではあるが…
ターナ 「あなた誰?何でエフラムの恰好してるのよ!
私達の騙そうとしていかがわしいことを企んでいるの?」
ラーチェル 「そうですわ!
私のエイリークに妹プレイをさせるなんて許せませんわ!」
と二人とも非難轟々の言葉を投げる、まあこれも当然とも言えるな。
ただ、彼女達が勝手に連れて行かなければ何も起こらずに済んだという
見解もできるが…とにかく言い訳をしておくか。
ブラッド 「血の誓約書を結んでしまったんでな、
仕方なしにエフラムの影武者として動いている」
ターナ 「理由にならないわ!」
ラーチェル 「家でエイリークと一緒に寝るつもりなんですわ!
ターナ、今のうちにこの殿方を闇に消しましょう」
ターナ 「気偶ねラーチェル。私も丁度しょう思っていたところだわ」
彼女達は物騒な言葉をかける。また死亡フラグが立ちましたって感じだな…
俺はまた死ぬのか?
このスレで『出番=死亡フラグ』という法則はいくらなんでもやめてほしいものだ。
エイリーク 「二人とも落ち着いて下さい。
ターナ達を騙してしまったことは謝ります。
ですが、元はというとエフラム兄上が騒動の原因で、
ブラッドさんは悪くありません。
むしろ彼がいなければ兄上は留年してしまうんです」
エイリークがフォローを入れてくれた。
良く出来た妹だ、ローラがこんなのなら良かったのにな…
どうしてあんな風になってしまったんだろうか。
司祭様、あなたを恨みます。
ターナ 「…そういえば兄さんが嫌味で“エフラムは落第まっしぐらだ”
と言っていたわ。それが本当だったなんて…」
ブラッド 「俺は面倒事に巻き込まれてしまっただけなんだ。
できれば何事もなく済ませたい」
ターナ 「そう…仕方ないわね、
でもエフラムの評判を下げることは絶対しないでよね」
ラーチェル 「私はエイリークに手を出さないのなら構いませんわよ」
下げるも何もロリコンの冤罪で警察に厄介になっている時点で
人としてどん底なんだがな…
こいつは本当に百合だな。
しかし俺に敵意がないだけましか…
ブラッド 「わかっているさ。俺もこれ以上死にたくないからな…」
………
漆黒カフェに新たな来訪者が訪れた。
店だから客がやってくるのは当たり前か…
客人は肩にかかるぐらいの蒼い髪が印象的な女性だった。
店主である漆黒を話をしているのが聞こえる。
「青(髪ロード)汁の予約をしたいのですが…」
「味は何になされるのだ?」
「マルス様でお願いします」
「承知した…これが予約券だ」
そんなのがお品書にあったな…
いかにもゲテモノ臭が漂うのでスルーしていたが。
エイリークに聞いてみると…
エイリーク 「先程のように熱湯に青髪ロードをつけてできた、
そのエキスのことです」
ブラッド 「兄弟を売るのか…」
エイリーク 「需要があるみたいですよ。それに、
私が今こうしてここで働いているのは兄上達のせいなのですから」
そうなのか?だがこれ以上聞かないようにした。
言及しようとするならば俺も熱湯に漬けられ兼ねないからな…
漆黒と話していた先程の女性がこちらに近づいて来る。
俺達の中に知り合いでもいるのか?
??? 「エフラムじゃない。どうしたの…たくさんの女の子に囲まれて」
よりによってエフラムの知り合いですか…
あいつロリコンじゃなかったのか?
