TMR(of ephraim) プロトタイプ 作:バクネツ02
TMR(of ephraim) ♯08 【Trial Moving as Replacemet(of ephraim)】
エフラムがブタ箱に行きとなり、ブラッドは影武者として招集され、
兄弟家(エフラム)の史実を学ぶのであった。
次の日から本格的に役割を果たそうとするのだが、
終始奇想天外な出来事に圧倒される…
★
≪注意≫今回の地の文はブラッド視点です!
俺はブラッド、デイン地区のド田舎にある教会に住んでいて、
暁の巫女と呼ばれるミカヤさんとも面識がある。
ローラという少女は、俺と同じで孤児であり幼いころから一緒に育つ。
俺にとっては妹同然だ。
だが彼女はかなりの天然で、あのフラグクラッシャー、
アイク将軍でさえツッコミに回らせる程の強者だ。
外見は華奢であるが杖で殴るという武闘派だ。肝心な腕力はないが…。
杖ポコの腕前は言わずもがな、武器節約のスキルを確立させた偉大なやつだ。
そういうわけで平穏な暮らしをしていた俺だが、突如変革期を迎えることになる。
★
あの日(♯05参照)…ローラと街まで買い出しに出かけていた時のこと、
偶然にもある人物、エフラムと出会った。
ローラが言うには俺とヤツは同族らしい。
ローラは天然だから真に受けずスルーすることにした。
その後ローラは回復の杖をヤツに施したつもりだが…
実際はバサークでさらなる騒動を引き起こしてしまい、
俺は見て見ぬふりをしてローラと一緒に教会に戻ることにした。
教会に戻るなり、司祭様は俺に客人が待っていると話され…早速会いに行くと、
待っていたのは例の暁の巫女…兄弟家長女のミカヤさんだった。
彼女は俺に“エフラムの影武者となって学校に通え”と要求するのに、
何故かと聞き返すと…
“負傷しているが突然暴走しだしたから確保された。
しばらく出てこられないから。留年するかもしれない”
と返答する。自業自得と思ったがローラが引き金を引いてしまったのだろう…
少し負い目を感じが、白を切って拒否することにした。
するとあれこれ理由をつけて俺を持ち上げ来るのを頑なに拒否すると、
ユンヌ…負の女神まで引っぱりだしてきて原作、
黒歴史を再現させる露わ荒技に出た。
確かに…ローラを逃がすために手引きをしたり、
説得で仲間になったけど…それはあんまりだ!
俺が絶望しているとそれに追い打ちをかけるようにローラがやって来て、
毎度のお馴染といえるボケをかまし、
俺が影武者なる目的はミカヤさんの妹達の誰かと恋人になるためと解釈した。
どうやったらそんな考えが生まれて来るか、俺にはさっぱりわからん。
負の女神はここだけ神様らしく俺の体の自由を奪って血の誓約書にサインをさせ、
これで交渉成立…俺はエフラムの影武者を強要されたことになった。
ショックで落胆しているのも束の間、
ミカヤさんの家までワープで送られて夕食となる。
兄弟家は10人以上の大家族であり、自己紹介しても名前が覚えきれなかった。
夕食中長男のシグルドさんは俺がここに来た理由…
ローラの発想を鵜呑みにしてしまっていた。
末女を貰ってくれるからとすごく歓迎され、それでいいのか…不安を覚えた。
その後、一番来てはいけない奴…
ローラが乱入、あのアイク将軍の顔を引きつったのがとても印象に残る。
ローラがまた得意のボケをかます…“この中に俺の嫁がいないかと”。
兄弟家全員はげっそりしたが、シグルドさんだけは大いに歓喜する。
それに対しセリカはローラに喰らいつき、
暴言を吐くがローラは得意の天然で自分の良いように解釈した。
それがセリカに火に油を注ぎ、
怒り狂ったセリカは魔法を唱えようとするがローラは阻止する。
セリカは次手に斬りかかり、
俺はローラの身を案じ止めようと仲介に入るがローラはいきなり帰って行く。
振りかえると突きの構えをしたセリカに串刺しにされたてしまった。
そして俺が目覚めたのは次の日の夕方、どうやら俺はまだ生きているらしい。
起きたのいいが、エフラムの歴史についての勉強会を受けるはめに、悪夢だ…
幾度か部外者が乱入してきたがその日を終えることができた。
生きているとは素晴らしいことだな…
………
夜が明け、朝日が部屋全体に光が入る頃に俺は目覚めた、太陽に感謝した。
今日という日を無事に迎えられることを…
エフラムの部屋で寝ていた俺は神々しく飾られている無数の槍を発見する。
この家に来てから常に騒動続きで疲れきった俺は部屋に案内されるや否や、
布団にダイブして熟睡してしまい、
よって部屋の概観を把握できていなかったため、
今頃エフラム自慢の槍コレクションの存在に気がついたわけだ。
子どもが目をキラキラ輝かせた俺はもはや興奮を隠せなかった。
孤児であり、不詳の子である俺が扱える槍はせいぜい良くて銀製だ。
だがこの部屋には紋章町津々浦々の貴重な槍がある。
エフラムの代りということは、つまり今これらの所有者は俺だといえる。
影武者も悪くないと感得した。別に俺は現金な人間ではない事に釘を刺しておこう。
………
早速スレンドスピアEXを持ち出して庭で振り回した。
チートのかかったこの槍は、槍使いなら誰もが一度は欲しがるだろう。だが今は俺のモノだ…異論は認めない。
俺は人生で蝶!サイコー!に幸せな気分だったと思う。
いいねえ…実にいい。槍の性能、重み、感触を一人心行くまで堪能していたが…
それも束の間、二人の大男があらわれた。
一人はアイク将軍、もう一人はピザ(ロイが連呼していたことが記憶に残った)…
いう名だったか?
