旋律の勇者   作:雨風歌

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1話 母

(貴方だけの旋律を見つけなさい)

それが生前の母からよく言われていた言葉だった。

 

 

私の母は全国でも有名なフルート奏者であり人生において私の憧れの人でもあり

誰よりもキラキラと輝いていた人だった。

演奏をしている時の母はとてもかっこよく他の奏者を圧倒する程の人であった

その一方で家にいる時、つまり(母親)としての私に接する時はとても優しく

正に理想の母親であったのである。そんな母親だから私はとても強い憧れもあり、甘えていたのだと今でもそう思っている。私自身も成長していくうちに、いつか

(お母さんみたいな奏者になりたい)

 

いつからかそのような夢を抱き始め、フルートを初めてみた

 

しかし現実はそう甘くはなく、自分の思い通りにいかないのが現実

なかなか上達せず、母のような綺麗な音色を奏でることは叶わず、挫折してしまう日が続いていた

 

そんな時に母に言われたのが(貴方だけの旋律を見つけなさい)という言葉

言っている言葉の意味を最初はまったく理解出来ずにただ他の奏者の演奏を真似ていたのだが

(これは本当の私の旋律じゃない)

じゃあ私だけの旋律って何?

他人の演奏を参考に演奏する

これではただの他人の演奏を真似ているだけ。そう思った私は私だけの音楽とは何かを探す事を目標にした。

フルート教室に通いながら様々なコンクールにも出場したがなかなか自分だけの旋律を見つけることが出来なかった。

そんな迷いながら練習する日々のそんなある日

 

最愛の母が亡くなった

 

それは私にとって辛い出来事でありこれ以上に辛い事は無いんじゃないかって今は思う。

フルートのコンクールに向けての練習の帰りにトラックに撥ねられたそうだ原因は飲酒運動と警察官は言っていた

事故現場には母のバッグと愛用していたフルートが落ちておりフルートが破損してしまっていた

それからの事はただひたすらに泣いていたんだと思う

葬式も速やかに行われ、私は家に閉じ籠るようになった。

 

(もうどうでもいい) 

(母みたいにはなれない)

(他人の真似事)

しばらくはそんな暗い気持ちになっていたが

 

ある日突然亡くなった母が夢に現れた

 

夢の中の母は笑っていてやはりフルートを演奏していた。それから夢を何度が見るようになり私は母の意思を継ぎたい そう思うようになった。

 

 

(自分だけの旋律)

 

自分だけの旋律とは何か?その答えを探すために今日も私はフルートを演奏する

 

そんなある日 私は世界の…いや地球の命運を賭けた大きな戦いに巻き込まれて

1人の戦士になる事を…今は知る由もなかった。

 

次回 獣電竜トバスピノ

 

 

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