シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜 作:電動ガン
9月のある日。トレーニング中。
「はぁ・・・はぁ・・・ふぅ。」
「良いぞブルー、末脚を鍛え始めたが。徐々に鋭さが増してる。」
「はい。」
「同年代相手ならもう十分勝負になる。ここらで模擬レース組みたいな。」
「ふーん。」
模擬レースか。確かに今の実力を測るのにちょうどいい。やってみたい。
「お、やる気だな。そうだな・・・1週間の間に組むよ。」
「わかった。」
模擬レース。楽しみ。どんな相手が来るんだろう・・・
⏰
そして、その後。学園の部室棟の近くにあるポスターを見て、口をあんぐりと開けていた。
模擬レース開催!!!求む。ジュニア強者!!!来なかったらダートに埋めるぞ。参加希望はチーム・スピカまで!!!
そう書かれて、私の写真がでかでかと掲載されたポスター。トレーナー!!!
「お、ブルー。ポスター見たか?」
「見たよ!!!なにあれ!!!」
「いいだろ?模擬レース開催はトレーナー毎にいろいろやり口が違うんだがウチはあんな感じに人を集めるんだ。」
そしたらコンコンとドアがノックされた。
「すみませーん。」
「はいよー。」
そう言って入ってきたのはまゆと泰葉。え?
「あのぉ模擬レースのポスター見たんですけどぉ。」
「私達参加させて欲しいんです。」
「お!良いぞ!この紙に名前書いてくれ。」
「ありがとうございます。」
「ふふ、凛ちゃん楽しみですね。」
「ええ・・・」
またもやコンコンとドアがノックされた。
「はいよー」
「すみませーん。」
入って来たのは美嘉と奈緒。
「あのー模擬レースするってほんとか?」
「私トレーナーに許可取ってきたから出走させてよ。」
「おう!良いぞ!大歓迎だ!」
「まゆと泰葉もいたのか。」
「へぇーまゆちゃんリベンジするよ。」
「ふふもちろんですよ美嘉ちゃん。」
もう5人。レースする最低人数は揃った。まだ来る・・・?そしたらまたノックされた。どんどん来るな。
「はいよー」
「こんにちは!!!!中等部1年!!!キタサンブラックです!!!」
「同じくサトノダイヤモンドです。」
「模擬レース参加希望か?」
「はい!!!!お願いします!!!!」
「私も。」
「おう!じゃあ今みんなに参加用紙に名前書いてもらってるからそれに名前書いてな。」
「はい!!!!」
「はーい。」
「ええええ・・・」
どんどん来る。まいったな・・・もうデビュー済みのまゆと美嘉も来るし。どうなっちゃうの。
「みんな書いたか?」
「はい!」
「はぁい。」
「はいよ。」
「はいはーい。」
「書きました!」
「私も。」
「うんうんこれで7人、後2人来たら締め切ろう。」
「嘘でしょ・・・」
「あ、初めまして!!!!ナリタブルーライトさん!!!!キタサンブラックです!!!!」
「あ、うん。」
「初めましてナリタブルーライトさん。よろしくお願いしますね。」
「うん・・・サトノダイヤモンドもよろしく。」
「ふふダイヤでいいですよ。」
「私も!!!呼びやすいのでいいですよ!!!!」
「ええ・・・じゃあブラックで。」
「はい!!!!」
声でか。元気だなぁ。するとまたコンコンとドアがノックされた。
「すみません。」
「はいよ・・・ってチーム・アダーラの太田じゃねーかどうした?」
「模擬レース、もう締め切っちゃった?」
「いや後2人ってとこだな。」
「そっか。じゃあウチのチームから2人、出させてくんない?」
「良いぞ!誰が出るんだ?参加用紙に名前書いてくれ。」
「わかった。」
ちら・・・と見ると肇と智絵里の名前。出るのか・・・
「ブルー。」
「はい。」
「ポスターに締め切りのシール貼ってきてくれ。」
「わかった・・・」
私は掲示板に向かって、バシンと締め切りのシールを貼った。あっという間に集まったな・・・まぁ、いいか。
・・・・・・・
・・・・・・
・・・・・
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・・・
・・
・
1週間後。模擬レースの日。第4レース場にみんなが集まっていた。というか観客多いな。
『さぁ始まるぜ!!!チーム・スピカ模擬レース!!!ブルーステークスの始まりだ!!!実況はゴールドシップ様だ!!!ぴすぴーす!!!』
ゴルシが実況すんのか・・・
『ゲートも借りて雰囲気ばっちり!!!距離は2000メートルだ!!!それじゃあ出走者を紹介するぞ!!!1枠1番!ニッポーママユ!!!』
わーーーっと歓声に包まれて体操服姿のまゆが現れる。既にデビュー済みとなっているので人気がある。
『続いて2枠2番!ハジメロンドン!!!チーム・アダーラの超新星だ!!次!!3枠3番!!クローバーエリン!!同じくチーム・アダーラだ!!!わくわくすんなぁ!!!』
肇と智絵里が控えめにゲートに入る。実力は未知数だ。
『次!!4枠4番サトイモことサトノダイヤモンド!!!トレーナーはついてない!!!同じく5枠5番!!!キタサンブラック!!!』
ダイヤとキタちゃんが入ってくる。実はあの後ブラックじゃなくてキタちゃんって呼んでください!!!って言われた。
