旋律の勇者   作:雨風歌

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37話 戦慄と旋律

 

数時間前

 

上野先生「わぁっ!!すごく似合ってるわよ清香ちゃん!!」  

 

リサイタル当日、私は本番当日にようやく届いたステージ衣装を身に付けていた。

白いコサージュが付いた白と黒のラインが入ったブラウスに紺色の膝下のシャンブレースカートであり、私はとても気に入っていた。

 

上野先生「でも…ドレスにしなくてよかったの?」

 

私「肩出しと裾が長いドレスは私にはまだ荷が重くて…それに…」

 

そう言いながら私はその場でくるっと回って見せた。紺色のシャンブレースカートがふわーっとひらめき花のように広がった。

 

清香「この長すぎず短すぎずのこれぐらいの丈がいいんですよ!!」

 

上野先生「な、なるほど…?清香ちゃんのこだわりがなんとなーく分かった気がするわ…」

 

清香「それに…紺色は…私の好きな色なので…」

 

上野先生「そうだったわね…紺色は清香ちゃんの…」

 

そう、私のキョウリュウジャーとしての担当カラーでもあり最近は紺色に対するこだわりが強くなっていた。

 

上野先生「今回演奏する曲もあの子のための曲なんだよね…曲名は…」

 

清香「Dino soulです」

 

上野先生「美琴ちゃんの持ち歌なんだよね…」

 

そう、私の親友みーちゃんの持ち歌であり海外ツアーから帰って来る事を聞いてから私はみーちゃんを驚かせようとこの曲を選んだのだ。

 

上野先生「衣装も良し!曲も良し!会場の確保も良し!…後は…」

 

清香「みーちゃん本人ですね…」

 

そう、未だみーちゃんとの連絡が途絶えてしまって不安に思い、スカートの裾をぎゅっと握りしめた。まだ本番まで時間がかなりあるものの、何かトラブルがあったんじゃないかと不安に駆られてしまう。

 

清香「一体どうしたんだろ…みーちゃん…」

 

上野先生「まだ時間があるとはいえ、ちゃんとこっちに向かってるのかしら…」

 

私はみーちゃんからの連絡を待ちながら一旦ポケットを仕舞い込んだが突如私のポケットから着信が鳴り私は慌ててスマホを取り出した。

 

上野先生「連絡来た!?」

 

清香「えーっと…スマホじゃ無い…もしかして…」

 

私はスマホからの着信と思いスマホを取り出したものの、違うと気づきすぐにもう1つの端末であるモバックルを取り出した。

 

清香「呼び出しみたいです…」

 

上野先生「あぁ…そっちか…」

 

上野先生がやれやれと首を横に振るが私はなんとなく嫌な予感がしてモバックルの通話ボタンを押した。

 

弥生「清香さん!?大変なんです!!」

 

清香「弥生さん?どうしたんですか?」

 

電話の相手は弥生さんのようで、周りが騒がしく戦闘中なのか斬撃音と周りから騒ぐ声が聞こえて来た。

 

弥生「今すぐ来てください場所は…」

 

清香「弥生さん?一体何があったんですか?」

 

どうやら戦闘中のようで弥生さんは酷く慌てているようで私は何があったかを詳しく聞こうとモバックルに向かって呼びかけた。

 

弥生「DがMeekoを…きゃああっ!!」

 

弥生はそう叫んだ瞬間、強い斬撃音が響き時弥生さんからの悲鳴が上がり着信が強制的に切れてしまった。

 

清香「Meeko……みーちゃん!?」

 

私はすぐに立ち上がり会場の外に駆け出していた。弥生さんの言っていたMeekoという単語に私は一瞬で何が起こったかを察してしまった。

 

(みーちゃんがデーボス軍に襲われた)

 

この事実に私は戸惑ってしまった。弥生さん達の場所を示すマップを頼りに弥生さんの居る地下駐車場へと駆け出した。

 

 

 

-地下駐車場-

 

私が地下駐車場に駆けつけた時に最初に目にしたのは、倒れ込むキョウリュウジャーのメンバーと謎の禍々しい姿をしたデーボス軍の幹部らしき男と、変身が解けて倒れているアミィさんとそれを支えるキングさんの姿であり、その後ろに佇んでいたのは…

 

清香「みー…ちゃん……!?」

 

黒い衣装を見に纏い、何故か私と同じ武器であるフルートバスターを持ち冷たい視線でキングさん達を見つめている変わり果てた姿の親友のみーちゃんこと天野美琴であった。

 

ダイゴ「アミィ!アミィ!!」

 

美琴「フンッ…」

 

私は柱の影に隠れて様子を伺うとすぐに察しがついた。どうやらあの禍々しいデーボス軍が弥生さんの言っていた「D」であり、Dによって弥生さんが悪に染められてしまったのだと私はすぐに気がついた。

