昔々、とんでもなく巨大な連峰の麓に、三びきのやぎが住んでおった。
――名をすべて「がらがらどん」といい、そのあまりのサイズ違いにより「極小やぎのがらがらどん」「中規模やぎのがらがらどん」「超弩級やぎのがらがらどん」と呼ばれていた。
三びきは毎日、超絶うまい草が山の向こうにクソ広大な牧草地帯として存在する、との噂を聞きつけ、そこへ行って食いまくり、さらに丸々と肥えてやろうと決意する。
ところが、このやぎ三兄弟が向かわなければならない山というのが、いわば天を貫くレベルのとんでもない超山であった。いわゆるエベレストを霞ませるほどの「クソデカ絶壁」である。その足元には、世界記録を更新しまくるほど幅広い「大裂谷」があり、その裂谷を渡るための唯一のルートとして、不気味極まる吊り橋がぶらぶら揺れていた。
この橋の下には、全身からドス黒いオーラを吹き出し、象よりでかいタヌキよりすばしっこい、あらゆるナゾ生物が混じり合ったような「クソデカトロル」――あるいは「鬼」と呼ばれる存在が住んでいた。トロルの目はまるでプラネタリウムを詰め込んだようにバカでかく、鼻は少なくともピサの斜塔くらい突き出し、全身を緑色の獣毛が覆い尽くしている。そのうえ「橋をわたるやつを見つけ次第、マジで速攻食ってやる!」という恐怖の言い伝えまである。
最初に橋を渡ろうとしたのは、子猫並みに小さい(とはいえ現代の感覚でいえば小型車くらいはある)極小やぎのがらがらどんである。
「かたこと、かたこと」と、なんだかよくわからないリズムで橋を歩いていると、吊り橋がゴンドラばりに激揺れして、下から轟音とともにトロルが絶叫した。
「誰だッ! 俺の橋を『かたこと』させやがるのは! 食ってやるぞゴルァッ!」
トロルの声は超巨大拡声器を通したようにでかく、周囲の木々は折れ、ビル群は傾き、鳥たちは気を失うほどの威力をはらんでいた。
しかし、極小やぎのがらがらどんは震える声で答えた。
「ぼ、ぼ、ぼくは極小やぎのがらがらどんです……こ、ここを渡る後ろにもっと超ビッグなやぎがいます。そいつが来れば、きっと食べごたえ満点ですよ!」
餓えに震えていたトロルは興味を示し、
「なら、今のお前は骨ばかりでうまくなさそうだから通ってよし!」
と、一言高笑いし、極小やぎのがらがらどんはなんとか橋を渡りきったのであった。
続いてやってきたのは、中型トラックと同サイズはあろうかという中規模やぎのがらがらどん。橋を踏みしめるたび、「がたごと! がたごと!」「グワングワン!」と洪水のような音が轟く。すると案の定、トロルが勢いよく飛び出してきた。
「今度は誰だッ! 俺の橋を『がたごと』させやがるのは! 貴様、食ってやるぞゴルァッ!」
中規模やぎのがらがらどんは、なるべく冷静な声で言い放つ。
「私は中規模やぎのがらがらどん。ここを渡った後に、もっとクソデカなやぎがやって来ますから、そいつを食べた方が満腹になりますよ」
トロルは「もっとデカいのが来るならそっちがいい!」と舌なめずりして、
「よし、通してやるわッ!」
と叫ぶ。そうして中規模やぎのがらがらどんも無事に橋を渡りきる。
さて、最後に現れたのはビルどころか山脈すら押しのけそうなほどクソでかく、足元一つ踏み出すだけで地面が数キロ震動するという「超弩級やぎのがらがらどん」である。
橋に乗るだけで、「がったんごとん! がったんごとん! ぐわらごわらごわら!」と、まるで世界終焉級の音響が鳴り、吊り橋のワイヤーは悲鳴をあげて変形し、谷の下流で泳いでいた魚はショック死し、雲が割れて太陽が覗いたほどだ。
トロルは「待ってました!」と言わんばかりに、スーパーサイヤ人みたいな気迫で跳びはねながら叫んだ。
「やっと来たな! 誰だ貴様はァッ! 今度こそメシにしてやるううッッ!!!」
すると、超弩級やぎのがらがらどんは全身の毛を逆立たせ、地を揺るがす雷鳴のような声で言い放つ。
「俺だ! 超弩級やぎのがらがらどんだ! ここを通りたきゃ、俺を倒してみろやァァーーッ!」
空気を切り裂く咆哮。森が二度吹き飛び、谷の岩壁がゴロゴロ崩落し、野ウサギが気絶して失禁するレベルの衝撃が走る。
トロルは「ああん!? 上等じゃねえかコラァ!」と激昂し、ゴジラのように口から毒液を噴き出しながら飛びかかってきた。
だが、そこは超弩級。やぎは神速で胸板を回転させ、その巨大な角でトロルの惑星サイズの目をひと突き。さらに鋼鉄並みの蹄で連続打撃を浴びせ、最期に渾身の一撃でトロルをブチ上げ、超深い大裂谷の底に「ドゴォォォン!」と叩き落としたのであった。
落ちていくトロルの悲鳴は、空気が震えて幾千マイル先まで響きわたり、地獄の底でさえ反響したという。いや、もしかするといまだに谷底で「もう勘弁してくださぁぁぁい…」と情けなく泣き叫んでいるかもしれない。
三びきのやぎのがらがらどんは、無事にそのクソ巨大吊り橋を渡りきった。
行きついた先の草原もまた、地平線のはるか先までカーペットのように広がるクソデカい緑の大地。三びきはそこで、恐らくは大陸を丸ごと食い尽くすのではないかと思うほどガツガツ貪り、みるみる巨大度を増し、雲を突き抜けるほどに肥え太ったという。
そして彼らは、誰も立ち入れない高峰の頂で、鼻歌まじりに悠々自適な余生を送り、クソデカい幸せに包まれて生きていったとさ。めでたし、めでたし。
──とはいえ、その橋の下に第二第三のクソデカトロルが待ち受けているかどうかは、また別の物語かもしれない。なにせ、世界にはまだまだ途方もない怪物がウヨウヨしているのだから。
ChatGPT謹製。こんなのがウヨウヨしてたまるか