いや、今はそんなことどうでもいい。
当然誰か解からない俺は、目でエイリークに助けを求めるよう訴える。
だが、その彼女もカチュアことを知らないような素振りをみせた。
どうしたものか、適当に誤魔化そうとしたところ…
ターナ 「カチュアじゃない、久しぶりねー」
どうやらターナはカチュアという女性と知り合いらしい。
ここはターナに任せたほうがよさそうだ…
ターナの助けをもらいながら誤解が招かないように、
俺はエフラムの影武者であることを説明した。
彼女は良く気が付く人間で俺の置かれている状況を理解してくれた。
この町の数少ない常識人だな…
その後、丁寧にもターナとの接点について話してくれた。
彼女達の出会った経緯は、紋章町にある法律で『天馬免許』を
得る際に一緒に訓練を受けたこと時だったそうだ。
ブラッド 「ペガサスに乗るのにも免許がいるのか?」
ターナ 「当たり前じゃない、素人が乗ったら怪我するし、
周りに危害を及ぼす可能性があるじゃない」
それもそうだな…
ターナ 「カチュアはどこまで取ったの?」
カチュア 「『乙3』までね」
ターナ 「もう少しでクラスチェンジじゃない。私はまだ『乙4』だわ」
カチュア 「早く一番上までとりたいわ」
ターナ 「私もよ、甲1は天馬免許の魅力よね」
ブラッド 「乙3とか乙4、それに甲1というのはどういう意味だ?さっぱりだ」
カチュア 「簡単にいえば天馬免許の種類の略称になります。
宜しければ詳しく説明しましょうか?」
ブラッド 「ああ、せっかくなので頼む」
☆★☆★天馬免許の種類☆★☆★
甲種第一…兄弟家の嫁になるのに優遇待遇される。婚活にどうぞ。
第二…二つ名を名乗ってもいい免許。結構レア。
乙種第一…傭兵団の設立者及び隊長など部下を持つ指揮者に就くのに必要。
指揮値が付く。
第二…クラスチェンジに必要な免許。槍以外の武装の使用可。
第三…白基調以外のカラーリングをしてもいい。
例:タニスのように黒基調にできる。
第四…槍を使用可。警察の天馬部隊に所属するのに必要。
ここでやっと武器の携帯が許可される。
第五…自宅で天馬を飼ってもよい。
丙種 …天馬で運送事業に就いてもいい。
第二丁種…二人乗りをしてもいい
第一丁種…天馬に乗っていい。
但し満十三歳以上の女子に限る。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
…彼女達が言っていたのは乙種のランクのことだったのか。
天馬免許に甲1が必要なのか…?
兄弟家の嫁枠争奪戦が激しいのはニュースでたまに流れるから、そのせいなのか?
ターナ 「それにしてもカチュアとエフラムと接点があるとわ…以外ね。
どこで知り合ったの?」
エイリーク 「私も興味あります」
ブラッド 「俺も念のため聞いておこう」
カチュア 「わかりました。ではお話しましょうか…」
※エフラムとカチュアの関係を支援会話風で表現してみました…
【その1 槍コミュニティにて】
カ:あそこにいる男性はもしかして あら、もしかしてエフラムさん?
エ:ああ、そうだ。 君は…たしか、マケドニアで暮らしている三姉妹の…
カ:次女のカチュアです。 数年前のことですので覚えていなくて無理ありませんね。
エ:あの時は世話になったな。君の姉上に改めて礼を言わせてもらう。
カ:ええ、姉にはしかと伝えておきます。ところでエフラムの家族は
エ:両親はいないが上と下に兄弟姉妹が総勢15人いるな。
カ:そんなにたくさん!?じゃあエフラムは兄弟の何番目?
