シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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第22話 ぼんやり

模擬レースから1週間過ぎた。本気を出したせいで軽い休養メニューを熟しながら過ごした。そして今日は完全休養の日。やる事ない。

 

「どうしよ・・・」

 

カフェさんとこ行ってコーヒー飲んでもいいし・・・でもレイジー・レイジーがいるんだよなぁ。絶対落ち着いて飲めなさそう。うーん。

 

「そうだ・・・トレセンの中、もっと見て回ろう。」

 

トレセンに来て半年だけど行ってないとことかまだある。散策するのにちょうど良い。行ってみよ。

 

「どこいこっかな・・・」

 

ずーっとスカートのポッケに入れっぱなしのパンフレットを久しぶりに引っ張り出す。ふんふん武道場とか茶室、弓道場までももあるのか。私は特に武道はしないけど見に行ってみるのも楽しそうだ。

 

「武道場行ってみよう。」

 

多分、同僚の誰かがいる様な気がする。

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

武道場。結構広い。中からは掛け声やドスン!という音が聞こえる。

 

「どれ・・・お邪魔しまーす。」

 

中に入ると・・・予想とは違った。全面畳張りのを予想してたんだけど、畳張りは一部だけ。ジムみたいになってて鎖で吊り下げられたでっかいサンドバッグやリング等がある。

 

「ふーん・・・」

 

「せいやああああああああ!!!!!」

 

「うお、なんだろ。」

 

掛け声は武道場の奥から聞こえた。そこは剣道をしているようだった。

 

「おお・・・」

 

ウマ娘のパワーでやる剣道は迫力がある。竹刀が当たる音が尋常じゃなく大きい。防具無しだったら粉砕骨折するんじゃない?

 

「む・・・」

 

「?」

 

「凛殿!」

 

「???」

 

防具をした子が私に声をかけてきた。誰だろうちっちゃい。もしかして。

 

「珠美・・・?」

 

「そうです!防具してるのによくわかりましたな!」

 

そう言って防具を外して挨拶してきたのは珠美。なるほど。

 

「久しぶり、こっちでも剣道してたんだ。」

 

「そうです!自己鍛錬には1番ですぞ!」

 

「なるほど。」

 

「凛殿はどうしてここへ?何かご用ですか?」

 

「ああ、いや、トレセンで見て回ってない施設だから見に来ただけ。」

 

「そうでしたか!トレセンは流石の規模です!武道場も広くて素晴らしい!」

 

「そっか。」

 

「向こうでは有香殿がいますぞ!弓道場には翠殿も!」

 

「へーそうなんだ。」

 

そうして畳張りになってるところを見ると、確かに有香がいる。試合中みたいで、ちょっと独特な構えのウマ娘と相対している。

 

「有香殿はすごいですぞーあちらのヤエノムテキ先輩とがっつり組手をしてます。」

 

「そうなんだ。」

 

「ヤァっ!!!」

 

「ハッ!!!」

 

バシン!ドシン!とちょっと肉体がぶつかった音じゃない気がするけど。大丈夫なのか。

 

「すごい・・・」

 

「でしょ?」

 

「そうだ。珠美は名前なんて言うの?」

 

「私ですか?デンコウタマミです。中等部1年ですぞ。」

 

「そっか。私はナリタブルーライトだよ。同級生なんだ。」

 

「ぐぬ・・・凛殿は流石かっこいい名前ですな・・・」

 

「あはは・・・」

 

「ハァーーーーーッッッ!!!!」

 

見ると有香がズドン!!!!と体勢を崩されて拳を顔に突きつけられていた。すごい一瞬でわからなかった。

 

「お疲れ様です有香殿。」

 

「押忍!ありがとう珠美ちゃ・・・凛ちゃん?」

 

「や、有香、久しぶり。」

 

「お久しぶりです!凛ちゃんもいるとは思いませんでした!」

 

「そう?同僚、いっぱいいるよ。」

 

「そうなんだ。探してみようかな?」

 

「有香は誰に会った事ある?」

 

「翠ちゃんに珠美ちゃん・・・ゆかりちゃんに加奈ちゃん、あと紗枝ちゃん渚ちゃんに会った事がありますよ。」

 

「そっかまだ会ったこと無いな・・・」

 

「すぐに会えますよ。それにしても346プロのみんながそんなにいるのかぁ・・・凛ちゃんは誰に会った事ありますか?」

 

「卯月に未央・・・まゆに泰葉、加蓮と奈緒。肇に芳乃に智絵里、李衣菜でしょ?あと・・・早苗さんに楓さんにシュガーハートさんに・・・」

 

「い、いっぱいいますね。」

 

「うんほんと。トレセンっていうか完全に346プロ。」

 

「あはは・・・」

 

「珠美も探してみようと思いますぞ!」

 

「そうだね。またみんなで集まってライブとかやりたいね。」

 

「いいですね!まだ踊れますよ!」

 

「珠美も!」

 

「ちひろさんに頼めばやってくれそうなんだけど・・・実績作れって言われちゃってさ。」

 

「あー確かに。」

 

「必要ですな・・・」

 

「うん。」

 

やはりここにも同僚いた。トレセンの至る所にいるな。もっと探してみよう。

 

「そういえば有香は名前なんて言うの?」

 

「私はカラテナカノって言います!中等部3年です!」

 

「そっか。私はナリタブルーライト、1年だよ。」

 

「めちゃくちゃかっこいい名前じゃないですか。良いなぁ。」

 

「それ珠美にも言われた。」

 

