旋律の勇者   作:雨風歌

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66話 ラッキューロとの約束

 

-スピリットベース-

 

スピリットベースに集まった私達を迎えてくれたのは特命部の司令官である黒木さんとトリンさんであり、私達はそれぞれ簡単な自己紹介を済ませるとすぐにキングさん達の行方について話し始めた。

 

トリン「奴らはダイゴ達を過去に飛ばして自分のパートナーを倒させようというのだ。」

 

リュウジ「なんて酷いやり口だ…」

 

トリン「まさに恐竜への恨みと呪い…そのものだ…」

 

ヒロム「なんとかダイゴ達を救う事は出来ないのか?」

 

そこに光と共に男性がスピリットベースへと現れて私達は一斉に男性の方へと視線を向けた。

 

幸人「俺なら出来るぞ」

 

弥生「アバレブルーの三条幸人さんですね?」

 

幸人「あぁ…あいつが救いに来てくれた…トリケラトプスがピンクなんて…変わった戦隊だな?」

 

トリン「これ以上敵の手に落ちないようにブラギガスのいる空間に獣電竜を全て匿っていたのだ。」

 

三条さんは獣電池のケースからその中の1つのアバレンジャーの獣電池を取り出して見せた。

 

幸人「要はこいつにダイノガッツを込めればいいんだろ?」

 

ヨーコ「アバレンジャーの獣電池!?」

 

トリン「ドクターウルシェードと特命部が兼ねてより共同開発していたスーパー戦隊獣電池だ。」

 

弥生「幸人さんのダイノガッツがあれば恐竜時代のダイゴさん達のモバックルにアクセス出来る筈です」

 

黒木「特命!!敵施設に突入。エネルギーの流出を止めるんだ!!」

 

ヒロム・ヨーコ・リュウジ「「了解!!」」

 

トリン「私達もゴーバスターズに力を貸そう!!行くぞ清香!!」

 

清香「はい!!」

 

ゴーバスターズの後に続き私とトリンさんもスピリットベースを飛び出した。

 

 

清香「トリンさん…スーパー戦隊って何ですか?」

 

トリン「そういえば君には何も話していなかったな…」

 

敵施設に移動中の私は隣を走るトリンさんにずっと気になっていた質問をぶつけていた。

 

清香「私達以外にも敵と戦う戦隊がいるって話は先程聞きましたが…」

 

トリン「そうだ…我々含めて37の戦隊が存在すると聞いている。それらは全てスーパー戦隊と呼ばれるのだ。そして我々キョウリュウジャーは37番目の戦隊になる。」

 

清香「私達が37番目の戦隊なんですね…それにしてもびっくりです!!私の知らないところで戦隊の先輩方が今もどこかで戦ってるんですね?」

 

トリン「あぁ…その通りだ。」

 

 

-敵施設-

 

敵施設に突入した私達は行手を遮る怪人達を次々と蹴散らしながら施設の最深部へと辿り着くと赤い服装の男性2人が捕らえられていた。

 

清香「あの人達も戦隊の先輩方?」

 

ヨーコ「そ!ジュウレンジャーとアバレンジャーのレッドだよ!!」

 

清香「助けないと…」

 

私達は横に並び立つと突如私達の前にデーボス軍の戦騎達が出現した。

 

トリン「デーボス軍の戦騎達…」

 

エンター「無粋な加勢をしてくれますね」

 

ドゴルド「素直に助かったと言え!!腹立たしいぜ!!」

 

エスケイプ「貴方達…中々良いモノみたいね」

 

キャンデリラ「でっしょ〜?ちょっとしたモノよ私達って!!」

 

ラッキューロ「何この微妙に噛み合わない会話…」

 

エンター「我々は最後の仕上げと行きましょうか」

 

エンター達はそのまま立ち去ろうとしてヒロム達は慌てて後を追おうとしたがデーボス軍の戦騎達が一斉に襲い掛かって来た。

 

清香「ラッキューロ…」

 

ラッキューロ「キョウリュウネイビー!?あんたも居たんすか!?やりずらいなぁもぅ…」

 

清香「ラッキューロ…勝負です!!」

 

ラッキューロ「えっ!?」

 

清香「お互いに譲れない物があるのでしょう?だったら遠慮はいりません…お互いに望みを叶えるために勝負です!!」

 

ラッキューロ「キョウリュウネイビーはそれでいいんすか!?」

 

清香「だって私もスーパー戦隊の1人ですから…さぁ!!始めましょう!!」

 

ラッキューロ「わかったっす…行くっすよ!!」

  

