シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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第13話 転校生

6月になった。トレーナー曰く、メイクデビューの時期らしい。レースに興味無かった私にはわからないけど・・・そうらしい。そんな中スマイルが1人のウマ娘をお昼に連れてきた。

 

「ブルーちゃん!」

 

「スマイル・・・?」

 

「どうしたのスマちん。」

 

やたらとニコニコしてるスマイル。後ろに誰かいる。影になっててわからないけど。

 

「私のクラスに転校生がやってきたんですよ!」

 

「へぇ。それで?」

 

「連れてきたの?」

 

「はい!2人とも驚きますよー」

 

「?」

 

「ふーん。」

 

「じゃじゃーん!」

 

そう言って現れたのは・・・左手首のリボン、ボブヘア、鹿毛の髪。

 

「まゆ!?!?」

 

「ええ!!」

 

「はぁ〜い!まゆですよぉ。お久しぶりですねぇ凛ちゃん。未央ちゃん。」

 

「ふふふ!驚いたブルーちゃん!ミッちゃん!」

 

「驚いた・・・まさか他にもいたなんて・・・え、転入?」

 

「はぁい。まゆは本格化してて中央にスカウトされたんですよぉ。」

 

「え、そうなんだ。」

 

「羨ましいです!」

 

「今月のデビューに向けて準備中です♪」

 

すごい。まゆは本格化してて、もうメイクデビューなんだ。良いな。

 

「そうだ。まゆ、名前は何て言うの?」

 

「名前ですかぁ?名前はニッポーママユっていうんですよぉ。」

 

「じゃあまゆのままで良いか。」

 

「はぁい!構いませんよぉ。」

 

ここで不思議に思った事がある。いつも大脱走していたまゆのハイライトが・・・この世界ではかなりはっきり存在を主張している。どうなってるの?

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「あ、あれ?2人ともどうしたんですか?」

 

「あら〜?」

 

「え、あ、いや・・・その・・・」

 

「その・・・ねぇ・・・」

 

まゆと言ったらプロデューサーだ。前世でも専属プロデューサーと一緒にいて。引退した後も一緒に暮らしてた。プロデューサー・・・女性だったけど・・・この世界ではどうなんだろう。

 

「ああ・・・プロデューサーさんのことですね?」

 

「え、なんでわかったのまゆ。」

 

「すごい・・・」

 

「プロデューサーさんは一緒の世界には来られませんでした・・・」

 

「・・・そっか。」

 

「読モして・・・またアイドル事務所のプロデューサーをしてないかと思って・・・個人的に調べた範囲では見つかりませんでした・・・」

 

「そうなんだ・・・」

 

「ままゆ・・・」

 

「でも。流石に来世までプロデューサーさんを縛り付けてしまうのは・・・違うと思うんです。前世では、まゆのモノになって欲しいとお願いして・・・結婚も何もかも控えてもらいました・・・プロデューサーさんはまゆと一緒に入れて幸せだって言ってくれましたけど・・・もっと普通の幸せを享受したって良いと思ったんです。」

 

「・・・成長したね、まゆ。」

 

「うふふ。この世界にプロデューサーさんがいるなら・・・普通に恋愛して、結婚して、子供が産まれて・・・そういう幸せを味わって欲しいんです。それがまゆの幸せでもありますから。」

 

「えらいよまゆ。」

 

「うんうん。」

 

「それに・・・トレーナーさんも運命の人・・・ってわけではないですけど良い人ですから。この世界でトレーナーさんを相棒に頑張りますねぇ。」

 

そう言ってニッコリ笑うまゆは、なんというか。前世の狂気にも似た愛情が薄まってる気がした。存分に愛し合ったからかな・・・それはまぁいいか。

 

「まゆ、ケーキ食べよ。カフェテリアのケーキ美味しいよ。」

 

「はぁい・・・いっぱいありますねぇ。」

 

「私ビッグメロンパフェにします!」

 

「またスマちんはそんなものを・・・」

 

わいわい過ごして・・・まるで事務所にいる時みたい。楽しい時間が、続けばいいな。

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

午後。今日はトレーニングがお休みで。沖野トレーナーに追い込みの技術書を読む様にと言われた。何冊か渡されて、他は図書館で探せとも。仕方ない。

 

「とりあえず渡されたの読むか。」

 

椅子に座って、ぼちぼち読み始める。ふーん。

 

「・・・。」

 

「よっと・・・よいしょ・・・」

 

「・・・。」

 

「どっこいしょ・・・おっとっと・・・」

 

「・・・。」

 

「よ・・・よっこ・・・ぬあああああ」

 

「ちょ・・・大丈夫?」

 

「は、はい・・・大丈夫で・・・え?」

 

「・・・藍子?」

 

「もしかして・・・凛ちゃん・・・?」

 

「うん。」

 

目の前で本に埋もれていたのは藍子だった。藍子もいるのか・・・

 

「久しぶりですね凛ちゃん・・・」

 

「う、うん・・・」

 

「ふふ・・・懐かしいですね。」

 

「そうだね。あ、本、手伝うよ。」

 

「あ、ありがとう。」

 

藍子の散らかした本を纏めて持つ・・・結構あるな。

 

「じゃあカウンターまで運んでもらえますか?」

 

「うん。」

 