「一昨日セリカに斬られたっていうのに、タフだな…
気に入ったぜ。手合わせしてくれ!」
と、いきなり手合わせを願ってきた。
俺は一昨日死にかけた人間だと言いたかったが、
元気に槍を振り回していた姿をバッチし見られていた。
そんなわけで相性の悪い斧相手に戦うことになった。
ま、人生こんなもんだよな…ははは…
数回金切り音が鳴ったところで、ヤツは固い強い遅くない…というより速い…
と俺は感じた。
ピザなのに性能はちょっと反則だろ…漆黒という前例で割と冷静さを保て、
なんとかスレンドスピアEXの補正のおかげでなんとか凌ぐことができた。
「やはり、いい腕だな…次は俺と手合わせを願おう」
「…兄貴、結構できるぜ!」
ヘクトルは前座にでしかなく、ここで真打登場…
やはり影武者なんて良くないと改めて戒めた。
チート補正が有りとはいえ…天空を喰らい気を失ってしまった。
武器が良くてもスキルがチートならどうにもならんし…
………
しばらくして意識を取り戻した後、汗を流そうとシャワーでも浴びようとする、
躊躇なく脱衣所に向かった…この時間だと誰もいないと思ったからだ。
だが俺の考えは甘かったようで、十数人が暮らしている兄弟家、
ならこの時間にもシャワーないし風呂に入る者もいる。
脱衣所の戸を開けたら半裸の人間がいた。男ならまだ良かったが女だった…
これがラッキースケベですか、クロムさん?
俺の視界にはでっかいだぶるおーっが映っていた。
髪は緑色…ならエリンシアさんか?
大人の彼女なら笑ってスルーしてくれるだろう(※この時俺は慈悲拷問を知らない)
よく見たら人違いで、自己紹介によればローラと同年代だと主張するが疑わしかしい四女のリンディス…
同年代にしては、いや俺より年上と言っても過言ではない円熟した体つきだった。
普段しているポニーテールを下ろしていたことから、
俺はエリンシアさんと見間違ってしまったようだ。
“すまん…悪気はなかったんだ…”
デリカシーの無さを侘びて戸を閉めようとしたとき、彼女は有り得ない行動をとる。
「もう、気をつけてよ、ブラッドお兄ちゃん…はあと♪」
その言葉を聞くと、体中に拒絶反応を起こし、意識が朦朧とする中で俺は思った。
俺の中の妹像はローラのように華奢で守ってあげたくなる草食動物であり、
彼女は打算的で獲物を狙う肉食動物…男を喰らう魔性の女のハイエナのようだった。
そうまでして妹という立場に拘るのか理解できない。
このHIGH PRESSUREを何とも思わないエフラムは只者ではない、
ヤツは神か仏か?
果たして俺は代りを務めることができるのかと問い詰めながら昏倒する。
できればこのまま倒れたままでいたかった…
………
次に目覚めた時には朝食前で、手合わせしていた時にかいた汗は
拭かれていたようだ。
何故か着替えもされており、おそらく誰かが施してくれたのだろう。
だが問題は誰がしてくれたのかだ?もしかしてリンかと思った…
だったら俺は喰われるのか?
