アコードをぶっ潰す!   作:呼び水の主

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シュラ!?時間だよ!?

(シュラ!?時間だよ!?)

「わかっている!!!」

 

 テレパシーでのやりとりを声に出す必要はない。

 しかしシュラは叫ばずにはいられなかった。

 目の前の頭部のない105ダガーと、その辺に偶然落ちていたユーラシア連邦のものと思われる対艦刀シュベルトゲベールを構えたフリーダム。

 その2機が薩摩隼人ばりにイカれた勢いでこちらに斬り込んでくる。

 近接戦闘は自分の本領。本来なら望むところ、と言いたいが……。

 もうかれこれ10分この2人に粘られているのであった。

 

 無人機によるフリーダムへの遠隔波状攻撃。

 まず、これらがユーラシア連邦の弾幕によって全て防がれた。

 これはまだ、いい。あくまで確実にフリーダムを倒す為の布石にすぎない。たとえそれがなかろうと、戦いこそを生まれの使命とする自分が負けるはずはないのだから。

 

 だがしかし、それを阻む存在がいる。

 頭部のない105ダガー。コイツがめちゃくちゃ鬱陶しい。

 アコードであるシュラはその特殊な出生により、相手の心を読むことができる。それを使いキラ・ヤマトの攻撃を先読みし圧倒できる、はずだったのだが……。

 

『ランスロット!発進!デケデケデデン!デケデケデン!』

『我らの名は、黒の騎士団!』

『ぜェェェェェェェロォォォォォォォォォォッ!』

「え、えぇい!思考が鬱陶しい!!」

 

 ダガーのパイロットの脳内から溢れ出す、ノイズのようなビジョン。

 生まれてこのかた目にもしてこなかったが、それはおそらくTVアニメと呼ばれるものだった。華奢な少年が実は敵国の王子で、そして謎の少女に出会い、幼馴染と殺し合いながら敵国を翻弄し成り上がっていく壮大なストーリー……。毎話の引きが絶妙で、次の展開が気になって仕方ない。

 

「……おもしろい」

 

 シュラはこの10分間で、超圧縮されたアニメ25話分600分以上を脳内に垂れ流されていた。何!?シーズン2もあるだと!?シュラは断然カレン推しだった。強き者は美しい……。この機体にも輻射波動を付けられないだろうか……。帰ったら技術者どもに考えさせてみるか……。いや!待て!違う!こんな事を考えている場合ではない!?くそ!ヤツ(ダガーのパイロット)の思考を遮断しなければ……!?なぜ戦いの最中にアニメを脳内再生してるんだコイツは!?

 

『うわぁぁぁぁぁ!』

「うぉぉぉぉ!?」

 

 間一髪。シヴァがその場から大きく後退し、先程まで立っていた大地がズンバラリと一閃される。

 ビームライフルもシールドも捨て、巨大な対艦刀を腰だめに構えてライジングフリーダムが双眸を揺らめかせシヴァに襲いかかった。洗脳から目覚めたキラは、ゼレンスキーと名乗る髭面の男の説明と、突如襲ってきたブラックナイツによって大体の状況を把握し、コンパスひいてはラクスを貶めようとしたファウンデーション王国への怒りがここ最近の悩みや鬱憤が爆発した結果最高潮に達していた。覚悟ガンギマリキラ・ヤマトに対艦刀を持たせた時のニコルは200ニコルくらいである。アブナイ!

 

『剣が使えない隊長かどうか!その身にわからせてやる!』

「いや、言ったのは私ではないが!?」

『そういう目をしてた!!』

 

 キラの気迫に当初は押され気味のシュラだったが、彼は戦闘を得意とするコーディネイターの上位者アコードである。大振りな攻撃を躱し、右腕の近接対装甲刀 ディス・パテールと呼ばれる大型ヒートソードでフリーダムのシュベルトゲベールを両断する。

 

「フッ!例え心乱れようとも、やはり貴様では俺には勝てん!」

『まだだ!まだ僕には武器がある!』

「なに!?」

 

 キラの言葉に周囲を警戒する。

 

『頼れる仲間だ!』

「しまった!?」

 

 読心を遮断したダガーのパイロットか!

 背後に現れたダガーが両腕のビームブレイドを振りかぶった。

 今まで大人しくしていたのは、こちらが隙を見せるのを待っていたか!しかし!

 

「貴様とて攻撃する際の思考ならば!」

 

 ビームブレイドを回避する為にヤツの思考を読み取る。

 あんな胡乱なビジョンをまさか斬りかかる時にまで思い浮かべてはいるまい。

 そう信じ込んでしまったシュラに、髭面のオッサンが全裸になってチ●ポでピアノを演奏するビジョンが『直接』『脳内』に叩きつけられる。

 

「う、ウォワァァァァァァァ!!?」

 

 ダガーのビームブレイドがシールドを保持するシヴァの左腕肘関節を斬り飛ばした。

 

「ふざっけるなぁ!」

 

 怯みながらもカウンターで放ったヒートソードの一閃が、ダガーの両腕を吹き飛ばした。

 

「神聖な戦いの場を!よくも汚してくれたな!!」

 

 激昂するシュラの発言は本当にそれはそう案件だが、背後から無言で迫る殺意高めのキラの一撃が背中のビームマントを貫通してシヴァの右腕を落とす。

 読心によって間一髪コックピットへの一撃を回避したシュラは、その気高い心をズタボロにされ激昂しながらもその場から逃げることしかできなかった。

 

「あのダガーのパイロット、必ず殺す!」




理由のある殺意がゼレンスキーを襲う!

ゼレおじ「准将に対艦刀渡せば1人で(ブラックナイツ)10体ぐらい倒すのいけるか?」(マルス理論)

アクションゲームでノってる時に、めちゃくちゃカッコいいBGMを脳内で再生する感覚でコ●ドギアス脳内上映してしまうゼレンスキー。
そして超圧縮でそれを脳内に叩きつけられるシュラ。
娯楽も嗜んでないだろう彼らに、ソレは刺激が強すぎた……。
詳細は書くかもしれないし書かないかもしれないが、もうアコードの計画ははちゃめちゃな事になっている。

裏でしっかり仕事してるユーラシア弾幕班の皆さんは優秀ですね。
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