青く染まる都市の片隅で   作:税込8円

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ランプナギサという天啓が浮かんだのですが...スランプで...
丸々没になりそうで...
ホントウニ、モウシワケナイ
なので、小ネタ的なやつです
自分が嬉しい小ネタ的な何か。
自分なりに色々入れたりしましたが、凡そセブンファウストの人格ストーリーなので...怒られたら消します。


誰かの経験、知らない記憶〜屈折された生徒〜
【クロス】紅茶が冷めぬ前に


「長らくお待たせして申し訳ございません。ご注文は私、桐藤ナギサが承ります。」

 

色とりどりなお菓子で彩られたテーブル。その前で、彼女は落ち着いた声で話した。

どうやら彼女がホストとなって、茶会を主催しているようだ。

お茶会にしては珍しくホストが直々に一人一人にお茶を注いでいるようだね。

 

「ミルクティーですね。茶葉はセイロンでよろしいでしょうか?温度のご指定が特になければセ氏94度でご用意いたします。」

 

大きな眼鏡をカチャカチャさせながら、ひっそりとした声は段々と速度を上げていった。

 

「砂糖は1ティースプーンですね。最初の1杯は注いでご提供いたしましょうか?あるいは、カップを温めるお湯を入れたままでのご提供もできます。」

 

絶えずメモを取る音に子供の声が埋もれそうになるが、子供はそれに合わせて声を張り上げながら話速を絶対に下げようとしない。

そうしていると、ピクッ。

 

すいませ〜ん。ミルクって何処にありますか?

 

反対側から飛んできた一言に、全てが止まったんだ。

彼女を知る者は、「やってしまったか。」そう言いたげな顔をし、知らない者はぽかんとしながら。

 

「…ミルクピッチャーをお探しになる理由を、お伺いしてもよろしいでしょうか。」

「牛乳をより注ぐことを好まれるのであれば、合わせて差し上げられます。お茶を注いでから、更に追加することはお勧めしたくはありません。」

「牛乳を後から注げば、蛋白質の変性が素早く起こります。香味損失が有意に発生しますので…。」

 

…彼女の説教が当面の間終わらなさそうだし、しばらく待ってみようか。

それにしても、彼女が用意したであろうこの茶菓子は美味しい。

紅茶との組み合わせが考えられているのであろう。

手が止まらない。

 

しばらくして…。

「…はい、次の注文をお伺いします。」

 

かなり疲れてそうな彼女の前に、また別の人が立った。

 

「あっ、私は注文じゃなくて…。」

 

「それでは、ティーパーティーの仕事についてでしょうか。」

「ティーパーティー関連の仕事であれば、今はお茶会の時間ですので少し後で…。」

 

「あ!いえ、受付からこちらにナギサさんがいると言われまして。先日依頼した仕事の…あっ、名刺が…。」

 

「...事後処理関係ですね?」

 

彼女は今お茶会のホストをしているけど、このお茶会は純粋に彼女の趣味で運営してるだけなんだ。

仕事をするべき時間は、当然ティーパーティーのホストとして仕事を処理しないと。

彼女が主に担当してるのはティーパーティーでは到底公に出来ない事案を、捜査を行った他のティーパーティー幹部の情報と総合して結論を下すこと。

 

そして…。

「ご存じだとは思いますが、事後処理の依頼も我々にお任せしていただけるのであれば依頼費を多少割引して差し上げます。もちろん、それよりもお手頃な方法をお望みであれば、提携されている私達の組織を利用する方向性もございます。」

 

「ティーパーティーに任せ続けるなら…処理はあなたが担当することになるんですか?」

 

「その通りです。」

 

「じゃあ…引き続きあなたに任せたいですね。あなたの手腕は色々と有名ですから。」

 

「…ふふ。ありがとうございます。」

 

彼女の担当は、事後処理の解決。

そんな彼女に依頼をしているのは何処かの組織のリーダーらしいね。

事後処理というのは…。

以前の依頼から探し出した犯人に対する、徹底的な復讐や掃討。そんな類のものだ。

 

「リストにあるのはこの程度ですね。今から二階へ上がりましょう、アズサさん。」

「我々が楽しむ、紅茶が冷める前に。」

 

「いや別に...私はそんなに興味はない。」

 

「そう言わずに。紅茶は...あなたが苦手とするプロファイリング。その、資料作成の助けになりますよ。」

 

「飲み物が文字の助けにはならないだろう。何を言っている。」

 

「ええ、確かに文字を書く手助けにはならないでしょう。」

「しかし、疲れた頭をリフレッシュさせ、資料の空きを埋める。あなたにとっては、単純な作業の助けにはなるでしょう。」

 

そう、彼女はそのどちらにも定評がある人物だ。

紅茶を淹れる能力であれ、

対象を沈黙させる能力であれ。

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