アコードをぶっ潰す!   作:呼び水の主

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准将にダルマにされかける話

「警告する!フリーダム!貴機はユーラシア連邦領域に接近しつつある!今すぐ進路を変更せよ!」

 

 エルドア地区でブルーコスモスによる自爆テロが発生し、混乱する現場に畳み掛けるようにその機体は現れた。

 青と白のカラーリング、巨大な羽をひらめかせ、協力体制にあるはずのコチラにビームライフルを向けている。

 

「フリーダム!警告する!今すぐ進路を変更せよ!」

『ゼレンスキー中尉!こちらCP。警告射撃だ、発砲を許可する!当てるなよ!』

「ダガー1了解!……当てようと思っても当たらんよ。警告射撃だ!全機撃て!」

 

 俺の合図で合計12機の105ダガーと8両のリニアガン・タンクで構成されたモビルスーツ中隊がビームライフルとリニアガンによる牽制を開始する。

 それと同時に機体のスラスターをフルスロットルにしてフリーダム目掛けて跳躍する。俺の105ダガーが背負ったノワールストライカー・スヴァイーが翼と増設されたスラスターを展開し機体の跳躍を後押しした。

 ついぞ呼びかけは届かず、こちらの射撃と俺の接近に反応したフリーダムがビームライフルを発砲する素振りを見せた。

 

「そりゃダメでしょ!キラ・ヤマト!」

 

 ブラックナイツの洗脳を受け、幻覚を見せられている今のアンタに、俺の大切な仲間を、俺たちの故郷を撃たせる罪を背負わせはしない!

 フリーダムが放ったビームを、ストライカーから抜刀したサモショーク4ビームブレイドで斬り払う。

 

(死んだかと思った!マジで優秀だな!サモショークの自動迎撃システム!)

 

 サモショークとは元はロシア民話に登場する魔剣であり、自ずと振るわれる剣という意味らしい。

 その名の通り、機体のセンサーと連動してビームを自動で迎撃するトンデモシステムを実装している。この装備がある限り、ナチュラルの俺でも一部の上澄みのコーディネイター達が披露するビーム斬り払いが再現できる。

 画期的な装備だが、当然デメリットも多い。まずビームの照射が機体の両腕でカバーできない角度から行われた場合、当然これは迎撃できない。単純に手が届かないからだ。なのでパイロットは常に敵のビームに機体の前面180°の角度を向けておかなければならない。

 そしてもう一つ。システムによってビームに反応する速度の強引な挙動を行うので、フレームへの負担が凄まじい。具体的にいうと運用テストではダガーの100系フレームは3回目のビーム斬り払いで肩から破断した。

 

 まとめると、サモショーク4ビームブレイドの自動迎撃システムは、強力だがリスクも大きい諸刃の剣なのである。

 ライジングフリーダムのビームサーベルとダガーのビームブレイドが鍔迫り合う(CE75年以降、サーベルの改良発展で鍔迫り合いが発生するようになった)。

 桃色の粒子が激しくせめぎ合う向こう側から、准将の声が聞こえてくる。それは怒りと焦りと苦しみに濡れて、彼の心がひどく軋んでいるのが伝わるようだった。

 

『まだ抵抗するのか!?こんな事を続けて、何になるっていうんだ!』

「抵抗しますよ、そりゃ!こちとら真面目な国境警備隊なんですからねぇ!」

 

 こっちは普通にお仕事してるだけなんですよ!

 

『大人しくミケールの身柄を渡せ!』

「人違いなんですがねぇ!ッとぉ!?」

 

 鍔迫り合いの最中、フリーダムの腰に装備されたレールガンが乱射される。2発はシールドで咄嗟に防ぎ、1発は右腕のビームブレイドで自動迎撃、2発はなんとか回避した。……これで右腕のフレーム限界まで、斬り払い残機はあと一回分。

 

 くぉぉ!味方の援護ありとはいえ、ダガーでフリーダムと1on1は無理でしょ!!

 

 さっさと目を醒ませキラヤマト!君の世界がアコードに侵略されてるぞ!

 




●今回の「俺」の勝利条件:暴走准将から味方を守り自分も生き残る。かつ核ミサイルをブラックナイツに撃たせない=ブラックナイツからキラを守りきり逆に返り討ちにしてもらう。

●主人公
名前はゼレンスキー何某さん。どっかの髭の似合う大統領に似ている。
劇場版知識あり。自分の転生したユーラシア連邦が割と不憫な目にあう(ザフトが暴徒鎮圧名目で好き放題する。一応味方のはずの大西洋連邦にはデストロイ自領に放たれる。ファントムペインも暴れまくる)のをなんとか止めようと奮闘するうち、ユーラシア内のMSパイロットととして最強格に成長した。
システムの補助ありきだが、短時間ならライフリに乗った准将の足止めができる程度のナチュラル(最強の凡夫)。
モスクワで生まれ、愛国心が強く仲間想い。ユーラシアの守護神とかメディアに取り上げられるのが嫌。俺に設定盛り過ぎィ!と本人はキレているがユーラシア連邦の国民からしたらマジでユーラシアの星。

●105ダガー
主人公の搭乗する105ダガー。
最初期に生産された貴重なロットナンバー持ち。
後述する自動迎撃システム構築のため、頭部にセンサーが増設され一般機とやや造形が異なる。
掌にはストライクノワールと同様にアンカー射出機能を有し、アンカーから放電を行い内部のシステムをダウンさせる機能を有する。

●ノワールストライカー・スヴァイー
ユーラシアに派遣された大西洋連邦の特殊部隊ファントムペインの横暴から自国民を守る為、ジンに偽装したダガー部隊で構成されたユーラシア版ファントムペイン『ゼンシニック(防人)』創設。
数度の交戦の結果、様々な装備がユーラシア側に渡った。その一部を改造し主人公のダガーに装備されたのが魔改造版ノワールストライカー『スヴァイー(自分の)』。

●サモショーク4ビームブレイド
ノワールストライカー・スヴァイーに装備されたフラガラッハ3ビームブレイドの発展型。サモショークはロシア民話で自動剣の異名を持つ魔剣。
その名の通り機体頭部の特殊センサーと連動しビームや実弾を斬り払う事が可能な自動迎撃機能を有する。
アンチフェムテク装甲装備。

●2連装リニアガン
ノワールストライカーの物から砲身が切り詰められ、オリジナルよりも近接戦闘を得意とする。対フェムテク装甲用のメタ装備。

●アンカーランチャー
闇に堕ちろ、フェムテク装甲。
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