『5枠6番!!!カリスマギャル!!!キャッスルミカだああああ!!!こいつもデビュー済みだぞ!!!そして6枠7番!!!セカンドサイド!!!巷ではカミヤンって呼ばれてるらしいぞ!!なんでだろな?』
美嘉と奈緒はキョロキョロしながらゲートいり。あんまり緊張はしてないっぽい。
『そして!!!6枠8番!!!オカザキナンバー!!!チーム・アルデバランからの刺客だあああああ!!!!』
泰葉は紹介されてはにかみながらゲートイン。泰葉も緊張してない・・・まぁ前世でも緊張には強かったしね・・・
『そして最後!!!大外出走は大丈夫か!?余裕の現れか!?チーム・スピカのニュースター!!!7枠9番ナリタブルーライトォォォォ!!!』
最後に私が紹介されて、というかもう実況がプロレスのそれ、大丈夫かゴルシ。
『以上、全員がゲートイン・・・スタート!!!!』
ガシャン!っとゲートが開いて私達は駆け出した。
『さぁ最初だ!!!ハナを切るのはクローバーエリン!!!内にキタサンブラック!!!2人は逃げみたいだな!!!その後ろにニッポーママユ、キャッスルミカ!!!2馬身離れてサトノダイヤモンド!!!さらに離れてセカンドサイドその隣にオカザキナンバー!!!最後尾の外にハジメロンドンと内にナリタブルーライト!!!縦長だ!!!迫真のレースになりそうだぞぉ!!!』
肇も私と同じ追い込みなのか・・・同じ位置に着いた。みんなの脚質がわからなかったけどどうにかなる。最後に全員ぶち抜けば良い。
『400を通過ァ!!!順位は変わらず!!!ポジション争いは行われてないぞぉ!!!おおっとキャッスルミカ、ニッポーママユの前に出た!!!サトノダイヤモンド前に詰めてきた!!!オカザキナンバー前に行きたそうにしている掛かっているのか!?セカンドサイド慎重だ!!!最後尾の2人は虎視眈々と狙っているぞ!!!』
すごい・・・肇はなんか。私の前を走っている。これはスリップストリームというのを使うチャンスかもしれない。ピッタリ後ろに着こう。
『800を通過!!!まだまだみんな慎重だ!!!未デビューが多いなか掛かったりもしてないぞ!!!恐ろしいレースだ!!!おっとクローバーエリン僅かに失速!!脚を溜めているのか!?』
まだだ・・・まだまだ。末脚を出すのは最終コーナーを過ぎてからで良い。残り1200だ。多分。脚を溜めろ。
『1200を通過!!!おおっとキャッスルミカ動いた!!!まだ早すぎるんじゃないか!?クローバーエリンを捉えに行くぅ!!!』
もう少し・・・もう少し・・・私のスパートは200メートルを過ぎたらだ。焦るな・・・ッ!?肇が私を見てる!?なんで!?
『1600を通過だぁぁぁ!!!そろそろスパートだぞ!!!並ぶクローバーエリンとキャッスルミカ!!!キタサンブラック失速!!!もう苦しいか!!!ニッポーママユも上がってきた!!!セカンドサイドとオカザキナンバーも突っ込んでくる!!!!ハジメロンドン猛追ィィィ!!!』
まだ・・・後少し・・・後少し・・・ここだ!!!!
『残り200・・・!?ナリタブルーライト!!!大外を回って捲ってくる!!!速い速い!!もうニッポーママユとキタサンブラックを抜かしてもう3番手!!!』
はぁぁぁあああああ!!!!本格化してからの初めてのレース!!!勝ちたい・・・勝ちたい!!!!
『ナリタブルーライト!!!キャッスルミカを抜かしてハナに・・・!!!!いや!!!いやいやいや!!!来たぞ来たぞニッポーママユ!!!そうはさせんと上がってくる!!!ナリタブルーライトに迫るーーーー!!!!』
!?まゆ!?すごい・・・これがデビュー済みの実力・・・!!でも・・・負けたくない!!!
『残り100!!!!ナリタブルーライトとニッポーママユの一騎打ちだ!!!どっちだ!!!どっちが勝つんだ!?ナリタブルーライト!!!ニッポーママユ!!!ナリタブルーライト!!!!ニッポーママユ!!!!』
・・・くっ!!!スタミナが・・・!!!でも後は根性・・・!!!
「ふふ・・・凛ちゃん。もうダメっぽいですねぇ。」
「!?」
「まゆはまだ行けますよぉ。」
『おーっと残り50でニッポーママユ抜け出した!!!そのままゴール板に突っ込んでいく!!!ゴーーーーーーールイン!!!!1着はニッポーママユ!!!2着は1バ身でナリタブルーライト!!!3着は1と1/2バ身差でキャッスルミカ!!!!すごいレースだった!!!本当にジュニアか!?!?』
私はゆっくりと脚を止め、息を整える。・・・負けちゃった。
「ブルー、おかえり。」
「トレーナー・・・」
「どうだった。レースは。体に異常は無いか?」
トレーナーは私の頭にタオルをかけると頭を撫でてきた。
「とれーなー・・・ごめ・・・私、負けちゃったぁ・・・!」
「そうだな。」
「ぐす・・・ごめ・・・ごめんとれーなー・・・!!!ぐす・・・」
「大丈夫だ。公式レースじゃないし、記録にも残らない模擬レースだ。大丈夫。」
「ぐす・・・ぐす・・・」
「ブルー・・・」
「なに・・・?」
「楽しかったか?」
楽しかった・・・?負けちゃったけど・・・楽しかった・・・楽しかったかも・・・
「うん・・・楽しかった!ぐす。」
「そうか。そうか。じゃあ次も走れる。次は負けない様に頑張ろうな。」
「うん・・・うん・・・!」
こうして私の模擬レースは幕を閉じた。初めての本気レース。負けちゃったけど・・・本当に楽しかった。