エ:…わからない。ただ、はっきりしているのは俺が真ん中、年中組と言うことだ。
両親がいない故、兄姉の背中見て育ち、
せめて兄姉の負担が減るように自分が弟妹の面倒を見ようとしている。
カ:そうなんだ。私もパオラ姉さんが仕事にいっている間は、
エストは私が見ているし。共通点が多いわね、私達。
エ:そう言われれば確かに似ているな…
カ:ねえ、同じ境遇同士仲良くしましょ!それで…悩みとか相談できたらいいかな。
エ:異論はない、こちらとしても是非そうして欲しい。
カチュア 「…と、槍コミュニティで会ったのがきっかけです」
ターナ 「あー、あのサークルか。だったらおかしくもないわね、
他の天馬騎士やその候補もたくさん参加しているし」
ブラッド 「(槍コミュニティとは、俺ようなソルジャーでも入れるサークルで、
俺も席を置いている…)
だが会話の内容からして、どこかで会っている気がするんだが?」
カチュア 「はい、昔に実は出会っています。確か7年前だったと思います…」
★
※ブタ箱(エフラムのモノローグ)※
十一歳の夏休み(約7年前)のことだ。マルスの友人であるクリスから
ドーガ先生の伝説を聞き、先生に会うべくグルニアに向かうことした。その道中、
アリティア地区の森で道に迷うがとある集落で道を聞くことができたのだが、
森を抜けだし着いた先はというと…『グルニア』ではなく、
『グラ』であり、反対方向に進んでいた。
たしかに多少似ているので捉え間違えたのだろう…
それに今さら怒ってもどうにもならない。
遠回りになるがマケドニア地区を通ってグルニアを目指すことにした。
マケドニア地区…その領地の中央には南北に険駿な山が連なっている。
南東部には森林地帯が広がり、また西側は扇状地が広がる。
ドルーア地区…ここもまた西側に南北に山脈が走り東側に扇状地が広がり、
麓に竜の祭壇がそびえ立っている。
マケドニアとドルーアは連接しており、山―谷―山の谷の部分が境目となっている。
そこは通称“飛竜の谷”と呼ばれ、
アカネイア地方の竜(ドラゴンナイト用)の産地だと言われている。
飛竜の谷には驚異の移動力12を誇る飛竜がわんさかと湧き、
また凶暴な蛮族が土地に住み着いており、
とてもインフラの整備できる状態でないらしく、ほぼ未開拓なところだ。
こうした理由から紋章町有数の危険スポットに挙げられている。
当時の俺は危険な場所だとは知る由もなく、グルニアへの近道だと横断していた。
飛竜の谷を進んでいる途中のことだ。
背後からえを言わぬ速さ…Zipsと音を立て猛追して来る物体を察知した。
振り返れば視認できる限りでは数匹の獰猛な竜が俺を襲って来るのだった。
一対一であれば立ち止まり応戦したのだが、多勢に無勢…逃げることを選んだ。
無策で逃げるわけではい。
群れをなしている竜にも速さには個々の差があるだろう。
最も近づいていた相手を一匹ずつ相手すれば良いと思ったからだ。
だがそれは過信が引き起こす無謀、
「止まらないこと」が暴走ならばしたことないヤツはいないだろう。
…特に思春期ではな。
いくら個々の差があるいえど常人それも子供の脚力に比べてるとほぼ同じだ。
自分の策通りに物事が行かず、焦りと共に疾走する熱と痛さを感じた。
こうなった以上撒ききれるはずもなく、山の麓で追い詰められる。
後ろは山、逃げ場を失った俺は一矢は報いようと戦う覚悟するのだが…
そこに大空から一頭の天馬と翠色の髪の女性が介入する。
空で鮮やかな軌道を描きながら俺から飛竜の群れを引き離し、
ドラゴンランスを片手に次々と飛竜を倒していく。
一匹だけはその陽動に釣られず、俺の方に向かってきた。
一対一ならやれる…俺は飛竜の軌道を見極め、
脆い場所に槍一閃を放ち、仕留めるここができた。
一息ついたところで、彼女に無謀な聞かん坊だとやんわりと忠告を受ける。
その後、グルニアに向かうので急ぐと言えば、
こんな所で野宿するのは危険すぎると返され、
有無を言わぬ間に彼女の後ろに乗せらた。
………
連れてこられたのは彼女の家のようだった。
そこで家族が紹介された。二人の妹がいるらしい。
俺を助けてくれた翠髪の女性はパオラさんだ。18~19歳で落ち着きがある。
おっとりとした母性を感じさせるお姉さんであり、
肝っ玉お母さんのリンとは別の方向で大人びていた。
彼女は高校を卒業後マケドニア署に勤めている…安定した職業だな。
天馬免許乙四の免許も取っているそうなので、白騎士部隊に所属している。
納得したな、彼女が飛竜を容易く撃退した理由が…
蒼い髪をした少女は次女のカチュア、俺と同年齢。
歳に合わず真面目でしっかり者であり、エリウッドと並ぶ常識人だと感じた。
カチュアは姉を尊敬し、白騎士部隊に入るのが目標だそうだ。
彼女の年齢ではまだ天馬に乗ることはできないので自主練習をしているらしい。
どういう練習か疑問を感じるが…
淡紅色の髪の女の子は三女のエスト、俺より3つ下らしい。とても元気が良い、
両親がいなくなっても卑屈にならず育っている…
が現在はパオラさんとの関係が良くないらしい。
おそらく思春期特有の反抗期だろう…誰もが通る道だ。
早めに関係が良くなることを願う。
彼女達は兄弟家で言えば、年長、年中、年少組にそれぞれ当てはまる。
また両親は数年前に先だたれ、現在は三姉妹で暮らしているそうだ。
俺達兄弟家と家族構成に似て、親近感が湧いたのを覚えている。
その翌日、俺は一礼をした後、マケドニアからグルニアに向かった。
数年後、カチュアとは槍コミュ二ティで偶然にも再会することになる。
同じ歳ということもあり、
家族で年中組としての立ち位置など似ている点から話が合った。
それから彼女とは何かと相談し合う仲であり、良き理解者だと思っている。
★
※漆黒カフェ※
ターナ 「…で今はどういう関係なの?