 

D「お前達の歌は美琴には届かない…終わりだぁ!!」」

 

Dが武器を構えてキングの元に迫っていくが私はすぐにこの状況を打開する方法を瞬時に思いつき、すぐにフルートバスターを構えて演奏を始め。ゆっくりと演奏しながら倒れているみんなの元へと歩いて行き、歩くたびに私の銀色のヒールが音を立てた。

 

 

D「っ!?」

 

美琴「うっ!?」

 

ダイゴ「美琴!?」

 

私のフルートの旋律を聞いて美琴が突如として苦しみ始め、頭を抱えて座り込んでしまう。どうやら悪に染められたみーちゃんを救うにはこの方法が効果があった様でDは私の姿を見てとても驚いている様だった。

 

D「祈り歌の旋律を奏でられる人間…貴様まさか!!2人目の伝説の巫女だと!?」

 

アミィ「清香ちゃんが…Meekoと同じ…祈り歌を…」

 

清香「みーちゃん…今助けるから…待ってて…」

 

D「…っ!?美琴の闇のバリアが破れかけているだと…くっ…その演奏やめろぉぉぉぉ!!」

 

Dは私に向かって禍々しい形をした剣を構えて私に向かって斬りかかってきた。

 

「「清香!!」」

 

清香「っ!!」

 

私はすぐに演奏を辞めて、斬りかかってきた剣をフルートバスターで受け止めてすぐに剣を弾き上げてガラ空きとなった胴にフルートバスターの一撃を放った。

 

D「ぐはっ…」

 

清香「貴方がD…?みーちゃんを…私の親友を返して!!」

 

「「みーちゃん!?」」

 

みんなが声を揃えて驚くが私はフルートバスターを構えてDを睨みつけた。

 

D「そうか…巫女である美琴と引かれ合ったのか…だが…こいつの心は既に悪に染まった!!貴様らがどれだけ足掻こうが美琴は絶対に救えない!!」

 

清香「みーちゃんを…私の親友を…返せ!!」

 

私は再びフルートバスターを構えてDに向かって駆け出した。

 

D「くっ…ぐはっ」

 

私の怒りを込めたフルートバスターの斬撃が次々とDに炸裂しDはたまらず遠くへと吹き飛ばされてしまう。

 

清香「はぁ…はぁ……みーちゃんを…返せ…」

 

D「正義の心でフルートバスターを操れる人間がいるとは…ならば…」

 

Dはみーちゃんからフルートバスターを奪い取りフルートバスターを構えて私に向かって来た。私も自身のフルートバスターを構えてDを全力で迎え撃った。

 

D「でやぁぁぁぁ!!」

 

清香「やあぁぁぁぁ!!」

 

私とDのフルートバスター同士が正面からぶつかり合い、衝撃で辺りに強い光が包まれ私はつい目を閉じてしまった。

 

清香「うっ…」

 

私は目を開けていられなくなりつい目を閉じてしまったが、辺りが静かになったのを感じ取り目を開けて周囲を確認した。

 

清香(あれ…ここ…どこ…)

 

私が目を開けるとそこは先ほどの地下駐車場では無く森の中であり気づくと私は森の中を歩いていた。

 

清香(…あれ…私…体が勝手に…?)

 

私は自身の意思とは関係なく勝手に体が動いているのを感じ取り、つい自身の体を確認した。

 

清香(私…いつの間に…変身していたの…?でもスーツがちょっと違う…)

 

自身はいつもの紺色を身に纏っていたが手首の部分は赤くなっており、胸にはいつもの銀色ではなく金色の斜めラインが入り、スカートが無くなっており、男性用のスーツの様であった。

 

清香(それに視線が妙に高い…?)

 

私はなんとなく嫌な予感がしてつい前を見たところ視線の先には何故かキングさんとみーちゃんが居て私が驚く中で私の意思とは関係なくフルートバスターを取り出して演奏を始めてしまう。

 

清香(うっ…この…メロディーは悪のメロディー!?)

 

私は顔をしかめて耳を抑えようと手を動かそうとしたが手は動かなかった。そんな中私の口から男性の声が響き私は絶句してしまう。

 

D「やはりな…その女は伝説の末裔…俺はデスリュウジャー…その名もDだ」

 

清香(D…デスリュウジャー……まさかこれって…)

 

私がなんとなく状況を飲み込もうとする中で気づくとキョウリュウレッドに変身したキングさんが武器を構えて私に…いや…私達に向かって来るのが見えた。

 

清香(そうだ…これはDの視点…フルートバスターの中のDの過去の記憶なんだ…)

 

どうやら私はDの過去の意識に繋がってしまった様であった。

 

 

 

 

次回 Dの記憶 ガブリンチョ・オブ・ミュージック前編

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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