ラッキューロはピコピコハンマーを手に私に向かって振り下ろすが私は冷静にフルートバスターでハンマーを防御した。

 

ラッキューロ「このこの!!」

 

ラッキューロもどうやら覚悟を決めたようで私に向かって再びピコピコハンマーを叩きつけるが私はフルートバスターを一旦仕舞うと両手でピコピコハンマーを受け止めた。

 

清香「はっ!!」

 

ラッキューロ「おわぁ…」

 

ピコピコハンマーを持つ手を捻り上げるとラッキューロは体勢を崩してしまい私はその隙に背後に回ると背中を抑えに掛かった。

 

ラッキューロ「あぁ…もうアンラッキュー!!」

 

清香「大人しくしなさ…うわっ…ふかふかで柔らかい…」

 

ラッキューロ「ちょっ…何してるっすか!?」

 

私はラッキューロの柔らかい背中と大きな帽子のふわふわ具合を確かめていると剛を煮やしたラッキューロが私の手を掴んだ。

 

ラッキューロ「調子に乗ってると…こうだ!!」

 

清香「きゃっ…」

 

私は手を掴まれてそのまま地面に背負い投げをされてしまい背中からコンクリートの床に倒れ込んでしまった。

 

ラッキューロ「それー!!ラッキュラッキュ!!」

 

清香「ぐっ…ラッキューロ…中々やりますね…」

 

私は腹部を踏みつけられてしまい紺色のスーツは踏みつけられるたびに火花を散らした。

 

ラッキューロ「それそろ降参したほうがいいんじゃないっすか!?」

 

清香「冗談を…ハアッ!!」

 

ラッキューロ「うわあああっ!?」

 

私は振り下ろされた足を受け止めるとそのまま力任せに足を押し返してラッキューロは思わぬ反撃に体勢を崩して床に倒れ込んだ。

 

清香「ラッキューロ!!」

 

ラッキューロ「あぁ…もうダメっす…」

 

床に倒れ込んだラッキューロに私は跨るとガブリボルバーを取り出してラッキューロ目掛けて構えた。

 

ラッキューロ「あ…あぁ…」

 

清香「っ!!」

 

自分達の使命のためにラッキューロを撃とうとガブリボルバーのトリガーに指を掛けるがふと以前のとある出来事が頭を過って私は思わず動きを止めた。

 

 

-とある演奏会での出来事-

 

フルートの演奏会にて私は演奏をしており、ふと演奏をしながら観客の方へと視線を向けると出入り口の柱の辺りに黄緑色の何が顔を出している事に気がついた。

 

清香(ラッキューロ…観に来てくれたんだ…)

 

ラッキューロ(別にキョウリュウネイビーに興味はないっすよ…ただ少しだけ演奏が気になって来ただけっすから…)

 

ふとそんな事をラッキューロは思いながら顔を出すとステージ上の清香もラッキューロに視線を向けながらウィンクをした。

 

ラッキューロ「ぐはっ…ほ、惚れそう…」

 

ラッキューロが再び顔を出したその時、警備員がラッキューロに気がついてラッキューロに向かって話しかけていた。

 

警備員「君!!チケットを見せてもらえるかな?」

 

ラッキューロ「し、しまった…も、持ってないっす!!」

 

警備員「何だと!!こっちへ来なさい!!」

 

ラッキューロ「わっ…離して欲しいっす!!」

 

清香(ラッキューロ…チケット無かったんだ…せっかく来てくれたのに…)

 

私は演奏後に警備員の待機事務所へと慌てて駆けつけるとラッキューロが事務所のドアから放り出されているところだった。

 

警備員「この化け物め!!二度とくるな!!」

 

ラッキューロ「ふーんだ…別に良いっすもん!!デーボス軍は嫌われて当然っすから!!あー精々したっす!!」

 

ラッキューロがぷんぷん起こりながらも会場から立ち去ろうとするがガマ口から演奏会のチラシを取り出してじっと見つめていた。

 

ラッキューロ「キョウリュウネイビーの演奏会か…デーボス軍の僕が実はファンだったなんて知ったらキョウリュウネイビーも迷惑かな…」

 

清香「そんな事ありませんよ…ありがとうございますラッキューロ?」

 

ラッキューロ「どっひゃああああ!?」

 

私は1人でしょぼくれているラッキューロの肩を叩いて話し掛けるとラッキューロは飛び上がって驚いていた。

 

ラッキューロ「キョ、キョウリュウネイビー!?どうしてここに!?」

 

清香「嫌ですね…さっき私の事観てくれてたじゃないですか?ウィンクしたのに気が付かなかったんですか?」

 