エリンシアさんがボッソっと言った。
「ブラッドさん、結構いいKINNIKUをお持ちのようですね。
私的にはもう少しガチムチだったら尚良し。
今度オスティアに紹介してあげますから、朝ご飯たくさん食べてくださいね!」
あんたかい!と心の中で突っ込んだが、男にされるものアレだ。
俺にはそんな趣味はない。
といって年下の女の子達にさせるのは犯罪臭がする…
よって彼女が一番無難だったと結論付けた。
………
朝食だが、この一家はみんなで食べる習慣があるようだ。
その方が家事をしてくれているエリンシアさん、ミカヤさんの負担が少なくなる。
当然と言えば当然か…アイク将軍お手製大きな丸いちゃぶ台を一家全員で囲み、
いただきますをする。
“ここで兄弟家の食事時の席配置における暗黙のルールを紹介してあげるわね♪”
by ユンヌ
ちょうど今16人(今後の変動も有り得る)だから席を
仮に東西南北の方向で表記しちゃうわ!
まず家長であるシグルド (年齢的にはミカヤのほうだけど威厳をとるため)が
座る席…上座を{北}とするわ、
シグルドの左隣にセリカ{北北東}、
その隣にアルム{北東}、
シグルドのもう一つの隣にはリーフ{北北西}が座るの (T) !
(T) シグル
リーフ セリカ
*** アルム
*** ***
*** ***
*** ***
*** ***
*** ***
***
それから西に肉争奪戦、及び大食い組を集め、
東にそれ以外の人が座るものとしているわ!
東組の内わけはミカヤ、エリンシアが{東北東},{東}に座るの。
決まっていないのは時間をずらして食事をとるからね!
その左隣にセリス{東南東}、さらに隣にエイリーク{南東}、
リン{南南東}、シグルドの真向いにはマルス{南}が座る(M)。
(M) シグル
リーフ セリカ
*** アルム
*** ミカヤ
*** ンシア
*** セリス
*** エイリ
*** リン.
マルス
次に西組、マルスの隣にエリウッド{南南西}、
その隣にロイ{南西}、また隣にヘクトル{西南西}が座る。
それとリーフの隣は危険が伴うので丈夫なアイク{北西}が座るわ!
残ったエフラムとクロムはどちらでもいいけど、
エフラムとヘクトルの仲を考慮すると、エフラムが{西北西}、クロムが{西}に座る。
これが基本的な席配置となっているの(R)!
たまにクロムかエフラムがセリスと交替しているときがあって、
ゲストが来た時はエリンシアの所に座ってもうことになっているわ!
(R) シグル
リーフ セリカ
アイク アルム
エフラ ミカヤ
クロム ンシア
ヘクト セリス
ロイ. エイリ
エリウ リン.
マルス
………
兄弟家の基本的な配置を分析すれば、上座は固定されている。
上座から見て右側に俺系、左側に私系、下座に僕系が集まり、
下座は安全地帯ともいえるだろう。
シグル
リーフ セリカ
アイク アルム
エフラ 固定 ミカヤ
クロム 俺系 私系 ンシア
ヘクト 僕系 セリス
ロイ. エイリ
エリウ リン.
マルス
………
だが今はエフラムがいない事もあり、
たまには変わった席でも良いかということになった。
するとリーフは一目散に{南}の席を陣取った。
それを見かねてセリカ、アルムはシグルドから離れようとするが、
それは叶わずいつもの定位置に座らされたみたいだ。
シグルドさんがいかにKINSINが嫌いか良くわかった。
リーフの席は(俺も含めて)誰も座ろうとせず、よほどに鬼門なのだろう。
よって仕方なくエリンシアさん{北北西}、
その横にミカヤさん{北西}が座ることになると、
上の姉妹の位置が決まるとクロムはその隣{西北西}にためらいなく座った(t)。
この人は姉属性に憧れているなと看破できた。
人の趣味だ、あまりどうこう言うつもりはないが…
(t) シグル
ンシア セリカ
ミカヤ アルム
クロム ***
*** ***
*** ***
*** ***
*** ***
リーフ
これで最も注意しなければならない場所は埋まり、
そうなれば俺はどこでもいいと思い、俺はとりあえず{東南東}に座ることにする。
両隣の席は空白、誰が来てもううだろう…俺の考えはまたしても甘く、
さっき脱衣所でラッキースケベをかましてしまった四女リンが
右隣{東}に座って来た。どうやら俺は狙われてるのか?
確かに歳相応に見えないって言ってしまったことに根を持っているのだろうか?
これではまともに朝食がとれるかわからない。リンディスが座るとマルスが右隣、
アルムの左隣でもある{東北東}に滑り込んで来る。
こいつも姉萌えか…クロム同様わかり易いというか魂胆見え見えだと思った。
次にエイリークが座ろうとする。
他の姉妹はもう席が決まっているので隣が女性になることはない。
となれば何処に座っても同じだろう。
しかし何故か俺の隣{南東}に座ってきた?
