ワレワレハ侵略者だ!!   作:ワタシニホンゴワカリマセーン

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第3話

 ごめんな秋。僕は好きな女の子に世界征服の協力の打診をされちゃって一緒に帰ることができない。先に帰ってくれ。

 なんて馬鹿げたメールを秋に送るわけにもいかず、僕はうまく誤魔かしてメールを送ったのが1時間前。親にも遅れるとのメールを残して詳しい話をすると言う春乃さんの後ろを着いて歩く。だんだんと建物や人影がなくなっていき町はずれの山奥へと足を運ぶ。その間、会話なし。別段、気まずいという訳もなく、むしろあの告白の後なのに精神が安定しているくらいだ。

 

「もうすぐ着くから。」

 

 振り返り彼女はそう僕に語り掛ける。彼女の顔はいつの間にか特別美人問うわけでもない、いつものむすっとした顔に戻っていた。

 ふと、彼女は森の中で立ち止まると一本の木に触れ始める。見れば特定の順番に木の皮と思う部分を押したりして、最終的に少し低い位置にある枝を下に下した。

 瞬間、目の前の地面が直径3メートルほどの円状に光り輝き、彼女はその中心に規定事項のように移動した。

 

「この円の上に立つの。もともとは一人用だったから少し狭いかもだけどくっついて行けば大丈夫でしょ。」

「なにも大丈夫じゃないんですが?」

「もう、男でしょ。覚悟決めなさい。」

 

 そういうと彼女は仕方なさそうな顔をして僕の腕を引っ張り円の中へ引きずり込む。

 近い、近い、近い。例え殺されそうになったとはいえ好きな女の子が0距離密着しているのは思春期男子からしてみれば嬉しいけど拷問にも等しい。あ、なんかちょっといい匂い……しないわ、防虫剤の匂いだわ。とはいえ、そんな防虫剤の匂いにすら心ときめくのは恋する男子の性なのだろう。

 

「ハハハハハ、バニグイ。」

 

 ふと、彼女はそうつぶやく。また声優が変わっている。でも何を言っているかはわからない。でも何となくハのイントネーションがそれぞれ少し変わっていた気もする。

 そんな風に考え事を始めていると、僕の足が光り始めた。

 

「え、」

 

 段々と足の感覚が無くなっていくのを感じる。いや、これ大丈夫な状況なの!?まっっっったくわからないけど!死ぬわけじゃないんだよね!?ねぇ!?春乃さん!!??だんだん腰の感覚もなくなってきたんだけど!!!あ、もう胸まで来た!!!

 

「え、あ、いやぁ……………………助けでェェェェーーーーーーー!!!!誰かッ!!だれがッ!!!!

 だ ず げ で !!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私が言えた事じゃ無いけど。あそこまで泣き叫ぶとは思わなかったよ。

君ってメンタル弱い?私に告白した時も泣き喚いてたし。」

 

 四方八方が白い何も無い空間で彼女は正座している僕をジト目で見つめて、つい数分前の僕の恥辱を批評する。

 あの足から感覚が無くなる現象は曰くワープと言うらしく、特に健康に影響はなかったらしい。それなのに僕は泣き喚き彼女に必要以上に抱きつき、その様はまるで女子の悲鳴だったと……

 

「やめて!それ以上は辞めて!!恥ずか死ぬからぁ!!」

 

 僕は頭を抱えながら土下座の勢いで頭を振る。好きな子を目の前にだいぶ恥ずかしいものを見せてしまった。思春期男子の羞恥心が悪い方向に作用している様である。

 

「別にいいけど、とりあえず中に入ろうか。此処って君たちで言うところの玄関に位置する場所なんだよ。」

「…………」

 

 思わず少し顔を赤てしまった。それを見られたのか春乃さんが不思議そうな顔で振り返る。

 

「どうしたの?」

「い、いやぁ…女の子の家しかも好きな子の家に行くなんて初めてで…緊張しちゃって…」

「え、あんな目にあったのにまだそのテンションで行けるの?

というか私のアレ見たでしょ?この星の人からみたら化け物だと思うけど」

 

 彼女はそう言うがその実回答は単純だった。正直一度言ってしまった手前タガが外れている。

 

「例え、春乃さんが海洋生物だったとしても僕は春乃さんが好きです。異星人だったとしても僕は春乃さんが好きです。

正体が何であろうと僕は"春乃 宙"が大好きなんです。」

「ふ〜ん、変な人。」

 

 彼女は奇妙な生物を見るような目を一瞬すると、少し笑った。クスッと本当に小さくしがない笑み。そんな小さな笑みでも僕の心を高鳴らせるには十分だった。

 だけど、その笑みも一瞬で消えて僕から視線を外し空間の一部に触れると、少し先進的なデザインをした未来チックな扉が現れた。

 

「まぁ、中に入ろう。」

 

 そう言えば僕を引き摺って中に引き入れた。

 

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