相談し合っている時点で結構親しい間柄だと思うんだけど」
エイリーク 「そうですね…相談の内容も気になります」
カチュアとフラグが立っている発言にターナ、
それにエイリークも驚きを隠せなかった。
ターナはエフラムに好意があっての反応はわかるが、
エイリークは自分の知らない(幼女を除く)兄の異性関係に驚いたのか?
カチュア 「深い仲じゃないから安心して…」
二人 「本当にそう(なのですか)?
出来ればそこも詳しく(お願いします)!」
カチュア 「わかりました。では続きを…」
【その2 カチュアの相談】
カ:困ったわ…どうにかならないの
エ:どうしたんだ?どこか遠くを見つめて君らしくもない
カ:自分用のペガサスが欲しいの。私もパオラ姉さんのように
警察の天馬部隊に所属したくて…
エ:そのための鍛練を今からしようと言う訳か…なるほど。
カ:武器の扱いや戦術は如何様になるけど、ペガサスの乗馬の技術だけは…
エ:どうやって天馬を手に入れるか悩んでいたのか…ウチにもいるが、
難しいものなのか?
カ:そうなのよ。
エ:俺の家が当たり前としていたことが異様だったんだな。
無知だったことを詫びるさ。
カ:気にしなくていいわ。
エ:そうだ、俺も姉上に聞いてみる。何か良い答えをくれそうだ。
カ:ありがとう。
★
※ブタ箱(エフラムのモノローグ)※
高校生のときのある日…今から2年前ぐらいだろうかはっきり覚えていないが、
俺はカチュアにある相談をされた。
「乙4の天馬免許を持っているのだけど、自分用の天馬がないの…」
カチュア自身も将来は姉のパオラさんのようにマケドニア署の天馬部隊で
働きたいという願望を持っていて、天馬の腕前を日々鍛えたいようだ。
単に天馬に乗るだけなら一番初歩の免許で乗れ、
所持(飼育)するには更に上級の免許がいるらしい。
それは、天馬とは生き物であり維持費もとい世話する必要があるからだ。
また人間より身体が大きく食費がかかるうえ、
人間の雄を毛嫌いする気質で、女性が世話手になるので力仕事が必要となる。
以上を踏まえて天馬免許になかで、所持するのに必要な項が設けられたらしい。
ウチにもエリンシア姉さんの天馬が一頭いるので
維持する大変さを全く知らないわけでもない。
だが、彼女に教えられるまで天馬も手に入れる難しさを知らなかった。
★
※漆黒カフェ※
カチュア 「…とエフラムに話をしたの」
ブラッド (なんでそこでエフラムに相談するんだ…?
