シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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頑張ってるねぇ!

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第19話 活力

私は、本格化した体を舐めていた・・・

 

「はぁ!はぁ!ふぅ〜〜〜・・・」

 

「良いぞブルー!よくあたしに着いて来られるな!」

 

「ゴルシ・・・私だってやるんだよ。」

 

本格化した体ってこんなにすごいんだ。一歩踏み込むだけで加速する。二歩踏み込めば追い越して、三歩踏み込めば置き去りに。例えるならそんな感じ。ゴルシが早速と言わんばかりに追い込みのなんたるかを教えると連れ出され、あらゆる技術と根性を染み込まされていた。

 

「つってもすげーなブルー、流石にゴルシ様には敵わないがよ。結構な脚だぜ。」

 

「そうなの?・・・よくわかんないや。」

 

「まぁ最初はそれでいい。追い込みの楽しさがわかれば大噴火するぜ。」

 

「そうなの・・・」

 

まだ楽しさはわからない。併走くらいしかしてないし。もうちょっと人数が多くて追い込みらしい走りが出来れば変わるのかな・・・なんて思いつつ、2週間が過ぎた。

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「フッ・・・!!!」

 

「ほら行くわよブルー!」

 

「ブルーちゃん!タイミングよく見て!!」

 

「ブルーさん!末脚をもっと出してくださいまし!!」

 

「はぁぁぁぁああああ!!!!」

 

私は夏合宿の半分が過ぎて8月になった頃。スピカの面々の猛特訓を受けていた。スポンジが水を吸うかの如くあらゆる技術を物にする私は先輩方から見ても楽しい物らしい。

 

「凛ちゃん。今度は私本気の追い込みするから。着いて来てね。」

 

「はい。早苗さん。」

 

「凛ちゃん。私も本気で行きますので。」

 

「はい。楓さん。」

 

「凛ちゃ〜んハアトも本気出すぞ〜」

 

「大人気ない。」

 

「このやろ⭐︎」

 

「うわああああああ」

 

かなり・・・かなり揉まれている。そりゃそうか・・・

 

「ブルー。」

 

「なにトレーナー。」

 

「ブルーの適正距離を調べた。適正距離は中距離から長距離・・・いや中距離もいけるステイヤーってとこだな。その方向でトレーニングする。」

 

「はい。」

 

「うちには長距離走れるのがマックイーンとゴルシくらいだから・・・たっぷりやられてくれ。」

 

「やられてばかりじゃいられないよ。」

 

「そうか。じゃあヒヤッとさせるくらいは頑張れ。」

 

「うん。」

 

そうしてトレーナーの後ろから現れた、肩を鳴らすマック先輩と、何故かアホ面のゴルシ。ゴルシは大丈夫なの?

 

「ブルーさんの心配はご尤も。ですがゴールドシップさんはこの方が強いんですのよ。」

 

「あへー」

 

「ええ・・・」

 

「それじゃ行くぞ。今日は砂浜4000メートル走だ。」

 

「はいですわ。」

 

「あへー」

 

「はい。」

 

よーいドン!うわ。ゴルシ出遅れた。本当に大丈夫なの?

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

「ふぅ。たっぷり走りましたわ。」

 

「あたしもー」

 

ゴルシは驚異的とも言える脚だった。アホ面の方が実力出すってどうなってるの。

 

「お前らー今日は終わりだー戻れー」

 

「はいですわー!」

 

「おうよー」

 

「はーい。」

 

今日の晩御飯なんだろ。魚食べたいな。

 

「おらブルーいつまでへばってんだ。」

 

「う、うん・・・」

 

「ブルーさんスタミナが課題ですわね。まぁでも本格化してすぐなら及第点ですわ。」

 

「はい。」

 

みんなはもう戻ったらしい。そしてお風呂に入り、ご飯を食べた。ご飯は鯛の活け造りで、お腹いっぱい食べられた。というか食欲が落ち着かない。そうトレーナーに話したら、本格化したらよくある事だから、太るとか気にせず食べるようにと言われた。ほんとに大丈夫・・・?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜。みんなでトランプしてたらシュポ!とLANEが来た。誰からだろう・・・と思ったら学園の連絡アカウント。トレーナーに集まるようにとの事だった。

 

「なんだろう。」

 

「さーな。」

 

「私達が気にする事じゃないわ。」

 

「あ、スペ先輩。それダウト。」

 

「ええ!?」

 

「スペちゃんわかりやすいからなー」

 

「早苗さん。スルメもう一本ください。」

 

「いいわよ。」

 

みな思い思いに過ごしている。のんびりした時間だ。

 

「・・・うっ。」

 

「どうしたのブルー。」

 

「ちょっとトイレ行ってきます。」

 

「はいはい。いってらっしゃい。」

 

部屋を出てトイレへ。済ませて戻ろうとしたら・・・廊下の奥で声が聞こえる。

 

「え・・・」

 

きゃっきゃとはしゃぐような声・・・誰かいるの?