ラッキューロ「えぇ!?あれ…僕にしてくれてたんですか?」

 

清香「そうですよ?」

 

ラッキューロ「ぐはっ…ほ、惚れそう…いやいや駄目!!僕はデーボス軍なんだからお前の敵なんすよ?いいんすかそれで!?」

 

清香「敵ですけど…貴方は私の演奏が気になって見に来てくれたんですよね?それならデーボス軍だろうが関係ありませんよ?」

 

ラッキューロ「えっ!?」

 

私は懐からチケットを取り出すとラッキューロへと差し出して手渡した。

 

ラッキューロ「これは?」

 

清香「もしよかったらまた来てください…次回もこのチケットは使えるので」

 

ラッキューロ「いいんすか?僕はデーボス軍なのに?」

 

清香「デーボス軍なんて関係ありません…待ってますから…それじゃ!!」

 

私はチケットを手渡すと会場へと戻って行きながらふとラッキューロの事について考えていた。

 

清香「待ってますから…ラッキューロ…」

 

それから私とラッキューロは定期的に会うようになりお互いに悩みを打ち明ける程の仲になっており私はラッキューロからデーボス軍での仕事について愚痴を最後まで聞いていた。

 

ラッキューロ「それでカオス様がまた…」

 

清香「ありゃ…それは大変ですね…」

 

ラッキューロ「でも良いんすか?僕はデーボス軍なのに…」

 

清香「何言ってるんですか?私達友達じゃないですか?」

 

ラッキューロ「友達?」

 

清香「貴方には人間に手を掛けるような事はしてほしくないです…だって貴方は人間の事が好きなんですよね?」

 

ラッキューロ「でも人間はみんな僕達の事を化け物扱いしますよ!!」

 

清香「いいえ!!人間だっていつか君を好きになる日が来ますよ!!」

 

ラッキューロ「あっ…」

 

 

ノブハル(悪い事はもうしないでくれ!!)

 

キャンデリラ(無理よ!!私デーボス軍だもの!!)

 

ノブハル(君とラッキューロは人間を喜ばせたり楽しませたりするために生まれてきたんだろ!!だったら人間を好きになる事だって出来る筈じゃないか!!」

 

キャンデリラ(っ!!)

 

ノブハル(優子を見たろ!!人間だっていつか君を好きになる!!)

 

 

ラッキューロ「そういえばあの変なおっさんもそんな事を…」

 

清香「でもいつかきっと戦う時が来るかもしれませんね…その時は…」

 

ラッキューロ「!!」

 

清香「負けませんから!!」

 

ラッキューロ「あー!!言ったな!?僕だって負けないっすよ!!」

 

清香「ふふっ…さぁ…どうでしょうか?」

 

ラッキューロ「このぉ…次戦う時があったらボコボコにしてやるっすから!!」

 

清香「えぇ…全力…ですよ?」

 

ラッキューロ「ラッキュー!!」

 

 

 

-現在-

 

私はラッキューロに跨ったままガブリボルバーの銃口をラッキューロに向けていたが私はこれまでのやりとりを思い出してつい動きを止めてしまった。

 

ラッキューロ「ど、どうしたんすか?撃たないんすか?」

 

清香「くっ…」

 

私はラッキューロを撃つことが出来ずについにガブリボルバーを降ろしてしまった。

 

清香(駄目…撃てない…)

 

ラッキューロ「隙ありっす!!ドーーン!!」

 

清香「きゃっ…」

 

ラッキューロは突如立ち上がり私は体勢を崩してしまいラッキューロは私の腹部を思い切り蹴ってしまい私は蹴り飛ばされて床を転がった。

 

トリン「清香!!大丈夫か!?」

 

清香「トリンさん…私…」

 

ヒロム「ボルカニックアタック!!」

 

リュウジ「ゴリラパーンチ!!」

 

ヨーコ「ラピッドキック!!」

 

ふと視線を戻すとゴーバスターズの皆さんがデーボス軍のメンバーを攻撃するがデーボス軍側も必殺技を放とうと構えた。

 

ドゴルド「行くぞお前ら!!」

 

キャンデリラ「喜!!」

 

ドゴルド「怒!!」

 

アイガロン「哀!!」

 

ラッキューロ「楽!!」

 

「「デーボスフィニッシュ!!」」

 

 

ゴーバスターズ「「うわああああっ!!」」

 

ゴーバスターズの3人はデーボス軍の必殺技を受けて変身が解除されて地面に倒れ伏してしまった。

 