藍子に着いていってカウンターまで運ぶ。自分の本混ぜない様にしなきゃ。

 

「ロブロイ先輩。運び終えました。」

 

「はーい。では後は私がやりますので。」

 

「はーい。」

 

「はえー」

 

「凛ちゃんちょっとお話しませんか?カフェテリア行きましょう!」

 

「うん。良いよ。」

 

そうしてカフェテリアに移動した。藍子は・・・ゆるふわタイム発動されない様に気をつけないと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そうなんですか・・・未央ちゃんに卯月ちゃんも・・・」

 

「他にもいっぱいいるよ。みくとか。まゆとか。」

 

「ふふ。まるで事務所みたいですね。」

 

「そうだね。まぁでも仁奈とか薫とかはいないと思うけど・・・」

 

「そうですねぇ年少組は流石にいないと思いますね。」

 

藍子はカフェラテを、私はコーヒーを飲む。話題はもっぱら転生した同僚のこと。

 

「そうだ。藍子。藍子の名前は何ていうの?」

 

「メイセイタカモリですよ。中等部1年です。」

 

「同級生なんだ。」

 

「そうだったんですか。」

 

「他にも会った事ある同僚いる?」

 

「えーっと・・・そうだ。菜々さんには会いましたね。」

 

「菜々さんもいるんだ。」

 

「うん。もう高等部出て大学部にいるけど。ドリームシリーズを走ってるって言ってたかな?」

 

「ええ・・・菜々さん走って大丈夫なの?前世でいつも肩が腰がって言ってたじゃん。」

 

「流石に若返ってますし、大丈夫なのでは?それに三冠バだって言ってましたよ。」

 

「嘘でしょ・・・」

 

菜々さん三冠バなの・・・?すごすぎる・・・

 

「ルドルフ会長の前の三冠バだって言ってたかなぁ・・・」

 

「ああ・・・クラシック三冠なんだ・・・」

 

「うん。」

 

やばいな・・・ハートさんはダービーバだし、早苗さん、楓さんもG1バ・・・

 

「川島さんとか留美さんとか木場さんとかどうなっちゃうんだろう。」

 

「みんな凄そうだね。特に木場さん。」

 

「うん。」

 

「呼んだかい?」

 

「え?」

 

「え?」

 

「やぁ2人とも。」

 

え?木場さん?木場さんなの?

 

「やぁ渋谷君に高森君。」

 

「き、木場さん?」

 

「ええ・・・」

 

「ふふ・・・久しぶりだね。高等部2年カツラギファング。木場真奈美だよ。」

 

「お、お久しぶりです。」

 

「ここ、座ってもいいかな?」

 

「ど、どうぞ・・・」

 

そう言って木場さんはコーヒーと共に座ってきた。

 

「いやはや・・・ここトレセンには思ったより同僚がいるらしいな。」

 

「そうみたいですね。」

 

「ふとした瞬間に知ってる顔を見かけます。」

 

「君達はどれくらい知ってるんだい?」

 

「卯月に未央に・・・みくにまゆ。あとは早苗さん楓さんハートさん・・・」

 

「私は菜々さんくらいしか・・・」

 

「木場さんは?」

 

「私か?瑞樹に美優。礼子さんにのあを知っているよ。」

 

「うわぁ。」

 

「すごそう・・・」

 

「そうだね。瑞樹は安田記念を勝っているし。美優はエリザベス女王杯。礼子さんはオークス。のあはJBCレディスクラシックを勝っている。」

 

「木場さんは?」

 

「え?」

 

「木場さんは何に勝ってるんですか?」

 

「・・・。」

 

なんか木場さんは黙り込んでしまった。どうしたんだろう。

 

「・・・んだ。」

 

「え?」

 

「え?」

 

「G1を・・・勝ててないんだ。」

 

嘘でしょ・・・?あの木場さんが?G1総なめしてるくらいしても驚かないが・・・勝ててないとは・・・

 

「主要なG1が同僚と当たる事が多くてね・・・前世ではかなり身体能力には自信があったのだが・・・ウマ娘ではそうはいかないらしい。」

 

「そうなんですか・・・」

 

「凄すぎる。」

 

「だが全て2着だ。私はシルバーコレクターなんて呼ばれてるよ。」

 

「いやそれでも凄すぎる。」

 

「いやいや・・・ウイニングライブでセンターに立てないのがこんなに悔しいと思った事はないよ。」

 

「へぇ・・・」

 

話し込んでいるとシュポ!とLANEが鳴った。私じゃない。藍子でも無いらしい。

 

「む・・・トレーナーに呼ばれた。すまないがお暇するよ。」

 

「あ、はい。」

 

「お疲れ様です。」

 

「ふふ、君達が本格化したら併走でもお願いしたいところだ。」

 

「はい。是非。」

 

「木場さんと併走か・・・すごそう。」

 

「ふふふ楽しみにしてるよ。ではな。」

 

そう言って木場さんは去っていった。去り際までかっこいいなあの人。

 

「びっくりした・・・」

 

「ほんと・・・結構いるんだね。同僚。」

 

「そうだね。」

 

この世界どうなってんの。転生しすぎじゃない?大丈夫か?もしかして私達の下にも転生アイドルが入ってくるのか・・・まぁそれは楽しみだし。いいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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