シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
6月になった。トレーナー曰く、メイクデビューの時期らしい。レースに興味無かった私にはわからないけど・・・そうらしい。そんな中スマイルが1人のウマ娘をお昼に連れてきた。
「ブルーちゃん!」
「スマイル・・・?」
「どうしたのスマちん。」
やたらとニコニコしてるスマイル。後ろに誰かいる。影になっててわからないけど。
「私のクラスに転校生がやってきたんですよ!」
「へぇ。それで?」
「連れてきたの?」
「はい!2人とも驚きますよー」
「?」
「ふーん。」
「じゃじゃーん!」
そう言って現れたのは・・・左手首のリボン、ボブヘア、鹿毛の髪。
「まゆ!?!?」
「ええ!!」
「はぁ〜い!まゆですよぉ。お久しぶりですねぇ凛ちゃん。未央ちゃん。」
「ふふふ!驚いたブルーちゃん!ミッちゃん!」
「驚いた・・・まさか他にもいたなんて・・・え、転入?」
「はぁい。まゆは本格化してて中央にスカウトされたんですよぉ。」
「え、そうなんだ。」
「羨ましいです!」
「今月のデビューに向けて準備中です♪」
すごい。まゆは本格化してて、もうメイクデビューなんだ。良いな。
「そうだ。まゆ、名前は何て言うの?」
「名前ですかぁ?名前はニッポーママユっていうんですよぉ。」
「じゃあまゆのままで良いか。」
「はぁい!構いませんよぉ。」
ここで不思議に思った事がある。いつも大脱走していたまゆのハイライトが・・・この世界ではかなりはっきり存在を主張している。どうなってるの?
「・・・。」
「・・・。」
「あ、あれ?2人ともどうしたんですか?」
「あら〜?」
「え、あ、いや・・・その・・・」
「その・・・ねぇ・・・」
まゆと言ったらプロデューサーだ。前世でも専属プロデューサーと一緒にいて。引退した後も一緒に暮らしてた。プロデューサー・・・女性だったけど・・・この世界ではどうなんだろう。
「ああ・・・プロデューサーさんのことですね?」
「え、なんでわかったのまゆ。」
「すごい・・・」
「プロデューサーさんは一緒の世界には来られませんでした・・・」
「・・・そっか。」
「読モして・・・またアイドル事務所のプロデューサーをしてないかと思って・・・個人的に調べた範囲では見つかりませんでした・・・」
「そうなんだ・・・」
「ままゆ・・・」
「でも。流石に来世までプロデューサーさんを縛り付けてしまうのは・・・違うと思うんです。前世では、まゆのモノになって欲しいとお願いして・・・結婚も何もかも控えてもらいました・・・プロデューサーさんはまゆと一緒に入れて幸せだって言ってくれましたけど・・・もっと普通の幸せを享受したって良いと思ったんです。」
「・・・成長したね、まゆ。」
「うふふ。この世界にプロデューサーさんがいるなら・・・普通に恋愛して、結婚して、子供が産まれて・・・そういう幸せを味わって欲しいんです。それがまゆの幸せでもありますから。」
「えらいよまゆ。」
「うんうん。」
「それに・・・トレーナーさんも運命の人・・・ってわけではないですけど良い人ですから。この世界でトレーナーさんを相棒に頑張りますねぇ。」
そう言ってニッコリ笑うまゆは、なんというか。前世の狂気にも似た愛情が薄まってる気がした。存分に愛し合ったからかな・・・それはまぁいいか。
「まゆ、ケーキ食べよ。カフェテリアのケーキ美味しいよ。」
「はぁい・・・いっぱいありますねぇ。」
「私ビッグメロンパフェにします!」
「またスマちんはそんなものを・・・」
わいわい過ごして・・・まるで事務所にいる時みたい。楽しい時間が、続けばいいな。
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
午後。今日はトレーニングがお休みで。沖野トレーナーに追い込みの技術書を読む様にと言われた。何冊か渡されて、他は図書館で探せとも。仕方ない。
「とりあえず渡されたの読むか。」
椅子に座って、ぼちぼち読み始める。ふーん。
「・・・。」
「よっと・・・よいしょ・・・」
「・・・。」
「どっこいしょ・・・おっとっと・・・」
「・・・。」
「よ・・・よっこ・・・ぬあああああ」
「ちょ・・・大丈夫?」
「は、はい・・・大丈夫で・・・え?」
「・・・藍子?」
「もしかして・・・凛ちゃん・・・?」
「うん。」
目の前で本に埋もれていたのは藍子だった。藍子もいるのか・・・
「久しぶりですね凛ちゃん・・・」
「う、うん・・・」
「ふふ・・・懐かしいですね。」