トリン「ゴーバスターズ!!」

 

清香「み、みなさん!!くっ…」

 

ラッキューロ「行かせないっすよ!!」

 

私はラッキューロに妨害されてしまい、いつのまに手元に取り寄せたのか金属バットを持っており、私はラッキューロに金属バットの先端で腰を叩かれてしまった。

 

清香「あぁっ…」

 

私は金属バットの痛みに思わず膝を突いてしまい、ラッキューロは私の顔目掛けて金属バットを振り下ろそうと構えた。

 

ラッキューロ「僕は約束を守るっす…次に戦うは負けないって…」

 

清香「そうでしたね…くっ…悔しいな…」

 

ドゴルド「良いぞトドメを刺せラッキューロ!!」

 

ヒロム「逃げろ!!」

 

ラッキューロ「キョウリュウネイビー…覚悟ーーー!!」

 

ついに私に向かって金属バットを振り下ろされ私はつい衝撃に備えるが、いつまで経っても衝撃は訪れず、思わず顔を上げると私の顔の前で金属バットを止めているラッキューロの姿があった。

 

清香「ラ、ラッキューロ…」

 

ラッキューロ「……出来ないっす…僕にも…」

 

キャンデリラ「ラッキューロ…貴方…」

 

ドゴルド「テメェ…何やってるんだ!!」

 

清香「ぐっ…ああっ…」

 

突如、ドゴルドが間に割って入り、私はドゴルドに連続で切り付けられてしまい地面を転がった。

 

アイガロン「ほらほら…沁みるだろぅ?デヤアッ!!」

 

清香「ぐはっ…」

 

続けて私はアイガロンの斧で胸を切り付けられてしまい紺色のスーツからは大きな火花が散って私は腹部を蹴られて再び床を転がった。

 

清香「くっ…」

 

ドゴルド「終わりだ…喧嘩上刀!!」

 

アイガロン「トマホーククラッシュ!!」

 

ラッキューロ「あぁ…キョウリュウネイビー!!」

 

清香「ぐっ…きゃあああああっ!!」

 

ラッキューロの叫ぶ中で私はドゴルドとアイガロンの同時攻撃を受けてしまい吹き飛ばされて変身が解除されてしまった。

 

ヒロム「雨宮さん!!」

 

リュウジ「雨宮さん…ぐっ…」

 

ヨーコ「逃げて…うっ…」

 

アイガロン「俺様がトドメを刺してやるぞ〜!!」

 

床に倒れた私に斧を手にアイガロンが迫り、私は慌ててアイガロンに向けてガブリボルバーを向けた。

 

アイガロン「させるかよ!!とりゃあ!!」

 

清香「あっ…」

 

私が咄嗟に向けたガブリボルバーをアイガロンは蹴り飛ばしてしまいガブリボルバーは遠くに音を立てて吹き飛び、ラッキューロの足元に転がってしまった。

 

ラッキューロ「これは…キョウリュウジャーの変身銃…」

 

アイガロン「どうだ?これでお前さんは変身出来ないぜ〜」

 

清香「くっ…こんなところで負けるわけには…」

 

アイガロン「ほらほら!!さっさと泣いて…くたばっちまいな!!」

 

清香「うぐっ…かはっ…」

 

私は首を掴まれて持ち上げられると顔を殴打されて最後に腹部に斧の持ち手で殴打されて地面に倒れ込んでしまった。

 

ドゴルド「良いぞアイガロン!!そのままキョウリュウネイビーを痛ぶってやりな!!」

 

アイガロン「俺様はな?前からお前さんが気に入らなかったんだよ!!」

 

清香「がっ…ああああっ…」

 

アイガロンは私の腹部を踏みつけてグリグリと痛ぶるように動かし始めた。

 

アイガロン「キョウリュウジャーの中でも不愉快な演奏するお前さんがな…生意気なんだよ!!」

 

清香「ぐっっああああああ!!」

 

ラッキューロ「あぁ…キョウリュウネイビー…」

 

私を容赦なく踏みつけてぐりぐりと足を動かす度に衣装のレースが乱れてビリビリと破れていく。

 

トリン「やめろ!!くっ…邪魔だぁぁ!!」

 

トリンさんがら私の元に駆けつけようとするが怪人達が立ち塞がってしまい慌てて怪人を次々と切り捨てていく。

 

清香「それでも…私は…こんなところで諦めたく無い!!」

 

アイガロン「くたばりやがれ…キョウリュウジャー!!」

 

 

ついにアイガロンは変身の解けた私に向かって容赦なくその斧を振り下ろした…

 

 

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