驚いたがその席は元々の定位置だったみたいで、
俺は(エフラムにとっての)妹達に挟まれてしまった。
エイリークの隣にセリスが{南南東}に座り、
これで東側が埋まったこととなる(m)。
(m) シグル
ンシア セリカ
ミカヤ アルム
クロム マルス
*** リン.
*** エイリ
*** オレ.
*** セリス
リーフ
残りの面子は普段と同じ順で並んだ…
これで今日の朝食の席が決まった (r)。
(r) シグル
ンシア セリカ
ミカヤ アルム
クロム マルス
アイク リン.
ヘクト エイリ
ロイ. オレ.
エリウ セリス
リーフ
………
朝食を食べ始めるが、俺は緊張していた…
両隣が年下の女性に挟まれているからだ。
今俺は人生に数回しかないと言われるモテ期に入っているのか?
なんというか両手に花ってやつか?ちがう、両手に妹か…。
だが両方美人だ…ローラは可愛い系とするなら、エイリークは気品がある。
リンディスは以下略だ。
二人を八方目で見比べてみると胸の大きさに決定的な格差を感じた。
別に俺はローラを見慣れているからエイリークがまな板なのは何とも思わない…
だからそれがエフラムだって?一緒にするな!
これから成長するかもしれないだろっ!
そう考えながら無言で飯を食べていたが、リンが仕掛けてきた。
同時に俺の脳裏にある歌が聞こえてくる…
【ファーイアーエームブレム♪てーごわいシミュレーション♪】
「ブラッドお兄ちゃんあーんして…」
「………」
【か(狩)ーってくるぞといーさまぁーしくぅー】
また肝が冷え、先刻の絶望がぶり返して来た。
【あーぶなくなったぁーら すぅーたこらにげろぉーっ】
しかもリンディスの隣にいるマルスは“お前を殺す”と殺意を顕わにしている。
【ナイちえしぼぉっーて だれひとりとして しなせはしない(嘘) 】
俺はまた斬られるのか?どうして飯を食べるだけで死人が出るんだこの家は!
【ファーイアーエームブレム♪てーごわいシミュレーション♪
かーってくるぞといーさまぁーしくぅー♪】
リーフは俺の頭の中を察したのか、すごく清々しい顔で声をかけた。
「ブラッドさん、死人が出るのが兄弟家だよ!」
なんだろう…彼がいつも被害を受けているからか、
その矛先が俺に変わったことを喜んでいるのだろうか?
この人でなしが!…食事の度にこんな調子だといつ死んでもおかしくないよな…
「主人公補正がかかっていると疲れないし、死なないんだよ。
だから安心したほうがいいよ」
死なないってことは、生き地獄を味わうんだろ?
そんなもの正直貧乏くじでしかない。
………
朝食をとった後、昨日は休んでしまったが、
今日から登校するので学校に行く準備をすることにした。
俺はエフラムよりすこし上背が高いため制服が合うかわからなかったが、
エリンシアさんが朝食も間で仕立て直してくれた。
いつ俺のサイズを知ったのか疑問に思ったが、着替えさせられた時か…と納得する。
制服に袖を通し、髪型はエイリークが整えてくれた。
この家の住人スキル高すぎだろ…いや平民が持っていないだけだったな…
鏡を見なおすと髪の色が緑がかっているエフラムを確認する。
これなら大抵のやつは欺けそうだ。
俺はエフラムの通っている学校に向かう普段は一人で行くらしい。
だが今日は影武者の俺がばれないようにエイリークが付き添ってくれた。
席について授業を受けたが、
一応俺も田舎の高校を出ているから一度習ったとこの復習だ。
昼休みになると気障な弓使いが俺に声をかけてきた。
それを見守っている天馬騎士がいた。
学校が終わり、俺は直ぐさま家(兄弟家)に帰ろうとするのだが…
新たな女性達に捕まり、またあの歌が聞こえてきた。
【ファーイアーエームブレム♪てーごわいシミュレーション♪】
やけにフレンドリーな態度で接して来る…今の俺はエフラムだからしかたないな。
内一人の名はターナ…え、あのヒーニアスの妹!?
自称ライバルと言っている妹にまで好意を抱かれているとはね…
もう一人は身なりの良い娘だった。このノリ…ローラに似ているぞ!
