フリーダムとの交戦から60秒、既にダガー中隊は壊滅的打撃を受け、パイロット達は退避を始めていた。
俺の攻撃を捌きつつ、隙をついて発射されたビームの光がリニアガン・タンクやダガーの武装を無力化していく。
これがスーパーコーディネイター!悪魔の力よ!とでも叫びたい程度には俺も焦っていた。額に汗が伝う。
俺がここで抜かれれば、これ以降の展開は劇場版通りに進んでしまうだろう。
コンパスはブラックナイツにより壊滅させられ、アスランはチベットスナギツネになってズゴックし、モスクワは焼かれ、ファウンデーション王国の罪なき人々は核の炎で焼かれる。そんな事は断じて許されない。これはアニメじゃない、俺にとってのリアルなんだ。
ましてその先を知りながら見過ごせるほど、俺の肝は太くない。
自分の知らないところで死んでしまった顔も知らぬ誰かに心を痛めてられる程、このコズミック・イラの世は平和ではないけれど。
それでも、未来を知りながら何もしないなんて選択肢は俺にはなかった。
転生してから20数年、モビルスーツに乗っているのはこの日この時の為に。だから気張るぜ。スーパーコーディネイターがなんだ。こちとら転生ガノタだぞ!
そぉい!またしてもフリーダムのビームを斬り払う。これで両腕共に2回、サモショーク4ビームブレイドによる自動迎撃システムを使用している。次システムを使えばフレームが破断する。もう、後がないぞ。
『ッ!また!?』
「意地があるんだよ!ナチュラルだってなぁ!」
これ以上は撃たせない。ノワールストライカー・スヴァイーのスラスターが火を吹いて、フリーダムに近接戦闘を仕掛ける。
フリーダムの剣戟をひたすら捌きながら、戦闘空域を誘導していく。
キラ・ヤマトに真正面から勝てると思うほど、俺は思い上がっていない。
だから策を練った。この日この時のために関係各所を巻き込み、鼻薬をかがせ、恩を売り、俺の思惑へと抱き込んだ。ユーラシアの星とかいう恥ずかしい肩書きだってフル活用したのはこの時の為。
俺専用モビルスーツ、格上に対する為の自動迎撃システム、そして対准将用の切り札を用意した。
その誘導ポイントまで、あと少し……。
こちらの誘導に気が付いたのか、フリーダムがビームライフルを腰にマウントし、もう一本のビームサーベルを抜刀。二振りのビームサーベルを構え、なんかカッコいいポーズを取った。
アッこれセイバーがダルマにされた時のポーズだ!
瞬間、俺のダガーの頭は空を舞っていた。モニターが死ぬ。
俺は最後に目に焼きついたフリーダムの姿から、ほとんど勘でビームブレイドを振るっていた。なんとかなれー!
フリーダムのサーベルを奇跡的に受け止めたダガー。そのまま後ろに倒れ込むようにして離脱するダガーに、行動不能を狙って追撃したフリーダムが、遂に俺の意図した誘導ポイントに足を踏み入れた。
「今だ!状況は全て整った!グングニール、起動!」
フリーダムの踏み込んだ領域に、強力な電磁衝撃波によるEMP攻撃が行われる。かつてパナマ攻略戦にて、連合のストライクダガーを無力化した機体の電子機器を破壊するザフトの戦略兵器。
最新鋭のフリーダムは当然対策もされ電子機器の破壊にまでは至らないが、一瞬動きを止める程度には機能するはず。その賭けに、俺は勝ったのだった。
「いい加減に目を醒ませよ!主人公!」
ダガーの掌からアンカーをフリーダムに撃ち込む。
直接的な電流攻撃が機体を貫通し、中のパイロットを揺らした。
電気でビリッとやれば洗脳解けるやろ!それぃ!
『ゔわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』
ちょっと死にそうなキラの声が森に響き渡る。
ちょっとこれ大丈夫?(ラクスの)おっぱい揉む?
チームワークの勝利です!(癒着あり)
自国の英雄に協力求められたら嬉しくなるだろ仕方ないネ。