3人で笑い合う。それともう邪魔してもあれだからそろそろ行こう。

 

「じゃ、私行くね。邪魔してごめん。」

 

「いえいえ!また見にきてください!」

 

「やっぱり見てくれる人がいると違いますので!」

 

「そう。じゃあまた見にくるね。」

 

じゃーねーと武道場を去る。次はどこ行こう。

 

「茶室もあるんだっけ・・・誰かいたらお菓子もらえないかな。」

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

茶室着いた。中を覗いてみたら・・・誰かいるようだけどわからない。ウロウロしてても仕方ないけどなかなか中に入りづらい。

 

「開いてますえ。どうか中にお入りなさい。」

 

「うお。」

 

つい中から声をかけられてしまった。中にはいると・・・

 

「うお・・・」

 

同僚、同僚、同僚、同僚・・・ここだけ346プロ濃度高いな。

 

「みんなもいたんだ・・・」

 

「ふふ。お久しぶりやなぁ凛ちゃん。」

 

「久しぶりでい!」

 

「お久しぶりです〜」

 

「お久しぶりデス!」

 

中にいたのは紗枝、イヴ、キャシー、ケイトの4人。すごい濃い面子。

 

「今お茶を用意しますさかい、少々お待ちしてな。」

 

「い、いや、でも私作法とかわからないし・・・」

 

「ふふ大丈夫どすえ。茶室に集まっとるけどただのおしゃべりサークルよ?」

 

「そうなんだ。」

 

「そうだよ。はい凛。どらやき。」

 

「ありがとキャシー。」

 

「ふわぁ〜羊羹食べますかぁ?」

 

「あ、ありがとイヴ。」

 

「ハイ!凛!カステラもドウゾ!」

 

「あ、ありが・・・」

 

あっという間にお菓子に囲まれてしまった。そうしてる内に紗枝がお茶を急須で入れている。茶道は本当に関係無いらしい。

 

「お茶うま・・・」

 

「それは良かったわぁ。」

 

どら焼きをパクリ。これも美味い。よくわかんないけど良いとこのどら焼きだ。

 

「もぐもぐ・・・みんなは他の同僚に会った事ある?」

 

「うちはしゅーこはんと時子はん。奏はんに有香はんに会ったことあるわぁ。」

 

「私は菜々と真奈美!それと楓!あとゆかりに会ったことあるよ!」

 

「えぇ〜っとぉ・・・私は礼子さんに礼さん、志乃さんに留美さんに会った事ありますぅ〜」

 

「私ハ、美城専務に会った事アリマス。」

 

「専務!?」

 

専務いるの!?!?まじ!?!?!た、確かに同僚というか上司・・・雲の上の上司だけど・・・なんで!??!

 

「専務トレーナーデシタ。」

 

「ええ・・・!?!?」

 

「まぁ・・・」

 

「まじかい?」

 

「ええ〜〜〜?』

 

まじかよ・・・専務トレーナーなの・・・?こわい・・・

 

「ふふ・・・大丈夫デスヨ!優しいトレーナーだって担当の子が言ってマシタ!」

 

「いや・・・それは・・・ええ・・・?」

 

お茶飲んで小休止。大分驚いたな・・・

 

「そういえばみんなは名前なんていうの?」

 

「名前どすか?うちはヒシコバヤカワどす。中等部1年。」

 

「私はグラハムキャシー!ひっくり返っちゃった!中等部3年!」

 

「私はそのままイヴサンタクロースです〜高等部1年です〜」

 

「私はケイトバッテンデス!高等部1年デス!」

 

「みんなかっこいい名前だ。私はナリタブルーライト。中等部1年。」

 

「よろしおす〜」

 

「よろしく!」

 

「よろしくお願いします〜」

 

「よろしくデス!」

 

そうしてたら茶室のドアがノックされた。

 

「美城だ。」

 

「え?!」

 

「ふわ。」

 

「ええ!?」

 

「?」

 

「ここにケイトがいると聞いたんだが・・・って。君たちは。」

 

「ひ、久しぶりです。」

 

「久しぶりです〜」

 

「お久専務!」

 

「お久しぶりです〜」

 

「美城専務ドウシマシタカ?」

 

「いや、併走トレーニングを頼もうと思ってな。しかし・・・ここまでプロダクションの子達がいるとは・・・」

 

「あはは・・・」

 

「渋谷。」

 

「え、はい。」

 

「渋谷はもうトレーナーが付いているか?」

 

「あ、はい。チーム・スピカです。」

 

「沖野君の所か・・・出遅れたな。」

 

「はぁ・・・?」

 

「いや何、気心知れたプロジェクトクローネでチームを作ろうと思ってたんだ。」

 

「ええ・・・」

 

「それに。」

 

「え?」

 

「私はもう専務ではない。ただの人間で、家も普通の家の、トレーナーだ。」

 

「はい。」

 

「渋谷を取られたのは痛かった・・・ではケイト、これは併走トレーニングの詳細だ。受けてくれるか?」

 

「もちろんデス!」

 

「じゃあ私は行く。邪魔をしたな。」

 

「ハーイ!」

 

美城専務・・・いや美城トレーナーは戻っていった。びっっっっっっっくりした。

 

「ネ?専務いたデショ?」

 

「驚いたわぁ・・・」

 

「ほんまかい・・・」

 

「ふえぇ〜」

 

「びっくりした・・・」

 

美城せn・・・トレーナーがいるならもうトレセンは346プロなのでは?私は訝しんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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