旋律の勇者   作:雨風歌

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46話 破滅へのカウントダウン

 

年も明けて私は長野県の演奏会を終えて観光名所である中央アルプスのロープウェイに乗って大自然の力を感じ取りたいとロープウェイ乗り場へとやって来ていたが遠くに聳え立つ山の上に見覚えのある姿を見かけて私は思わず足を止めた。

 

清香「あの人もしかして…ダンテツさん?」

 

ダンテツさんは杖をつきながらどこかへ移動しているようで私はダンテツさんの後を追うためにロープウェイ乗り場から外れて山道に続く道へと進んだ。

 

清香「はっ!!」

 

私は周りに人がいない事を確認するとガブリボルバーと獣電池を起動させると素早く変身を完了させて険しい山道を強化された脚力を活かして駆け上がった。

 

清香「ダンテツさん…?」

 

ダンテツさんは山の上の大きな岩の上に座禅を組むと瞑想を始めて私はその様子をじっと見ているとモバックルに入っているトバスピノの獣電池が僅かに光っている事に気づいて獣電池を取り出してじっと見つめた。

 

清香「もしかしてこの場所…地球のメロディーを感じ取れる場所?」

 

ふと目を閉じて大自然から溢れる地球のメロディーを感じ取ろうと意識を集中させると体の中に何か強い力が流れるのを感じていた。

 

清香「ここってやっぱり特別な場所なんだ…」

 

ふと視線を向けるとダンテツさんは山を降り始めており私は見つからないように距離を空けながらダンテツさんの後を追った。

 

 

清香「あれ…トリンさん?」

 

山を降りるとそこにはダンテツさんとトリンさんが降り2人で何かを話しているようで私は近くの岩陰にて隠れながら2人の会話に耳を傾けた。

 

トリン「地球の真のメロディーを感じたのだな?」

 

ダンテツ「あぁ…デーボスの地獄を破壊する方法は…ううむ…」

 

トリン「どうしたキング?」

 

ダンテツ「トリンを地獄に送り大地の闇の中心部を破壊させる…これが地球の答えだ…」

 

トリン「そうか…私を地獄に…つまり私は死なねばならないと言う事か…」

 

ダンテツ「そうだ。そのためには…」

 

トリン「私を正義のまま絶命させ大地の闇の中心部を破壊する…それが地球の答えか!!」

 

ダンテツ「どうする…トリン!!」

 

トリン「頼むキング!!それが出来るのは君だけだ!!」

 

ダンテツ「トリン!!」

 

2人は握手を交わすが私は2人の話に衝撃を受けてしまい口を手で覆ってしまうが私が手をついていた岩が崩れて大きな音を立ててトリンさんがこちらへと視線を向けた。

 

トリン「誰だ!?」

 

ダンテツ「俺の後を着いてきている気配には気づいていたがまさか…君だったとは…」

 

私は岩陰から姿を見せるとトリンさんは目を丸くしており私はガブリボルバーから獣電池を抜いて変身を解いた。

 

トリン「き、清香…どうして君がここに…?」

 

清香「長野で演奏会があったので…そんな事より」

 

トリン「まさか…聞いてしまったのか!?」

 

清香「はい…全部…」

 

トリンさんは思わず頭を抱えるが私はトリンさんの元へと詰め寄っていた。

 

清香「トリンさんが死ななければならないなんてそんなの嫌です!!」

 

トリン「許せ…私が行かなければ大地の闇を破壊出来ないのだ…」

 

清香「そんな事…そうだ!!みんなにも相談して作戦を…」

 

トリン「ダメだ!!」

 

トリンさんは私の肩を掴むと私の顔を正面から見据えており私は思わず顔を上げた。

 

トリン「みんなには内緒にしてくれ…頼む!!」

 

清香「でも!!」

 

トリン「私を犠牲になる事で地球が救えるなら私は喜んでこの命を差し出そう」

 

清香「でも…そしたらダンテツさんがみんなに…」

 

ダンテツさんがトリンさんを倒してしまったらみんなに恨まれてしまうのではと思った私は咄嗟にダンテツさんの方を見た。

 