いい答えをくれそうに無さそうだが)
ラーチェル 「天馬を入手するなんて簡単なことですわ!」
ターナ 「私も、父さんに先に用意してくれたから…」
金持ちには縁のなさそうな事だな。
そんな金持ち達にカチュアは丁寧に説明する。
天馬に限らず竜もだが、所有するには維持費がかかる。
個人で飼育するのは大変だそうだ。
だがそれ以上に入手する方が困難と言われている。
それは馬とはちがい一般市民が個人で所持するほどの個体数がなく、
手にしようとなれば、知人から譲りうけるか、大金を叩いて買うかに絞られる。
野生の天馬を捕えてくるという選択肢もあるが、
相手は空を飛べるゆえ生け捕るのは非常に難しい。
また調教する必要があるのに加えて、逃亡する確率が高いんだそうだ。
紋章町の一般人の現状は、概ね仕事上の関係で一時的に預かっている
(組織の一部を借りている)という形をとっている。
よって個人で所有しているのは限られている。
ターナ 「そんなに大変だったんだ…」
世間知らずな所もあるターナだが、真に受け止められるからいい。
問題は…
ラーチェル 「では、天馬を大量に繁殖させればいいんではないですの?」
こいつの発想にはビックリさせられる…
といっても俺はローラで馴れているから、あまり驚くことはなかった。
カチュア 「エフラムに相談すると…
“可能性が低いが一つだけ方法がある”と答えてくれました」
エイリーク 「兄上はペガサスを手に入れる方法を知っていたのですか?」
ブラッド 「あのエフラムが!?」
カチュア 「はい、順を追って話しますね…」
【その3 ペガサスを手に入れよう】
エ:…姉上に相談してみれば、君と同じを言っていた。
やはり、困難なものだな。
カ:そう…やはり高望みはいけないのかしら。
地道にお金を貯めて買うしかないわね…
エ:いや…可能性は低いが一つだけ方法が見つけることができた。
どうだ、試してみるか?
カ:そうなの!?是非やってみるわ!
エ:わかった、なら先方に連絡しておく。期日は後で教える。
カ:準備しておくものとかは無いの?
エ:…そうだな、体調を万全にしておいてくれ。
………
エ:成功してなによりだ。協力者も驚いていたな。
…これが君の天馬だ、大事にするといい。
カ:ありがとう、なんてお礼を言ったらいいか…
エ:礼などいらないさ。
カ:それでも、何もしないというわけにはいかないわ。
エ:なら、俺が困った時相談に乗ってくれ。それでいいだろう?
カ:ええ、いつでも力になるわ。
★
…ブタ箱(エフラムのモノローグ)…
カチュアの相談に俺がとった反応とは以下のようだ。
俺は十歳の時バレンシア地方でユニティに転昇して以来、
なにかとこの地に縁があり、知人も多い。
その内の一人、以前ソフィア地区で知り合った髪の色が赤か青かはっきりしない少女、クレアのことを思い出した。
彼女はPナイトのユニティであり、
転昇した際に身体の一部から天馬の霊獣が生み出した、いや召喚したと言っていた。
ならばカチュアが自分用の天馬を手にしたいと欲しているのであれば、
この方法でいいのではいのか?
ただ、問題なのは彼女がユニティに昇れるか…だ。
通常ユニティになるにはミラ教かドーマ教を信仰していることが前提となっている。
俺がユニティに昇れたのは力を欲する渇望にドーマが答えたのだろう…
ともあれ、彼女がユニティとして資質が
あるのならPナイトに転昇できるはずである。
という考えを踏まえ、カチュアに低い可能性である提案をする。
藁にでもすがる思いの彼女はそれに即座に承諾した。
返事を聞いた後、俺は準備としてある人物、シスターに依頼することにした。
転昇の儀式を行う際、ミラの僕像のほとりにある聖なる井戸水で手を清めた
シスターが仲介に入らなければならないからだ。
なら俺の事例はといえば、やんごと無き御方にも未だに謎であるらしい。
俺はその原因解明の重要参考人として本来は部外者が立入禁止である
ノーヴァ寺院に出入りできる待遇を受けていた。
その待遇を利用し施設、
ノーヴァ寺院に併設されているセリカが通うミラ神学校に入った。
…念のため言っておくが父兄と偽る犯罪者と勘違いしないでくれ!