唯一違っているのはお嬢様ということ、
育った環境が良ければローラもこんなのになっていたかもしれない。
【あーぶなくなったぁーら すぅーたこらにげろぉーっ♪】
俺はまた振り回されるのか…ならその前に適当な言い訳して帰ろうとしたが…
お茶しないと誘われる…いや強引に連れて行かれ、
その先は漆黒カフェだった。(♯04,05参照)
そこにはエイリークと紺色の髪の少女が給仕姿をして働いていた。
アルバイトしているのかと尋ねると、
この前の騒ぎで壊した店の修繕費を払うためだそうだ。
「今日からその…この格好似合ってますか?」
恥じらいながら顔を紅潮させて言ってきた。普通に似合っている。
もう一人の女の子もすごく可愛い…
どうやらこのことを聞きつけた二人が冷やかしに様子を見にきたのであろう。
俺はそれに巻き込まれたようだ。
席に着くとすぐにラーチェルはカメラのシャッターを切るのに忙しかった…
こいつは百合属性か?
しばらくして漆黒が注文を聞きに来た…お前が取るのかよ!
まあ勤務初日からいきなりオーダー取らすのを問題だけどな。
「このメニュー表から注文を頼まれよ…」
★☆★☆喫茶店しっこくのメニュー★☆★☆
銀色の乙女のロイヤルミルクティー 500G
漆黒烏龍茶 300G
緑(風笑)茶 100G
ハーブティー(オリウイ草) 400G
ハーブティー(葉っぱ) 88G
ハーブティー(貴族的) 500G
アール(イイ男) グレイ 300G
ブレ(ン)ディ 200G
リフ茶 300G
実はいい紅茶 500G
抹(殺)茶 200G
滅(殺)茶 時価価格
聖なる井戸水 売切御免
アフアの雫 身程弁舞
青(髪ロード)汁 予約受付
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
俺は平民なので一番安いハーブティー(葉っぱ)、ターナは実はいい紅茶、
ラーチェルはハーブティー(貴族的)をそれぞれ頼むことにした。
この金持ちらが!と思っているうちに俺の注文の品が運ばれて来たのだが…
俺は目を疑った。
風呂桶に熱湯が注がれ、そこにリーフが投入される…
俗にいう熱湯コマーシャルであり、約一分葉っぱは熱湯に漬けられた。
「ブクブクブク…(コノヒトデナシー)」
今朝のこともありイイ気味だと感じたのだが…
その後葉っぱはリリースされ、
紺色の髪の給仕さんが浴槽のお湯をすくいティーカップに淹れなおした。
「どうぞ…」
どうぞ…と言われても、これを飲めと言うのか?
あんなものを見せられた後で飲めるわけがないだろ!
しかもこれは葉っぱ…リーフの体のエキスだろ…誰が飲むんだよ!
「効能は疲労回復、滋養強壮などです…漢方の一種だと思ってお飲み下さい…」
…とエイリークが効用を説明を施す。
効果はありそうだが…我慢して飲み干すが、
ぶっちゃけ家でも飲めるから損した気分になった。
次にターナの品が来る。
出てきたのはさっきと同じ型の浴槽、熱湯が注がれ嫌な感じしかしない…
何故か学校で会ったヒーニアスが連れてこられ、リーフ同様熱湯に沈められる。
ご愁傷様だ…
「助けて!エイリーク!」
ターナは茫然とした…無理もないな。
彼のエキスが入ったお湯でポカラの里産の紅茶を淹れられ…
「お待たせいたしました…ターナ、実はいい紅茶です」
「飲めるか!!」
「飲まないのですか…ターナもお兄ちゃん子だし…」
いや、それ以前の問題だろ!エイリークも案外天然入っているのか?
ちなみにラーチェルはハーブティー(貴族的)には、
ヴィオールが熱湯に漬けられていた。
「貴族的に優雅に風呂を堪能していたのさ…」
こんなわけで俺のエフラムの影武者生活が始まった。
マジで手ごわいシミュレーション、
兄弟家のみなさんは原作を頑張ってたんですか…頭があがりません。
………
一方、エフラムというと…
★
…ブタ箱(エフラムのモノローグ)…
昨日はぐっすり眠れたな。続きを思い返すか…
十歳の夏、俺は得物を剣から槍に変えた。
俺が初めて手にした槍、名は『たいよう』…
ビグミンが命と引き換えに昇華させた俺の宝物だ。
威力はグラディウスをも凌駕するほど名を馳せるほどだ。
しかし、その性能をもってしても一撃で魔人を倒すことが出来なかった。
子供の筋力なら仕方がないかもしれないが、
魔物のように弱肉強食の世界では理由にはならない。
弱ければ死ぬそれだけのことだ、そこに種族といった垣根は存在しない。
後に俺は偶然にも槍を扱うユニティへの転昇、
その恩恵により魔人を倒すことができた。
余談だが俺はミラ、ドーマの二神どちらも信仰していないが
何故加護を受けることができたか…?
