初月「お前との出会い」   作:warnatu7

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第1話

初月「提督、あの日の事は覚えてるか?」

 

提督「あぁ。忘れた事は無い。一度としてな」

 

初月「ちょうど九年だ」

 

提督「お前をひろってからな」

 

初月「あの時は本当に忙しかった」

 

提督「忙しくしてたからな。気を紛らわせるために」

 

初月「孤児だった僕を助けてくれたのは今でも感謝している」

 

提督「当然の事さ。国民を守るのが軍人だからな」

 

初月「今は僕が守るけどね」

 

提督「はは。頼りにしてる」

 

提督「でも、そうか。もう九年か。あの時も、こんな冷たい風が吹いてたか」

 

 

「寒い」ブルブル

 

「頭も足も痛い。動けない」

 

「でも、もう死んじゃう」

 

「何か、着る物…食べ物も…」

 

「……お母さん。一緒に逝ければ…苦しくなかった」

 

「」

 

「お母さん?」

 

提督「……君は?」

 

「……誰ですか?」

 

提督「近くの鎮守府の提督だ。街が襲撃されたので援助に来た。つまり災害派遣だ」

 

「」

 

提督「その隣に埋まってる方は?」

 

「」

 

提督「誰か一人、こっちへ来てくれ。眠っている」ザーー

 

秋月「秋月向かいます」ザー

 

提督「避難所に行こう」

 

「足が痛い」

 

提督(歩けない程とは…骨折かもな)

 

提督「捕まって。おんぶして行く」

 

「……ありがとう」

 

ヒュ

 

提督「家族は?」

 

「…居ない」

 

提督「そっか。仕事かな」

 

「……さ、さっき…皆居なくなった」

 

提督「……」

 

提督「ごめんな」

 

提督「……」

 

「……」

 

提督「……名前は?」

 

「……思い出せない」

 

提督「大丈夫。後で思い出す」

 

「うん」

 

提督「ここが避難所か。生き延びれた人は多そうだな」

 

提督「明石という名前のお医者さんが居るから、その人のところに行く」

 

「分かった」

 

提督「……」

 

「……」

 

提督「もし来るところが無いなら、俺の所に来い。多分何かの縁だと思う」

 

「……」

 

 

提督「明日は帰投か。俺がもっとしっかりしてればこんな事にはならなかったはずなのに…」

 

提督「小規模だから人的被害は少ないが……」

 

提督「しばらく対空電探の強化を中心にするか」

 

秋月「提督!」

 

提督「秋月?なんだ?」

 

秋月「この子です」

 

提督「その子は一週間前にあった子か」

 

秋月「親が居ないらしく、しばらくお世話してたのですが、この子がどうしても提督に会いたいたいと言うそうなので」

 

提督「どうしたんだ?」

 

「おじさん。僕を連れてって」

 

提督「……秋月、面倒をみてくれ」

 

秋月「え、私ですか?」

 

提督「ああ。それと、長10cm砲ちゃんも譲ってくれないか?」

 

秋月「4匹居るので良いですよ」

 

提督「名前は?」

 

「……」フリフリ

 

提督「なら、君は今日から」

 

提督「初月だ」

 

 

提督(それから、辛い気を紛らわせる為に敢えて色んな事に挑戦したんだっけか)

 

提督(悪夢にうなされてたのは可哀想だったが、それも今では無くなった)

 

初月「提督、今から食事にしよう。今日は記念日だ。僕が作るよ」

 

提督「塩と砂糖、間違えるのなよ」

 

初月「当然だ!九年前とは違うんだ」

 

提督「まぁ、初月の料理の腕、見せてもらおうか」

 

初月「部屋で待っててくれ」

 

提督「ちょっと待った」

 

初月「なんだ?」

 

提督「指輪、受け取ってくれないか?」

 

初月「……」

 

長10「!?」

 

初月「ムードの欠片も無いな」

 

提督「はは。すまないな」

 

初月「全く……待ったんだぞ、提督」

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