始まりの勇者は未来で勇者学園に通う 〜幼馴染と魔王を添えて〜   作:黒色エンピツ

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5話:到着

 

 

 

 

「見えてきました。あれが『エインヘル勇者学園』です」

 

「おおおぉぉ……大きいな……王城と同じかそれ以上だ」

 

遠くに見える学園を見る。あんなに大きいのに学舎なのか。村の学舎は本当に十数人が入る程度の小さな建物だったのにな。

あそこに100人以上もの勇者がいるのか。

 

『ふぅ……ようやくか。本来なら1日で着くはずだったんだがな。まさか3日もかかるとは……初代様は随分とお人好しなようだ』

 

『まあまあ、いい事をしたんですから』

 

隊長殿が少し疲れたようにため息を吐いていた。

道中で困っている人をとにかく手助けしていたからだろうか。

 

「すまない。俺のせいで無駄に時間をかけた」

 

「あ、いえ、そんな、気にしないでください!」

 

「でも……」

 

「いいですから!謝られると、その、困ります!」

 

「そうか……」

 

予定よりも数日遅れたしまったし、当然だと思うが。

 

『門が見えてきたな』

 

少しして隊長を先頭に門をくぐり抜け、馬を繋ぐ。

 

「おー……中はこうなっているのか」

 

「ついでにちょっと見学でもしてみますか?」

 

「いいのか?」

 

「折角ですから」

 

ミリアが隊長と話すと隊長が大きくため息を吐いて頷いた。

 

『まあ、図書館までの道中ならいいだろう』

 

『ありがとうございます!』

 

お辞儀をしてミリアが戻ってくる。

 

「大丈夫だそうです!」

 

「ありがとう」

 

ああ、この時代の言葉が話せたらこんな迷惑を掛けずに済んだのに。と少し落ち込む。

勉強は苦手だが、この時代で生きる為に勉強しよう。

 

 

 

 

「早速ですけどここが訓練所です」

 

「大きいな。ちょっとした大規模魔法を使っても端まで届かなそうだ」

 

「周囲には魔道具で結界が貼られているので外部への影響もないんですよ」

 

「この大きさの魔法壁を貼れる魔道具か。凄いな……」

 

「これも図書館の司書の方が作ってくれたそうですよ」

 

「ほー、エルフとは聞いていたがここまでとは」

 

俺や魔王、師匠の本気の魔法は無理だろうが、かなりの強度があるな。あったら色々と話を聞いてみたいもんだ。

結界に指先を触れてみる。

 

「……へぇ」

 

「どうかしましたか?」

 

「これ当たった魔法を結界で防いでるんじゃなくて吸収して魔道具の動力に還元しているんだな」

 

「え!?そうなんですか!?」

 

「知らなかったのか?」

 

「普通の結界と同じような防ぎ方だったので……」

 

「ならそう見えるように弄ってるんだろうな。良い腕だ」

 

試行錯誤の末に作られたものだろう。

多分同じものを作れと言われれば作れるが、ここまで美しいものにはならない。

以前師匠が使った術式を再現した時には『術式がぐちゃぐちゃで見るも無惨な姿になっているのに何故か動いている、感覚だけで模倣した不細工な術式。術式と私に謝れ』とドン引きされた。

今は以前よりもマシになったはずだ。……多分。

 

「そろそろ行きましょうか」

 

「わかった」

 

校内に入ると、外装に見合った豪華な内装だった。なんかよくわからないが高そうな調度品があったり、何故か鳥が飛んでいたりしている。誰かの契約している動物だろうか。

 

「生徒はどこにいるんだ?」

 

「今は授業中ですから。みなさん教室の中で勉強してますよ」

 

そうか、授業中か。勉強にはこれっぽっちも興味はないが、少し覗いてみたいな。

 

「すみません。図書館の道すがらには教室はないんです。用事が終わった後で時間が出来たら見てみましょうか?」

 

「……顔に出てたか?」

 

「はっきりと」

 

ミリアがくすくすと笑う。顔に全部出ているとはよく言われるが、ここまでか。

少し恥ずかしくなって俯いた。

それから魔法薬や魔道具の実習室を紹介されたが、鍵が掛かっていて中までは見る事は出来なかった。

 

「ここが図書館です」

 

「……広いし、多いな。どれだけあるんだ?」

 

中に入ると見渡す限り、遠くの方まで本棚が続いていた。これ全部読むのに一生かかるんじゃないか?

 

「ここの司書の方は本を集めるのが趣味らしくて、開校してからずっと集めていたらこうなったそうです」

 

「すごいな」

 

収集癖のあった知り合いは何人かいるが、ここまで大きいのは中々ない。どんな人物だろうと胸を踊らせていると、扉の前に着いた。この向こうに司書エルフがいるらしい。

 

『くれぐれも、失礼のないように』

 

「失礼のないように、だそうです」

 

「もちろんだ」

 

隊長にも頷いてみせると、あちらも頷いて扉を開き、中に入ると──

 

「ようこそ、待っていましたよ」

 

冷めた目をしたエルフが俺を見ていた。

 

 

 






ようやく学園に到着です。いい感じのタイトルが思い付かないんで、テキトーに考えました。
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