シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
6月のある日曜日。今日は、コース一斉点検の日。なので休み。沖野トレーナーは決して私に無理をさせない。未熟な体だというのもある。未熟なメンタルだというのもある。あらゆるトレーニングに着いていくのに不十分。歯がゆい思いをしているが仕方ない。
「はわ・・・ふわ〜」
今日はスマイルもミツボシも休みじゃなかった。別々にチームの用事があるので私1人。さて、どうしよっかな。
「どうしよっかな・・・と。」
レースでも見にいけばいいんだが予定がわからない。聞けばいいんだがそれも面倒臭い。本当にどうしよう。
「とりあえず・・・お昼か。」
今日学園の食堂は開いてない。寮の食堂は開いてるけど・・・それもなんか味気ない。
「外に食べに行こ。」
そうしよう。
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
商店街を出て、更に進んだ・・・どこか。
「うーん。」
なんか良い感じのお店無い。何を食べるか決めてないけど。
「あ・・・良い匂いする。」
この匂いを辿って行こう。そうしよう。
⏰
見つけた。アップルハニーって書いてある・・・名前からするとスイーツなお店だが匂いは肉の匂い。
「いらっしゃいませー」
中に入ると客はそこそこ。良い匂いは強くなった。
「ハンバーガーか・・・」
ウマ娘用は山盛りポテトが付くらしい。いいね・・・ハンバーガーの気分になった。
「すみません。」
「はーい。」
「この牛肉ステーキバーガーウマ娘用、ドリンクはジンジャーエール。あとアップルパイとタコライス。それとチキンレッグください。」
「かしこまりました!」
早く食べたい。
「でねーナオ。そこ行った時のぶっといポテトが最高でさー」
「はいはい。カレンはほんと食い過ぎだからな。トレーニングしてても太るぞ。」
後ろの席からなんか懐かしい名前が聞こえた。もしかすると、かもしれないが。今はハンバーガーが食べた過ぎて仕方がない。
「お待たせしましたー」
「きたきた。」
どんどんと料理が運ばれてくる。まずはハンバーガー。デッカい肉が挟まれている。肉汁たっぷりで美味しそう。
「はむ。」
うん!美味い!すごい肉だ。これは良い肉だ。ブライアンさんも気にいるだろう。
「はむ。」
ポテトも良い塩梅の塩気だ。タコライスも・・・うん。
「あーん。」
チキンレッグに齧り付く。うーん。肉。
「もっぶ。もぐ。むしゃ。むしゃ。」
「うお・・・後ろすごい食べっぷりだな。」
「まぁ同じウマ娘だし。てかトレセン生じゃない?」
「何年だろうね。」
「?」
後ろの2人もトレセン生なのかな?でも食べるのに忙しくてそれどころじゃない。
「もぐ・・・むしゃ・・・じゅご・・・」
もぐ・・・もぐ・・・ふぅ。食べ終わっちゃった。アップルパイが美味しかった。もう一個頼もっかな。
「すみません。」
「はーい!」
「アップルパイもう一個。」
「はい!」
「すご・・・まだ食べるんだ・・・」
「こらカレン・・・」
「む・・・」
なんだかうるさいな・・・ちょっと!
「ねぇさっきから何?ぶつぶつと・・・」
「わー!すまん!今黙らせるから!」
「ごめんね〜」
「ちょっと顔見せ・・・!?」
後ろを振り向いて驚いた。最近こういう驚き増えたな。
「奈緒!?加蓮!?」
「ええ!?凛!?」
「あ!!凛じゃーん!!」
ウマ耳生えてる。それはもう慣れた。びっくりした。うそでしょ。
「奈緒・・・加蓮・・・何してるの・・・?」
「何って・・・サッカーしてるように見える?」
「ご飯食べてたんだよ〜」
「ああ・・・そう・・・」
2人は奈緒はセカンドサイド。加蓮はテンジンカレンというらしい。中等部2年と1年らしい。
⏰
「へーそんなに。同僚がいるのか。」
「うん。トレセンっていうか346プロみたいだよ。」
「あはは!全然気づかなかった。」
「まぁ・・・クラス数だけで10あるからね。全部のクラス見て回るわけにはいかないし。」
「そうだな〜同じ学年にみくと卯月がいるなんて全く気づかなかったよ。」
「というか、同僚みんないすぎじゃない?」
「それは確かに。」
「なにかあるのかな?」
「ま、気にしても仕方ないけど。」
「そうだね〜」
こうしてハンバーガーショップでトライアドプリムスが揃ったのだった。
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
月曜日。いつもの様にトレーニングに繰り出した。トレーニングメニューをもらい、それを熟す。いつも通り。
「はぁ・・・ふぅ・・・」
「良い感じよブルーちゃん。」
「ありがとうございますスズカ先輩。」
「じゃあ水飲んで。続き、行くわ。」
「はい。」
今日はスズカ先輩と走り込み。スズカ先輩めっちゃ速い・・・
「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ・・・」
「よし・・・今日のトレーニング終わりね。私はまだ走るけど。ブルーちゃんどうする?」
「私は・・・戻ります・・・」
「そう、わかったわ。お疲れ様。」
「お疲れ様です。」
部室に戻り、着替える。早くお風呂入りたい。