ミラ教に詳しいセリカに聞けば、
「これは兄さんがミラ教に入れと言うことよ」
と、半ば強引に勧誘して来たが断っておいた。
当時、いや今もか…俺は力を求めるドーマ側の考えをしているからだ。
家に戻った俺はリオンの家の従者であるデュッセル殿に
槍を指南して頂くことにした。
槍の師に言わせれば当初の俺は“槍の握り方も知らぬ有様、
お世辞にも筋が良いと言い難かった”とのことだ。
昔見ていたアニメ…
“モビルスーツ(武器)の性能差が戦力の徹底的差ではない”
という台詞に痛感したものだな。
どんなに槍が一級品であろうが、扱う者が三流では宝の持ち腐れ…
才のない俺がたいようを扱ったとしても、
取るに足りない相手でしかないと言うことだ。
これでは槍に失礼極まりない上、俺は託された念いを無駄にしてしまっている。
つまり、あの時魔人を倒せたのはミラ(愛)とドーマ(力)が加護によるものであり、
俺自身が強くなったわけではないことが自明の理だ。
己の技量、自身のポテンシャルが低さを認め、ならどうなれば強くなれるか考え、
技術は教えられるものではなく、奪う物という結論に至った。
なぜなら自ら手に入れようとする欲望こそが強くなる要因だと思ったからだ。
それに生きることも同じであり、
生きることに貪欲になれば運命を変えられるはずだ。
俺はあの時転昇し運命を変えることができたのなら…出来るはずだと。
後日、師に手合わせを所望すると、開始と同時に俺は襲い掛かるように槍術を放つ。
奇襲だと?兵法なら常套手段、卑怯でもなんでもない。
これは技を引きずり出すためだ。
俺の実力に合わせて基礎しか使わないだろうから、
度肝を抜かさせ、奥の手を出さずにはいられない状況を作る。
その奥の手を看破し、自分のものにするという訳だ。
弟子は師に遠慮するものではないかと?
強くなるためには遠慮は不要だ。
その遠慮が大切なもの守れなかったという言い訳にしたくない。
俺の術策通り、師は俺に教えていない技を放つ。
しかし俺には槍の筋が見えないまま気絶させられ作戦は失敗に終わった。
それから定期的に槍の指南を受け、手合わせを申し込む。
その都度師が奥の手の技を繰り出すよう、機を見極め、攻撃をしかけたものだ。
家でも鍛練を重ねるのを怠らなかった。
剣でやっていた三倍を日課としていたな…
槍も持ち始めてから約一年後のある日のことだ。
丁度夏休みであり、マルスが学校の友達のクリスを家に招待した時、
その時は炎天下で俺は庭で槍を突くことに精を出していた。
クリスは日々鍛練を欠かさない人間であり、
マルスに言わせれば訓練馬鹿、脳筋、俺系主人公らしい。
彼も強くなる事を望んでいた。
俺もそうであるからクリスとはウマが合い、話が弾んだ。
なら俺も脳筋だということか、認めたくないものだな…たしかに勉強は苦手だが。
彼の強くなるための秘訣は苦しい時こそ訓練すること…俺も納得できた。
鋼を鍛錬して強固にすると同じで、鍛練により心身を強くするからだ。
もう一つは謙虚な人になること…これには俺は首を傾げた。
そこからクリスは通っている学校の有名な先生話を持ち出して来た。
「僕達の学校にすごく謙虚なのに
未知数の実力を持つ心の師ともいえる先生がいます!」
「あれは昔、相当ヤンチャをしていたに違いないけど…」
近くいたマルスが呆れた様子で口を挟むが、俺は続きを聞くことにした。
「学校の生徒がサムシアンに絡まれていた時のことです。
迫りくる数百の賊を仁王立ちで受け止めました」
「絡まれていたのは事実だけど。何処で尾ひれが付いたのやら…」
数百も?大袈裟な表現になっているが…いや待てよ。
個人の能力が高ければ賊など烏合の衆でしかないと言う訳か…
普通なら信じる筈もない武勇伝を真に聞き入れてしまった。
「その後、先生は槍の一振りで敵を空中に巻き上げ…」
なんと!?槍を極めるとそのような芸当もできるのか?