「そうだね。あ、本、手伝うよ。」
「あ、ありがとう。」
藍子の散らかした本を纏めて持つ・・・結構あるな。
「じゃあカウンターまで運んでもらえますか?」
「うん。」
藍子に着いていってカウンターまで運ぶ。自分の本混ぜない様にしなきゃ。
「ロブロイ先輩。運び終えました。」
「はーい。では後は私がやりますので。」
「はーい。」
「はえー」
「凛ちゃんちょっとお話しませんか?カフェテリア行きましょう!」
「うん。良いよ。」
そうしてカフェテリアに移動した。藍子は・・・ゆるふわタイム発動されない様に気をつけないと。
⏰
「そうなんですか・・・未央ちゃんに卯月ちゃんも・・・」
「他にもいっぱいいるよ。みくとか。まゆとか。」
「ふふ。まるで事務所みたいですね。」
「そうだね。まぁでも仁奈とか薫とかはいないと思うけど・・・」
「そうですねぇ年少組は流石にいないと思いますね。」
藍子はカフェラテを、私はコーヒーを飲む。話題はもっぱら転生した同僚のこと。
「そうだ。藍子。藍子の名前は何ていうの?」
「メイセイタカモリですよ。中等部1年です。」
「同級生なんだ。」
「そうだったんですか。」
「他にも会った事ある同僚いる?」
「えーっと・・・そうだ。菜々さんには会いましたね。」
「菜々さんもいるんだ。」
「うん。もう高等部出て大学部にいるけど。ドリームシリーズを走ってるって言ってたかな?」
「ええ・・・菜々さん走って大丈夫なの?前世でいつも肩が腰がって言ってたじゃん。」
「流石に若返ってますし、大丈夫なのでは?それに三冠バだって言ってましたよ。」
「嘘でしょ・・・」
菜々さん三冠バなの・・・?すごすぎる・・・
「ルドルフ会長の前の三冠バだって言ってたかなぁ・・・」
「ああ・・・クラシック三冠なんだ・・・」
「うん。」
やばいな・・・ハートさんはダービーバだし、早苗さん、楓さんもG1バ・・・
「川島さんとか留美さんとか木場さんとかどうなっちゃうんだろう。」
「みんな凄そうだね。特に木場さん。」
「うん。」
「呼んだかい?」
「え?」
「え?」
「やぁ2人とも。」
え?木場さん?木場さんなの?
「やぁ渋谷君に高森君。」
「き、木場さん?」
「ええ・・・」
「ふふ・・・久しぶりだね。高等部2年カツラギファング。木場真奈美だよ。」
「お、お久しぶりです。」
「ここ、座ってもいいかな?」
「ど、どうぞ・・・」
そう言って木場さんはコーヒーと共に座ってきた。
「いやはや・・・ここトレセンには思ったより同僚がいるらしいな。」
「そうみたいですね。」
「ふとした瞬間に知ってる顔を見かけます。」
「君達はどれくらい知ってるんだい?」
「卯月に未央に・・・みくにまゆ。あとは早苗さん楓さんハートさん・・・」
「私は菜々さんくらいしか・・・」
「木場さんは?」
「私か?瑞樹に美優。礼子さんにのあを知っているよ。」
「うわぁ。」
「すごそう・・・」
「そうだね。瑞樹は安田記念を勝っているし。美優はエリザベス女王杯。礼子さんはオークス。のあはJBCレディスクラシックを勝っている。」
「木場さんは?」
「え?」
「木場さんは何に勝ってるんですか?」
「・・・。」
なんか木場さんは黙り込んでしまった。どうしたんだろう。
「・・・んだ。」
「え?」
「え?」
「G1を・・・勝ててないんだ。」
嘘でしょ・・・?あの木場さんが?G1総なめしてるくらいしても驚かないが・・・勝ててないとは・・・
「主要なG1が同僚と当たる事が多くてね・・・前世ではかなり身体能力には自信があったのだが・・・ウマ娘ではそうはいかないらしい。」
「そうなんですか・・・」
「凄すぎる。」
「だが全て2着だ。私はシルバーコレクターなんて呼ばれてるよ。」
「いやそれでも凄すぎる。」
「いやいや・・・ウイニングライブでセンターに立てないのがこんなに悔しいと思った事はないよ。」
「へぇ・・・」
話し込んでいるとシュポ!とLANEが鳴った。私じゃない。藍子でも無いらしい。
「む・・・トレーナーに呼ばれた。すまないがお暇するよ。」
「あ、はい。」
「お疲れ様です。」
「ふふ、君達が本格化したら併走でもお願いしたいところだ。」
「はい。是非。」
「木場さんと併走か・・・すごそう。」
「ふふふ楽しみにしてるよ。ではな。」
そう言って木場さんは去っていった。去り際までかっこいいなあの人。
「びっくりした・・・」
「ほんと・・・結構いるんだね。同僚。」
「そうだね。」
この世界どうなってんの。転生しすぎじゃない?大丈夫か?もしかして私達の下にも転生アイドルが入ってくるのか・・・まぁそれは楽しみだし。いいか。