ダンテツ「俺はこの十字架を一生背負って戦おう…」

 

清香「そんな…」

 

トリン「デーボスに対抗するにはこの方法が1番なのだ…私を倒す事でデーボス軍の油断を誘うのが目的でもある。」

 

清香「まさか…ダンテツさんは」

 

ダンテツ「俺はデーボス側に味方についたフリをしてデーボスの油断を誘う」

 

清香「そんな事…納得いきません…」

 

トリン「これはデーボスに対抗する最大最後の作戦なのだ…わかってくれ!!」

 

 

その後私は呆然とした表情のまま去り行く2人を見送ると東京に戻るために移動した。移動のタクシーの中で私は不安げな表情で窓から見える景色を眺めた。

 

 

清香「トリンさんが地獄に行く…」

 

私はふとトリンさんの事を考えているとモバックルからメールの通知音が鳴り応答すると弥生さんからだった。

 

清香「黒マントのデーボス軍!?」

 

弥生さんからの話を聞くと黒いマントをしたデーボス軍がうろついているのだと言う。

 

清香「わかりました…警戒します」

 

私はすぐに返事を送りタクシーを降りるとスピリットベースに行くために駆け出したが突如目の前で爆発が起きて私は地面に倒れ込んでしまった。

 

清香「くっ…」

 

白マント「ようやく見つけたよ〜旋律の勇者キョウリュウネイビーのお嬢さん」

 

清香「なっ…黒マントじゃなくて白マント!?」

 

白マント「僕の演奏をゆっくり聴かせてやる!!」

 

突如白マントの男はトランペットを取り出すと演奏を始めて私は敵のメロディーに思わず顔をしかめた。

 

清香「ひ、酷いメロディー…こんな酷いメロディーは認めない!!」

 

私はすぐにガブリボルバーを取り出してトランペット目掛け射撃を行い演奏を中断させると素早く獣電池を起動させた。

 

清香「ブレイブ・イン」

 

(ガブリンチョ トバスピノ)

 

清香「キョウリュウチェンジ!!」

 

私は素早く獣電池を装填してガブリボルバーの蓋を閉じるとシリンダーを勢いよく回して変身のためのステップを踏んだ。

 

清香「ファイアー!!」

 

白マント「食らえ!!」

 

私がトリガーを引くのと同時に白マントの男はトランペットでこちらに銃撃を放つが私のキョウリュウスピリットのエネルギーが攻撃を防いで私は素早く紺色のヒーロースーツを身に纏った。

 

白マント「何っ!?」

 

清香「行きます…はっ!!」

 

私はフルートバスターを手に駆け出すと白マントの男にフルートバスターを叩きつけようとしたが突如別方向から攻撃が放たれて私は慌ててフルートバスターを盾にして攻撃を防いだ。

 

清香「なっ…誰ですか!?」

 

私が攻撃が放たれた方向を見ると指揮棒のような物を構えた黒いマントの男がおり私は思わずフルートバスターを構えた。

 

清香「弥生さんが言っていた黒いマントの男!!」

 

黒マント「攫った人間の悲しみの力が高まりました…これで曲に厚みが増す筈です!!」

 

黒マントの男は楽譜を取り出すと杖を振りあげるとそこから謎の力が溢れて白マントの男のトランペットに謎の力が吸い込まれていった。

 

清香「人間が攫われた…?まさか、その楽譜の中に!?」

 

白マント「おぉ…素晴らしい!!」

 

白マントの男は再びトランペットを構えると邪悪なメロディーを奏で始めて私は思わず耳を塞いだ。

 

清香「酷い曲…こんなの私が求める音楽じゃない…」

 

私はモバックルから獣電池を取り出して起動させるとフルートバスターに装填して力を溜めると自身も負けじと演奏を始めた。

 

白マント「何?」

 

黒マント「まさか!?」

 

清香「ふっ!!」

 

私はブレイブを旋律に乗せて演奏を行い具現化した力は2人の演奏の力を打ち消してしまい2人はとても驚いているようだった。

 

白マント「僕達の攻撃を打ち消した!?」

 