そこでシスターのユニティである少女に会って話をした。
彼女の名はジェニー、桃色の髪のショートポニーテール持ち、
髪の色と同じ淡紅の胴衣を纏った少女だ。
性格は控えだが芯が強そうな少女であり、動物例えると、
野兎という印象が良く合い俺の庇護欲をそそる。
また彼女は同じ歳であろうセリカを理想の女性像と崇拝している。
まあセリカは狂信者、
アルムと一緒にいない時は凛として何でも卒なくこなす人物であるため、
その姿しか見ていない彼女はセリカに憧れているのだろう。
別にセリカに頼めば済むはずだが、あの狂信者のセリカのことだ、
『ミラ教に入らないでユニティになろうとするなんて愚の骨頂よ!』
と言うのが目に見えているため、
セリカを通して縁があった彼女に頼むことにしたわけだ。
後日、ジェ二ーに付き添いでカチュアの転昇の儀を行う。
向かった先は盗賊の祠、シルクが捕まってた場所である。
※ファイアーエムブレム外伝第一章参照
元来ユニティに昇ることが許されるのはミラかドーマ教えを殉じている者に限られる。
よって例外の人間が秘密裏に行うには、この最辺境にあたるこの場所が最適だった。
祠の中に入り、ミラの僕像のある場所に辿り着き、ジェニーが転昇の儀を始める…
「この者、マケドニアのカチュア。
その力と意思を押し量り、ミラとドーマも祝福をもってPナイトに至る転昇の儀、
あたわざるや否やを知らせん」
………
※外伝の小説(尾崎克之 著)にグレイがナイトのユニティに転昇する際、
以下のように描画されています。
『彫像の目にさらなる光が宿り、やがてその光は糸となって伸び
~中略~
グレイの身体を巻き、それは巨大な繭のようであった。
転昇には、大いなる苦痛が伴う
~中略~
一閃、悲鳴が走り、光の繭の下側が血に染まった。
ミラの僕が、その霊馬を召喚するために、
グレイのアキレス腱を切り取ったのである
~中略~
グレイが光の繭を破り、
その筋肉が数倍にも膨れ上がったナイトの肉体を得て現れる』
………
すると彫像から↑のような現象が起こり、カチュアを光の繭で包んだ。
俺は固唾を飲んで、彼女の転昇を見守る。
すると繭の中から彼女の強烈な痛みにのたうち回る悲鳴が聞こえてきた。
どうやら彼女は昇ることが許させたらしい。
この悲鳴はいわば、転昇の証。
だが他人、それも女性が苦痛のうめきは聞くに堪えない。
隣では何度もこの悲鳴を聞いているジェニーも顔を怖ばらせていた。
だが変化するには必ず乗り越えなければならない壁とエネルギーが必要だ。
壁は変化のため試練と痛み。
エネルギーは変わろうとする確固たる意志と痛みに屈服しない強靭な精神だ。
痛みを伴わない変化はただの現実逃避、日和見主義でしかない。
光の繭の下側が赤く染まり出し、繭が倍いやそれ以上に膨らんだ。
恐らくカチュアのアキレス腱そして僧帽筋を切り裂いて生じ、
その肉片を媒体に翼を持つ霊馬を召喚したのだろう。
『人は何かを犠牲なしに何も得ることはできないのだから』
とフォルデのような某錬金術師も言っている。※ハガレン
しばらくした後、カチュアは光の繭から自らの一部から
創り出した(INVOKE)天馬と共に出てきた。
その姿を見て、俺もジェニーも安堵した。
上手くいってなりよりだ。
帰る途中、俺達は盗賊の集団に絡まれる。
祠の周りはどうも彼らの縄張りのようであった。
女を置いて行けと要求されたが、俺は拒み戦うことを選ぶ。
俺は槍を握りジェニーを背に守りながら防衛にあたる。
一方、カチュアは新たに得た天馬に跨り圧倒的な速さで獅子奮迅の闘いを見せる。
その姿を見えてさすがあの人、パオラさんの妹だなと思わずにいられなかった。
盗賊を追い払うことに成功した俺は、
地面にある指輪が落ちていることに気づき拾い上げた。
どうやら盗賊の置き土産だろう、俺は指輪をはめる性でない。
その場しのぎの転昇祝いを兼ねその指輪をカチュアにあげることにした。
隣でジェニーがしょんぼりしながら見ていたな…
そんな顔されたら非常に困る…
なんで指輪、それも戦利品をあげただけなのに…
※天使の指輪…0.014%、1/7142の激レアアイテム
★
※漆黒カフェ※
ブラッド 「…という経緯でいまのペガサスがあるっていうわけか…」
カチュア 「そうなりますね。ちなみに今はめてる指輪がその時貰ったものです。
これを持っていると能力が良く上ったり、
魔法を避けやすくなってとても便利です」
ターナ 「ちょっとカチュア!あんた何してるのよ!」
ラーチェル 「なんとふしだらな!淑女として自覚はないのですの!」
エイリーク 「兄上は小さな女の子にしか興味がないわけではなかったのですね…
喜ばしいことなのに、複雑な気持ちになります」
カチュア 「…みなさん何を言っているのですか?