「ふぅ・・・」
「お、ブルー、トレーニング終わりか?」
「ゴルシ、どうしたの?」
「いやな。ちょっと猫探し手伝ってくんねーかな。」
「猫探し?」
「おう。理事長の猫がな。いなくなったらしい。探してくれた全員に限定パフェの食券くれるって言ってたからよ。」
「ふーん。」
限定パフェか・・・いいね。食べたい。
「理事長のところ行ってよ。猫の画像見せてもらってくれ。」
「わかった。」
「じゃ、頼むわ。」
「うん。」
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
理事長室に行く。コンコンとノックすると入ってくれッ!という声がした。
「むッ!ナリタブルーライト君も探してくれるかッ!」
「はい。どんな猫なんですか?」
「これだッ!」
写真を見せてもらう。ふむ、この猫か。
「名前はハテナだッ!頼むッ!おやつの時間になっても戻ってこないのだッ!」
「わかりました。」
「これは前払いだッ!」
限定パフェの食券。やった。このパフェ、早い者勝ちだからなかなか入手出来ないんだよね。
「じゃあ行ってきます。」
「うむ!見つけてくれたら更に2枚渡そうッ!」
ほんと?俄然やる気出てきた絶対見つけてやる。
⏰
とりあえず中庭に来た。前に中庭に来た時ここに猫が集まってるのを見たからだ。
「うーん猫いっぱいいる。」
1・・・2・・・12匹。でも理事長の猫はいなかった。
「にゃあ〜〜〜〜にゃあ〜〜〜〜〜」
「みく。」
「にゃ?凛チャン!どうしたのかにゃ?」
「理事長の猫を探してるんだけど。知らない?」
「理事長の猫チャンにゃ?見てないにゃぁ・・・」
「そっか・・・」
「にゃに?いなくなっちゃったの?」
「うん。」
「そっか〜まぁ気ままなのが猫チャンだもん。たまには1人になりたい時あるよ。」
「そういうもんなの?」
「そういうもんにゃ〜」
まぁいい。ここにいないなら別なとこを探そう。
「うーん・・・どこにいるんだろう。」
私はウロウロと探し始めた。
「こういう時雪美なら、猫の言葉聞いてわかるもんなんだけど・・・」
まぁいない子を当てにしても仕方がない。
「うーん。」
そうだ。みんなは外を探してるみたいだけど。私は校舎内を探そう。
「こっち行ってみよ。」
⏰
図書館に来てみた。
「藍子。猫来てない?」
「猫ですか?」
図書館にいた藍子に猫が来てないか聞いた。うーん・・・
「来てないですね。どんな猫ちゃんなんですか?」
「ハチワレっぽくて・・・額に星がある黒い子。」
「わかりました。私も見かけたら教えますね。」
「お願い。あ。理事長の所行って、探すって言えば限定パフェの食券もらえるよ。」
「そうなんですか?行ってみます。」
図書館にはいなかった。じゃ、次。
⏰
カフェテリアに来てみた。もしかしたら食べ物の匂いに釣られてるかも。
「あ、奈緒、加蓮。」
「おー凛。」
「どしたの?」
「あのさ、猫、探してるんだけど・・・」
「猫ぉ?」
「猫ちゃん?なんで?」
「理事長の猫がいなくなっちゃったんだって。」
「そうなのか・・・見てないな〜」
「あたしも〜」
「そっか・・・」
「もし見かけたら凛に連絡すればいい?」
「うん。あ、理事長に手伝うって言えばパフェの食券くれるよ。」
「奈緒!行こ!」
「はいはい。」
「じゃあね。」
「おーう。」
「はーい。」
ここにもいなかった。うーんどこ行ったんだろう。
⏰
校舎内をウロウロして、探してみたけどどこにもいなかった。悩みながら歩いていると、にゃおーんにゃおーんと猫が鳴く声が聞こえた。
「猫だ・・・!」
キョロキョロと探した。こっち・・・!
「どこ・・・!?」
探す、探す、探す。どこにいるの・・・・?
「にゃおーんにゃおーん」
「ごめんねー猫ちゃんこれは売り物だから・・・」
「にゃおーんにゃおーん」
「ごめんね〜」
「あ、いた!」
「え?」
そこは購買部。なんでこんなとこに・・・?
「ハテナ。見つけた。理事長が探してるよ。」
「にゃお?」
「なに見て・・・?」
ハテナの視線の先にあるのは猫缶。なんでこんなのが購買に・・・?ハテナはこれが欲しかったの?
「わかった。私が買ってあげるから。」
「にゃおーん。」
「はいはい。これください。」
「はーい120円です。」
「はいちょうど。」
「まいどー」
買った猫缶を開けてあげる。ハテナはむしゃむしゃと食べ始めた。お腹空いてたのかな。
「にゃおーん。」
「おいしい?」
「にゃおにゃお。」
「にゃーにゃー」
「にゃおーん。」
「ふふっ。」
ハテナはあっという間に猫缶を食べ終えて私の肩に乗ってきた。おっとっと。
「さ、行くよハテナ。」
「にゃお。」
・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「感謝ッ!本当に感謝ッ!」
「いえ。」
「これは報酬だッ!受け取ってくれッ!」
限定パフェの食券。合わせて3枚。スマイルとミツボシと一緒に食べる分は確保出来た。
「ふふ。」
「すまないッ!猫缶まで与えていたとはッ!」
「いえ、これくらいなんとも。」
「再び感謝ッ!」
「じゃあ私行きます。」
「ありがとうッ!」
理事長室を後にする。明日食べよ。猫さがしであった。