シンデレラダービー 〜にゅーじぇねれーしょん〜   作:電動ガン

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観察って?ああ!

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第23話 観察

10月が目前のある日、今日はかしこさトレーニングをすると言うことで部室のテレビでレースの映像を見る事になった。

 

「いいかブルー、この子は先行、この子も先行、逃げ、差し、差し、追い込み、逃げ・・・パドックで大凡の作戦がわかるようになるまで出来れば万々歳だ。」

 

「ええ・・・どこを見てるの?」

 

「トモと上半身の筋肉・・・この映像はジュニアの子達だが。よく見てろよ。ほら、この子は上半身の鍛え方があまい。トモは張りがあり、薄っすらと筋肉が見えるほど・・・だからあまりパワーを必要としない逃げ、と言うことになるんだ。」

 

「・・・。」

 

「次の子は全体的にバランスよく鍛えている。パワー、スタミナ、スピードが要求される中距離のレースでここまで鍛えておけばわかりやすい・・・」

 

「・・・。」

 

「次の子は筋肉が全体的に乏しい。顔を見ろ。調子作りも失敗したようだ・・・だがトモを見ると太めだろ?エネルギーを蓄えた差し型だとわかる。」

 

「・・・ええ・・・」

 

「ブルー?」

 

「わかんないよ・・・」

 

「まぁトレーナーの目線の方が近いかもな。だからある程度で良い。誰を警戒するかはトレーナーの指示が重要になるからな。」

 

「うん。」

 

「あとは慣れだ。慣れ。よーくウマ娘を見ておくんだ。日頃からな。」

 

「わかった。」

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

 

そんな話をしたのが数日前。そして実践訓練だ!と観察に繰り出す事になった。

 

「・・・。」

 

よくわかんないな・・・トモを眺めてもあの子はしっかりしてる。あの子は細めとかくらいしかわからない。

 

「うーん。」

 

「ふひ・・・ふひひっひ・・・」

 

「・・・?」

 

ベンチの横の茂みから声が聞こえた・・・気がする。なんだろう。

 

「ふひひひっ・・・じゅるりら・・・」

 

「?」

 

ガサっと茂みを掻き分けた。

 

「・・・。」

 

「ふひ?」

 

そこには頭にデッカいリボンを付けたピンク髪のウマ娘が隠れていた。

 

「・・・。」

 

「・・・。」

 

「・・・あの。」

 

「ひょ。」

 

「ひょ?」

 

「ひょわあああああああああああああああ!!!!!」

 

うるさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

私とでっかいリボンのウマ娘はベンチに座って沈黙に包まれていた。デッカいリボンのウマ娘は滝の様に汗をかいている。汗っかきなのかな。

 

「あにょ・・・」

 

「なに?」

 

「ど、どうしてデジたんがあそこにいるのわかったんでしゅか・・・?」

 

「いや、普通に声聞こえたし・・・」

 

「ふぐぅ・・・」

 

デッカいリボンのウマ娘は顔を覆っている。

 

「で、あんた誰。」

 

「アグネスデジタル・・・中等部2年でしゅ・・・」

 

「ふーん・・・?」

 

「ひぃ・・・な、ナリタブルーライトしゃん・・・」

 

「私の事知ってるんだ。」

 

「はい!それはもう!こないだの模擬レースも観戦に行きました!最後尾から飛んでくる追い込み戦法・・・そして前に詰める末脚・・・トモや上半身の筋肉を見ても相当なモノ!本格化前と比べて筋肉量が段違いな事から早熟なタイプだと判断しました!それからそれから・・・」

 

「ふーん・・・」

 

「ひぇ・・・しゅみましぇん・・・」

 

デジタル・・・アグネスデジタルか・・・今の話聞く感じ。この子はウマ娘を見る目が備わっていると感じた。それなら・・・

 

「ねぇ、デジタル先輩。」

 

「な、なんでしょ・・・」

 

「そのウマ娘を見る目、私にも教えてよ。」

 

「ええええ!?!?」

 

「私には必要なの。お願い。」

 

「で、でもデジたんの目はオタクの目というか・・・不審者の目というか・・・ナリタブルーライトしゃんに教えるのはちょっと憚られるというか・・・」

 

「良いから。教えて。」

 

「ひぅ・・・押しが強いぃ・・・」

 

「早く。」

 