私はただエフラムと一緒に(+付き添い)と人気のない所に訪れて。
そこで、何も考えられなくなるくらい
今まで体験したことのない痛みが身体に走り、
局所から血を流し純白の繭を赤く染まらせ、
自分の身体からいわば半身の存在である天馬を創り出し(召喚し)て、
エフラムから(天使の)指輪を渡されただけですが…」
三人 「その言い方が大問題よ(ですわ、です)!!」
カチュア 「???」
ブラッド 「…カチュア、自分が何言っているかわかっているか?
(俺にも刺激が強いな)」
カチュア 「事実を話しただけですが…」
漆黒 「お困りのようだな、なら私が代わりにお答えしよう。そこの三人の
乙女(と野郎)は貴女の話から授かり婚を想像してしまったようだ」
カチュア 「…べ…別にエフラムとはただ相談相手なだけです」
漆黒の言葉で自分のいかに卑猥なとこと言ったていたことに
気がついたカチュアは、顔を真っ赤にした。
しかしどうやったらあんな表現ができるのだろう。
落ち付き取り戻した彼女は話の続きをした。
カチュア 「次にエフラムと会ったのは、エフラムが相談に乗った時でした」
【その4 エフラムの悩みを聞くはずだったんだけど…】
エ:カチュア、相談なんだが…
カ:…ロリコンの冤罪で逮捕されてしまった、ということね。
エ:ああ。俺は子供達が元気で明るく育ってくれるようにしたいだけだ。
そうとも、この気持ちまさしく愛だ。
カ:愛!?エフラムのことだからやましさはないと思うけど…
エ:当たり前だ。
カ:でも、驚いたわ。エフラムの口から愛っていう言葉が出てくるなんて。
エ:すまん、実は以前に聞かされた言葉が脳裏に焼き付いて、つい言ってしまった。
カ:聞かされたってことは、告白をされたの?…付き合っているとか?
エ:違う、それに俺は誰かと付き合う気はない。だが、愛について考えた。
その末、俺は愛とは自分が報われなくても相手を想い続けることだという
定義に至った。だから俺は警察に何回捕まろうが構わないと思っている。
カ:…それは由々しき問題ね。
私が警察に入ったらエフラムの行いが理解されるように尽力するから。
無理しないで!
エ:そうか、すまない。
カ:エフラムは一人で思いつめるし…私はあなたのことが心配よ。
それに、あなたが倒れたりしたらマルス様が悲しまれるわ。
エ:何でマルスの名前が出てくるんだ?
カ:えっ!?な、なんでもないわよ。
エ:だが君と話をして良かった、心が晴れたようだ。また相談に乗ってくれるか?
カ:ええ、もちろんよ。
<エフラム退場>
カ:報われなくても想い続けることが…愛か…
★
※ブタ箱(エフラムのモノローグ)※
その後、つい最近のことだが。
ロリコンの冤罪で捕まること、はや数回。
さすがの俺も毎度捕まることにうんざりしてきた。
警察のヤツらは、何もわかっていない。
それはいい。ただ、子供たちの生活が良くなるなら、
俺がどれだけ汚名を着せられようとも構わない。
ティアモ(某乙女座の人)の言葉を借りると
“この気持ちまさしく愛だ”であろう慈愛に満ちたミラの顔をした俺と、
警察に捕まったことで、苦しい戦ほど面白いものであるもの…
壁が高いほど越える甲斐があるもの…
と事を成し遂げることに悦楽している武人としてのドーマの顔した
俺がいることに気が付く。
駄目だな俺は、結局は自分の欲望のために子供達を利用しているに過ぎない。
これでは富や名声に拘る浅ましい権力者と同じだ…
ユニティが欲に溺れることなどミラとドーマは欲していない。
そうだ兄妹神が望むもの、その極みは≪ダッキュン≫!
この極みに辿り着いた軌跡をもう一度振り返ってみよう…
★
~MISSION INCOMPLETE~