「とどめに空中に飛び上がり槍の一撃で遥か彼方へ吹き飛ばしたと」
「クリス、君が先生を尊敬していることは良くわかるけど、
それは翼が生えて飛んでしまっているよ」
まさに並の人間に出来ることでない…まさに伝説だな。
だがその伝説をアイク兄上は数年後にはやってのけたのだった。
彼の話に興味を持った俺はドーガ先生に会いたい気持ちが高ぶる。
クリスの話によればこの夏休みドーガ先生はグルニアに
武勇伝を作りに行っているそうだ。
ならそこに行くのが道理、先生の闘いをこの目でしかと見届けたい。
もちろん師としているデュッセル殿に失礼であるので、許可が下りればの話だがな。
許可は下りた。価値観を広めるのも兼ねて多方面の強さを見たほうがいいとのこと。
早速旅支度を済ませて旅立つ際、もちろんたいようも持ち出た。
この槍も持っていると不思議と疲れが溜まりにくいからでもある
(毎ターンHP5回復する効果)。
アカネイア地方までは移動手段は徒歩でいく、これも鍛練の一つで健脚を作るため。
強くなるうえで足腰を鍛えるのは必要不可欠だからな。
グルニアに向かう途中、俺はアリティアの森を横断していた時のことだ。
年齢はマルスくらいで桃色の髪をした一人の少女が泣いている所に遭遇する。
迷子だろうか?泣かれるのは困るが、
孤独にされる恐怖は俺も昔体験したから良く伝わって来た。
弟妹がいてなだめるのには慣れている俺のはずのだが、精一杯慰めの言葉を掛けたでも一向に泣き止まない。
少女の頭を撫でながら“俺が付いている大丈夫、君を必ず家族の元に戻す”
と言うと泣き止んでくれた。
連れ戻すと兄貴面で啖呵を切ったのはいいが、
森の中で地元の人間ではない俺は地理感には疎い。
道に迷ってしまい日も暮れ、その日は野宿をすることを決め、
木の枝を拾い集め慣れた手つきで火を起こす。
俺は数日間の旅を見越して食料や水を用意していたので空腹には困らずに済んだ。
前年の経験が大いに役立ったな。
日も沈み、夏といえど夜の森の中は多少冷える。
俺は虫よけを兼ねて外套を少女に渡した。
俺は大丈夫だ、これも鍛練と一貫だ。
少女は眠りにつき、その寝顔を覗くととても可愛らしかった。
しばらく俺は焚き火を見ながら一人考え事をしていた。
ふと空を見上ると…夜空には消えない灼熱の華達が命の輝きを魅せている。
とりわけ燦然に輝く三つの星が夏の大三角形が形成しているのを
見つけることができた。
なぜ俺ができたのかって?最近授業で習った所だったので記憶が真新しいからだ。
その一つ、デネブを有するはくちょう座は特に頭に残っている。
白鳥の口の部分にあたる橙色と青色で構成され、
コントラストの鮮やかな二重星…名は『Albireo-アルビレオ-』
橙色は太陽、青は月光…太陽と月…俺とエイリークという双子を連想させる星。
その星に興味を引いたから覚えていた。
顔を下ろし火に目を向け、去年のことを思い出していた。
一年が経ち、強くなれたのか、未だに弱いままだろうか?
今、一年前のように賊や魔物に襲われたのなら
この少女を守れることができるだろうか?
俺はまた殺してしまうのだろうか?
一人おめおめと生き恥を晒してしまうのだろか?