「うひぃ・・・わかりましゅた・・・」

 

こうしてデジタルと観察が始まった。ふーん。

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「見てください。あの子はトモは少し細いですが上半身の鍛えるのに集中したんだと思えます。なので先行型です。」

 

「ふむふむ。」

 

「そしてあの子。素晴らしいトモをしてますが歩く時軸がぶれています。スピードトレーニングに集中し過ぎた結果だと思います。なので多分逃げ型です。」

 

「ふむふむふむ。」

 

「次にあの子。あの子は全体的にすごくバランスが良いです。トモも十分鍛えられていて歩く時にブレがない。トレーニングが上手くいったんだと思います。差し型ですね。」

 

「ふむふむふむふむ。」

 

アグネスデジタルを侮っていた。中等部2年なのにまるでベテラントレーナーの様な観察眼。すごい。

 

「うひょおおおおお!!!!落とし物を拾う時にうっかりスカートを抑えるのを忘れてしまって辺りを気にしてしまう姿!萌えでしゅ!!!」

 

「ひょええええええ!!!!尻尾ハグしながら歩いてます!!!無意識なのかどうなのかで変わりますが無意識だとポイント加点!!!最高・・・」

 

「むひょほほほほほ!!!!ベンチで語らう姿・・・最of the高・・・えっ、えっえっ。今おでこコツンってしました!おでこコツンってしましたよ!!?!?」

 

これが無ければ・・・デジタル先輩はなんというか・・・いやどう考えても不審者・・・天はニ物を与えずということか・・・

 

「ふひ・・・ふひひひ・・・観察は楽しいでしゅねぇ〜」

 

「・・・そうだね。」

 

まぁ学ぶ物があったと・・・割り切ろう。

 

「あらぁ。凛ちゃん。」

 

「まゆ。」

 

「え!!?!?!?!?!?」

 

「デジタルさんと何してたんですかぁ?」

 

「ちょっと・・・トレーナーからの指示でウマ娘観察。」

 

「そうなんですかぁ。」

 

「幼名で呼び合ってる!?!?!?!」

 

「デジタル先輩うるさ。」

 

「デジタルさん教室では静かなのに元気ですねぇ。」

 

まゆはふんわり微笑んでデジタル先輩を挟むようにベンチに座った。デジタル先輩は白目剥いてる。

 

「凛ちゃんは模擬レースの後からどうですかぁ?」

 

「うーん。スタミナトレーニングとかしこさトレーニングに重点を置いてるかな。」

 

「そうなんですかぁ。まゆはスピードトレーニングを多めにするようにしましたよぉ。」

 

「おひょ・・・おふ・・・!!!」

 

「デジタル先輩?」

 

「デジタルさん?」

 

「うひ・・・!挟まれてるゥ!!!デジたん・・・百合に挟まれてるゥ・・・!!!」

 

「デジタル先輩???」

 

「デジタルさぁん。どうしたんですかぁ?」

 

「ヒィ・・・紅蒼のASMRはご褒美・・・!!!でも百合の間に挟まるのは・・・!!!」

 

デジタル先輩はシュバっと立ち上がりグルンとこちらに向き直った。こわ。

 

「申し訳ありません!!!!!デジたん挟むのは慣れてますが!!!!挟まれるのは想定外で!!!!気絶します!!!!!すみませゲボハァ!!!!」

 

そう言ってデジタル先輩は大量の鼻血を吹き出し、気絶した。なんだったんだ・・・

 

「あらあら・・・凛ちゃん保健室に運ぶの手伝ってくれませんかぁ?」

 

「うん・・・」

 

「デジタルさんの気絶するとこ初めてみましたぁ。」

 

「有名なの?」

 

「この前卯月ちゃんにスマイル向けられて気絶したって噂が・・・」

 

「変な先輩だ・・・」

 

変な先輩だ!!!!トレセンには346プロじゃなくても濃いウマ娘がいるんだなぁ・・・

 

「よっこいしょ。行きますよ凛ちゃん。足持ってください。」

 

「わかった。」

 

こうしてデジタル先輩を運んで保健室に投げ込んだ。少し勉強になった。

 

・・・・・・・・

 

・・・・・・・

 

・・・・・・

 

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

 

「トレーナー。」

 

「お、ブルー。今日はどうだった?成果は?」

 

「推しに対する観察眼を身につけられたかな。」

 

「は?」

 

 

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