黒マント「なるほど…流石は旋律の勇者。曲による攻撃は貴方に通じないと言うわけですか…カオス様が警戒していたのも納得です。」

 

清香「カオスが!?どう言う事…うあっ…」

 

私が思わず聞き返したところ再び私は別方向から銃撃されて再びフルートバスターを構えて盾にして防ぐ。

 

エンドルフ「カオス様はお前を警戒していたからな…キョウリュウジャーの中でも異質なお前さんを…」

 

清香「貴方…確かエンドルフ…!!」

 

エンドルフ「でやあっ!!」

 

エンドルフは剣を取り出すと私に向かって剣を振り下ろすが私は冷静に剣をフルートバスターでそれを防ぐがお腹を蹴られてしまい私は地面に転がってしまう。

 

エンドルフ「ヌン!!」

 

清香「あっ…うぐっ…」

 

私はエンドルフの射撃を躱しきれずに銃撃を受けてしまいダメージにより膝を付いてしまうがすぐにフルートバスターをブーメランモードに切り替えて反撃に出た。

 

清香「フルートバスター!!」

 

私はフルートバスターを投擲するがエンドルフの前に白マントと黒マントの2人が立ちはだかり演奏を始めるとそこにバリアのような物が形成されていた。

 

清香「あぁっ!!」

 

私は曲で形成されたバリアのような物でフルートバスターの攻撃を跳ね返されてしまいたまらず私は大ダメージを受けて地面に倒れてしまった。

 

清香「うっ…ううう…」

 

フルートバスターでの攻撃を跳ね返されてしまい私の紺色のスーツからは白い煙が上がり私はダメージの大きさに倒れながらもなんとか側に落ちているフルートバスターに必死に手を伸ばしていた。

 

エンドルフ「それに俺達には強力な味方がついたからな…お前らに勝ち目はないぜ?」

 

清香「味方…まさか!?」

 

私はすぐに味方の正体がダンテツさんだと思いこんなに早くデーボス軍と接触していたのだと衝撃を受けていた。

 

エンドルフ「今日は挨拶も兼ねて来たやったが、お前にもいずれこの世の地獄を見せてやるぜ!!」

 

清香「地獄…?貴方達は一体何を?」

 

エンドルフ「じゃあなキョウリュウネイビー!!ハアッ!!」

 

黒・白マント「「ハアッ!!」」

 

清香「うっ…きゃあああああっ!!」

 

私はフルートバスターを杖にしてなんとか立ち上がるが直後にエンドルフと黒マントと黒マントの3人分の同時攻撃を受けてしまい、私は全身から火花を散らしながら倒れ込み、強制的に変身を解除させられてしまいガブリボルバーからはトバスピノの獣電池が弾き出されて地面に転がってしまった。

 

清香「私の力も敵に警戒されてる…」

 

私はなんとか立ち上がりモバックルにてこの事を知らせようと弥生さんへと連絡を試みた。

 

清香「弥生さん…黒マントの男と白マントの男に注意してください!!」

 

 

-氷結城-

 

カオス「キョウリュウネイビーはどうだったかね?」

 

白マント「俺達の演奏が効かなかったぜ…」

 

黒マント「人間の濃い悲しみを乗せた曲でしたが奴には通じませんでした…」

 

カオス「そうか…旋律の勇者はそこまで力を蓄えていたのか…ならば仕方ない、ラッキューロ!!」

 

ラッキューロ「はいはいカオス様!!何でしょうか?」

 

カオス「地獄へ行くぞ!!例のランタンを用意を…」

 

ラッキューロ「はいはい!!」

 

ドゴルド「どうするんです…カオスの旦那?」

 

カオス「不本意だが奴を呼び戻すしか無いだろう…恐らく我々に協力はしないだろうがな」

 

ドゴルド「まさか!?」

 

カオス「我々に協力する必要は無いがキョウリュウネイビーを始末出来ればそれで良い…精々我々の野望のために利用させて貰うぞ…」

 

エンドルフ「一体誰を?」

 

カオス「獰猛の戦騎を再び呼び戻す…!!」

 

 

 

次回 迫り来る絶望

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