いや、少女を庇い俺が死んでしまうということも…
俺は彷徨う暗い未来を想像してしまった。
再び空を見上げると、消えない灼熱の華達は場所を移していた。
星達が一定の軌道(みち)で光を放ちながら走る…
それは生きること、人生にも思えた。
俺にしてみれば、槍を貫くこと、極みを辿りつくことだ。
その一歩として伝説のドーガ先生の強さの極意を聞くため、
グルニアに向かっている途中だったな…
なら躊躇している暇はない。
立ち向かわなければ強くなれないからな。
俺は気の迷いを払拭させるため槍を振る。
槍を構え、迷いが消えるまでひたすら突くこと百以上、
適度に汗をかいた頃には頭の中を無になった。
後に俺は地面に耳を当て、手が届く位置に槍を控え仮眠とり、夜明けに目を覚ます。
どうやら寝込みを襲撃される非常事態には至らなくて良かった。
支度を済ました後、再び俺は少女を連れて歩きだした…
その後、幸運にも少女の住む集落に辿り着き、無事家族に引き渡すことができた。
彼女の両親はとても心配していたのを見てふと思う。
親子か…俺には親を一度も会ったことが無いが、親に代わる人がいてくれている。
ミカヤ姉上にシグルド兄上…今まで守られて生きていたんだな…
なら早く一人立ちできるくらい、
いや兄上姉上のように弟妹を守れるように強くならなくては…
そう心の奥に深く刻み込んだ。
礼代わりに食料と水を貰う他、グルニアまでの道を教えてもらった。
少し寄道をしてしまったが、俺に強くなるという意味を改めて考えさせてくれた。
そして伝説の教師…ドーガ先生に会うためグルニアに向かう…
………
※今回のオチ※
クリス 「『全盛期のドーガ伝説』第28章 397…
これがドーガ先生の武勇伝です」
全盛期のドーガ伝説
・1マップ5ノーダメージは当たり前、3マップ8ノーダメージも
・戦闘開始から必殺を頻発
・ドーガにとっての回避はノーダメージのしそこない
・戦闘開始からノーダージも日常茶飯
・終章敵全員生存、仲間全員負傷の状況から1人で逆転
・メディウスの攻撃も余裕でノーダメージ
・一回の攻撃で槍が三本に見える
・数百の軍勢を一人で受け止めるのが特技
・戦場に立つだけで敵兵が泣いて謝った、心臓発作を起こす敵将も
・ノーダメージでも納得いかなければ敵軍全員の攻撃を受け止めて帰ってきてた
・あまりに硬いから鉄の剣でも攻撃力20扱い
・その攻撃もノーダメージ
・戦闘の無い移動日でもノーダメージ
・槍を使わずに手で攻撃してたことも
・敵のスレンドスピアを自分でキャッチして投げ返す
・ルナ闘技場勝利なんてザラ、2連勝することも
・守備カンストより速さカンストの方が早かった
・進撃準備でノーダメージ
・手槍キャッチしようとしたアーチャーと、
それを受け止めようとしたソシアル、アーマー、傭兵の敵兵ともども必殺
・グッとガッツポーズしただけで5人くらい倒した
・槍の一振りで敵軍を空中に巻き上げ、止めに飛び上がって
槍の一撃で彼方に吹き飛ばしたことは有名
・暗黒戦争が始まったきっかけはドーガのノーダメージ
・初期配置の深い位置から敵将のメティオも処理してた
・グラウアーを楽々ノーダメージにしてた
・自分の手槍に飛び乗って竜の祭壇まで行くというファンサービス
これだけの伝説を持つドーガ殿マジ謙虚
ルナだと早々に兵種変更されるのも後進にアーマー枠を空けるためだろうな、
ドーガ殿マジ謙虚
クリス 「他にも某黒騎士に
“見せてもらおうかアリティアの重歩兵の性能とやらを!”
という挑発にも真っ向勝負で応戦し、
“ええぃ!アリティアの重歩兵はバケモノか?”と驚嘆させた方です」
マルス (ガン○ムですか…すまぬ仮面いや漆黒が○ャアってところか…)
クリス 「また、ベルクローゼンによる降り注ぐメティオを素手で持ち上げ、
生徒達の窮地を救われたこともあります。
この時先生は“こんな石っころ一つ、私の力で押し返してみせる!”、
“重歩兵は伊達ではない!” という名言を残されました」
マルス (その伝説は緑風が漆黒に勝つくらい飛んでしまっているよ…)
クリス 「メティオを持ち上げる…
これは小指一本で十人を持ち上げる特訓の賜ですね!
故に指十本で100人の重量に相当する重さを持ち上げることが可能…
流石伝説の先生です!」
マルス (もう突っ込むのは諦めよう…)
クリス 「失恋を恐れて仮面を外すことができない某黒騎士に、心を鬼にして
“情けない奴!”と檄を飛ばしたことも…」
ドーガ 「おーい、クリス、待ってくれ。
私はそんなこと一つもやっていないが…」
クリス 「ドーガ先生は謙虚な御方だ、まるで飾ろうとはしない」
★
※さらにオチ※
ティアモ 「夏の大三角形と言えば、
こと座のベガは織姫星とわし座のアルタイルは彦星、
私とクロム様ね!
私の誕生日にだけ会えるだなんて、なんて悲しい恋物語なの!」
マルス 「(傲慢な自己理論だ)水をさしますが…そもそも結婚していて、
両方二ートになったから別居させられた上で、
年に一度だけ会ってもいいことになっただけですよ…
刑務所で強制労働させられて面会が許される感じですけど」
ティアモ 「でもでも…離婚はしていないのよね!」
マルス 「まあ…そうなりますね」
ティアモ 「ならそれでいいわ!要は結婚しているかどうかよ!」
マルス (エフラム兄さん(白鳥座)を含めて恋の大三角形になれば、
面白い展開になるね)
つづく…