 

「・・・?」

 

「・・・でしてー。」

 

「・・・ですね。」

 

「綺麗です・・・」

 

「・・・・???」

 

何か聞き覚えのある声・・・廊下の奥へ行ってみた。

 

「誰でして。」

 

「え?」

 

「?」

 

「あ。」

 

そこにいた3人は・・・やはり見覚えのある3人だった。

 

「芳乃、肇、智絵里。」

 

「凛殿ー?」

 

「凛ちゃん!」

 

「凛ちゃん・・・」

 

みんなウマ耳。そしてトレセンジャージ。夏合宿に来たみたいだ。

 

「みんな久しぶり。何してたの?」

 

「星を・・・見てたんです。」

 

「ここの窓から綺麗に見えるんですよ。」

 

「星はーいつも私達を導いてくれるのでしてー」

 

「ふーん。」

 

「凛殿はーどうしてここへー?」

 

「いや普通に夏合宿だよ。」

 

「そうでしたかー」

 

「凛ちゃん、チームですか?専属ですか?」

 

「チームだよ。チーム・スピカ。」

 

「そうなん・・・ですか。」

 

「肇達は?同じチームなの?」

 

「でしてー」

 

「そうだよ・・・チーム・アダーラなの・・・」

 

「と言っても。私達3人しかいないんですけどね。」

 

「そうなんだ。ねぇ学年と名前教えてよ。」

 

「依田はー芳乃と申しますー中等部3年でしてー」

 

「違うよ芳乃さん。ウマ娘の名前ですよ。」

 

「そうでしてーソメイヨシノと申しますでしてー」

 

「私はハジメロンドンです。中等部2年です。」

 

「私は・・・クローバーエリンって言います・・・中等部2年・・・です・・・」

 

「ふーん・・・私はナリタブルーライト。1年だよ。」

 

「でしてーとれせんにはー輝きを持つ者がー多くいるのでしてー」

 

「とは芳乃さんは言うんですけど、他の皆さんに会った事なくて・・・ちひろさんには会ったんですけど・・・」

 

「クラスたくさんだもんね・・・」

 

「そっか。中等部2年だと卯月にみく。奈緒とか泰葉とかいるよ。」

 

「やはり皆さん多くいるんですね。」

 

「びっくりです・・・」

 

「でしてー輝きを持つ者はー同じ輝きを持つ者にー引き寄せられるのでしてー」

 

「とは・・・芳乃さんは言うんですけど・・・」

 

「ふーん・・・始まりの輝きを持つ者って・・・」

 

「シンデレラバトン、でしてー」

 

「また出た・・・」

 

「シンデレラバトンはーこの世界にー輝きを持ち込んだ者でしてー」

 

「ふーん・・・」

 

「自らは輝きを持たずともー輝きを齎した事によりー輝きを持つ者が集まり出したのでしてー」

 

「・・・。」

 

「あの・・・よく・・・わかりません・・・」

 

「私も・・・難しくて。」

 

「まぁ・・・特に気にする事じゃないよ。」

 

「凛ちゃんも星を見て行きませんか?」

 

「あ、いや、チームのみんなが待ってるから。」

 

「でしてー」

 

「そうなんだ。引き留めてごめんなさい。」

 

「大丈夫だよ、また学園でね。」

 

「はい・・・」

 

「おやすみなさい。」

 

やはりいるもんだな・・・まぁいいや。戻ろう。

 

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

更に2週間後。

 

「よし!お前ら!今日の分終わりだ!」

 

「はーい。」

 

「結構走りましたね。」

 

「メープル先輩。もうちょっと走りに行きませんか?」

 

「いいですよスズカちゃん。あと遊歩道一周しますか。」

 

「明日は帰る日だからなー片付けしとけよー」

 

もう夏合宿終わりか。たっぷり鍛え上げた。早くデビューしたいな。

 

「ブルー。」

 

「はい。」

 

「ブルーのデビュー時期どうする?」

 

「デビュー・・・」

 

「ブルーは夏合宿でかなり仕上がった。今から10月のデビューにしても良いくらいだ。」

 

「うーん・・・」

 

スマイルとミツボシは来年の6月のデビューだって言ってた。じゃあ私もそれに合わせたい。

 

「来年の6月にしたいかな。」

 

「そうか。わかった。あと1年くらい鍛え上げよう。」

 

「うん。」

 

「ただ・・・懸念点がある。」

 

「なにが?」

 

「俗に言うシンデレラ世代・・・シンデレラバトンから始まった世代が収束点になると言うものだ。」

 

「なにそれ?」

 

「まぁ統計学みたいなものだ。ここで才能を持つ優駿で溢れかえるかもしれないと言うことなんだ。」

 

「ふーん・・・」

 

ライバルが増えるのは良い事だ。そこで勝ってウイニングライブするのが1番気持ちいいだろう。

 

「願ってもないよ。」

 

「そうか。なら来年の6月にしよう。そういうことにする。」

 

「うん。」

 

「じゃあ戻りな。忘れ物しないように片付けるんだぞ。」

 

「はい。」

 

夏合宿終わり!身になるトレーニングだった。それにライバルで溢れかえる。シンデレラバトンから始まった10年続く世代が、ここで境地に至る。ということは。私の同僚が次々と本格化して現れてくると言うことだろう。みんな勝っても負けても文句無しの勝負だよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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